2002/03/01 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆★☆   TEN's magazine 第7号   ☆★☆      
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net

 こんにちは!天川 彩です。

あっという間に3月になり、今日の東京は春がやって来たような陽気でした。
皆さんのまわりは、いかがですか?

冬の間、ほぼ冬眠状態で過ごしていた私ですが、ここにきていろんな不思議
がシンクロしています。静かにその小さな流れに身を任せていると、やがて
本流と繋がってゆくような、そんな予感がします。

それから…皆様お待たせいたしました!
オフィスTENがお届けする次のイベント及び旅の詳細が決定!!本日より
受付開始します。詳しくは、中面をご覧下さい。

最近、メルマガの感想を送ってくださる方が増えました。本当にありがとうご
ざいます。皆様の暖かい声援に感謝、感謝です!

それにしても…今回は、やけに屋久島つながりの話が多いなぁ。決して作為的
ではないのですが。。。

ん?また、屋久島に私呼ばれているの?

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======= 「神戸からの祈り」(7)
2・最新イベント情報=  映画「風の島」他 上映会決定!
3・バックトラベル =  屋久島2000年編≪マヤ暦とレラさんと私≫ 
4・TEN's Shop =  オープン準備のお知らせ「魂の帰還Tシャツ」  
5・おすすめの旅===  天と大地に感謝する旅「屋久島2002」決定!
6・編集後記 ====  ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(7)

その年、私は神戸・東京間を幾度往復したか覚えていない。

神戸も東京も、それぞれ実に様々な人や団体が関わっていた。その多くは、以
前から何かしらの知り合い同士だったようで、それまで、ほとんど誰とも繋が
っていない私は、異質な存在だったのかもしれない。だから、私がどこの何者
で、どんなことをしている奴なのか、知っている人は皆無だった。
私はそれまでもイベントのプロデ゛ュースを数多くこなしてきたので、当然、構
成や演出の部分でイベントに関わるのだろうと一人で勝手に思っていたのだが
現実は違っていた。

ある日、呼びかけ人である鎌田東二さんと東京の事務局長が決まった池田季美
子さんから、私に神戸の事務局長にならないか?という打診があった。理由は
至って簡単だ。引き受け手が見つからないからだ。更に、私は震災の経験があ
り、仕事を辞めて暇があるという好都合な状態だった。私は自慢ではないが、
事務が大の苦手である。その能力に欠けていることを自覚しているから、普段
から事務作業を完璧にこなせる人を限りなく尊敬している。そんな私が事務局
長など、あまりにも不向きだとは思ったが、引き受け手がいないならば、仕方
がない。その役を謹んで引き受けることにした。

正直なところ、それがそんなに大変なことであるとは、あまりに無知であるが
故に、想像もしていなかった。

そして、何はともあれそのような役についたのならば東京のミーティングにも
出来るだけ参加しよう、と単純な私は思った。

4月の初旬、東京の実行委員会の集まりに初めて参加した日、私はある人から
冊子を渡された。夜、ホテルのベッドで横になりながら、その冊子を読んでい
た時、あるページで目が釘付けになる。

石の写真を撮り続けている須田郡司というカメラマンの紹介文だった。私はそ
の時、直感的に「神戸からの祈り」のポスターをこのカメラマンに撮ってもら
ってはどうかと思った。翌日、鎌田東二さんにランチをご馳走してもらいなが
ら、その冊子を見せ「凄いカメラマンを見つけましたよ!」と意気揚揚話した。
すると鎌田さんは「あれ?郡ちゃんなら、昨日のミーティングに参加していた
から会ったはずよ」と言う。実のところ、前日は、あまりにも多くの人と挨拶
をしたので、失礼ながら会ったことすら覚えていなかったのだ。

後から知ったことだが、須田郡司さんは、鎌田さんと数多く聖地を巡礼し、鎌
田さんの書籍にも数多くその写真が使われているのだ。その時、またしても目
に見えない繋がりに驚いた。そして、5月の中旬神戸の町を一緒にあるくこと
を約束した。

神戸の実行委員会では、イベントの意義などを話し合ったり、予算組みの話で
頻繁に会議が行われるようになった。その話し合いの中で、最も大切な要点は
、宗教・人種・民族を超えての真の祈りの祭りあるということだった。そこか
ら、呼びかけ人の喜納昌吉氏が琉球民族ならば、アイヌの人も在日韓国人の人
も、皆参加してもらえるような祭りにしようということになった。

