2002/10/18 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     ☆★☆   TEN's magazine 第38号   ☆★☆   
 
  
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 こんにちは!天川 彩です。

谷中に突如現れた不可思議な店、オフィスTENのあんてなショップ
『自然の叡智といのちを感じる店』も好評のうちに無事終了。
お越し頂きました皆様、本当にどうもありがとうございました。
コラムでは、このアンテナショップ、ドタバタ記をしばらくご紹介
しますね。

さーて、そろそろ本業のイベントに力を向けないと…。

来月はアシリ・レラさんの「アイヌの叡智とユーカラの夕べ」がありま
す。幾度かレラさんには、お越し願っているのですが、対談であったり
催しの一部に出演というかたちであったりで、2時間全てレラさんの語り
というのは、初めてとなります。

多くの方から、レラさんの話をもっと聴きたいという要望があり、今回
このような会を企画してみました。

人と人、人と自然とが共存していく為には、どうすればよいか…
秋の夜長、レラさんの語りにじっくりと耳を傾けてみませんか?



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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載========= 「天の河に橋かけて」(14)
2・おすすめイベント=== 『アイヌの叡智とユーカラの夕べ』
3・コラム・風の文様=== 『アンテナショップ ドタバタ記』
4・追悼会======== 『ジャック・マイヨール追悼会&上映会
5・詩の世界 ====== 『私はあなたを愛しています』
6・編集後記======= ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「天の河に橋かけて」(14)

□平和の民・ホピ族の村へ 2

1999年10月、私が初めて向かったアメリカの地は、ニューヨーク
でもなければロサンゼルスでもない、アリゾナだった。
そう、アメリカ最古の少数インディアン「ホピ族」の人々が住む地だ。

「ホピの予言」等でも知られている、平和の民と呼ばれる人々である。
実は、少数民族や先住民族の叡智に興味を持ち始めた頃から、ホピ族の
ことが気になって仕方が無かった。
天河神社に行っても、ホピの人々が来ていたり、レラさんの所にも来て
いたり…と、ことごとく私の行く前にホピ族の人々が現れていたのだ。

ホピ族にはカチーナと呼ばれる聖霊の人形がある。
インターネットでホピのことを調べていて、カチーナの中に「Aya」
という聖霊があることを見つけた瞬間、私の心臓が激しく打った。

いつか、「Aya」を探しに、ホピの村に行かなければ…
そう思ったら、あっという間に機会は訪れた。

友人がアリゾナ州セドナ行きのツアーを企画したので、行かないかと誘
ってくれたのだ。

「ホピの長老が大切なセレモニーをするらしいのだけれど、Ayaさん、
あなたもこれに参加するのではないかと思って…。ねぇ、ツアーに参加
てみない?」
私はその言葉に強く惹かれ、大枚を叩いて参加することにした。

が、セドナに着いた途端、友人は「そんな話はした記憶がない」と言う。
更には、ホピの村に行く予定はないので、どうしても行きたかったら、全
員を説得してくれという。

セドナという場所は、ニューエイジのメッカのような場所だ。
そのツアーに参加してから知ったのだが、それぞれ参加者の目的は別々
にあった。ニューエイジショップに行くことを楽しみ来た人、某セミナ
ーの参加を楽しみに来た人等々。
私自身はニューエイジショップにも、セミナーにも全く興味が無かった。

私がアリゾナへ来た目的はただひとつ。ホピ族の村へ行くことだけ。

セドナから、車で約3時間。
まるで、目と鼻のような距離ではないかと思った。
しかし、ツアーに参加した人々は、アメリカインディン最古の部族の集
落に行くことになど、感心も興味もない様子だった。
私はたかだか3時間、でも興味の無い人にすると移動だけで往復6時間
もかかる場所に、行くことは苦痛に思えたのかもしれない。

「皆さんに申し訳ないので、明日は私一人でホピ族の村へ行きます」そ
う言った途端だった。何人かが一緒にホピの村へ行くと言い出した。
そして最終的には、全員がホピ族の村へ行くことになった。

ガイドを引き受けてくれたのは、チヅコという小柄な日本人女性だった。
彼女は、ホピの村へ幾度も行っているので、案内役としては適任だった。

何処までも続く砂漠の中のハイウェイ。
乾ききった大地にサボテンの群集が並ぶ。
セドナを出てから、およそ3時間。ほとんど休憩もなく走り続けて、や
がてチヅコは車を止めた。
そこからは、はるか先に『メサ』と呼ばれる垂直に大地が盛り上がった
大地が見える。そう、その大地こそ、ホピの村なのだ。

私達は、そこでまず祈りを捧げた。そして数枚の写真を撮った。
ここから先はホピの領土であり、決して彼等、また彼等の土地でカメラ
を向けてはいけないことを教えられたからだ。
折角、写真を沢山撮ろうと意気込んでいた私は少し残念だったが、潔く
カメラをトランクの中に入れた。

