2003/12/19━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     ☆★☆   TEN's magazine 第97号   ☆★☆   

━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net

こんにちは!天川 彩です。

 いよいよ、今年も押し迫ってきましたが、私はというと、昨夜、秋田から
戻ってきたばかりです。
皆さんは、日本民俗学の祖といわれた「菅井真澄」という人物をご存知でしょうか?
江戸末期三河で生まれ、信濃から東北、北海道と生涯旅を続けた紀行家
ですが、秋田では、行く所ところに「菅井真澄」の碑が立っています。
私も今回、導かれるようにして、一千年受け継がれ続いている奇祭「統
人祭」や、「なまはげ」といった伝承文化とじっくりと向き合ったので
すが民俗文化は、実に面白いと痛感しています。
後に、柳田國男が菅井真澄の業績を世に表したのですが、まさに「旅の
達人」たちが辿った土地には、隠れた日本の魅力がいっぱい。

来年からは、そんな日本の様々な魅力も、どんどんお伝えしていきたい
と思っています。

そんなこんなで「ミルミレにっぽん!沖縄」と題したイベントを企画いたしました。
出演は沖縄ドキュメンタリー映像の第一人者、大重潤一郎監督と、沖縄
バンド「寿」のナビィ。沖縄の最新映像と唄・三線、そしてトークで綴
る120分。沖縄からみる日本人の原点をテーマに展開していく予定です!

どうぞご期待ください!
………………………………………………………………………

◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇

……………………………………………………………………………………
1・コラム・風の文様=====「鬼と神と人と」
2・最新イベント!====== 「ミルミレにっぽん! 沖縄」
3・TEN占い  ====== 今週は「タロットカード」占い 
4・童話詩・最新情報=====「迎春 童話詩ライブ」東海&東京
5・天と大地に感謝する旅===「知床・流氷と冬森を歩くツアー」
6・編集後記=========「ひとりごと」

……………………………………………………………………………………
【1】◇◆コラム・風の文様◆◇
……………………………………………………………………………………
■「鬼と神と人と」

年の瀬が迫ってくると、否応でも翌年の話をするようになる。
「来年の話をしたら、鬼が笑う」とよく言うが、そもそも鬼とは、一体
何なのだろう。

通常、鬼とは邪悪なものとされているが、本当にそうなのだろうか。
一説には、渡来から来た人々が、形相が異なる先住の人々を、山に追い
詰め鬼と呼んだ風習が残ったとも聞く。
最近、日本全国を歩くことが多くなり、各地で、鬼と神とは同一の存在
として、丁重に迎えられているのを目の当たりにすると、鬼という存在
が、もともと何なのかわからなくなってくる。 

先日行った秋田県男鹿半島には、全国的に有名な「なまはげ」という習慣がある。
これは、旧正月(現在は、ほとんどの地域で大晦日になった)鬼が各戸
を訪問し、怠け者の子どもや嫁を戒めると共に、新年のその家の無病息
災と五穀豊穣を祈る神の使いとされ、邪気払いもしてくれると言い伝えられている。

説はいくつかあるそうだが、山外れに住んでいた邪悪な鬼たちが、心を
入れ替えて神の使いとなったという説が一般的に伝わっているそうだ。
現在も約80の集落で、それぞれに「なまはげ」の習慣は続いている。

また、愛知県奥三河の「花祭り」でも榊鬼が神の使いとして魔よけにや
って来るのだが、人々はその登場を今か今かと心待ちにし、拍手喝采で迎えるのだ。
私が参加させていただいた北設楽の「花祭り」では、スサノオ、猿田彦、
大国主命といった国津神の神々が、それぞれ鬼として登場した。

奈良の天河神社では、節分前夜に「鬼の宿」と呼ばれるご神事があり、
鬼神のために真綿の布団とおむすび、手足を洗う桶を用意する。
翌朝、置かれた桶の砂の有無を慎重に確かめて、入っていれば鬼神がや
って来られた証拠として、その年も宮司としての務めが認められるのだ。
ここ何年も、このご神事に参加させて頂いているが、今年、初めて私は
桶の砂出しにたち合わせて頂くことができた。
慎重に慎重にサラシに水を出してゆく作業を見守っている時は息が止ま
りそうだったが、幾粒もの砂がサラシ上に残ったのを見た時には、感動
と同時に、目には見えない世界と、目で見せてもらえる世界との境界線
にいるような感覚になった。

