2002/02/08 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆★☆   TEN's magazine 第4号   ☆★☆      
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 こんにちは!天川 彩です。
立春が過ぎて、オフィスTENに新しい風が吹いてきました。
これから春に向かい、皆さんも新たな出会いも多くあると思いますが、どん
な展開になっていくかは『神のみぞ知る』です。随神(かんながら)にそし
て、ゆるやかに受け入れていくと、楽しいことが待っていそうですよ。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======= 「神戸からの祈り」(4)
2・おすすめの旅===  天と大地に感謝する旅「森のイスキア〜白神山地」
3・バックステージ =  加藤 清先生 <お迎え編>  
4・おすすめ情報===  天河太々神楽講 旧暦七夕祭「天の川に祈る」
5・最新情報===== お笑い芸人大募集!!
6・編集後記 ==== ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(4)

震災直後から、神戸周辺では1年近く各所で、ボランティアの人々による炊き
出しや音楽イベントなどが連日繰り広げられていた。

私が住んでいた芦屋には、市民グランドに石原軍団が救援テントを張り、連日
炊き出しを行っていた。私や友人たちは、渡哲也さんなどが焼いてくれた魚を
お昼ごはんに食べたこともある。
ガス・水道・電気のライフラインが途絶えていた私たちにとって、各所で行わ
れていた炊き出しや、物資配給、自衛隊が小学校のグランドで毎日沸かしてく
れていたお風呂が、どれほどありがたかったことか。

また、被災者ご招待という類のコンサートや旅行なども多数企画され、私も子
供たちもいくつか参加させてもらった。
震災で住んでいたマンションは半壊。車も壊れ、家財道具一式もほとんど失っ
て生活は一変したが、その時に全国そして世界から寄せられた暖かい気持ちに
どれだけ励まされ、癒されたか計り知れない。

しかし、2年が過ぎ3年目を迎えても、私たちを被災者と呼び、同情的感覚で
接してくる人々も少なからずいた。そして、いつまで経っても震災がらみの
「何か」で外の人から与え続けられることにに少しずつ違和感を覚え始めてい
たのかもしれない。
手渡された紙に「阪神大震災鎮魂と世界平和の祈り」という文字を見つけた時
、正直な話、またか…という感情がまず起った。が、その趣意書を読んでどこ
か今までとは違うものを確かに感じた。

1998年3月3日。
その部屋には、30名以上の人々が集まり、膝を突き合わせて座っている。
それぞれの想いを熱く語りあう姿に、私は幕末から明治維新にかけて、同志た
ちが密談でもしているかのような錯覚を覚えた。
私の隣にたまたま座っていたのが、この会の呼びかけ人である鎌田東二さんだ
った。

そもそもこのお祭は、沖縄の音楽家・喜納昌吉さんと鎌田東二さんが電話で話
をしていて「神戸で震災の鎮魂と世界平和を祈る音楽祭をしよう」という会話
から始まったそうだ。しかし、縁がありそこに集まった人々皆が、同様の想い
を胸に持っていた。
だから、皆一様に真剣だったのだ。
その話し合いの中で、私と同じく芦屋在住の男性がいた。
音楽業界の仕事をしているらしいその男性に、事務局長を引き受けてもらおう、
というところまで話が進んだ時、休憩時間になった。

私はその男性に近寄り「私も同じ市内ですから、何かお手伝いできることがあ
れば、おっしゃってください」と言ってみた。
すると、その男性が小さな声で驚くようなことを言い始めた。

「あんた、そんな損なこと言わないほうがいいよ。だいたい、平和イベントの
事務局長なんて一円にもなりゃしないし、疲れるし責任あるし、ロクなことは
無いんだから。
俺は知り合いに話を聞いてきて欲しいと頼まれたから、とりあえず来ただけだ
から最初から事務局長なんて、引き受けるつもりもないよ。悪いこと言わない
から、君もあまり関わらないほうがいいよ」

私は信じられなかった。
損得で考えることができるような内容ではなかったからだ。
結局、その日は事務局長が決まらないまま終わったのだが、そこでなされた話
は、私の深い部分を強く刺激していた。

その日の夜、私は一睡もできなかった。

心が導く道で生きるべきか、それとも心が荒んでもお金が保障された道で生き
るべきなのか。

翌日、私は体調不良という理由で会社をズル休みしてしまった。
そして、1日中ずっとパジャマも着替えることなく、ずっと考えていた。
夕方、私を話し合いに誘ってくれた千賀子さんから電話がかかってきた。

「彩さん、明日一緒に天河へ行かない?」
「ダメだよ。今日、会社をズル休みしちゃったから明日は会社に行かなきゃ…
 やっぱり社会人だし、責任あるし、締め切りも近いし…」
「今、彩さんにとって、会社に行くより絶対に大切なことだと思うよ」
「第一、その天河って何?」
「奈良の吉野の山奥にあるところ」
「ならば、今じゃなくて桜の時期がいいよ。吉野山の桜見たいから、その時期
 に誘ってよ。明日は会社に行かなきゃマズイから」
「あのさ、風邪ひいて熱があったりしたら、熱が下がるまでは会社休むでしょ。
 今は、心が疲れているんだよ。気分転換でドライブに行くという感覚で、や
 っぱり一緒に行こうよ。実は何人か誘っていたんだけど、その中の一人が急
 に都合悪くなって、行けなくなって席がひとつ空いているの。ガソリン代や
 高速代、みんなで割り勘にしたいから、こっちも助かるしね」
「そうか、なら…明日も会社休んじゃおうかな」

と、いう訳で2日目も私は会社をズル休みをすることにした。


1998年3月5日。
外に出ると、朝日が眩しくらいに輝き、雲ひとつ無い空はどこまでも、青く広
がっていた。
私はこの日から、天川 彩になるなどとは全く思いもしていなかったのだが、
何かが始まる予感がして、その澄んだ空気を思い切り吸い込んでいた。

つづく…



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【2】◆◇おすすめの旅◆◇
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大反響!!

