2002/04/12 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     ☆★☆   TEN's magazine 第13号   ☆★☆      
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 こんにちは!天川 彩です。

ここのところ、ランドセルに黄色の交通安全カバーをつけた、小学1年生の可
愛らしい姿をよく見かけます。胸いっぱいの希望とほんのちょっとの不安を抱
えて、新しい世界に飛び込む。
この繰り返しが、きっと人を成長させていくのですね。

さて、私はこの1週間、いろんなことがありました。

やっぱり、人と出会っていると、新たな展開がいっぱいあります。
という訳で…6月にとてもエネルギッシュなイベントを催すことになりました。

今回のメルマガでは、そのあたりも予告で書きますので、お楽しみに。


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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・連載======= 「神戸からの祈り」(13)
2・最新情報!==== 「縄文スピリット2002」決定!
3・バックステージ==  大重監督 後編「泡盛と下町」
4・おすすめの旅===  天と大地に感謝する旅 屋久島ツアー
5・編集後記 ====  ひとりごと

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【1】◆◇連載◆◇
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■ 「神戸からの祈り」(13)

淡路島で祈りの場所を探しに行った日、夜遅くなってから沖縄から一人の男性
が尋ねて来た。
「神戸からの祈り」の呼びかけ人、喜納昌吉さん率いるチャンプルーズの一員
岩井さんだ。
若くて気さくな岩井さんは、すぐに私たちとうち解けて話が弾み、とても仲良
しになった。そんなこんなで、この日の夜も話が盛り上がり、結局ほとんど眠
らないまま、朝4時に祈りの場の確認の為、宿を出た。

外はまだ夜の気配が残っている。
私たちは、逸る気持ちを押さえて、前日行ったその場まで向かった。
巨大な明石海峡大橋を右手に見ながら、体育館と建設会社の間の道を抜けた先
に、コンクリーの広場と防波堤があり、そしてその先にはどこまでも暗い海が
広がっていた。

私たちは、誰ひとり口を開くことなく、コンクリーの防波堤に座りながら静か
に夜が明けるのを待った。空が明るみをおびてきた頃、等間隔にいく艘もの漁
船が連なって瀬戸内の海を東から西へ移動していく。最後の船が通り過ぎた頃
空も海も真紅に染まっていた。

そして…
朝凪の水平線が一瞬金色に輝き、光の先端が顔を出して、まるで私たちを照ら
すように、真正面から太陽が昇り始めた。
ゆっくり、ゆっくり。ゆっくり、ゆっくり。
やがて、昇り行く太陽の光りが目の前の海に反射して、真っ直ぐな黄金に輝く
道を作る。
それは、まるで目の前に天からゴールデンブリッジが架けられたかのようだっ
た。

私はあまりの美しさと、ありがたさから涙があふれ出た。
その朝陽は、私が今まで見た太陽の中で、一番美しいものだった。
どれくらいの時間、そこにいたのか記憶に無い。

勿論、全員この場が鎮魂と平和の祈りの場として最も相応しいと確信した。

すっかり朝を迎えた頃、私たちは宿に向かった。
宿は島の西側にあり、ここも海岸に面しているので、朝陽は望めないがセレモ
ニー前日の8月7日、夕陽が沈む頃、アイヌのアシリ・レラさんが子供たちと
共に、海岸で歌と踊りを披露する予定になっている。私たちはその視察を兼ね
て、宿に帰る前に、その海岸も急遽立ち寄ることにした。

先ほどの東海岸とは打ってかわって、そこは砂浜が広がっている。
心地良い緩和の中、頬を伝う潮風にまどろんでいた時のことだ。

「さぁ、それでは祈りの場所もめでたく決まったことなので、ここで禊(みそ
ぎ)をいたしましょう」
鎌田東二さんがそう言ったかと思うと、緑のリュックから白いフンドシを取り
出して、おもむろに洋服を脱ぎ始めたのだ。
「何故、リュックにフンドシが…?ギョッ。目の前でフンドシ巻いている…」
私はあまりのことに驚いて固まってしまった。
しかし、更に驚いたことに同行していた岡野さんと鳥飼さんは禊用の白作務衣
がカバンに入っていて、さっさと着替えている。後、私以外の2人は偶然白い
服だったので、そのまま禊をするという。私は…というと色物のTシャツにジ
ーパン。とても禊が出来るような服装ではない。昨夜から合流した岩井さんは
と見ると、防波堤の上で他人のふりをしている。

