【アイヌ・エコ体感ツアー感想文】

なにかはわからないけれど、
きっと素晴らしいことが起こるにちがいない。
 
おおきな期待を抱いての参加だった。
胸の中で渦巻く不安や悩みを手放して、すべてを北海道の大地と、二風谷の風に明け渡そう。
信頼し、委ねれば、出会いも体験もかけがえのない宝になる。この旅で自分に課した課題は、常にオープンな心でいることだった。

わずか三泊四日の旅とは思えないほど、笑い、喜び、涙、胸の痛み、親しみ、なつかしさ、新鮮さ、敬意、畏怖、慈悲、感謝、実に様々な感情が、絶えずあふれてきては広い大地に返っていった。落ち着いたかと思うと、また何処からか何かがとんできて、私の心に衝突し、波紋は瞬時に広がって、そして全身を震わせるのだった。そうやって、揺さぶられて、いらないものがどんどん落ちていくようだった。

お天気まかせのスケジュールに、甘く済んだ空気や水、心地よい木々の声、風の音、自然の恵みと愛情のこもったご飯、祈りとともにある生活、朗らかな仲間たち。かすかにもない遠い遠い記憶から、強烈な懐かしさを連れてくるアイヌのにおい、色、言葉。素直な自分に戻るには、最適な場所だった。心も体も、自然とあるべき状態に戻っていった。
 
なにより幸せだったのは、出会った素敵な仲間たちが、参加者も、アイヌの人々も、バスの運転手さんも、みなさん本当に素晴らしいひとたちだったということだ。

ひとりひとりが尊敬すべき何かをもっていて、ひとりひとりから学ぶものがあった。彼らはわたしに、忘れていた、大切なことを、思い出させてくれた。信頼し、委ね、オープンな心でいることは、この旅でのみの課題ではなく、常に心にとめておく教訓となり、旅のはじめに手放した悩みは、それによってそのまま空へと昇華していった。旅の終わりには、パワフルに明日への意気込みを感じていた。
 
嬉しかったこと、印象的だったこと、ひとつひとつのエピソードを語りだせばきりがないほど、色濃く豊かな四日間であった。その中には、あまりに強烈に心を揺さぶられてむせび泣いたこともあった。大きな気づきを得たこともあった。そして、二風谷での生活通して、人と自然との関わりという大きなテーマについても、新たな見解が加わった。
 
アイヌがくれた、鮮烈な感動と全身が震え上がるほどの歓喜。このような体験を、もっともっと積み重ねていきたい。私の胸を打つものはなにか、心に響き涙を誘うものはなにか。思わず歌いだし踊りだしたくなるような喜びはどこにあるのか。そういうことに、もっと敏感になっていきたい。そうすることが、探している何かを見つけ、手に入れるための一番の近道だからだ。
 
頭でっかちになりがちな都会の生活の中でも、五感を研ぎ澄まし、毎瞬毎瞬、全身で心の動き、心の声を受け止め、全身全霊でそれに応えていきたい。

「神を信じなさい。直感を信じなさい。人と話しなさい。」
「Don't be afraid to talk about sprit.] これらのメッセージをいつも胸に感じていよう。
アイヌと共に過ごした四日間は、数ヶ月もたった今でも
まったく色あせることなく私とともにある。それは単なる旅ではなく、明らかに生活の一部だったのだ。
 
最後に、このような素晴らしい日々を共に過ごしてくださった皆さんに、心から御礼申し上げたい。
 
彩さん、きょうちゃんをはじめとするツアー参加者の皆さん、二風谷で出会った皆さん、本当にありがとうございました。またいつか、皆さんとかけがえのない時間を共有できる日を楽しみにしています。

ありがとうございました
 ( Y.Hさん )