節分。
年の初めの節目のこの日を、日本人は古くから
大切にしてきました。
祓い清めて無事を祈る…
日本のこの伝統行事も、地域や社寺によって
それぞれ異なっているようです。
奈良の天河神社では、節分宵晩、「鬼の宿」と呼ばれる神秘的で
厳粛な鬼(神)迎えのご神事が執り行われています。
鬼は全ての意識を越えて物事を正しく見る「神」。
山岳信仰の開祖、役行者の供の前鬼、後鬼の子孫といわれている
天河社社家では、節分前夜、純白真綿の布団と握り飯、
そして、鬼が手足を洗う桶が用意されます。
神を迎えた翌日の節分祭では「鬼は内、福は内」の掛け声で
福豆が撒かれ、その後、護摩祓いやぜんざいの接待、餅撒きなどで
賑やかに節分を祝います。
また、京都の壬生寺では、九百年の伝統を誇る壬生狂言「節分」の
演目が上演されています。
こちらでは、誰しもの心の中にある邪気を祓い、まめに
働くことの尊さを面白おかしく伝え続けています。
神にも邪気にもなる鬼。私たちの心のありかたそのものを、
照らし出しているかのような鬼。
大切な節分の日だからこそ、厳粛に、そして和やかに
心豊かな時間を一緒に迎えませんか?
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