実行委員会の合間を縫うように、4月の中旬、私は2週間の予定で家族と屋久
島へ行った。

数年前から、縄文杉に呼ばれているような気がして、屋久島には行きたくて仕
方が無かったのだ。
ある日、我が家にとても魅力的な内容のツアーの知らせが届いた。それは、私
のツボに見事にはまる内容だった。世界中の先住民族が何族も一同に会し、共
に屋久島で一緒に過ごすというふれこみだったのだ。
屋久島までの交通費は別、参加費だけでも家族分払うと50万円近くの金額が
かかったので、合計100万近いお金が必要だったが、父の遺産がほんの少し
入ったところたったので、思い切ってそれを使うことにした。

ところが、参加してみると、多くの先住民族が来れなくなったと言う。その場
に集まっていた人々は、タイのカレン族の数人と、アイヌの人々が少数、後は
私たちと同じような一般参加者ばかりだった。更に彼らとは寝食は別で、一般
参加者は乾いた田んぼの中でテントを張り、更に食事費を徴収された上、自分
たちで朝昼晩、煮炊きをするという、何とも疑問の残るツアー?だった。

屋久島に着いて3日後、スーパー集中豪雨が私たちを襲った。
その雨は屋久島の人たちも経験したことが無いほどと後で言うほど、凄いもの
だった。ほんの数メートル移動するのも、頭に雨が突き刺さりそうで難しい。
やっとのことで、全員どうにか近くに作ってあったバンブーハウスに避難して
一夜を明かした。翌日は、前日の雨がウソの様に晴れ上がった。

私たちのテントは豪雨の力で骨が折れてしまっていた。更に2週間分の荷物も
全て田んぼのぬかるみの中に埋まった状態になっていた。
その日、参加者たちで協力し合いながら、泥に埋まった荷物を1日中救出しな
がら、私はなんとなく阪神大震災を思い出していた。

結局その日主催者は朝から登山に出かけたまま、夜まで戻らなかった。

主催者の無責任さにあきれるばかりで、どうすることもできないまま時間だけ
が過ぎていた。私たち家族は、寝るテントも失い、荷物も全てびしょ濡れとな
り、子供が寒いと言い始めたので、急遽レンタカーを借り、とりあえずコイン
ランドリーを探しに走り、温泉に入り、そしてそのまま青少年村のコテージを
借りることにした。

それから数日後、私は念願の縄文杉まで登った。そしてその時間は、きっと生
涯忘れることがないであろう祈りと瞑想の時間となったのだが、この時のこと
は、また何か別の機会に書こうと思う。

縄文杉から戻った翌日、私たちは久しぶりにあの田んぼのキャンプ場へ向かっ
た。実は、その日温泉に向かう途中、偶然例のキャンプで仲良しになったアイ
ヌのケメと会い「今晩、凄い人がやって来るから、とにかく来い」と言う。
さすがに、ぬかるんだ田んぼでのキャンプは中止となっていたようで、スタッ
フ用の家の中に大勢の人たちが座り、カレーを頬張っていた。私は、その集団
から飛び出してしまった後ろめたさもあり、路上に座って星空を眺めながらカ
レーを食べていた。
目の前に1台のタクシーが静かに止まった。何人かと一緒に、ひときわ目を引
く大きなおばさんが降りてきたので、私は思わずカレーを食べる手を止めてそ
のおばさんを見上げた。すると、私の瞳をじっと見て開口一番言った。

「あんたも、縄文杉から呼ばれて来たね」

それが、アイヌのシャーマン、アシリ・レラさんとの最初の出会いだった。

レラさんから「祈り」というものを徹底的に教えられたのは、それからずっと
後になってからのことだった。

                              つづく…


                              
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【2】◆◇最新!イベント情報◆◇
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オフィスTENでは「いのち」の大切さ、尊さと共に、この世に生まれてきたこ
とへの感謝の気持ちや自然との共生等について、皆様方にお届けしたいと考え
ております。        


      今、もっとも観たい映像かもしれない。。

         大重潤一郎監督作品選
         映画「光りの島」他

          上映会決定!!

