2002/9/27 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     ☆★☆   TEN's magazine 第35号   ☆★☆   
 
  
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 こんにちは!天川 彩です。

最近、めっきり秋めいてきましたね。
そんな中、先日、近所の神社の秋祭りがありました。
このあたりは、東京の中でもチャキチャキな江戸っ子たちが、今も粋な
文化をきちんと継承している地域なので、そりゃもう町中が祭り一色。

おじいちゃんも、小さな子供も、若い衆も、みんな豆絞りのねじりはち
まき頭に巻いてハッピに足袋で神輿を担ぎ、神社の神官は馬に乗っての
大行列。
2週間前に行ったナバホ族のお祭りにしても、東京下町のお祭りにしても
やっぱり祭りはそこに住む人々のエネルギーの集合体なんだなぁと、つ
くづく感じました。

さて、今週のメルマガでは、いよいよジャック・マイヨール追悼会&上
映会チケットの発売日が決定しました。
オフィスTENも秋から冬にかけて、予定が目白押し。

まずは、来週土曜日からのあんてなショップに是非来てくださいね。
私も時間が許す限り、お店に出ていま〜す。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載========= 「天の河に橋かけて」(12)
2・最新情報======= 『ジャック・マイヨール追悼会&上映会』
3・オープン情報!!=== 『自然の叡智といのちを感じる店』
4・詩の世界 ====== 『風』
5・編集後記======= ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「天の河に橋かけて」(12)

□新たな道のはじまり 2

大都会、東京。
やはりインターネットがこれだけ発達しても、現時点では、まだメディア
の中心地であることは揺ぎ無い事実である。
東京行きを決めた時、たまたま別件でカムイ・ルーという知り合いに電話
をしているうちに、家探しの話になった。

「東京に出てくるのなら、根津がいいわよ。私は来月には新潟に引っ越し
てしまうけれど、すぐに来れるなら私が案内してあげる」
カムイ・ルーとはアイヌ語で神の道案内という意味を持つという。
私はすぐさま東京に向かった。

案内してもらったその場所は、東京のど真ん中だというのに、まるで時が
止まったかのように静かだった。鎮守の森の向かいには、かつて森鴎外や
夏目漱石が住んでいた跡地が残り、今も当時を偲ばせる下町風情が町のい
たるところに残っている。

明治神宮が近くにある表参道に住むことも考えたが、なんともいえないノ
スタルジックなこの町並が気に入り、改めて、私は住む場所を探しに来る
ことだけを決めて東京を後にした。


それからの一ヶ月は、自分でも信じられないほど、大きな「何か」の流れ
の中にあった。

最初の天河太々神楽講の講元をさせて頂いたのは、東京から戻って来て1
週間後のことだった。
その年のはじめ、天河太々神楽講の世話役である谷島さんから、講元をや
ってみないかと声をかけて頂き、身に余ることとは思いながらも引き受け
させて頂くことにした。
天河は太古の昔から、様々な人が聖地として訪れている場だが、世界中の
先住民族の人々とも、強い結びつきがあるようだ。
私は前年の10月、クリンギット族のボブ・サムが初めて天河神社にやっ
て来た時のことを思し、彼とも深い交流がある、アシリ・レラさんを講師
に招いて「ネイティブ・スピリチュアルに学ぶ集い」というワークショッ
プをすることにした。

初めての講元…アイヌ民族と神道の歴史的背景。
ほとんど寝る間もなく、様々なことをしなければならなかった上に、知ら
ないことがあまりに多すぎて、自分の未熟さを痛感する3日間となり、正
直なところ辛い時間だった。
たが、その時に宮司さんとレラさんを通して、真剣に「祈り」と「許し」
ということを学んだような気がした。

太々神楽講を終えた直後、参加してくれていた友人が「明日、正午に六甲
山にあるトーテムポールを見に行かない?」と誘ってきた。
突拍子もないその誘いに、私は戸惑いながら「明日の正午、六甲山のトー
テムポールを見てどうするの?」と聞いた。
「別に、これといって特別な用は何もないんだけど、なんとなく集まった
人たちで、その時間に見に行こうということになって…アヤちゃんも行か
ないかなぁと、なんとなく思ったからさ」
「そうか…でも…私、明後日からアメリカのアリゾナに行って、ホピの村
を訪ねてみるの。その用意が全く出来ていないから、流石に明日は行けな
いよ。ごめん」

そう。私は天河太々神楽講「ネイティブ・スピリチュアルに学ぶ集い」を
終えた3日後、アリゾナへ向かうという、信じられないような強行スケジ
ュールを組んでいたのだ。

天河から戻った翌日、私は久しぶりにゆっくりと寝ていた。
午前10時半頃だったと思う。パジャマのまま、新聞でも読もうと思った
その時だった。

「今スグ、六甲山へ向かいなさい」
どこからか声がする。

私は疲れきっていた。
だから、もしかして幻聴が聞こえているのかとも思ったが、どうもそうで
もないようだ。
しかし、例えどんな相手からの声であろうと、今は勘弁してよ…と思った。
私は生意気にも、その声の主に向かって、言い返してみた。