結局のところ、鬼とは意識の境界線にある存在なのではないだろうか。

鬼子母神の伝説では、500人の子どもを持つ鬼子母神は、我が子を育
てる為に、人間の子どもをさらって食べていたそうだ。困った人々から
相談を受けたお釈迦様は、鬼子母神の子どもを見えないところに隠した
という。我が子がいなくなった鬼子母神は嘆き悲しんでお釈迦様に相談
しに行くと、人間の母親も同じ気持ちなのだと叱られた。
鬼子母神は大いに反省し、以後、安産や子育の守り神となったそうだ。

時として魔を除ける存在であり、時として魔そのものと化す「鬼」。

それはもしかすると、己と神仏との間に存在する心の持ち様そのものな
のかもしれない。

そろそろ年が変わる。
来年に向けて、皆で大いに明るい話題を話をしようではないか。
きっと、鬼神が笑って世の中に渦巻く魔を除けてくれているに違いないから。

……………………………………………………………………………………
【2】◇◆最新イベント!◆◇
……………………………………………………………………………………
「ミルミレにっぽん! 沖縄」

〜ちゅら島・沖縄から見る、日本人の原点〜

沖縄映像&唄・三線&トークでつづる120

日 時: 2004年1月30日(金) 19:00開場 19:30開演
会 場: 文京シビック 小ホール(東京・後楽園)
料 金: 前売り2300円 当日2800円

 映画監督 大重潤一郎氏

    沖縄唄・三線 ナビィ(寿)

    水先案内人 天川 彩

海と山に囲まれたこの国には、その地域ならではの特有の文化が今も色
濃く息づいています。「ミルミレにっぽん!」は、私たちが普段あまる
知ることのない、日本の素晴らしい文化を、地域ごと様々な形態でご紹
介していこうと考えております。
初回を飾るのは、沖縄。
「ミルミレにっぽん! 沖縄」は、沖縄の文化を映像や音楽を通して
五感で感じながら、もう一度、日本における祈りの文化や、日本人の底力
である人間力の魅力を共に再発見していきたいと思っています。

映像は沖縄ドキュメンタリー映像の第一人者であり、映像沖縄映像文化
研究所代表の大重潤一郎監督制作の3部作「居眠り市場(平良とみナビ
ゲートによる栄町市場の人情)」「山原の夏(沖縄の大自然)」「神々
の島の現在(久高島・祭祀と海で暮らす日常)」をダイジェスト版にし
て特別公開(東京初公開)いたします。

観光案内でもドキュメンタリーでもなく、今の沖縄の風や匂い、音をそ
のままに映し出した映像で、丸ごとの沖縄を感じてください。また音楽
は沖縄バンド「寿」のボーカリスト、ナビィが三線片手に沖縄の情緒を
しっとりと唄ってくれます。

トークは「ちゅら島・沖縄からみる、日本人の原点」というテーマでじ
っくりと、沖縄文化からみる日本人の本質や、日本の方向性や未来も探
っていきたいと考えております。
どうぞ、一緒に沖縄を体感いたしましょう。

*ミルミレとは、ネパール語で「夜明け」を意味します。

詳しくは http://www.office-ten.net 

……………………………………………………………………………

【3】◇◆TEN占い◆◇

……………………………………………………………………………………
所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。

今週は[タロットカード]で占ってみました

【12月20日(土)〜12月26日(金)あなたの運勢】

<1月生まれ>
フットワークが軽い週となります。今週はできるだけ縁の下の力持ちと
なって人助けに励みましょう。

<2月生まれ>
人の意見に、左右され過ぎてはいませんか?今週は極力、自分自身の可
能性を信じてください。自分でも気がつかなかった未知なる力があなた
に備わっているかもしれません。

<3月生まれ>
物や人に執着心を持ってはいませんか?自分の欲求を満たそうとするあ
まり、大切なものを見失っている可能性もあります。ただ、悲しい事態
に陥っていたなら、自分の感情を押さえ込まず人に話すとよいでしょう 

