2002/12/20━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


     ☆★☆   TEN's magazine 第47号   ☆★☆   
 
  
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 こんにちは!天川 彩です。

もうすぐクリスマスですね。
目を覚ますと、サンタクロースがプレゼントを枕もとに置いてくれてい
た子供のころ。夜中まで一生懸命に起きていたのに、気がついたら朝に
なっていて…。
私はかなり長い間、サンタさんがいると信じていました。

いいえ、厳密にいうと、今もまだサンタさんはいると信じています。
ただ、赤い洋服を着ているかどうかは別として…。

今日のメルマガでは、森の聖霊がサンタになった、というお話をお届け
します。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載========= 天の河に橋かけて(17)
2・Blue Dream= ジャック・マイヨール追悼会
3・最新情報======= 来年のおもしろ予告です
4・締め切り迫る===== TEN'sメイト
5・童話詩の世界 ====『森からのおくりもの』
6・編集後記======= ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■『天の河に橋かけて』(17)

□「明日に続く道」

1999年11月21日。
それは、私が今までの私と決別をした日だった。
東京へ向かう新幹線の中で、不安と希望と後悔が複雑に混ざり合う。
車窓に、直前まで見送りに来てくれていた子供達の顔が浮かぶ。
「お母さん、頑張ってね。応援しているから」。

それは、苦渋の選択だった。
「東京で、今からしなければならないことがある」。
それは、私の魂が大いなる何かと固く決めたことなのだが、相反して私
の心は頑なに拒否していた。
仕事もお金も何も無い中から、東京で何をどう始めるというのだ。
そして何よりその選択は、愛する我が子達と別れて暮らすことも意味し
ているではないか。子供達は、慣れ親しんだ神戸の地から引っ越すこと
や転校することを拒んだのだ。

結局、家族全員で話し合いの末、子供達は元夫と共に神戸で暮らすこと
になった。

引っ越した翌朝、目が覚めるとあまりの静けさに驚いた。
昨日まで当たり前のように聞こえていた、子供達の騒がしい声がしない。
5人家族の主婦だった私が、今日からたった一人ぼっちなのだ。
自分が選んでしまった現実に愕然とした。

それから、何日泣いて暮らしたか覚えていない。
朝が来るのも、夜が来るのも恐ろしい。
ずっと一人ぼっちなのだ。
大都会、東京の中で…ただただ孤独だった。

東京に引っ越してから数日後、父の三回忌があり、北海道の実家に帰っ
た。

私は、少し元気になるまでしばらくの間、実家で過ごそうと思っていた。
ところが、実家には母の他に兄夫婦と我が子とほとんど年が違わない甥
と双子の姪が暮らしていているのだ。当たり前に暮らす、その普段の風
景がその時の私には、この上なく辛かった。

結局、三回忌が終わった翌日、私は東京に舞い戻って来た。

東京の狭いマンションの壁を見つめながら、私はしみじみ思った。

自分という存在は「魂」と「肉体」と「私」とで成り立っているのだと。
魂とは、輪廻を幾度も繰り返している自分の根源そのもの。
肉体とは、この世の借り物ではあるが今生を生きられるのも肉体あれば
こそ。
私とは、生まれてきてから現在に至るまでの自分の存在そのもの。

例えば今まで家庭を築いてきた主婦である「私」やPTAの役員であっ
た「私」、ご近所付き合いをしてきた「私」や友達と仲良くやってきた
「私」。
魂の声に従い肉体を引きずるように東京へやって来たのだが「私」とい
う存在は、その時神戸に置き忘れてきてしまったのだと気がついた。
おかしな話だが、魂がほぼ勝手に決めた東京行きに、後から「私」は気
がつき動転していたのだ。

私は「私」という存在を知らない人と語り合いたくてインターネットに
没頭していた。
パソコンの画面に向かっていると、朝も夜も孤独を感じなかった。
そのうち、食べることも眠ることも拒絶しているうちに「肉体」が衰弱
しはじめた。

