2002/11/29━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


     ☆★☆   TEN's magazine 第44号   ☆★☆   
 
  
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 こんにちは!天川 彩です。
来週から12月ですね。テレビやラジオからは、毎日のようにクリスマ
スや年末年始の情報が流れてきています。
皆さんは、もう何か予定は立てられているのでしょうか?
生活に季節感を取り入れることが好きだった(過去形なのがちと悲しい)
私は、クリスマスの一ヶ月前になると、玄関から廊下やトイレに至るま
で、家中をクリスマスバージョンに変え、12月に入ると毎年テーマを
変えて子供たちとツリーの飾りつけ。
クリスマスが来るまで、ワクワクしながら一日一日を過ごしていました。
でも、残念ながらここ数年はそんなゆとりが全く無い状態なので、家の
中ずっと、同じ状態…。
でも、今年はせめて少しだけでも、眠ったままのクリスマスグッズ飾ろ
うかな。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載========= 天の河に橋かけて(16)
2・イベント情報===== 「Blue Dream」
3・旅========== 大自然のスピリットを感じて
4・関西イベント===== アイヌの叡智とユーカラ in神戸
5・詩の世界 ====== 『ありがとう』
6・編集後記======= ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■「天の河に橋かけて」(16)

□平和の民・ホピの村へ 4

その日、空には縦に伸びる虹がかかっていた。
ホピレインボーと呼ばれているその虹がかかる日は、とても良いことが
あるそうだ。

儀式に使う建物『キバ』の前いある広場には、村の人で溢れかえってい
た。ベンチに座りきれない人は、家の屋根にまで登っている。
その光景が、とてもとても懐かしい。私はその見慣れた景色の中に、帰
って来たような錯覚を覚えていた。
幾つかのグループに分かれた踊り手が、キバから出てきて踊っている。
カチーナ(聖霊)の仮面と衣装を付けているのだが、その姿は摩訶不思
議。この時にしていたセレモニーは、世界中の目が不自由な人の為に8
日間交代で続けられると教えられた。

ひとつのグループの踊りが終わり、私達は呼ばれた。一人ひとり、長老
に途中で購入してきた捧げ物を渡すのだ。私の順番になり、ドキドキし
ながら用意してきたタバコを差し出した。
長老は私の頭に手を乗せて、何やら祈ってくれるのだが、残念ながら、
何を祈ってくれたのか、全くわからなかった。
頭が少しぼんやりとしたまま、元に居た場所に戻ると、民族衣装を身に
まとったロアーナが立っていた。前日のトレーナーにジーパン姿とは打
って変わって凛とした姿は、とても格好良いい。彼女は私を見つけると
駆け寄り、笑顔でハグをしてくれた。

その日のロアーナは、とても忙しそうだった。
彼女がこの祭りの中で、どのような役割を担っているのかは知らないが
表立っての部分ではないところで、重要なポジションであることは、容
易に想像がつく。
幾つかのグループが踊った後、短い休憩時間になった。
ロアーナと少しでも話せるかと思い、私は目で彼女を探した。すると、
彼女は広場の隅にしゃがみ込んで、何かをしている様子だった。目をこ
らしてよく見ると、落ちている小さな石を拾い集めているではないか。
そう、セレモニーで踊っている人々は、全員裸足なのだ。
きっと、踊り手が怪我をしないようにという配慮なのだろう。ロアーナ
はただ一人、細かな石を一人拾い集めては、広場から少し外れた場所に
置いていた。他の人々は、彼女の行為にすら気がついていない様子だ。
私は、ただ淡々とその行為をしているロアーナを見て、心底凄い人だと
思った。

どのくらい、その場にいたのかわからない。
ガイド役の女性が、そろそろセドナに帰る時間だから、と呼びに来た。
気がつくと、もう陽が暮れかかっている。「このまま、私はこの村に残
りたい」と思ってみても、叶うはずも無かった。
後ろ髪をひかれる思いで車に乗ると、ロアーナが追いかけて見送りに来
てくれた。
「aya、必ずまたここに帰っていらっしゃい。待っているから」。

車が走り出しても、ロアーナはずっと手を振ってくれていた。
私もロアーナの姿が見えなくなるまで手を振り続け、同時にホピの大地が
離れていくことが悲しくて、しばらく涙が止まらなかった。

