雲龍さんとは、よほどの神仏繋がりのご縁があるらしい。
最初に出会ったのは、1998年10月10日鎌倉大仏の前だった。
その後2002年、明治神宮で再会し、伊勢の猿田彦神社でも一緒になった。
雲龍さんと久しぶりに再会したのは、2005年。

私の自宅のすぐ近所に住む友人、日本画家のアラン・ウエストさんの
アトリエでのことだった。アランさんと最初に私が出会った日は、
彼の日本画が熊野本宮大社に奉納される日だった。

その数日後、雲龍さんの演奏会がアトリエであることを知り、数度目の再会をしたのだ。
ちなみに、雲龍さんとアランさんとは、内親王愛子様ご生誕の折、
祝祀として熱田神宮から互いに招かれたご縁からだとか。
神仏は、よほど人と人とを繋げることが好きなようだ。

雲龍さんが、このCDブック「遮那」を発表された数週間後、
私は仕事の関係で京都の鞍馬山へ行った。
鞍馬山は若かりし頃の義経・遮那王が修行した場でもあるのだが、
山の中腹にある義経堂の前で腰を下ろしていた時、
ふと風に乗って雲龍さんの笛の音が聴こえてきたような気がした。
しかし、心を傾けていると遮那王の笛の音のようにも聴こえる。
鞍馬の山の中で、雲龍さんとも遮那王ともつかぬ、笛の音が
私の魂の中でしっかりと響いていた。

雲龍さんの笛の音は、確かに神仏と繋がっている。
私はそう感じたから…雲龍さんのCDブック「遮那」をオフィスTENで
取り扱わせていただこうと思った。
雲龍さんのCDブックを取り扱えることができる幸せに感謝しながら、
一人でも多くの人に雲龍さんの音霊に触れてもらいたいと切望している。

どうか、静かに自分と向き合う時間を、この「遮那」と共に持っていただきたい。
                                                                  
                             天川 彩


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