DVD「熊野大権現」撮影雑記


■「森羅万象への旅路」2

今年、天河や熊野に幾度行ったことだろう。
20往復はくだらないかもしれない。天河から熊野への移動時間は、お
よそ3時間。もう、その距離すら近く感じるようになった。

しかし、東京〜天河間。更に東京〜熊野間の移動は、やはりハードだ。
9月末から10月のはじめにかけての移動は、記録的だったかもしれな
い。

先月26日の夜、4日間の高野山・熊野ツアーを終了し、飛行機で東京に戻
った。毎度のことだが、素敵な方々と、豊かで貴重な時間を過ごせたこ
とが何より嬉しい。余談になるが、オフィスTENを始めてから、実に
素晴らしい方々とツアーやイベントで巡りあえる。
不思議なくらい、嫌な人に会わない。世の中には、首を傾げたくなるよ
うなワガママな人も沢山いるだろうに、どうしてこんなに素晴らしい人
ばかりと出会えるのか…。
きっと、これこそ神様が私に与えてくれた出会いの宝なのだと感謝して
いる。

そんなこんなの旅の感激も覚めやらぬ翌朝7時。

事務所でキョウちゃんやケンちゃんと落ち合い、今度は車で出発。実は、
ツアーから戻らずに、大阪あたりで合流しようかとも思ったのだが、や
はり荷物も気持ちも、整え直したかった。
27日からの出発は、天河の観月祭参加と撮影、そして熊野本宮の宮司様
に出版社の社長を紹介することが目的だった。
そして、もう一つ。やっとの思いで出会った映像カメラマンのSさんを、
天河・熊野方面にまずは案内しようと思った。

Sさんは、都内から八ヶ岳の麓に数年前移住。
大きな窓の奥に森を望む木の家に住み、機織りや蔓編みなどを生活の喜
びとしている素敵な奥様や、娘さんに囲まれて、穏やかに暮らしている。
現在は、NHKで放送されているネイチャー番組と、西表島の自然環境
の記録映像を撮影しに通っている日々を送っているのだが、ライフワー
クとして田んぼの生態も撮影している。

「僕の田んぼ、見に来てくださいよ」
と、いうことで八ヶ岳経由で天河に向かうことになった。
しかし、27日は早朝からどしゃ降りで、田んぼは見学できなかったが、
Sさんのスローライフぶりをゆっくりと伺うことができた。
あまりの居心地の良さに、出発が昼過ぎになってしまったので、天河に
着いた時には、23時を廻っていた。

翌日28日は天河神社の観月祭、29日は熊野本宮大社の宮司様と大切な面
談。

しかし、大型の台風21号が刻々と私達に近づいてきていた。

                        つづく…