2002/05/31 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆★☆   TEN's magazine 第20号   ☆★☆      
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 こんにちは!天川 彩です。

あっという間に、5月も終わりですね。
この1ヶ月は、あっちこっちと走り回り、多くの人々と出会う月でした。
特に「縄文スピリット」がらみというか…「縄文」がらみというか…シンクロ
の嵐のような日々。
本当に、これが1ヶ月の中で起こったことなのだろうかと、不思議な思いもあ
ります。

2年前から、ゆっくりと構想が動き始めているプロジェクトも縄文がらみ。
今週のコラム「風の文様」では、そのあたりのことを書きます。

それから、先週、森のイスキア〜白神山地まで『天と大地に感謝する旅D』と
いうことで皆さんをご案内しました。
いろんなことがいっぱいあり過ぎて…今度少しずつこの旅の話も書きますね。
本当に天と大地、そして人々に感謝する旅でした。

あ〜、もう一度、あの美しい白神山地に行きた〜い!!



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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======== 「神戸からの祈り」(18)
2・縄文スピリット===  出演者たちと会って来ました
3・コラム「風の文様」= 「ジャパンルーツ・マイルーツ」
4・おすすめの旅====  屋久島ツアー〜神々の住む森を尋ねて〜
5・少し照れますが…==  天川 彩 言霊ワークショップのお知らせ
5・編集後記 =====  ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(18)

1998年8月8日。
神戸からの祈り「満月祭コンサート」当日。

淡路島での祈りの時を終えた私たちは、祭りの会場である神戸メリケンパーク
に移動。

この日、当日飛び入り参加のスタッフも急激に増えて、最終的なスタッフの数
は300人を越えていた。私は、トイレの設置場所や、救護班の場所を説明し
たり、当日の流れやスタッフの役割分担を、拡声器を使って説明した。用意し
てもらっていたスタッフTシャツも当日飛び入り参加の人数があまりに多く、
急遽追加作成してもらったりもしながら、刻々と迫っる本番に向けて準備を進
めていた。

仮設で設けられた舞台上でのマイクテストが始まり、私は舞台監督をしていた
人に、舞台台本を一部本部に置いてもらえるよう話した。

しかし、その舞台監督は苛立っていたのか「あんたら素人が見たってわからな
いんだから、本部になんか台本必要無いんだよ!!そっちは客の対応だけして
おけばいいんだから」と言う。

この日、私を襲った悲劇は、この瞬間から始まったと言っても過言ではない。

正直なところ、以前にも書いたが、私はこのイベントでは舞台関係の仕事を「
女性だから分からないだろう」という理由で一切触らせてもらえなかった。
だから、出演者の方との打ち合わせやケア、舞台関係者の方との打ち合わせも
男性のスタッフが仕切っていたので、ほとんどわからない状態だったのだ。
結局仕切ることが不可能になったスタッフは舞台監督をどこかの業者の人に任
せたらしく、その日初めてその舞台監督と私は会った。
(もちろん、その舞台監督はそれまでのミーティングにも参加していないし、
祈りの時間も共有していない)

そして、舞台を正面に見ることも出来ない本部席の位置を直すことも出来ず、
進行状況が理解できないまま、本番を迎えることになってしまった。

長年、イベント関係の仕事をしていた私にとって、進行状況が理解できないま
まお客さまが来るというのは、大変な不安材料なのだ。
またお祭会場では、開始時間を間違えて早くフリーマーケット広場に来てしま
ったお客さまが、イライラし始めて文句を本部宛に言ってきた。

あまりに大規模で行われたイベントだったので、それぞれの担当スタッフがど
う頑張っていても、細かな問題が続出しはじめていた。
私は、とにかく走り回って、トラブルの処理を行っているうちに、満月祭は始
まっていた。

祭りのオープニングを飾る虎舞いや中国の獅子舞も、紆余曲折しながら韓国舞
踊を踊ることになった親友の晴れ舞台も、結局見ることは出来なかった。
あれだけ、様々な繋がりからやっとの思いで出演してもらうことができたアシ
リ・レラさんとアイヌの子供たちの歌や踊りも見ることが出来なかった。
些細なところで、細かなトラブルが続く。
その度、謝りに走りまわる。それが私の仕事のようだった。

夕方になり、突然著名人が舞台に登場したのだが、その方々が来ることも、本
部席には全く知らされていない。だから情けない話だが、本部に質問が寄せら
れても対応することすら出来なかった。

一段落した頃、打ち上げ準備を始めた。
何せ当日参加したスタッフや出演者を含めると想像を絶する人数がいる。私は
途方に暮れながらも、何人かのスタッフに協力してもらいながら、とにかく準
備を急いだ。

「それにしても何なのだろう…。私は、ここで何をしているのだろう…」
長い時間をかけて、作り上げてきた祈りの祭り。それが目の前で全くエネルギ
ーの違うものに変化していることに、私はやるせなさを感じて、空を見上げた。
満月祭なのに、肝心の月は厚い雲に覆われて姿が見えない。
その時の私は、まだ「なるがまま、あるがまま」という思いには到れず、悲し
くなってきてしまった。

