2002/06/07 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆★☆   TEN's magazine 第21号   ☆★☆      
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 こんにちは!天川 彩です。
先日、ワールドカップの日本×ベルギー戦を見に行ってきました。
この試合の面白さは今更書くまでもありませんが、さすがにワールドカップ。
ワールドというだけあって、試合以外でも、身近なところで国際交流が持てた
1日でした。

中でも特に印象的だったのは、スタジアムに向かう途中の電車の中。
ベルギーのサポーター軍団と偶然遭遇し一緒の車両に乗り合わせることに。
その車両は、一気に赤と黄色の派手な帽子とマント姿のベルギー人だらけ…。

陽気な彼らは、電車が次の駅に到着し、新しいお客さんが乗って来る度に
「♪welcome welcome♪…♪」と歓迎の歌でお出迎え。
その都度、乗ってきたお客さんは大照れ、他のお客さんは大笑い。
なんとも、微笑ましい国際交流でした。

9日はロシア戦。
ロシアの人々と交流が出来るかどうかはわからないけれど、今度はやっぱり
勝ってね!日本!!

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======== 「神戸からの祈り」(19)
2・縄文スピリット===  いよいよ 後、2週間
3・コラム「風の文様」= 「自分の為にやってみる」
4・おすすめの旅====  屋久島ツアー〜神々の住む森を尋ねて〜
5・少し照れますが…==  天川 彩 言霊ワークショップのお知らせ
6・編集後記 =====  ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(19)

「これから打ち上げを始めますので、手が空いた方から、こちらに集まって下
さい」拡声器で誰かが言う声が聞こえる。
まだ、祭り全体の片付けが終わっていないことはわかっていた。だから打ち上
げを始めるには、少し早すぎるのではないかと気にはなったが、雰囲気に水を
注すのも違うような気がして、私もとりあえずその場に向かった。

「乾杯〜!!」

簡易的に組まれた大テーブルの上に様々な料理が並び、出演者や舞台関係者、
そして辺りにいたスタッフなどが、ビール片手に乾杯を交した、まさにその時
だった。

「おまえら、何考えているんや!」
少し離れたお祭広場で様々な出店などを仕切っていたスタッフが、走りながら
やって来て、大声で怒鳴った。一瞬にして、水を打ったように静まり返る。

「そっちは、終わって打ち上げが出来る状態かもしれないけれど、まだ、あっ
ちで多くの仲間が働いているのがわからないんか!おまえらは気遣いが無さ過
ぎるや!!自分たちだけがよけりゃ、それでいいって訳やないやろ!!」
そこに居た全員が、どのように身を振っていいのかわからなくなり、取りあえ
ず大テーブルをのそのそと片付け始めて、お祭広場の片付けに向かう。

私は言葉が無かった。

そして、大方片付けが終わり、改めて打ち上げをする段になっても、私は打ち
上げの場にどうしても行く気になれなくなってしまった。

メリケンパークの片隅の水呑場。
誰も気付かないようなひっそりとした一角に身を沈め、私はへたり込むように
座って、ただただ泣いていた。
空を見上げると、また満月が薄雲がかかるながらも、顔を出してくれている。
大泣きしている私を、満月だけは見守ってくれているような気がした。

悲しかった。
悔しかった。
あれほど、何ヶ月も寝食を忘れてまでも、この日の為に動いていたことは、何
だったのだろう…。
何故、最後になって皆の意識がバラバラになってしまったのだろう…。
簡単に出るはずもない答えを求めながら、ただただ泣いていた。

ややしばらくして、打ち上げの場に私の姿がないことに気がついた親友のサッ
チャンが、水呑場でへたり込んで泣いている私を見つけた。彼女は、この日、
韓国舞踊を舞台上で踊り、その後は救急班の看護婦として動いていたので、絶
対に疲れていたはずだ。
だが、何も言わず走って行ったかと思うと、すぐさま二人分のビールを持って
戻ってきてくれた。

