2002/03/08 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆★☆   TEN's magazine 第8号   ☆★☆      
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 こんにちは!天川 彩です。

ここのところ、連日ニュースの主役になっているムネオさん。
彼の利権がらみで、北方四島がクローズアップされていますが、昨年、北海道
の羅臼に行った折、国後島を間近に見てました。ほんの数十キロしか離れてい
ないのに、決して近づけない。かつてその島に住んでいた方や、先祖のお墓が
ある方などの気持ちを思うと、切なさを覚えます。

実は私の亡くなった父は、北方四島ではないのですが樺太生まれで、終戦まで
暮らしていました。
「いつかもう一度行きたい」と常々言っていましたが、結局その思いは果たさ
れないままでした。

いつの世も戦争というものは、残酷な爪あとを残します。
政治家と不透明なお金の流れは、常のことなのでしょうが、それが戦争という
方向性に向けてだけは、流れて欲しくないと思います。


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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======= 「神戸からの祈り」(8)
2・おすすめイベント=  映画「沖縄久高島 原郷ニライカナイへ」他
3・コラム・風の文様=  魂のゆくえ 
4・おすすめの旅===  天と大地に感謝する旅「屋久島2002」
5・編集後記 ====  ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(8)

レラさんが屋久島にやって来て、数日後のことだった。

「世界中の先住民族達と屋久島で共同キャンプ」というふれ込みの催しは、結
局全てにおいて気配りの足りないお粗末なものだった。そして結末は、主催者
が途中放棄してしまうという、笑ってしまうほどあきれたものとなった。

どうやら失踪?前の日の夜、レラさんに一喝を入れられたらしい。
参加者の私たちが、いくら苦情を言っても、のらりくらりと交していた主催者
だったが、さすがに並外れたパワーのレラさんの言葉は効いたのか。
スタッフには「ちょっとだけ鹿児島へ行く」と言ったまま、結局、最終日にな
っても戻って来なかった。

レラさんとお別れの前日。
私は「神戸からの祈り」のことを話した。そして、もしよかったらアイヌ民族
として催しに参加してもらえないか聞いてみた。すると、いとも簡単に「いい
よ」と言う。そして「こんないい加減な主催はダメだって、ここで体験したん
だから、絶対に無責任なことはするなよ」と続けた。

2週間の屋久島滞在期間中に、多くの学びと素晴らしい出会いを得て、神戸に
戻った。

それから数日後、ポスター撮影の為、東京実行委員で写真家の須田郡司さんが
やって来た。
私たちは、被害が大きかった東灘を中心に歩き、御影という場所でビルの壁面
に書かれていた観音様の前で写真に撮っていた。すると、どこからかお婆さん
がすっと近寄ってきて「観音様だったらこの先に立派なのがあるよ」と言う。
私たちは、その言葉に導かれるようにして、その場所へ向かった。

そこは、真言宗の某寺。敷地の入り口には不思議なモニュメントや、お地蔵様
が沢山並んでいた。奥に行くと確かに大きく黄金に輝く立派な観音様があった。
私たちは合掌してから撮影を始めた。そして、ふと横を見ると、不思議な銀杏
の木がすくっと立っている。
半面は、震災で燃えたのだろうか、痛々しいまでに黒コゲの墨状態だ。しかし
、残りの半面は黄緑色の銀杏の新葉が、力の限り勢いよく茂っている。
私たちは、その木に吸い寄せられるようにして近寄り、横の観音様の時よりも
長い間、合掌した。

そこに、ちょうどお寺の奥様が外出先から戻られたので、私たちは詳しくこの
木の話を伺ってみた。

銀杏という木は、火事などが起り火が燃え移ると、木の中の水分がスプリンク
ラーのような状態になり、四方八方に水を撒くらしい。奥様はもともと、ここ
のお寺の娘さんだったそうで、子供の頃にもこのお寺は火事に遭ったらしい。
小学校から戻ってきたら、お寺が燃えていて、消防車が来ていたたそうだが、
その時、偶然この銀杏の木が水を飛び散らせていたのを実際に見たそうだ。

阪神大震災で、再度お寺に火の手がまわってきた時、ご本尊をどうにか持ち出
して家族全員避難することは出来たそうだが、戻って来た時には、お寺は全焼
していたらしい。しかし、銀杏の真下にあったお地蔵様用の小さな建物だけは、
全く無傷で焼け残っていたそうだ。

その後、どこから話を聞いてきたのか、このお寺に奉って欲しいと、震災で守
人がいなくなったお地蔵様が次々と運ばれてきたという。

私はその木が、神戸そのものに見えた。
突然の震災で傷つきながら、共に助け合い、祈り、瀕死の状態から希望を持っ
て再生する。

須田さんと私は、この木こそが、ポスター用の写真ではないかと思った。

しかし、後日のミーティングで、この木の写真を皆に見せたら一応に「怖い」
と言われてしまった。確かに、見ようによっては、グロテスクだったかもしれ
ない。結局この写真を使ってのポスター案は却下となってしまった。
しかし、その後、7月に行うプレイベントの日には、関係者一同で、このお寺
にお参りすることになった。

私はこのことで、森羅万象、皆祈りの存在なのだということを教えてもらった
ような気がした。

                      つづく…


                              
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【2】◆◇おすすめイベント!◆◇
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       今、もっとも観たい映像だ。

     <沖縄の神々と魂の根源に触れる映像>
 
     大重潤一郎監督作品 2本一挙上映

『沖縄久高島・原郷ニライカナイヘ〜比嘉康夫の魂〜』

         『光りの島』

2002年3月30日(土) 開場13:45 上映14:00
文京シビック 小ホール(営団地下鉄「後楽園」駅、都営地下鉄「春日」駅す
ぐ)
 前売2,000円 当日2,500円