セドナに戻ると、チヅコが迎えに来てくれていた。
私は、半ばシビレ気味の頭で、この日あったことや感じたこと、そして
本当はホピの大地から離れたくなかったことなど、一気に話した。
チヅコはしばらく私の目を見て言った。
「あなたが探しに来たhopiのayaは、どんな役割の聖霊だった?
平和のメッセンジャーだったんじゃなかった?メッセンジャーは留まっ
てはいけないのよ。多くに人に伝えるのが役割なんだから。きっとそれを
確認する為に、ホピの村にあなたの魂が戻ってきたのよ。また再確認した
くなったら、いつでも戻ればいいの。あなたは、あなたの役割の為に、こ
れからする仕事があるのよ」

その時のチヅコの言葉は、私の心魂深い部分に染み込んだ。
大きく息を吸い込み空を見上げると、ぽっかり浮かぶ満月に、月輪がかか
っていた。

つづく…


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【3】◆◇イベント情報 ◆◇
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● 今週、HPの「つぶやき」の中で、何故オフィスTENが、ジャック・マイ
ヨールの追悼会をすることになったのか、書きました。

【Blue Dream】ブルードリーム
・ジャック・マイヨール追悼会& 映画『地球交響曲 第2番』上映会
《日 時》2002年12月23 日(月・祝)16:30開場 17:30開演
       *映画上映〜追悼会 21:00終演予定
《会 場》豊島公会堂(池袋駅・徒歩5分) 
《料 金》前売り 3,000円 当日 3,800円
《映 画》「地球交響曲 第2番」(2時間10分) 
      出演:ジャック・マイヨール、ダライ・ラマ法王、
         佐藤初女、フランク・ドレイク
《追悼会ゲスト》
     ●成田 均
      (プロダイバー・ジャック・マイヨール30年来の親友)
     ●内田正洋
      (海洋ジャーナリスト・日本を代表するシーカヤッカー)

青い海…青い地球…そして、今ここが夢の始まり

詳細はhttp://www.office-ten.net
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【2】◆◇天と大地に感謝する旅 ◆◇
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大自然のスピリットを体感したい方、
どうぞ、ご一緒しましょう!!

《天と大地に感謝する旅 Walk 7》

**白銀の知床「流氷と大雪原を歩くツアー」**    

2003年2月20日(木)〜2月23日(日)
  東京発着 118、000円 

(航空運賃・ホテル宿泊代・現地移動費・ネイチャープログラム参加費、
 エコワークショップ参加費・保険代・全行程食事代 全て込み)
★宿は、美術館を思わせる人気のプチホテル「季風クラブ」に3連泊

流氷の上を歩いたり、カンジキ履いて真っ白な森を歩いたり…
生涯に残る思い出の旅をしたい方向けのツアーです。

お申込み頂きました方には、後日、詳しい資料をお送りいたします。
http://www.office-ten.net

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【5】◆◇関西イベント ◆◇
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【アイヌの叡智とユーカラの夕べ】 in 神戸

 アイヌのシャーマンであり語り部でもあるアシリ・レラさん。
彼女は、カムイユーカラ(神々の叙事詩)の中で、
文化の神オキクルミが降り立ち、生活や文化を伝われている場としてう
たわれているアイヌの聖地、北海道・二風谷に生まれ育ちました。
生きとし生ける全ての「いのち」の為に、今、民族に伝わる叡智と、ユ
ーカラ(口頭伝承されている叙事詩・神話)を携えて、神戸にやって来ま
す。魂をゆさぶる『語り』に、どうぞ耳を傾けてください。
語り  アシリ・レラ(北海道・ニ風谷在住)

<日 時> 2003年1月31日(金)18:30開場19:00開

<会 場>  神戸アートビレッジセンター ホール
       
       アクセス・高速神戸「新開地駅」8番出口より徒歩5分

            JR「神戸駅」より徒歩10分)
<前売り> 2800円  当日3500円 
      
詳しくは…       http://www.office-ten.net  
     

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【6】◆◇詩の世界◆◇
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ありがとう
                      天川 彩

ありがとう。
空よ水よ、大地よ人よ。
今、私は両手を広げ感謝します。
命が皆と共にあることに。
青く輝くこの星で、
あなたと出会えた偶然に。

ありがとう。
ありがとう。

ありがとう。
鳥よ魚よ、草木よ人よ。
今、私は両手を広げ感謝します。
命が皆と共にあることに。
青く輝くこの星で、
あなたと出会えた幸せに。

ありがとう。
ありがとう。

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【6】◆◇編集後記◆◇
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今週は、いろんな人が事務所を訪れて来てくれた。
なかなかうまく何事も進まず、少し落ち込み気味だったのだが、話して
いるうちに、自分の原点に戻らされ、連日再確認させられていたように
思う。
さ、気を入れなおして…頑張るぞ〜!
                       aya
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発行者   天川 彩

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