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【 鬼の宿 】

役行者の共である前鬼、後鬼の子孫として言い伝えられている、天河社社家。

この家で節分の前の晩に、先祖である鬼(神)をお迎えするご神事が、この『鬼の宿』です。

この日のために用意された真新しい、真っ白なお布団に、にぎりめし、そして手洗い用の桶に水をはり、翌日の節分で大役を果たされる鬼(神)を静かに待ちます。

息をひそめ神待ちをし、無事ご神事が終わった後は、皆にお酒やおにぎりがふるまわれ、
わきあいあいとした直会の時間が訪れます。

まるで昔話の中に入り込んでしまったかのような時を感じるご神事です。


【 節分祭 】

前夜「鬼の宿」で鬼(神)の為に用意した手桶の中に、無事、鬼が来て手を洗った証とされる砂が確認されてはじめて、天河神社の節分祭が始まります。

天河神社では、鬼は神。

全ての意識を越えて物事を正しく見るという古来からの信仰に基づいています。

節分の豆まきも、唱える言葉は「鬼は内」「福は内」。
また、諸願成就の採燈護摩厳修が執り行われます。

【 壬生狂言 】


お坊さまの説法を聴こうと集まった、大勢の人達。
隅や遠くにいて声が聞き取りにくい人にもわかるようにと、身振り手振りで「仏の教え」を説いたのが壬生狂言の始まりとされています。

それゆえ壬生狂言は無言劇。

とてもわかりやすい内容で、娯楽性の中にも様々な教えが含まれています。普通の能狂言とは違い、演じるのは地元を中心とした年齢も様々な普通の人々。

この節分の時期には、厄除・開運を祈願し、
壬生狂言の『節分』という題目が上演されます。

尚、重要無形文化財に指定されています。