       3月30日(土)14:00〜16:30 頃
          文京シビック 小ホール
     
        前売り2,000円  当日:2,500円

 *今回の上映会は小ホールになりますので、小人数での上映会になります。
          お申し込みはお早めに
     

今回、皆様にご紹介するのは、ドキュメンタリー映画で名高い、大重潤一郎監
督の映画です。映画「光の島」では、沖縄のある島を舞台として人が生き、そ
して死んでいくことの意味について、深く問いかけてきます。大自然の中の眩
しく輝く光りと風を通して、観る人がどのように感じるのか、それぞれが現在
おかれている状況や体験で、大きく異なるであろうものに、言葉にならないメ
ッセージを響かせる…大重作品は、自然界への畏敬の念を通して、自分の中で
の「何か」を呼び起こしてくれるかもしれません。

知る人ぞ知る、大重監督の作品選上映会、どうぞお見逃し無く!

詳しくは…

http://home.att.ne.jp/alpha/ten/eiga-oosige.htm



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【3】◆◇バックトラベル◆◇
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■屋久島ツアー2000年編


《マヤ暦とレラさんと私》


ここ数年、マヤの暦をもとにした13月の暦というものを使っている人が増え
てきた。

詳しくは専門家ではないのでわからないのだが、その暦によると1ヶ月を自然
界の月の周期と同じく28日にカウントしていくそうだ。その月、その日ごと
に深い意味がありカレンダーに書かれているのだが、要するに365÷28=
13…1となり、13ヶ月+1日という計算になる。その1日余った日、この
日が「時間をはずした日」となるそうだ。その暦は元旦が7月26日から始ま
り、7月24日が大晦日にあたるので、時間をはずした日は毎年7月25日だ。

そして、その日を祈りの日、祭りの日にしようと呼びかけている人々がいる。
何年前だったか思い出せないが、私は友人からこの「時間をはずした日のまつ
り」のことを聞いていたので7月25日という日は、記憶の片隅にあった。

2000年、天と大地に感謝する旅というタイトルで屋久島ツアーを企画をし
ようと決めた時、たまたま、この日が入っていた。
実は、この日というより2000年に私は屋久島へ行かなければならないり理
由があった。しかも、アイヌのシャーマン、アシリ・レラさんも一緒に…。
屋久島で偶然、レラさんと出会ってから、私は頻繁にレラさんと会った。それ
はいつだったか思い出せないが、何気ない会話をしていた時、急にレラさんに
啓示があったようで、真顔になった。そして「2000年、私たちは再び屋久
島へ行かなければならない必要がある」と語った。

だから、私は2000年に屋久島ツアーを企画した時、当然アシリ・レラさん
を誘っていた。レラさんは、99年の暮れからある病を患っていたのだが、春
過ぎには元気になったということだったので、7月頃なら大丈夫だろうという
ことだった。
そして、折角行くならばこのマヤ暦をもとにした、7月25日に屋久島の海岸
で「時間をはずした日のまつり」をしようということになった。レラさんは祈
りの場所は行けば、全てわかるという。

ところが、7月に入ってレラさんに、ドクターストップがかかってしまった。

ツアー出発の数日前、私はレラさんに電話すると、レラさんは急に行けなくな
ったことを詫びた後、大切な話をしはじめた。

「マヤのエネルギーが真直線に感じる場所がある。そこは、三日月の海岸が見
える小高い小さな丘で、太陽が丁度真ん中に下りる場所だ。今から彩ちゃんに
念じるから、よく見ておきなさい」。
私は電話を握り締めながら目を瞑った。
ややしばらくすると、薄ぼんやりと両端が緑の陸になっている三日月型の海岸
が見える。レラさんに見えたままの風景を伝えると「その場所だ。その場所に
日が降りる時、祈ると、マヤのエネルギーと繋がるから、そこへ行きなさい」
と言う。


私は大変な宿題を背負ったと思いながら、屋久島へ向かった。
3日目のフリータイムの日、私は屋久島在住の友人、純子ちゃんに頼んで朝か
ら車を出してもらい、一緒に探してもらうことにした。純子ちゃんは、長年屋
久島に住んでいるだけあって、いくつか候補を考えてくれていた。夕日が見え
る海という条件から考えると、ある程度地域は絞られたのだが、あまりにも、
漠然としている。ここかもしれない、あそこかもしれないと一生懸命探したが
、どこもビジョンで見えたものとは違った。そうしているうちに、段々と時間
が経っていき、私たちは少しあせり始めて来た時だ。