「彩、本当にお疲れ。乾杯!!」
私は言葉が出せないまま、手渡された冷えた缶ビールを合わせた。

サッチャンは、その後、言葉が出ない私に語りかけることもなく、一緒に泣き
ながらビールを飲んでくれた。

この時、枯れ切った喉に流れたビールの味は、涙と混ざって少し塩辛かった。

どれくらい、その水呑場に座り込んでいたのか、記憶にない。
サッチャンに諭されるように立ち上がり、ふらふらとメリケンパークの出口に
向かうと、何ヶ月も一緒にこのお祭りに関わっていた、数名の仲間の顔が見え
た。
鎌田東二さんが、私の顔をじっと見て「本当にお疲れ様…」と抱きしめてくれ
た。それから、代わる代わる仲間たちに抱きしめられながら、私は子供のよう
に泣きじゃくっていた。

それから、体で何が起ったのか、三日三晩、涙腺が壊れてしまったかのように、
涙が止まらなかった。

しばらくして、神戸の地元テレビ局が「神戸からの祈り」の特集番組が放送さ
れた。

家で、私と一緒にその番組を見ていた下の娘がポツンと言う。
「あれだけ、ずっと動いていたお母さんなのに、全くテレビに映っていないね。
でも、きっとお母さんは、大きなお花の根っこだったんだよ。綺麗なお花が咲
くためには、土の下にちゃんと根っこが張って頑張ったから、大きなお花が綺麗
に咲いたんだね」。

私は、その言葉でやっと救われたような気がした。そしてこの日、やっと自分を
自分で褒めてあげようと思った。

                       つづく…

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【2】◆◇「縄文スピリット2002」 ◆◇
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いよいよ後2週間!準備は着々と進んでいます!

何故、今、縄文なのか…。

その答えは会場へ来て感じ取ってみてください。


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『縄文スピリット2002』
2002年14年6月21日(金)夏至
豊島公会堂(池袋駅徒歩5分)
開場18:00 開演18:30
前売り 3800円  当日 4500円

出演:古謝美佐子(沖縄民謡)
  :アシリ・レラ(アイヌ語り部)
  :渋谷幸平 (津軽三味線)
  :宇々示&弥生(縄文土笛・土鈴)
  
   東京沖縄県人会青年部 エイサー隊他…

チケットは、オフィスTEN及び全国のチケットぴあで前売り好評発売中!!

インターネット
http://www.office-ten.net

FAX
03−3828−5090

FAXでのお申込の場合、住所・氏名・電話番号・FAX番号・チケット枚数
を明記してください。


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【3】◆◇コラム「風の文様」◆◇
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■『力の配分』

ワールドカップが始まる直前、中田選手がテレビの取材に応えていた。

「このワールドカップで日本が勝つというとは、これからのJリーグ全体にと
ってとても重要な意味を持ちます。だから、日本のサッカー界の為に予選リー
グで負けるわけにはいかないのです」というような内容だったと思う。

私は正直なところ驚いた。

中田選手といえば「サッカーは自分の為にしている」と言ってはばからないよ
うな人物だと思っていた。逆に言えば、だからこそ世界で通用する超一流選手
になれたのかもしれない。
年俸や契約金がどれくらいなのかは知らないが、確か桁外れの額だったように
記憶している。

自分を極め、自分の幸せを徹底的に求めることに貪欲になる。
それは時として、とても利己的になる部分を持つのかもしれない。
しかし、究極に自分のポジションや幸せを掴むと、全体のことを根底から変え
ていく力も持つことが出来るのだ。この力の配分こそが、本当はとても理に叶
っているような気がしてきた。

恥をさらす様だが、私は今まで全く逆の生き方を選んできたようだ。

「まずは、世の中の為に動かなければ…。例え私がどれほど経済的に苦しくと
も辛くとも、世の中の為に頑張ろう。自分の幸せは、世の中が少しでも平和に
なることなのだから…」