天と大地に感謝する旅 Walk5

「森のイスキア〜白神山地」

5月23日(木)〜5月26日(日)


森のイスキアで体の芯まで喜ぶ食事を朝夕食べたり…
佐藤初女さんから、おむすびの握り方を教わったり…
そのおむすびを世界遺産・白神山地を眺めながら食べたり…
『ランプの宿』で温泉にゆったりつかったり…
日本一の星空が綺麗に見える場所で地ビール飲んだり…

なんて、贅沢な旅なのでしょう…

* 今回は定員25名で締め切らせていただきます。

前回のメルマガで募集開始のお知らせをしたところ、
既に半数のお席が埋まりました。
参加をご希望される方は、なるべくお早めにお申し込みください。

詳しくは
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/tabi-tohoku2002-5.htm

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【3】◆◇バックステージ◆◇
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■加藤 清先生<お迎え編 >

《有邪気と無邪気》

『加藤先生のお話をじっくり聴く会』を2月3日(日)豊島公会堂で催した。
その前日の夕刻、先生は新幹線でやって来られたのだが、実は先生が来られる
数時間前、スタッフの柴ちゃんと二人で、場所の確認の為、豊島公会堂から先
生の宿泊場所である池袋サンシャイン・プリンスホテルまでを歩いてみた。
会場からサンシャインビルの入り口まではいとも簡単なのだが、問題はサンシ
ャインの中だった。
迷路のように、入り組んでいる。やっとたどり着きチェックインして、また柴
ちゃんと「ここを右に行って、この階段を上って…」と確認しながら出口まで
戻った。

加藤先生を新幹線のホームまでお迎えに行き、そのまま池袋まで行くと、私は
全く道に迷うことなく、先生をホテルまでご案内することができた。

荷物を部屋に置き、その後すぐにサンシャインビルの58階レストランで食事
をしたのだが、「さっきの道、ちゃんと迷わんように前もって歩いていたやろ
う。それがようわかったわ。そうじゃなかったら、あの道は迷うわなぁ。ご苦
労さん、ありがとう」と言ってくださった。
そして、それから様々な話になった。

「君は、ほんまに真っ正直に生きてる人やな。僕も無邪気やけどな君も無邪気
過ぎるんと違うか?東京におるんやし、若いうちはもう少し有邪気になって戦
略家になってもええと思う。うちの孫はそういう意味では有邪気やで」とおっ
しゃる。
先生のお孫さんは、中学、高校とオーストラリアの学校で学び、現在は東大の
法学部で学んでいる才女だ。オーストラリアの学校では、黄色人種というだけ
で、言われ無き差別に最初遭っていたそうだ。アングロサクソンとの戦いをど
う勝ち抜くか、いかに友人を多くつくり、また見下されないように努力を重ね
ることが大切か、そしていかにいい意味で戦略家となることが必要かを、誰に
教えられたわけでもなく身につけてきたそうだ。

「若いうちは全く邪気を無くしてしまったら、あかんで。君もやるべきことが
あるんやから、いい意味でもう少し戦略家にならな、ほんまにせなあかんこと
出来へんで」

やはり、伝説の精神科医は、凄いと思った。

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【4】◆◇◆◇
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日本の聖地・奈良県天川村にある天河神社で旧暦の七夕祭を迎えませんか? 
      
           天河太々神楽講
       
≪天の川に祈る≫

8月14日〜8月16日
〜本年の旧暦七夕は8月15日です〜

太古からの聖地、天河において自然界そして大宇宙の中で生かされている命に
感謝をしながら、先祖に思いを馳せ天の川に祈り捧げる3日間です。
七夕祭ご神事、仏式による万霊の御霊供養、天の川に於いての灯篭流し…。
幽玄な天河での旧暦七夕は、深く私達の祈る心を呼び覚ましてくれることでし
ょう。今回この集いでは、笹飾りから翌日の天の川お掃除まで参加させて頂き
、天河の七夕祭を存分に体感させていただくことになりました。聖地での祈り
の時を是非、ご一緒いたしましょう。

                     講元  天川 彩

詳しくは
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/tatakagura2002.htm

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【6】◆◇最新情報◆◇
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今年、オフィスTENでは、

笑う門には福来る を合言葉に『TEN×2寄席』を企画しようと思っていま
す。あなたのまわりで、「笑いなら、任せとけ!!」と豪語している人はいま
せんか?
あなた自身でも構いませんし、知り合いお友達でも結構です。
プロ・アマ問わずメチャメチャ面白い人大募集!
ただし、オーディションあり(だって、ギャラ出すんだもん)

漫才、ものまね、落語…
何でも、思い切り笑わせてくださる人ならOKです。
まずは、メールで

ten@office-ten.net


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【6】◆◇編集後記◆◇
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先日、母から電話がかかってきました。
「前回のメルマガ、数字が間違っていたよ。きっと、1990年に続き…って
書こうと思っていたんだろうけれど、19990年になっていたから、次号で
訂正しておいたら?」というアドバイスでした。見てみると確かにその通り。
これでは後10年で2万年になっちゃいますね。それにしても、縄文時代は、
そのくらいの単位で暮らし方が伝承されてきたんですよね。
それから思うと西暦は、わずか2000年。これからも人類を含め、地球全体
が何万年も滅びないことを願いたいと思います。

と、同時に今年68歳になった札幌に住む母が、インターネットで娘のメルマ
ガを読んでいることに、少し驚きました。
aya

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発行者   天川 彩

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