『役行者』

役行者えんのぎょうじゃは修験道の開祖とされ、山で修行し、金峯山で仏樣の出現を強く祈ったとき、蔵王権現の姿を感じ、これを本尊として修験道を開きました。
西暦634年に大和国葛城郡茅原(現奈良県御所市)の里に誕生。幼少の頃から葛城山に入っては修行をしていたと伝えられる実在の人物です。衆生救済の道を求め、山林で修業し、天河大弁財天社や大峯山龍泉寺など多くの修験道の霊場の開祖となっています。世界遺産にも登録された大峯奥駈道は、役行者によってひらかれた1300年の伝統をもつ山岳信仰の聖なる道です。




『修験道について』

古から日本人は、水、生命の源、山岳に対して畏敬の念を抱き、神聖な場所として崇めてきました。そのような古代の山岳信仰を基盤として、仏教、道教、陰陽道などの外来の宗教を融和して確立された、日本独自の宗教です。

開祖は役行者とされ、奈良時代に大峯山(山上ヶ岳)で千日の修行に入って金剛蔵王権現を感得し、山上に祀ったことが始まりとされています。自身の練成と衆生の救済を祈りました。

自ら修して、自らその験しを会得する──

修業は超自然的な力や神仏の加護を得るためではなく、
自らの身体で厳しい修行をすることによって、精神を高め
社会に貢献していこうとするものです。




『花供会式』

桜を金峯山寺の本尊・蔵王権現にお供えするという春の吉野山が最も賑わう行事です。吉野山の桜は、開祖役小角が感得した蔵王権現を桜の木に刻んだことからご神木となりました。そのため蔵王権現に祈願する際には、
神木とされる桜の苗を寄進するのが最善の供養とされ、
古くから、多くの桜が植えられるようになりました。
1000年前から続く伝統法会。春の吉野山のメインイベントです。
一山僧侶、稚児、山伏、の行列、蔵王堂境内において採灯大護摩供などが行われます。楽しみですね。