車はゆっくりとホピの村に入っていった。
ホピ族の大地は大きく分けて、3つのメサに別れている。
サード・セカンド・ファーストの各メサがあるのだか、各メサは随分と
離れている。ブロックを積み上げてできている家が、乾いた大地に続く。
しばらく進むと、学校や病院、食料品店などがあった。

そこからかなり離れた場所に、レストランとホピの歴史的な資料を展示
しているスタジアムがあったので、私達はそこで昼食と休憩をとること
にした。広場では聖霊人形のカチーナを売っている。

驚くほど日本人と似ている人々が、昼下がりの「時」を楽しんでいた。
親近感を覚えて近付くと、満面の笑顔で応えてくれる。
いくつか並ぶカチーナを眺めているうちに、突然、旅の目的を思い出し
た。そう、カチーナのAyaに会うことを。

私はカチーナ売りのおじさんに尋ねてみた。
「Ayaはありますか?」

「Ayaなら目の前にいるこれさ」
おじさんは、数あるカチーナの中でも、取り分け変わっている宇宙人の
ような不思議な人形を差し出してくれた。
私はカチーナのAyaが、虚無僧のような、宇宙人のような姿にやや驚
いたものの、まさかこんなにすぐに会えるとは思ってもみなかったので、
感激だった。
私は、自分の名前がAyaであること、そしてAyaのカチーナに会う
為に日本から来たことを話した。
すると、おじさんは凄く感激した様子で「本当か?」と何度も言い「今
日はいい日だ。生きたAyaに会えたよ」と喜んでくれた。
おじさんは、Ayaは「平和のメッセンジャー」の聖霊であると教えて
くれた。

『平和のメッセンジャー…』
私は何度もこの言葉がグルグルと自分の中で巡った。

その日、チヅコの案内で、ファーストメサの近くに住む、ロアーナとい
う女性の家を皆で訪ねた。
ロアーナは、地球の母を連想させるような、しっかりと大地に根を下ろ
して生きている知的な女性だった。
正直な話、その時何をどう話したのか記憶にない。しかし、ロアーナと
私の間に互いに何か強い結びつきを感じたことだけは確かだ。

皆で帰ろうとした時、ロアーナは私を呼び止めた。
「Aya、あなたは今夜ここに泊まりなさい。明日からセレモニーが始
まるから、それに参加するといいから」という。私はロアーナの家に泊
まりたいと思った。がロアーナはすぐに考え直して「やはり、今夜はセ
レモニーの準備が忙しくて、ゆっくり寝てもらうことも出来ないから、
明日もう一度来なさい。そうしたら、セレモニーに連れて行ってあげる
から。明日、ちょうどセドナからこの村に車を出す友人がいるから、彼
女に連絡して連れてきてもらうといいから」

そう言うと、友人の電話番号をメモに書いてよこした。

翌日は、私以外全員が某セミナーに朝から晩まで参加する予定になって
いた。
私は、飛行機の中で某セミナーの話を聞いたが、興味が持てなかったの
で断っており、翌日は全くのフリー状態だった。

翌朝早く、私は再びホピの村に向かう為に、迎えに来ていたワゴン車に
乗り込んだ。

そう、ホピ族のセレモニーに参加する為に。




                          つづく…

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【2】◆◇【おすすめイベント】 ◆◇
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『アイヌの叡智とユーカラの夕べ』
      
〜北海道・二風谷より 語り部 アシリ・レラさんを迎えて〜

2002年11月8日(金) 18:00開場 19:00開演
ムーブ町屋ホール   
(営団地下鉄千代田線、京成線「町屋」都電「町屋駅前」徒歩1分)
前売り 2800円  当日3500円 

先住民族の人々は、太古から言い伝えられた自然との共存や闘わずに生
きる術を守り伝えてきています。
現在、わずかしか残っていない日本の先住民族・アイヌの人々も、豊か
な文化と精神性を持ち、今なお北の大地で暮らしています。
アイヌの聖地・北海道、二風谷に住む語り部、アシリ・レラさんは、そ
んなアイヌに伝わる文化とユーカラ(口頭で伝わった叙事詩)の代表的
な伝承者の一人です。

「人と人、人と自然とがどう向き合って生きていくべきなのか…」
今回はそんな根源的なテーマをもとに、北海道からアシリ・レラさんを
お迎えして、アイヌ民族に伝わる叡智とユーカラを語っていただきます。


*この催しは小さなホールでお届けします。
じっくりとレラさんの深みのある言霊を体感してください。

お申込み方法など、詳しくは…
http://www.office-ten.net



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【3】◆◇【コラム・風の文様】 ◆◇
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□「アンテナショップ・ドタバタ記」 その1

