ナレーターとして、またフリーアナウンサーとして仙台で活躍している渡辺祥子さんから
『グレートウィング 渡り鳥・雁のゴーマーの物語』の話を聞いたのは、イベント打ち上げで
かなり酔っ払っていた時だった。

「アメリカで出版されている凄い物語と出会って、それをどうしても人に伝えたくて、
自分の特性である「声」を生かして、CDを出せないかと思って…夢中で作って…」

それから数日後、話をしていたCDが送られてきた。

手作り感が伝わってくる暖かな雰囲気のCDジャケット。

「これが夢中で話していた、そのCDか…」と気軽な気持ちでジャケットを見つめながら、
音を流し始めた途端、私の動きが止まった。

祥子ワールドの世界。
『グレートウィング 渡り鳥・雁のゴーマーの物語』の世界の中に、
気がついたら引きずり込まれていた。ピアノとフルートを交え42分の雁の物語は、
優しい哲学書でもあるかのようだった。

自分と仲間を信じることを学ぶ主人公ゴーマ、長老でもあるゴーマのお爺さん、
弱虫のくせに強がりばかりの友人など、
登場する雁たちが繰り広げる心の世界は、人間のそれと全く変わらない。

物語の途中で幾度も、冬のはじめ雁がVの字になって
飛ぶ姿が私の脳裏をよぎっていった。

CDを聞き終えた時、このCDをTEN‘sショップで取り扱うことを即決した。

この物語の本は、今日本では発売されていないというのだが、
きっと祥子さんの声に乗せて、多くの人の心に羽ばたくことが約束されていたものなのだろう。

あなたの心にも、ゴーマーの物語が届きますように。

                                         
                                   天川 彩



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