午前9時30分　JR名古屋駅集合。
貸し切りバスに乗り、一路熊野に向かいます。途中、熊野の海の幸が楽しめるランチタイムを過ごした後は、最初の目的地、熊野速玉大社がある新宮市へ。日本書紀にも天磐盾（あめのいわたて）として登場する御神体・巨石ゴトビキ岩に建つ神倉神社は、速玉大社の元宮。今回は、麓の鳥居前にて最初の謡曲奉納が行われます。その後、熊野速玉大社へ移動し、正式参拝にご参列いただきます。

そして、いよいよ初日のお楽しみ、熊野速玉大社の斎庭での御奉納を特別席にて観賞していただきます。徐福伝説の残る新宮では、蓬萊宮で玄宗皇帝との昔を懐古する『楊貴妃』の物語を。夕刻、薪能形式の篝火の中での幻想的な舞台をぜひご堪能ください。この日の宿は、那智勝浦の高台に建つ温泉宿のホテルです。どうぞ美味しいお料理と温泉で旅の疲れを癒してください。　　

朝食後、那智山駐車場までバスで移動し、その後は那智山青岸渡寺までゆっくり徒歩で。青岸渡寺は古墳時代、インドから熊野に漂着した裸形上人によって如意輪観音像を祀ったことに始まる古刹で、西国三十三所霊場の一番札所としても知られています。

青岸渡寺でのご祈祷と謡曲奉納、熊野那智大社での正式参拝と謡曲奉納へご参列いただき、その後、昼食となります。昼食を終えてから集合の時間まではフリータイム。思い思いの那智タイムをお楽しみください。

そして、いよいよ那智の御滝前での御奉納。漁師【白龍】が拾った天の羽衣。その羽衣を返してもらうことを約束に天上界の舞を披露した天女は、再び月の世界へと帰ってゆく。天上界の舞に導かれ、美しく気高い、清浄無垢な心を得た姿を【白龍】の名に託した能の名作『羽衣』を、御神体の御瀧を【白い龍】になぞらえての御奉納です。落差日本一の大滝。その優美たる滝が流れる様は、まるでたなびく天女の羽衣のようにも見えることでしょう。那智の御滝前でも、夕刻、薪能形式の篝火の中での開催となります。那智での天女の舞をご堪能いただいた後は、お宿に戻り、お食事と温泉をお楽しみください。

朝食後、熊野の歴史の一つ、補陀落渡海の舞台である補陀洛山寺と日本書紀にも登場する先住の民の女首・ニシキトベも祀られている熊野三所大神社へ立ち寄ります。その後、熊野灘を見ながら日本最南端の串本の熊野の「橋杭岩」へとご案内いたします。熊野の大自然が織りなすダイナミックで雄大な風景の中で、思い切り深呼吸をしてリフレッシュしてください。

この日向かうのは、熊野本宮大社。旧社地、大斎原（おおゆのはら）は、古来より人々が目指した熊野の聖地中の聖地です。熊野本宮大社の拝殿での正式参拝と『神歌』奉納に参列し、夕刻前に大斎原へ移動。いよいよ特別席にて、薪能形式による篝火の中での観賞です。演目は、和歌の徳と熊野の神徳を讃える、熊野本宮大社を舞台とした『巻絹』です。まるで中世絵巻の中に入り込んだような、忘れられない時間となることでしょう。

この日のお宿は、熊野本宮大社のそばにある温泉郷『川湯温泉』。川から湧きあがる野性味溢れる温泉が楽しめますので、どうぞゆっくりと旅の疲れをお取りください。

 

朝食後、清々しい空気の中、再び熊野本宮大社へ向かいます。静寂を取り戻した大斎原や、熊野本宮大社の荘厳な空気をそれぞれ味わったあとは、三重県・熊野市にある日本最古の神社と呼ばれる「花の窟神社」に向かいます。

国産みの母、伊弉諾が祀られた場とされているこのお社は、社殿がなく巨岩が御神体。熊野信仰の原点ともいわれています。次に向かう鬼ヶ城でランチタイム。
熊野灘の絶景と熊野の食を楽しんだあとは、ゆっくり熊野から離れ、名古屋へと向かいます。

日本の原郷といわれる熊野で能の世界に誘われるという特別な時間を胸に、それぞれの帰路へ。

名古屋駅　17時頃解散予定　◆ 朝食〇・昼食〇