しかし、実際には経済的に潤っていなければ様々な活動は継続できないし、移
動も出来なければ、イベントの準備も出来ない。
いつも、その矛盾にモンモンとなりながら、どうにかこうにか進んでいたが、
中田選手の言葉を聞いて、私の考え方が少し変わった。

私はまず、自分が幸せになっていいのだ。
自分が幸せあって、初めて人に幸せを届けることが出来るのかもしれない。
経済的にもきちんと力をつけて、社会的にもポジションを確立していこう。
それができたら、世の中を根底から動かす仕事ができるかもしれない。

やっぱり、自分が余裕を持つことが、一番肝心なのだ。

よーし、まずは自分の為に頑張るぞ〜!!

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【4】◆◇屋久島の旅◆◇
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        <ツアー締め切り近し!!>

          
       天と大地に感謝する旅・Walk6
 
         『屋久島ツアー2002』
        〜神々の住む森を尋ねて〜

           
    2002年7月11日(木)〜7月14日(日)
            3泊4日

       東京発着 128、000円
       (東京発着以外でも可能です。ご相談ください)

        
         そこは、深い深い森の中。
  
     数千年の「いのち」を育む屋久杉たちと向き合い、

       神秘の滝の水飛沫をあびていると

   心の中に仕舞いかけていた本当の自分と出会えるかもしれません。

     映画「もののけ姫」の舞台になった森を歩き、

         海に沈む夕日を眺めながら

          露天風呂を満喫…。

    屋久島ならではの贅沢な「時」がそこにあります。

            
詳しくは…
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/yaku2002.htm

   
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【5】◆◇少し照れますが…◆◇
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■「七夕スペシャル*天川 彩の言霊(ことだま)ワークショップ*」
        『言の葉ひろい』

       7月6日(土)〜7月7日(日)
       
       会場 奥多摩・森のふるさと村
       宿泊 木の香りがするコテージ



NPO ワークショップ・ランドさんからの依頼で、7月6日〜7日にかけて
私が講師を務めるワークショップを行う運びとなりました。
私自身が講師となって行うワークは、奈良の天河神社で年に一度行うのみでし
たが、是非、東京でも開いて欲しいという要望があり、七夕にあわせて行わせ
て頂くことになりました。

今回は、東京ではとても珍しい苔の森を散策したり、短冊に祈りを書いて笹の
葉に結んだりしながら…
自分の中に眠っている「言の葉」と出合い、そして『言霊』の力そのものを考
えるワークにしたいと思っています。

会場は、森の中のコテージが魅力的な、奥多摩・山のふるさと村。
夜にはバーベキュー大会もあるようですよ。

それから…この時には、私の童話詩ライブもお届けします!
普段、なかなか、皆さんと直に接する機会が少ないので、この2日間は、ゆっ
くりご一緒しようと思っていますので、どうぞ是非、ご参加ください!!


お申込み・お問い合わせは
NPO ワークショップ・ランドさんまで
http://www.tweb.ne.jp/user/sone/tanabata.html

(オフィスTENのHPトップページからも入れます)


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【6】◆◇編集後記◆◇
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ここ連日、縄文スピリット実行委員の皆はチラシの配布に燃えています。

「高田馬場近辺を集中的に、配って来る」というスタッフや「大學の図書館に
置いてきたよ」というスタッフ…。
先日、事務所近辺にチラシ置きに行ったエッちゃんが、戻って来るなり開口一
番…「彩さん、近所の○○古本屋さんの若い従業員の方、なんとオフィスTE
Nのメルマガ読んでいるそうですよ!!勿論、縄文スピリットのことは知って
いて、チラシを快く置いてくれました〜!」
という、嬉しい報告をしてくれました。

縄文スピリットまで2週間。
とにかく、今は頑張れるところまで、頑張る。そんな心境です。
                             aya
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発行者   天川 彩

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