「魂」と「肉体」と「私」が分離しかけた頃、子供達から電話がかかっ
てきた。
父親が神戸を離れて自分の郷里に帰る、と言い出したというのだ。
「お母さんの元へ行きたい」。
そんな子供の声は、私を現実に引き戻してくれた。

そうだ、生きなければいけない。生きてこの東京でやる仕事があるのだ。

この時、私は初めて自分の中心点に全てが集約されていく感覚を知った。

                           …つづく

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【2】◆◇Blue Dream ◆◇
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昨年の12月23日。
自ら74年の生涯を閉じることを選んだジャック・マイヨール。
その真意はいくら探ったところで、永遠の謎としかいえません。
ただひとつ言えることは、彼がどんな最期を迎えようとも、全ての命の
源である海の中にこそ、未来へのヒントがあるという、彼の哲学は永遠
に色あせることはないということです。

この日、あらためてジャックを偲び、そして青い海、青い地球に共に思
いを馳せる時を過ごしたいと思います。

大切な人と、是非お越しください。


《Blue Dream》
ジャック・マイヨール追悼会&映画「地球交響曲 第2番」上映会
12月23日(月・祝)
豊島公会堂(池袋駅徒歩5分)
16:30開場 17:30開演
上映〜追悼会
前売り3000円    当日 3800円 

ゲスト   :成田 均氏 (ジャック・マイヨール30年来の親友)
       内田正洋氏 (冒険家・日本シーカヤック界の第一人者)

ビデオメッセージ:高樹沙耶(女優・フリーダイビング日本記録保持)

このほか、佐藤初女さんや葉祥明さん他多くの方から寄せられた追悼メ
ッセージもご紹介いたします。

前売券は22日(日)15:00まで
インタネット又はTEL・FAXで受付

当日券は23日15:30より会場窓口で

http://www.office-ten.net
Tel 03−3828−5070 fax 03−3828−5090

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【3】◆◇最新情報 ◆◇
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来年のオフォスTENは森や山や海と、もっともっと楽しく付き合うこ
とを提供したいと考えています。

<今後の予定>

2003年2月
天と大地に感謝する旅F 
神秘なる秘境・知床「流氷と大雪原を歩くツアー」
*現在募集中 http://www.office-ten.net

2003年4月
「大都会の中で自然と遊ぼう!!」
横浜みなとみらいを海から望む シーカヤックアドベンチャー

(ナビゲーター・冒険家 内田正洋氏 )
*詳細が決まり次第、メルマガで速報お知らせします。

この他、恒例の白神山地ツアーや屋久島ツアー、南伊豆・まるごと海人
体験や北海道アイヌ体験ツアー、神々の世界に触れるバリツアー、沖縄
ツアーなども企画中。


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【4】◆◇締め切り迫る◆◇
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【TEN'sメイト 第2期】
締め切りは 12月31日
 
● 季刊紙「TENからの便り」が郵送で届きます
● 弊社主催のイベント前売りチケットが全て10%OFF
● 弊社オリジナル商品 全て10%OFF
● スペシャルイベントへのご優待(下町散策ツアー予定)
● オフィスTEN×TEN'sメイトの懇親会
● その他、TEN'メイトだけの特典が多数…

入会金  1000円  年会費  2000円

季刊紙「TENからの便り」では、メルマガやHPでご紹介しない少し
マニアックな?お知らせから、実にくだらない、いや楽しい内容が満載。
季刊紙は手作り新聞風?なのでとてもアナログですヨ。
*TEN'sメイト 第2期のお申し込みは、
http://www.office-ten.net

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【5】◆◇童話詩の世界◆◇
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「森からのおくりもの」
                        天川 彩

