2002/04/19 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★☆ TEN's magazine 第14号 ☆★☆
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こんにちは!天川 彩です。
今日の書き出しは、少し堅い話になりますが…
懸念していた有事法制関連三法案が閣議決定して、国会に提出されました。
ここしばらく政治はワイドショー化してしまい、政治家個人の些細なこと(そ
れも勿論問題ですが…)に目を向けさせられている間に、わたし達が真剣に考
えなければいけないことが、うやむやのまま通されそうとしています。
小泉総理は昨日の自身のメルマガの中で「日本に緊急事態が発生したとき、日
本と日本国民を守るために、政府や自衛隊がどういう行動をとるのか、都道府
県や市町村はどう対応すべきか国民にはどのような協力を求めればよいのか。
備えあれば憂いなし。」と書いていました。
確かに、今何かあった時には、無秩序に自衛隊が動き、問答無用の戦略がとら
れるかもしれませんし、多くの人々が一瞬のうちに戦火に巻き込まれる可能性
もあります。
ですが、このままの内容の有事法制が可決されたとしたら、日本は確実にそし
て一気に軍事一直線となることでしょう。やみくもに全て反対というより、今
この段階で有事法制の中身を国民ひとり一人がきちんと考えないと、大変な事
態になるような気がします。
でも、小泉政権が有事法制を急ぐ後ろには、私たちには知らされていない戦争
の足音が着実に近づいているような怖さも感じます。
最近、手塚治虫の「火の鳥」が気になり、ここのところ連日読んでいます。
その中で、永遠のいのちを持った火の鳥は、太古の昔から繰り返されている人
間の業を見ながら、私たちに幾度も人間の愚かさを伝えてくれています。
いつになったら人は戦争という最も愚かで残虐な行為をやめるのでしょうか…。
やっぱり、縄文のスピリットをみんなが取り戻したほうがいいと思うなぁ。
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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======= 「神戸からの祈り」(14)
2・最新情報!==== 「縄文スピリット2002」
3・コラム・風の文様= 「木を植える人」
4・おすすめの旅=== 天と大地に感謝する旅 屋久島ツアー
5・編集後記 ==== ひとりごと
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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(14)
7月中旬になると、関係スタッフは200名を越えた。
事務局本部や舞台進行関係のチームのほかに、縁日バザールなどの出店関係を
取りまとめるチーム、募金集めの要となった祈りの冊子編集チームや五色の布
チーム、警備チーム、ゴミやトイレを管理するチーム、医療看護チーム、現代
アート展や陶芸展、シンポジウムなどを関連イベントの企画チームなど、様々
な人が急ピッチで準備を整えていた。
そして、そのスタッフ数は日に日に膨れ上がっていた。
何をどう処理しながら、日々過ごしていたのか今となっては記憶にないが、と
にかく朝から晩まで事務所で様々な仕事に追われ、自宅にはほとんど夜中に寝
に帰るといった状況が続いた。
7月24日。
いよいよ、最初の関連イベントが神戸の酒倉を改良したホールで行われる。
この日の会場は、偶然にも、以前写真家の須田さんと共に神戸を歩き回って、
最後に出合ったお寺のすぐ傍にあった。
実は、このお寺には、四国八十八箇所のお寺の名前が書かれた小さなお地蔵様
がいらっしゃる。
それを知った東京実行委員の吉田さんが、八十八のお地蔵様に真っ赤なアブち
ゃん(前掛け)を奉納することにしたので、実行委員の何名かでこのお寺にご
祈願兼ねて、お参りしにくことにした。
奥様に案内されて、エレベーターに乗り本堂にある阿弥陀如来様に全員で手を
合わせ、まず震災で亡くなった方々の鎮魂を祈る。
静かにお参りを終えて会場につくと、会場はかなりの数のスタッフや関係者で
賑わっていた。
この日は「神戸からの祈り」の出陣式も兼ねていたから当然かもしれない。
陶芸家の近藤高弘さんが中心となった陶芸チャリティ市には、陶芸家として活
躍している人々の作品が、信じられないほど安い値段で出されていた。
この機会に是非買いたいと思っていた私は、既に完売していた机を見て、少し
ガッカリもしたが、集まっている人の熱気は嬉しかった。
しかし、懇親会を挟んで行われたコンサートで気持ちは一気に盛り上がった。
この日の出演は、私を最初にこの平和イベントに誘ってくれた佐々木千賀子さ
んのソプラノと林昌彦さんのピアノ演奏そして、岡野弘幹with天空オーケ
ストラの迫力ある民族楽器による演奏。
贅沢な空間…贅沢な時間…。
私はこの時、気持ちが一つにまとまっていく心地良さを感じていた。
イベントが無事終了し、片付けも全て終えてホールのカギを返却し、帰ろうと
思った時だった。
楽器をちょうど車に積み込み終えた天空オーケストラの岡野弘幹さんが、話し
かけてきてくれた。
「事務局長の仕事、本当にありがとう。目立たない仕事だし、大変なことも多
いと思うけれど、僕たち感謝しているから、本番に向けて、後もう少し頑張っ
てね」
イベントの裏方責任者として、誰よりも遅くなるのは当たり前だと思っていた
し、ねぎらいの言葉などかけられたこともなかった。
