<天と大地に感謝する旅 屋久島 報告>
 PAGE||3|PHOTO
 
<佐藤佳奈美さん>
屋久島ツアーでは、お世話になりました。
羽田空港で最後にご挨拶できなくて残念でしたが、
荷物の受取りを待たずに帰らせていただいたお陰で、
町田行き 22:30 の最終バスに間に合い、楽に帰る事ができました。
今朝も、旅行の翌日とは思えない程、すっきりと目覚めて、元気に
出社しています。体力のない私にはめずらしい事です。
今回の旅行で、元気をもらったみたいです。
旅行の感想は、まだ言葉にしてまとめる事ができないのですが、
とりあえすお礼までと思ってメールしました。
思い切って参加してみて良かったです。ありがとうございました。

緑さんや、お会いできなかったけれどお世話になっているだろう
他のスタッフの方にも、よろしくお伝えください。

佐藤佳奈美


 
<万波涼子さん>
* a discription of my impressions * 魂の旅〜屋久島〜

27/09/2001

いつからだったんだろう、屋久島に行きたいと思い始めたのは。
憧れとなつかしさ。そんなものを感じていたのは、きっとこの島を知ってからずっとかもしれない。
でも、自分がそこに本当に行くことができるとは、正直言って思ってなかった。

ものごころついたころから、ずっと、神さまの存在を感じていた。
空気や木々や森や海、大地や草花の一本一本に、太陽や月やすべてのものに 神さまが存在しているのだという強い思いがあった。そして、屋久島は神さまの存在に包まれて いる島。
いろんな出会いや出来事に導かれて、ここまで来ることができた。
「天河」であやさんに出会えたのも、すべて一つの道につながっていたのだと思える。
屋久島ツアーのことを聞いて、本当に心から「行かなくては」と思った。

屋久島に向かう直前に、世界は衝撃と悲しみに包まれた。
アメリカでのテロ事件・・・。たくさんの人々の命が奪われ、たくさんの怒りと悲しみを 生み出した。
・・・『どうして、こんなことが起こったんだろう?』多くのひとたちがそう 思ったに違いない。
かの国は、怒りと衝撃で我を失っている。
何故・・・?そんな疑問を抱えたまま、屋久島へと向かった。

出発の前日、自分のミスで行けなくなるかもしれないということが起こった。
それまでの数週間ずっと感情が安定せず、このままでは行けないと思っていただけに、 「ああ、私はまだ行ってはいけないのかもしれない」と思ったりもした。
でも、結局行ける事になって本当に感謝の気持ちでいっぱいになった。

鹿児島で東京・大阪からの参加者の方々と合流し、船で屋久島へと向かった。
宮之浦港に着いてすぐ、屋久島環境文化村センターで屋久島のVTRをみる。
屋久島そのものがとても素晴らしく写し取られていて、とても感動した。 毎回この映像からツアーを始めるとおっしゃっていたのがとてもよく分かった。
翌日、大川の滝、千尋の滝と「もののけ姫」の舞台ともなった白谷雲水峡へと向かった。
屋久島に来る直前まで感情的にも精神的にも安定していなかったこともあり、 滝のあたりで気分が悪くなってしまった。おそらく強烈なエネルギーを受けて、体が反応 してしまったのだと思う。なにしろ島自体がとても強い神聖なエネルギーに満ちている のだから、当然だったのだろう。
白谷雲水峡では、あいにくの天候で増水し、目的地まで到達できないだろうということが 明らかになった。それでも行ける所までは・・・ということでとにかく出発した。
そこは本当に素晴らしいところだった。
三本足杉まで来た所で、「ああ、今回はここまで来るということだったんだな」と思った。
とても神聖で美しい場所。とても愛に満ち溢れていた。
私は今回カメラを持ってきていたにもかかわらず、この木の前ではなぜか写真をとるということ を失念した。『とにかくおいで。』と言われたような気がして、彼の許に歩み寄り、 苔が生している根元に挨拶をする。とても気持ちがいい。
『大丈夫だよ』と言われたような気がした。