舞台がラストに近づき、ようやく舞台をゆっくり見ることが出来た頃、呼びか
け人の一人であった喜納昌吉さんがエイサーと共に演奏。
すると会場を埋め尽くしていた人々が、一斉に踊り出した。
他の出演者も仮設ステージで歌い踊っている。
ほんの一瞬だが、うっすらと満月も雲の合間に顔を出してくれた。

そこで見たものは、集まってきた人々の幸せそうな顔、顔、顔。
(その人々の姿は、翌日の神戸新聞と読売新聞の朝刊1面を飾った。)

これで、いいんだ。みんなが喜んでいるからいいんだ。
私はそれで自分を納得させようと思った。
「神戸からの祈り・満月祭コンサート」は大盛り上がりの末、終わった。

しかし、本当の私の悲劇はこの直後起った。


つづく…
   
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【2】◆◇「縄文スピリット2002」 ◆◇
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この1ヶ月、出演者の方々と打ち合わせをしてきましたので、
どんな催しになるのか、ほんの少しだけご紹介します。


アシリ・レラさんは、先住民族に伝わる叡智の伝承者。今までにも幾度かオフ
ィスTEN主催のイベントにお越し頂いているので、ご存知の方もいらっしゃ
るかもしれませんが、アイヌのシャーマン・サンダーウーマンでもあります。
今回は、普段なかなか聞くことができないユーカラ(叙事詩の語り)をしてく
ださることになりました。

渋谷幸平さんは、津軽じょんがら節の里、黒石生まれの黒石育ち。子どもの頃
から津軽三味線弾きになることを目指し、現在は若干20歳で津軽三味線全国
ランキング4位の実力を持つ本格派。生音を聴いたら度肝を抜かれそうですヨ
。(余談ですが格好いいです♪)

宇々示&弥生は、数少ない縄文の土笛と土鈴の奏者。縄文時代の出土品である
土笛などヒントに、自分達の感性で新たな土笛や土鈴を制作し、原始の音を今
に蘇らせるお二人の演奏は、DNAに仕舞い込まれた記憶の回路を蘇らせてく
れるようです。縄文スピリットで、どのような音霊を降ろしてくれるのか、と
ても楽しみです。

古謝美佐子さんは、沖縄を代表する女性沖縄民謡歌手。
独特の唄いまわしと、詩に託されている「祈り」は、聴く人の心をとらえてい
ます。
今回は、レラさんとの共演をとても楽しみにされており、縄文という共通のテ
ーマのもと、「自然」や「いのち」の繋がりを皆で感じたいと熱く語ってくだ
さいました。

さて、どうのような展開に広がるのか…
それは、あなた自身で体感してください。

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『縄文スピリット2002』
2002年14年6月21日(金)夏至
豊島公会堂(池袋駅徒歩5分)
開場18:00 開演18:30
前売り 3800円  当日 4500円

オフィスTEN及びチケットぴあで全国一斉販売中!!

お申込はインターネット
http://www.office-ten.net

FAX
03−3828−5090

FAXでのお申込の場合、住所・氏名・電話番号・FAX番号・チケット枚数
を明記してください。


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【3】◆◇コラム「風の文様」◆◇
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■『ジャパンルーツ・マイルーツ』

2年前から、縄文の時代に思いを馳せたプロジェクトがゆっくりゆっくり動き
始めている。

縄文の頃、アリューシャン列島などを通りながら移動していたであろうそのル
ートを使って、共通の神話や文化を持つアラスカまで、縄文の古代舟を甦らせ
て行ってみようという壮大な計画『ジャパンルーツプロジェクト(仮)』がそ
れだ。

青森の三内丸山縄文遺跡などを見ても、他の縄文遺跡から出土されたものを見
ても、本当に5000年以上前に、日本には驚くほど高度な技術や文化があっ
たのだということを知ると、改めて凄いと思う。私たち日本人は、もっとその
子孫であるいことを誇りに思っていいのではないだろうか。
そして、何より次世代にそれを引き継がなければいけないのではないか、と真
剣に思う。

この計画を実現するためには、莫大な資金と綿密な計画、高度な技術や先住民
族に伝わる叡智の他に、最新のテクノロジーも必要とする。そして何より、目
に見えない部分で繋がっていることを大切にするスピリットのもと動かなけれ
ばならないのだと思う。
4年前、アラスカのクリンギット族、ボブ・サムとの出会いから、その思いが
静かに沸き起こりはじめていたのだが、かつて、そのボブ・サムと熊野古道を
何日も共に歩いた天河神社の宮司さんにその話をしたら、正式に神社でご祈祷
を受けることになったのだ。

昨年、その計画が少し動き始めたころ、メインスポンサーとして某航空会社が
協力してくれることになり、一気に実現化に向けて進みだした。が、昨年の同
時多発テロのことで航空業界が大幅に落ち込み、スポンサーの話は白紙に。


このプロジェクトを遂行するのに、どれくらいの時間や費用がかかるのか、今
の私には検討もつかない。でも、またそのエネルギーそのものが動き始める時
、人が集まり、お金が集まり、叡智が集まり、きっと実現的に着実に進んでい
くのだと思う。