無事初日のイベントが無事終わった安堵感と、あまりの驚きと嬉しさで、私は泣け
てきた。
つづく…
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【2】◆◇イベント予告! ◆◇
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今、共に体感する縄文のことだま・おとだま
『縄文スピリット2002』
おおらかに、豊かな自然と共存しながら生きてきた私たちの祖先たち。
日本人の魂に眠る縄文の力が今、甦る。
自然の叡智を語り継ぐ、アイヌのシャーマン・アシリ・レラ、
沖縄の大自然と共に育まれた、琉球國祭り太鼓のエイサー、
青森の津軽三味線界の若きプリンス、渋谷幸平など
パワー炸裂する縄文コラボレーション。
「こんな音が聴きたかった」きっとそう思うはずです。
日 時:6月21日(金)18:30〜
会 場:豊島公会堂(池袋駅より徒歩5分)
来週、チケットなどについての詳細をお知らせいたします。
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縄文スピリット実行委員会を結成します。
第1回目のミーティングは4月22日(月)18時30分〜
場 所:オフィスTEN
電 話:03−3828−5070(月〜金 10:00〜18:00)
e-mail:ten@office-ten.net
★希望される方は、まず自己紹介をメールで送った上、営業時間内に電話で
ご連絡ください。
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【3】◆◇コラム・風の文様◆◇
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■「木を植える人」
今年、ある人と友人になった。
その人は、某大手商社のサラリーマン。
彼の仕事は都市開発。
「手付かずの広大な場所があるので、そこでウッドストックのような大きな祭
りをしたいと思っているんですよ。仕掛けるための予算もある程度ありますし
きっと天川さんに手伝ってもらうような気がしているので、まずはその場所へ
一緒に行ってください」
どんな場所なのだろう…。
1ヶ月前、私はワクワクしながら、彼と一緒にその場所へ向かった。
高速で約1時間半。かなり都心から離れてその場所はあった。
目の前に広がっていたのは、想像とはかけ離れた中途半端な宅地開発地。
バブルの後遺症とでもいったらいいのだろうか。何十億もの大資本をかけて森
を切り崩し、開発したその土地には1割ほどの住民が暮らしているだけで、後
は無機質に区画整理される為に通された舗装道路と、電信柱が広がるばかりだ
った。
祭り会場にしようと思っている場所に案内される。
しかし、一本の木すら見当たらないその場は、寒々しいばかりで、どうにもピ
ンと来ない。
「天川さん、どうですか?」
と、顔を覗き込まれて聞かれても…返答に困ってしまう。
彼は会社が森を切り崩して乱開発したその場所に、大変強い責任を感じている
らしかった。
だからここに家族と共に住み、NPOを立ち上げて最先端のエコロジカルな街
づくりをして、最先端の意識の人たちが多く住む場所にしたい。そのためにも
多くの人に来て貰う祭りが必要なのだ、と熱く語った。
私は、ふと明治神宮のことを思い出していた。
あの緑豊かな神宮の森は、80年前、人が森を作りたいという願いから植樹し
て、鎮守の森をつくった場所だ。エコロジカルな街づくりを目指すなら、いつ
かその中心が森になるように、植樹していく祭りをしたほうがいいのではない
かと彼に提案した。
彼は、その意見に大賛成してくれた。
ところが先日、その土地を販売するプロジェクトが社内で凍結したそうだ。
そこを売るために仕掛ける事業費は実質上無くなったらしい。
しかし、彼は改めてその土地に住む事を決めた。
そして、少しずつその土地に木を植えていくことにしたという。
「僕は木を植える人なんです」先日会った時、ポツンと彼は語った。
彼は秋田のマタギの子孫なのだ。
人が切り崩してしまった森は、人の力でしか森に戻せない。
「木を植えることが、もしかすると僕の祈りなのかもしれない」
この言葉を聞いた時、彼があの場所に木を植え始めたら、私はどんなかたちで
あれ、祭り起しを手伝おうと思った。
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【4】◆◇屋久島の旅◆◇
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天と大地に感謝する旅・Walk6
『屋久島ツアー2002』
〜もののけ姫の森を尋ねて〜
2002年7月11日(木)〜7月14日(日)
3泊4日
東京発着 128、000円
屋久島の山の達人に、苔森を案内してもらう贅沢な旅。
宿は、島の古民家を移築した人気の送陽邸で。
詳しくは…
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/yaku2002.htm
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【5】◆◇編集後記◆◇
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事務所近くの根津神社では、つつじ祭りが始まりました。
いつもは静かなこの下町に、遠くからも大勢人がやって来ます。
地元が、さながら観光地のようになるのは、なんとなくこそばゆい感じ…。
aya
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