「私は、昨日まで奈良に行っており、明後日からはアメリカに向かわなけ
ればなりません。今日くらいは休ませてください」
すると、その声の主が更に続けた。
「何の為に今、動いている?」
「ネイティブの魂に触れ、そして学ぶ為です」
「トーテムポールとは何なのだ?」

私は、ハッとした。
トーテムポールはネイティブの魂を木に彫ったものではないか。そうか、
全て繋がっている流れなんだ…。でも、もう約束の時間には間に合いそう
にないし…第一、どうやって向かおう…。

そう思った瞬間だった。

平和イベント「神戸からの祈り」の時に一緒にスタッフとして関わった友
人から電話がかかってきた。
「これと言った用事じゃないんだけど、今日、急に暇になって。もし時間
があったら、会わない?」
「暇なんだけど、暇じゃないの……」
私は、簡単に事の成り行きを説明した。すると、すぐに車で一緒に向かっ
てくれるという。
「急げば、正午に六甲山のその場所に着くよ!」

即効、顔を洗い着替えて、私は家を飛び出した。


              つづく…


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【2】◆◇【最新情報】 ◆◇
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『シャック・マイヨール追悼会&ガイア2上映会』
2002年12月23日(月・祝)
開場:16:30
開演17:30〜21:00終了予定
  (映画上映⇒追悼会)
料金:前売り3000円 当日3800円
場所:豊島公会堂


特別ゲスト 成田 均 氏  (ダイバー)
*ジャック・マイヨールの30年来の大親友

12月23日は、映画「地球交響曲第2番」の出演者でもあった伝説の
ダイバー、ジャック・マイヨール氏が急逝してから、ちょうど一周忌に
あたります。

私達は、この日に向けて現在、追悼会及び第2番の上映会を準備いたし
ております。
当日は、映画「地球交響曲 第2番」上映後、シャック・マイヨールと
30年来の親友、ダイバーの成田 均氏をメインゲストとしてお迎えし、
ジャック・マイヨールの素顔や、彼が次世代に残したメッセージを伝え
てもらう予定です。また多くの方々から寄せて頂いたメッセージ等をご
紹介するほか、当日会場に集まった方、全員で氏を偲ぶ時間を共有した
いと思います。

どうぞ、皆様のご参加、心よりお待ちいたしております。   

<チケットのお申込みはFAX・インターネットで>

10月5日よりいよいよ受付開始!! 

FAX 03−3828−5090
http://www.office-ten.net 


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【3】◆◇【オープン情報!】 ◆◇
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□「オフィスTEN・アンテナショップ」
『自然の叡智といのちを感じる店』
10月5日(土)〜10月14日(月・祝)オープン!!

今回、東京下町の谷根千エリア(谷中、根津、千駄木)で、年に一
度繰り広げられている、街と芸術を結ぶ「谷中芸工展」に、地元にオ
フィスを構えているご縁からお誘いを受け参加することになりました。

会場としてお借りしたスペースは、千駄木と谷中の間にある、よみ
せ通り沿い。

直ぐ傍には、谷中銀座や夕焼けダンダンなどがあり、そぞろ歩きに
もピッタリの立地にあります。

芸工展の10日だけですが、この機会にオフィスTENのあんてな
ショップを出させてもらい、今まで交流を重ねている各地の先住民族
にまつわる貴重な品々や、祈りを込めて作られた国内外のアーティス
ト作品に是非ふれていただきたいと思っております。

どうぞ、この機会に下町散策を楽しみながら、お気軽にお立ち寄り
ください。

詳しくは…
http://www.office-ten.net


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【4】◆◇詩の世界◆◇
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「風」
                         天川 彩

風よ風。

君はどこからやって来て、どこへ行くといふのだろう。
紺碧の海の底から、ひ、ふ、み、のつぶつぶとなり、
イルカ達がたわむれて、やがて波の上でパチンとはじける。
そんな仲間が集まって、一緒に旅をすのだろうか。
潮騒の調べをのせて、ほのかに甘い南風。

私は耳を傾ける。
いつかの記憶を取り戻したくて。
南風よ歌っておくれ。
椰子の実の小船を浮かべた海辺の音を。
水平線へと沈み行く、夕映えの時を。


風よ風。

君はどこからやって来て、どこへ行くといふのだろう。
ブナの林のその奥で、ドスン、ズトンと響く音、
枝葉に積もる雪が重みで、しなって落ちる。
そんな仲間が集まって、一緒に旅をするのだろうか。
遥かな雪山こだまの木の小径、ミントブルーの北の風。

私は耳を傾ける。
いつかの記憶を取り戻したくて。
北の風よ話しておくれ。
白夜に浮かぶオーロラの神秘を。
ツンドラの荒野を渡る鳥達の話しを。

風よ風。

教えてほしい。
私はどこからやって来て、どこへ向かっているのだろう。


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【5】◆◇編集後記◆◇
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先日、アンテナショップとしてお借りしているスペースの下見に行って
きました。
わずか10日間ですが、とってーも面白そうな空間がつくれそうですよ。
ショップのアイテムも日々多くの素敵なアーティストの友人達から集ま
ってきて…なんだか、逆に私が買い物してしまいそう。。。
                    aya         
                
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発行者   天川 彩

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