------
三日目、今回の一番の目的、縄文杉に会うために早朝4:30に出発する。
前日の夜、とてもすごい雨音がしていたけれど、不思議なことにこの日は 一回も雨に降られることはなかった。(考えようによっては島に歓迎されてないのかなぁ、 とも思ったりしたけれど。)
片道5時間の道のり。長い道のりの中で、私は自分自身と向き合うことになった。
自分の中にあるありとあらゆる感情、ネガティブなものの全てが心に浮かんでは消えて いく。
この際、振り払うのはやめにして、とことん向き合ってみようと決意した。
ああ、自分のなかにこんなにも否定的な感情があったのだなぁ、と妙に感心してしまった。
ウイルソン株の辺りに来たころ、私の中のマイナスの感情も収束に向かっていた。
その姿は、『やあ、よくきたね』と言ってくれていたような気がする。
とうとう、縄文杉と対面することができた。
始めて会う縄文杉は、とても存在感と愛に満ちていたけれど、なぜかとても疲れている ように見えた。・・・そして、かの木の周りは人であふれ返っていた。ほとんどの観光客 (自分自身もその中の一人に違いないけれど)は、彼の木に会うことを目的として やってくる。そんな強い思いがとても負担になっているのではないかと思った。

休憩の時、すこし離れて笛を吹くことにした。本当はとても失礼なことかもしれない と思いつつ、でも、どうしてもそうせずにはいられなかったのだ。
結局何も答えてはもらえなかったけれど、今回会えたのはとても良かったと思う。

宿に戻ってゆっくり湯船につかり、疲れた足を引きずりながら食事に向かった。
そして、その日は参加者のご夫婦の記念日に立ち会うことができた。
おふたりの周りはほんとうに優しい空気に包まれていて、とても素晴らしいと思った。
人と人との関係の中で、そんな優しい素敵なものに触れるととても幸せな気持ちになる。
自分自身は今までずっと『人とのかかわり』を避けてきていた。
この数年、とくにここ数ヶ月で自分の中でのそうした『こだわり』が急激に溶け始めてきて いる。
そんなときにここで、こうしてそうした方々にお会いできたのは本当に意味がある ことだと思えた。

最終日。紀元杉に会いに行くグループと、世界遺産センターで過ごすグループに分かれる。
屋久杉自然館では、思いがけず説明をしていただけることになり、幸運だった。
きっと普通に展示を見ただけでは見逃してしまいそうなことを教えていただいて、とても 良かったと思う。
そこで、ウイルソン株の再現CGを見ることができた。
『あまりに美しく立派であったため』に切り倒されることになってしまった、その木の 在りし日の姿が偲ばれて、思わず涙がでてきた。
『神が宿る木』。その木を切らなければならなかった島民のひとたちの気持ちはいかばかり だったのだろう・・・。

その後、縄文杉のガイドをしてくださった藤村さんと一緒に「益救神社」へと向かった。
そこで正式参拝と、宮司さんのお話を聞くことができた。
藤村さんも、宮司さんも、本当に素晴らしい方だと思う。

今回、こうした方々との出会い、参加者の皆方々との出会い、そのすべてが 本当にかけがえのないものだったと思う。

そして、帰りに一人だけ種子島から鹿児島へ向かったとき、港から種子島空港まで乗せて くださったタクシーの運転手さんとの会話も、本当に意味深いものだったと思う。

最後に、今私たちの世界が直面している大きな問題について。
明確な答えは出ないけれど、きっとこれは私たち一人一人が自分自身の心の闇と向き合い、 見つめなおさなければならないということではないか、ということをこの旅の最後に感じた。
誰だって、悲しみや憎しみや怒りで目の前が見えなくなってしまう、道を見失ってしまう という危険を抱いている。だけど、多くのひとびとは、「憎しみ」にたいして「憎みかえす」 ということの不毛さに気づいているはずだ。「怒り」に対して「怒り」ではなく、 「憎しみ」にたいして「憎しみ」ではなく、「許し」と「愛」をもって立ち向かうこと。 その勇気が求められているのではないだろうか。そう思えた。

-----------------------------------------------
今回のこの旅は、本当にすばらしいものでした。
この旅をコーディネートしてくださった天川あやさん、オフィスTENのスタッフの皆様、 いろいろ手配してくださったワールドエクスプレスの久保山さん、 そして参加者のみなさまに心から感謝します。
ほんとうにありがとうございました。
*万波 涼子*
 
PAGE||3|PHOTO
NEXT