<旅人の甘い蜜 〜佛説譬喩経〜>

わずか500字で仏の教えをたとえ話で説いた
「佛説譬喩経
(ぶっせつひゆきょう)」という、
短いお経を読みやすく表現したこの絵本は

荒野をさまよっていた旅人がゾウに追いかけられたり
毒蛇に襲われそうになるなど、さまざまな災難に遭いながらも
目の前の甘い蜜に心奪われてしまうストーリー。

人間の生老病死という避けられない無常の中で
それに気づかず欲望におぼれてゆく人間のおろかさを
わかりやすい文章とダイナミックな画と書で表現した絵本です。

画と墨書は奈良県出身の松田大児さんが担当。






<文・解説> 
小林澤應
(こばやし たくおう)
薬師寺録事・喜光寺副住職


昭和42年、東京都生まれ。
昭和61年、廣池学園麗澤高校卒業後、佛門を志し薬師寺に入山。
瀧谷大学文学部佛教学科入学。
人生の師として故高田好胤菅主に師事、
侍者として6年間仕える。また、学恩の師として
渡邊隆生教授(文学博士)の薫陶を受ける。
平成2年、同大学卒業。
平成16年、慈恩会 竪義(法相宗の講問論義の試験)成満。
現在、法相宗大本山薬師寺録事・伽藍主事。
また、奈良時代の名僧・行基菩薩入寂の寺として知られる
別格本山喜光寺副住職を兼務。