ここは、山の奥の静かな森。
ゆるやかに続く坂道を越え、ブナに囲まれた細い道を通り抜けると、
目の前に、どこまでも青く透き通った、神秘の湖が広がります。
この湖のほとりにある、一番大きなブナの切り株に、
かつて、森の精霊サンタランが住んでいました。

木の皮でできた服と、ツルで編んだ大きな袋、
暖かな瞳に白い髭。
森を守り、やさしさを届けるのが彼の仕事でした。

森に住むものたちと、サンタランはずっと楽しく時を過ごしていました。
森に住むものたちは、みんなみんなサンタランが大好きでした。

ところが、ある年のこと。

なかなか雪解けがやってきませんでした。
動物たちも植物たちもいつまで経っても眠ったままです。
どうしたことか、いつまで経ってもみんな起きることを忘れています。
サンタランは森の中を歩き続け、やっとみんなを起こした時には、
季節は夏になってしまいました。

その年の夏は、ひどく暑いものでした。
川は枯れ、森に住む全てのものが弱り始めました。
サンタランは水の精に雨を頼みましたが、
あまりに日差しが強すぎて、
雨はほんの少ししか降りません。
サンタランは神秘の湖の水を、夏の間、ずっと森の生き物たち全てに
配って歩きました。

サンタランはとても疲れていました。
だからほんの少しのつもりで、切り株の横で眠りはじめました。
どれくらい寝ていたのでしょう。
冷たい感触で、サンタランは目を覚ましました。

雪です。

サンタランは森の木々を見上げました。
まだ、葉っぱや木の実はついたままです。
あまりに早い冬の到来に、ほとんどの動物たちが、冬ごもりの準備がで
きていません。
サンタランは、森の中を歩き一生懸命、木の実や枯れ葉を集めました。
「森に住む全ての動物たちに、早く届けなければ・・・」

幾日も幾日も・・・。
サンタランは休むことなく、枯れ葉や木の実を集め、
動物たちのもとに届けました。

森に住む全ての動物たちのところに、届け終えると、
サンタランは、とうとう力尽きてしまいました。

森に住むものたちは、みんなみんなサンタランが大好きでした。

神様が、サンタランを迎えにきて、天国へ旅たつ日、
木も草も石も蟻も小鳥もリスもウサギもキツネもタヌキも熊も、
みんなみんな泣きました。

でも、いつまでも泣いていても、サンタランは戻ってきませんでした。
森に住むものたちは、みんなで考えました。
「泣いてばかりいても仕方がない。サンタランに感謝の祈りを捧げるこ
とにしよう。」

そしてそれぞれ、サンタランへ感謝の祈りを捧げました。

すると、どうでしょう。
天国のサンタランのもとに『おくりもの』が
次々と届き始めたのです。
そう、天国では、感謝の祈りは『おくりもの』として届くのです。
サンタランのもとに、森に住むものたちから
山ほど『おくりもの』が届きました。
それから、毎年森に住むものたちは、冬ごもりをする前に、サンタラン
に感謝の祈りをするようになりました。

いつしか、『おくりもの』は天国に置ききれないほどになったのです。

サンタランは神様と相談しました。
そして、天国に届く全ての『おくりもの』を、一年に一度、世界中の心
やさしい子どもたちに配ることにしました。

クリスマスの日、枕もとに届いた『おくりもの』。

それは森からの「ありがとう」なのかもしれません。


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【6】◆◇編集後記◆◇
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こんな時期になっても、まだ年賀状の準備ができていない。
そんなことを思いながら、今年は何年だったのかなぁと考えていた。
来年は羊だから、…龍、巳、馬、羊、猿、鳥…
そうか、今年は馬年だったんだ。と何気に呟いていたら、隣でパソコン
を打っていたアシスタントのキョウちゃんが一言。

「え、今年馬年だったんですか?私年女だったんだ。後10日間しかな
いけれど、これから年女満喫しないと!」。

つくづく私と同じノリだ…と密かに驚いた。

                           aya
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発行者   天川 彩

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