ガラガラガラ…
シャッターを開けて、準備に取り掛かる。
「今日も一日頑張りましょう〜!」

商店街の一角に、突如出現した一見、風変わりな店。
わずか10日間ではあったが、私たちのお店屋さんごっこ?は、メチャ
クチャ楽しかった。


ことの始まりは…7月の後半、不動産屋のエイコちゃんのところに、フ
ラ〜っと立ち寄ったことから。

「アヤさん、谷中芸工展って知っている?」
「知らな〜い」
「それじゃ、谷中学校は?」
「そこの人なら、今年の始め佐藤初女さんをお呼びした時、事務所まで
チケットを買いに来てくれたよ。で、その谷中学校がどうかしたの?」
「アヤさん…もし場所を提供したら、何か10日間催す気ある?」
「ん??よくわからないんだけれど…詳しく説明してくれる?」

彼女の説明によると、谷中学校という任意団体で、毎年、町とアーティ
ストが協力しあって、芸工展というものを開催しているという。
彼女の経営する不動産屋さんも、何らかのかたちで芸工展に参加するこ
とを決めたらしく、そこで場と活用する人を結び付けようと思っていた
そうだ。そこで、活用する人として白羽の矢をたててくれたのが、オフ
ィスTENだったのだ。
場所は、目星をつけてあるから、心配しなくていいという。

「アヤさん、オフィスTENもこの街に来て3年目を迎えようとしてい
るんだから、そろそろ地元の人たちにも、活動内容を理解してもらった
方がいいよ。何でもいいから、やってみない?」
「そうだよね…。こんなチャンス滅多にないし、いっそのことアンテナ
ショップ出しちゃおうか」
「いいよ、それ!やってみてよ。応援するからさ!!」

谷中学校へ説明を聞きに行き、すぐさま手続きを取った。
「ショップの名前はどうしますか?MAPに入れるのに、お店の名前が
無いと困るので」という。
そうか…それならオフィスTENのコンセプトをそのまま店の名前にし
よう。私はその場で『自然の叡智といのちを感じる店』と書き込んだ。

アンテナショップとして提供してもらった場所は、谷中のよみせ通り沿
い。
隣は、手芸用品店とクリーニング屋さん、向かいは電気屋さん。
普段、そこで生活をしている人が活用している商店街の中にあった。
平均年齢が高いこの通りで、この試みをどのようにアピールするか…。

それは、まさに出たとこ勝負だった。



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【4】◆◇追悼会◆◇
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世界的なダイバー ジャック・マイヨールが逝って1年…

『シャック・マイヨール追悼会&ガイア2上映会』


2002年12月23日(月・祝)
開場:16:30
開演17:30〜21:00終了予定
  (映画上映⇒追悼会)
料金:前売り3000円 当日3800円
場所:豊島公会堂


特別ゲスト 成田 均 氏  (ダイバー)
*ジャック・マイヨールの30年来の大親友

12月23日は、映画「地球交響曲第2番」の出演者でもあった伝説の
ダイバー、ジャック・マイヨール氏が急逝してから、ちょうど一周忌に
あたります。

私達は、この日に向けて現在、追悼会及び第2番の上映会を準備いたし
ております。
当日は、映画「地球交響曲 第2番」上映後、シャック・マイヨールと
30年来の親友、ダイバーの成田 均氏をメインゲストとしてお迎えし、
ジャック・マイヨールの素顔や、彼が次世代に残したメッセージを伝え
てもらう予定です。また多くの方々から寄せて頂いたメッセージ等をご
紹介するほか、当日会場に集まった方、全員で氏を偲ぶ時間を共有した
いと思います。

大切な方と、是非参加してください。   

<チケットのお申込みはFAX・インターネットで>


FAX 03−3828−5090
http://www.office-ten.net  




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【5】◆◇詩の世界◆◇
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「私はあなたを愛しています」

                          天川 彩

あなたがきらめく笑顔の時には、
一緒に幸せに浸りましょう。

あなたが、悲しみにくれる時には、
一緒に涙を流しましょう。

あなたが淋しくなった時には、
一緒にご飯をたべましょう。

あなたの手足が凍えた時には、
私の手足で温めましょう。

あなたが孤独になった時には、
…思い出して、私のことを。

私はあなたを愛しています。

たとえ世界中の人々が、
あなたの存在を知らなくとも、
私はあなたの素晴らしさを知っています。

あなたはこの世にただ一人。

私はあなたを愛しています。


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【6】◆◇編集後記◆◇
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「弟子にしてください!」
アメリカから戻って来た直後、オフィスに若い女の子がやって来た。
彼女の名前はキョウちゃん。
タイの先住民族の村に住みながら、そこの子供達に絵を教えていたとい
う。
今までも、様々な人がオフィスTENに出入りしているが、彼女のよう
な強烈な個性を持った女の子は初めてだ。
飛び込みで弟子志願。私の若かった頃と同じタイプ。
今回のアンテナショップは、彼女の頑張りナシでは語れないのだが…
その話は、また来週のメルマガで♪

                         aya

                
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発行者   天川 彩

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