*今回の上映会は小ホールになりますので、小人数での上映会になります。

お申し込みはお早めに

映画及び上映会に関する詳しい情報とお申込は…

http://home.att.ne.jp/alpha/ten/eiga-oosige.htm



今まで、物質や財力、権力などの力関係で左右されていた社会に歪が起こり、
社会全体が不安定になっています。そんな中で、今最も求められていることは
、自然のリズムの中にある自分の「いのち」の存在意義と魂の根源に触れるこ
となのかもしれません。   
今回、皆様にお届けする2本の映画は、ドキュメンタリー映画の大御所、大重
潤一郎監督が、大地の磁場に導かれて、沖縄の神々と大自然、そして魂の根源
を深く描いた作品です。今回は大変貴重な上映ですので、どうぞ、この機会に
ご覧下さい。 



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【3】◆◇コラム・風の文様◆◇
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■魂のゆくえ

3月3日、大切な人のお父様が、突然亡くなった。

しばらく風邪気味で近所の病院にかかってるということは聞いていた。しかし
先週様態が急変し、救急車で運ばれ入院してから、わずか3日目の出来事だっ
た。

夜中に訃報の知らせを受けてから、告別式が終わるまで、ほとんど時間の感覚
がない。突然、長年連れ添った夫を亡くしたお母様と、自分がちゃんとしなけ
れば、と必死に頑張っていた彼。私はそんな二人の傍に、ただいてあげたくて、
数日一緒にいた。


斎場の関係で、お通夜は2日後、告別式は3日後になった。
「親父と一緒にいれる時間が少しでも長くて良かったよ」と彼は悲しみをこら
えながら言った。


私の父も4年前に急死した。
突然の危篤の連絡で、すぐに駆けつけたが、吹雪で飛行機が旋回した為、ギリ
ギリ間に合わず死目に会えなかった。最後に言葉を交したのは兄で、最期に看
取ったのは母だった。私は父と最期の別れが出来なかったことを少し悔やんで
いた。

告別式の朝、美容院の人にそれを話したら「きっと、お父様は苦しんでいる姿
を、娘に見せたくなかったんだと思う。だから、飛行機を旋回させたのはお父
様だったのかもしれないよ。人は死ぬ時、一人ひとりに、何か大切なものを残
していくそうだから、お父様は、元気だった時の記憶だけを娘に残しておこう
と思ったんだよ」と言ってくれた。

父の告別式の時、私は不思議な経験をした。
お坊様の長いお経が終盤にさしかかった頃、ふと棺桶を見ると、静かにゆっく
り薄白いかたまりが宙に上がっていくのが、はっきりと見えたのだ。
私は目で追いながら、父は最期に「魂」が肉体から離れていく姿を私に見せて
くれたんだと思った。

家族や友人を失う。

こんな経験は、できれば誰もしたくない。しかし、生まれた以上、死を迎える
のは、宇宙の法則なのかもしれない。
今生、縁あって親子として、また兄弟として、夫婦として、恋人として、友人
として、師弟として出会い、時間を共有する。その時間が濃ければ濃いほど、
人生に及ぼす影響は大きい。それは決して共にいる時間の長さだけではなく、
言葉を言い換えば、その人とどれだけ魂が触れ合うことができるかで違って
くるような気がする。

共に笑い、共に泣き、生きている意味を共に考える。そんな関係であった場合、
その人の死を受け入れられるのに、かなりの時間を要するかもしれない。
しかし、輪廻転生して、また来世でもきっと縁があるはずだと思う。

でも、魂のゆくえを理解はしていても、悲しみは変わらない。
ならば、その悲しみをあるがままに受け入れて、涙枯れるまで泣いたほうがい
い。きっと同じように亡くなった人の魂も、残された人との今生の別れを、同
じように悲しんでいるのだから。

そして、時間薬がゆっくりと心を癒してくれる頃、魂も天への旅を始めるのか
もしれない。

合掌

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【4】◆◇おすすめの旅◆◇
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天と大地に感謝する旅・Walk6

    『屋久島ツアー2002』
    〜もののけ姫の森を尋ねて〜

     早くも大反響です!!


2002年7月11日(木)〜7月14日(日)
       3泊4日

東京発着 128、000円

定員33名
募集人員に達し次第、締め切らせていただきます。


屋久島は、世界自然遺産に登録されている大自然の島。
神々が住むその島は、不思議な物語も沢山あります。

もののけ姫も…デイタラボッチも…コダマたちも…
みんなみんなこの島には住んでいるようです。

今回のこのツアーでは、映画「もののけ姫」制作時、宮崎駿監督はじめ、スタ
ッフ
達を舞台となった苔森に幾度も案内した方に、この幻想的な森をゆっくり案内
していただく
ことになりました。
また、3日目はフリータイム。天然海中温泉につかるもよし、オプショナルで
縄文杉登山やリバーカヤック、漁船で向かう口永良島でのスノーケリングツア
ーなどに参加するもよし。

今年、屋久島が呼んでいると思われる方、是非ご一緒しましょう。

詳しくは…
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/yaku2002.htm




   
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【5】◆◇編集後記◆◇
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友とは、本当にありがたい存在だと思う。

通夜の料理準備をする段になって、冷静に考えるとその量の多さに途方にくれ
てしまった。あまりに急なことだったので迷ったが、結局友人たちにヘルプの
電話を入れた。勿論亡くなった方とは一面識もない。しかし電話口で即効「い
いよ」と駆けつけてくれた。
友人たちの助けが無かったら、絶対に一人では無理だった。

友は宝だと心底思った。

                    aya

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発行者   天川 彩

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