実は、昨年そのプロジェクトがらみで、某航空会社の方に様々な縄文関連の場
所に連れて行ってもらった。
中でも、縄文最大の都市であった青森の三内丸山縄文遺跡と、特異な文化の後
が残っている北海道の常呂縄文遺跡に特に強く惹かれた。

三内丸山は、青森の観光名所にもなっているのでご存知の方も多いと思うが、
常呂遺跡は、ほとんどの人が知らない遺跡ではないかと思う。

常呂遺跡に行って驚いたのだが、そこには本州以南の人々ともアイヌの人々と
も全く違う民族が生活していた跡が残っている。樺太方面から渡来し、そして
忽然と消えてしまったオホ−ツク人と呼ばれる人々の謎めく痕跡…。

その常呂遺跡関連の展示会が東京大学であることを一昨日、東京の地下鉄の駅
の片隅に貼ってあったポスターを見て偶然知った。
そして、ふと思い出したのが、常呂町に尋ねた際ご挨拶した某ホテルの支配人

常呂遺跡を見た後、あまりに興奮して色々その支配人に質問をしたのだ。

「天川さん、そんなに興味があるのなら、いつも常呂遺跡の調査にやって来る
東大の先生、今度ご紹介しますよ」という言葉を思い出して、私は電話をかけ
てみた。

すると1年前に交された軽い口約束を、支配人はよく覚えていてくださって、
早速、今週末に東大のその教授とお会い出来る段取りを取ってくれたのだ。

現在、東京大学総合研究博物館で「北の異界 古代オホーツクと流民文化」と
いう展示が7月14日まで行われている。興味がある方は、是非、東大へ行っ
てみてほしい。

また、北海道へ行ったなら、通常の観光ルートには入っていないだろうが、是
非、常呂遺跡を見てもらいたい。そこには、私たちが学んだ歴史には、全く登
場しない、謎の民族の跡があるのだから。

余談になるが…昨年、常呂町に行った話を母にしたら「お爺さんの名前が入っ
た碑が常呂にあるのよ」と言うではないか。私の母方の祖父は四国徳島生まれ
の人なのだが、若い頃、フロンティアスピリットに燃えて北海道に渡り、行き
着いた場所が常呂町だったらしい。もしかすると、祖父の中にオホーツク人の
血があり、そのDNAに導かれるように常呂に住んだのでは?とも思ったり…

と、いうことは、私の血の中にも謎のオホーツク人の血が流れているのかな?
??

う〜ん…謎解きは、まだまだ続きそうだ。なーんてね(笑)。

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【4】◆◇屋久島の旅◆◇
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       天と大地に感謝する旅・Walk6
 
         『屋久島ツアー2002』
        〜神々の住む森を尋ねて〜

           
    2002年7月11日(木)〜7月14日(日)
            3泊4日

       東京発着 128、000円


        
         そこは、深い深い森の中。
  
     数千年の「いのち」を育む屋久杉たちと向き合い、

       神秘の滝の水飛沫をあびていると

   心の中に仕舞いかけていた本当の自分と出会えるかもしれません。

     映画「もののけ姫」の舞台になった森を歩き、

         海に沈む夕日を眺めながら

          露天風呂を満喫…。

    屋久島ならではの贅沢な「時」がそこにあります。

            
詳しくは…
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/yaku2002.htm

   
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【5】◆◇少し照れますが…◆◇
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■「七夕スペシャル*天川 彩の言霊(ことだま)ワークショップ*」
        『言の葉ひろい』

NPO ワークショップ・ランドさんからの依頼で、7月6日〜7日にかけて
私が講師を務めるワークショップを行う運びとなりました。
私自身が講師となって行うワークは、奈良の天河神社で年に一度行うのみでし
たが、是非、東京でも開いて欲しいという要望があり、七夕にあわせて行わせ
て頂くことになりました。

旧暦の七夕には天河神社で、新暦の七夕は奥多摩で♪

今回は、東京ではとても珍しい苔の森を散策したり、七夕の短冊に、言の葉を
寄せたりしながら、自分の中に眠っている「言の葉」と出合い、そして『言霊
』の持つ力そのものを考えるワークにしたいと思っています。

それから、私の隠された(?)ライフワーク童話詩ライブも2時間たっぷり、
ワークに参加された皆様の為にお届けいたします。
普段、ツアー以外では、なかなか時間が取れず、皆さんと直に接する機会が少
ないので、この2日間、もしよろしければ、ゆっくりとご一緒しませんか?

お申込み・お問い合わせは
NPO ワークショップ・ランドさんまで
http://www.tweb.ne.jp/user/sone/tanabata.html

(オフィスTENのHPトップページからも入れます)


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【6】◆◇編集後記◆◇
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実は、私とっても嬉しいのです♪

世紀の祭典??ワールドカップに行ってきま〜す!
それも…
日本×ベルギー(埼玉)・ 日本×ロシア(横浜)の2試合に。
申し込んだ試合が2試合とも当たった時には、本当にビックリ!!

それにしてもゴン中山を一番に応援したいと思うのは、やっぱり歳のせい?


                             aya
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発行者   天川 彩

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