【奉納公演内容】
 ◎3月25日(火) ≪新宮≫ 16時~17時半
拝殿前特設舞台 


御祈祷・素謡「神歌」・火入れ式
対談:上野 顯(熊野速玉大社宮司)×天川 彩

能装束付舞囃子「楊貴妃」


◎3月26日(水) ≪那智≫ 15時半~17時
飛瀧神社 


御祈祷・素謡「神歌」・火入れ式
鼎談:高木亮英(青岸渡寺住職)
×男成 洋三(熊野那智大社宮司)×天川 彩

能装束付舞囃子「羽衣」


◎3月27日(木) ≪本宮≫ 16時~17時半
大斎原 


御祈祷・素謡「神歌」・火入れ式
対談:九鬼家隆(熊野本宮大社宮司)×天川 彩

能装束付舞囃子「巻絹」


 ≪演目紹介≫
『神歌』

天下泰平・国土安穏・五穀豊穣を祈る、能の中でもっとも大切にされている曲。

  『楊貴妃』

唐の玄宗皇帝の最愛の妃、楊貴妃。安禄山の乱の最中、馬嵬が原で殺害された楊貴妃の魂は、仙郷である蓬萊宮にあった。帝からの勅命を受けて楊貴妃の魂を尋ね来た方士に帝への恋慕の思いを述べ、かつて驪山宮で舞った「霓裳羽衣」の舞を舞い、都へと帰る方士を見送る……。

*徐福伝説の残る新宮より、蓬萊宮で玄宗皇帝との昔を懐古する楊貴妃の物語を選曲。

『羽衣』

漁師の白龍が拾ったのは天の羽衣であった。天上界の舞を見せることと引き換えに羽衣を返してもらった天女は、約束の通り舞を披露し、天上界の清浄無垢な「信じて疑わぬ心」「人を騙さぬ心」を人間界にもたらし、再び月の世界へと帰ってゆく。

*常ならば名も無き漁師。天上界の舞に導かれ、美しく気高い心を得た姿を【白龍】の名に託した作品。御神体の御瀧に惹かれての選曲。

『巻絹』

千疋の巻絹を三熊野に納めよとの帝からの勅命。都から巻絹を運んでいた男は、途中梅の花の香りに惹かれ音無の天神に一首の歌を手向けているうち刻限に遅れ、その罪として縛られる。そこへ音無の天神が憑依した巫女が「神に歌を手向けた故のこと、許せ」と現れ、歌の徳を顕わす。祝詞をあげ神楽を舞う巫女に数々の神々が憑き、熊野の神徳を讃える。

*「五逆罪を犯した者は救えない」という阿弥陀如来。本地仏が阿弥陀如来の本宮の神さまは、「五逆をもあわれむ」と謡われます。本宮を舞台とした作品として選曲。