「あれ?あそこに見える小高い丘かな?」

車から降りて、見た風景は、まさしくあの三日月に見える海岸だったのだ。私
と純子ちゃんは、手を取り合って喜んだ。
そして、ツアーに参加してくれている人たちと全員で、いのちへの感謝と平和
への祈りの時間を持つことにした。
私は家から持ってきたいくつかの石を海岸の前に置き、レラさんからお守りに
ともらったイナウとアメリカのセドナで買ってきた鷹の羽を置き、「過去・現
在・未来」と名づけた線香をつけて、般若心経をあげた。そして、それぞれに
全てのいのちへ言霊を捧げてもらい最後に全員で黙祷した。その祈り方は全く
の我流であったが、別に構わないと思った。

その日、ゆっくりと三日月型の海岸正面に、真っ赤な夕日が沈んでいった。

結局、2000年の秋、私は再び屋久島へ行き、そこでレラさんと会うことが
できた。

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【4】◆◇TEN’s Shop オープン情報◆◇
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オフィスTENでは、この春よりグッズの販売をすることにしました。
テーマは物語性。

人と物との間に、ひとつの物語があったなら…
それは「単なる物」としてではなく、「宝物」となるはずです。

スピリチュアルにあなたと繋がる何か。。。
そんなグッズを少しずつですが、通信販売することにしました。

予定しているアイテムは…
オリジナル商品から先住民族小物やジュエリー、書籍、カード等など…
作者の思いも同時にお伝えしようと思います。

きっと「物」と「あなた」の間に、大切な物語があることでしょう。

現在は、プレオープンとして≪魂の帰還Tシャツ≫のみ、限定販売中。


詳しくは

http://home.att.ne.jp/alpha/ten/tamasii-t.htm


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【5】◆◇おすすめの旅・最新情報!!◆◇
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          お待たせしました!!

       天と大地に感謝する旅・Walk6
 
         『屋久島ツアー2002』
        〜もののけ姫の森を尋ねて〜

           募集開始です!!

    2002年7月11日(木)〜7月14日(日)
            3泊4日

       東京発着 128、000円

            定員33名

 *募集人員に達し次第、締め切らせていただきます。


屋久島は、世界自然遺産に登録されている大自然の島。
神々が住むその島は、不思議な物語も沢山あります。

もののけ姫も…デイタラボッチも…コダマたちも…
みんなみんなこの島には住んでいるようです。

今回のこのツアーでは、映画「もののけ姫」制作時、宮崎駿監督はじめ、スタ
ッフ
達を舞台となった苔森に幾度も案内した方に、この幻想的な森をゆっくり案内
していただく
ことになりました。
また、3日目はフリータイム。天然海中温泉につかるもよし、オプショナルで
縄文杉登山やリバーカヤック、漁船で向かう口永良島でのスノーケリングツア
ーなどに参加するもよし。

今年、屋久島が呼んでいると思われる方、是非ご一緒しましょう。

詳しくは…
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/yaku2002.htm


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【6】◆◇編集後記◆◇
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今週の日曜日は、雛祭りですね。

雛祭りといえば、思い出すのが子供の頃。

お雛様を持っている友達は、必ずといっていいほど、自宅でお雛祭り会をし
ていました。幼心に段飾りのお雛様は羨ましく、ずっと親にねだっていまし
たが、結局買ってもらえなかった私は、いつの頃からか毎年この時期、家に
あるお人形やぬいぐるみを片っ端から全部出して、父の書斎にあった山本周
五郎全集などを積み重ね大きな雛壇を作りました。
そこに風呂敷をかけて、ひとつひとつ人形を丁寧に飾り、私だけの雛祭り。

正直、それは貧乏くさくて格好悪く、時期には決してお友達は呼べなかった
けれど…年に一度、家中のお人形たちが喜んでくれているような気がして、
私にとってはとても大切な年中行事でした。
                    aya

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発行者   天川 彩

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他でお使いになりたい場合にはご相談下さい。
お知り合いへの個人的な転送は歓迎です。

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