<4月生まれ>
少し過労気味のようです。あまり何事も自分で抱え込み過ぎないように、
荷を軽くしましょう。でも、今週は過去からの思いがけないプレゼント
を受け取る可能性も。

<5月生まれ>
簡単に思っていたことが、必要以上に時間がかかり、少しイライラする
かも。でも、冷静になって考え直してみてください。きっと合理的な方
法が見つかるはずです。

<6月生まれ>
リーダーを支える、サブ的な役回りがまわってきそうです。今週は何事
もテキパキとこなしていけそうなので、周りからの信頼度も増します。 

<7月生まれ>
自分を見直す時期かもしれません。今まで興味があったものに、急に関
心がわかなくなったり、無意味に感じたりするかもしれません。自分は
何が好きなのか、改めて考えてみてください。 

<8月生まれ>
必要以上に慎重になり過ぎてはいませんか?思い切って行動に移してみ
ましょう。今週は運があなたの味方をしてくれますよ。

<9月生まれ>
何かやりたいことがあっても、なかなか身動きがとれない状況かもしれ
ません。それが原因で少し神経質になっている可能性があります。極力、
肩の力を抜くようにしましょう。

<10月生まれ>
あることが、終わりを告げているかもしれません。でもそれは同時に新
たな出発でもあります。何かを失ったなら、何かが手に入ってきます。
落胆する必要は全くありませんよ。

<11月生まれ>
追い風が吹いてきているようです。やっとスタートラインに立っている
と思って、目いっぱい頑張ってみてください。きっと良い結果を得られ
ることでしょう。

<12月生まれ>
非常に行動的で、自分に対しても自信が持てる週となりそう。ただし、
独断的に動くので、まわりから少し反感をかうかも。極力、人の意見に
耳を傾けるよう努力しましょう。

……………………………………………………………………………………

【4】◇◆童話詩ライブ速報◆◇

……………………………………………………………………………………
  迎春・童話詩ライブ決定!!

初の東海地区ライブ&東京・谷中ライブが決まりました。
詳細は、来週のメルマガで。  

…………………………………………………………………………………

【5】◆◇天と大地に感謝する旅◆◇

…………………………………………………………………………………

『知床・流氷と静寂の冬森を歩くツアー』

2004年2月19日(木)〜2月22日(日)
東京発着 118、000円 全行程食事つき

定員16名  (最低試行人数 8名)
*今回のツアーはネイチャー体験プログラム満載の為、少人数の募集と
なります。

*既に、半数以上のお席が埋まっています。

今回の「天と大地に感謝する旅」は、厳冬の知床
流氷のシャーベット状になっている海の中に入ったり
ワタリガラスやオオワシを見たり、神秘的な冬の森の中で、じっと過ごしたり、
水平線ならぬ氷平線に沈む夕日をみたり…
また、流氷のきしむ音を聞きながら
満点の星空のもと、ホットワインを飲んだり…
日本の中に、こんなに極上の冬を過ごせる場所があったのですね。

宿は、木の持つぬくもりと美術館のような美しさを誇る人気のプチホテル、
『季風クラブ・知床』に連泊します。

都会の日常では決して味わえない感動が待っています
<前回 知床ツアー参加者の声>http://home.att.ne.jp/alpha/ten/tabi-siretoko2003-02-report.htm

日程など詳しくは

http://www.office-ten.net

…………………………………………………………………………………

【6】◆◇編集後記◆◇

……………………………………………………………………………………
日本一のストーンサークル、大湯環状列石に3年ぶりに行った。
以前行った時には無かった、立派な資料館が出来ていた。
そこの主任さん、イヌイットと2年間暮らしていたという、面白い経歴の持ち主なのだが
その資料館を作る為に、世界中の石遺跡を公費でずっと視察してきたという。

「うらやましいぜ〜!!」とつい唸りそうになった。

                     aya

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

発行者   天川 彩
Copyright 2001 OFFICE-TEN All rights reserved.
掲載内容の無断複製・転載はご遠慮ください。
他でお使いになりたい場合にはご相談下さい。
お知り合いへの個人的な転送は大歓迎です。
_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄

オフィスTEN
Email:ten@office-ten.net
URL:http://www.office-ten.net
Tel:03-3828-5070 FAX:03-3828-5090

_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄_/ ̄