着替え終わった岡野さんが「白作務衣の上だけだったら、もう1枚持っている
から着替えたら?」といって、白作務衣の上を渡してくれた。

しかし、しかし…である。

私が躊躇していると「海に入ったら、わからないのだから」と誰かが言う。そ
して私の心も「皆が禊をするというのに、事務局長が禊をしないでどうするの」
と言う。

私は、思い切って船陰に隠れて着替えた。
でも、背が低い岡野さんの白作務衣は、丈がとても短かった…。
それは、超ミニというよりは、ワカメちゃんのスカート状態だったのだ。更に
着替え終わった後、気がついたのだが、船の後方では漁師さんが数人作業をし
ていた。私は諦めにも似た境地で、禊に合流。

この日、私は一生忘れられない感動と共に、一生忘れてしまいたい醜姿をさら
すことになった。

そして、岩井さんはよほど驚いたのだろう。この後ほとんど私たちと口を利く
こともなく、逃げるようにさっさと帰ってしまった。

結局、天河の弥山登拝から通算するとおよそ5日間。
ほとんど眠ることなく行動していた私たちは、かなりハイ状態になっていた。
特に岡野さんと鳥飼さんと私の3人はその症状が酷く、以後、淡路島に行くと
その空気に触れるだけでハイになってしまう「淡路島ハイ」という奇病を患う
ことになった。

つづく…


         
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【2】◆◇最新情報! ◆◇
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魂を揺さぶるライブイベント決定!

『縄文スピリット2002』

*縄文スピリット実行委員会を結成します。
希望される方は、自己紹介を書いたメールを送って下さい。
ten@office-ten.net
 
日時:6月21日(金)18:30〜
会場:豊島公会堂(池袋駅より徒歩5分)

詳細近日決定!!


おおらかに、豊かな自然と共存しながら生きてきた私たちの祖先たち。
日本人の魂に眠る縄文の力が今、甦る。

自然の叡智を語り継ぐ、アイヌのシャーマン・アシリ・レラほか
沖縄の大自然や信仰と共に育まれた琉球の島唄やエイサー、
そして、青森の縄文太鼓や縄文踊りなど、
縄文の熱き魂が集う、夏至の祭典。


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【3】◆◇バックステージ◆◇
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■大重潤一郎監督 後編
『泡盛と下町』

3月30日。
映画上映会の後、本当は上野公園にでも行って、スタッフのお花見を兼ねて簡
単な懇親会をしようかと思っていた。
しかし、今年の桜前線はあまりに早く到来し、3月の終わりには葉桜になって
いた。

監督は、宴会が大好きな人だ。
以前、関西にいた頃にも、監督の大阪にある海プロの事務所で幾度となく、宴
会に呼んでくれた。監督の事務所は、大阪城の近くの川辺に建つ大きなビルの
中にあり、多少大きな声を出そうと、ほとんど他の人の迷惑になることもない。
だから、窓を全開にして、ライトアップされた大阪城と夜桜を見ながらの宴会
という粋な演出の宴会も開いてもらったこともある。

「オフィスTENに行ってみたいなぁ」
監督のその一言で、今回は急遽オフィスTENで宴会をすることになった。

オフィスTENは、江戸の粋な情緒がそのまま残る下町、根津にある。

事務所に戻り、急遽、近くの谷中銀座で惣菜などを買い込んで、応接セットを
片付けて車座になり、宴もたけなわになった頃、映画の主人公、故・比嘉さん
と監督の思い出話から、泡盛を飲むことにした。
幸いにして、近所の酒屋に泡盛は売っていた。

少しアルコール度数の高い泡盛と、CDから流れる沖縄の島唄や三弦の音に酔
いしれて、皆、どんどん幸せな気分になっていく。
「ここは、いいねぇ。下町は本当にほっとするよ」と言いながら、監督が窓を
全開にした。
聞こえてくるのは、猫の声だけ。
確かに、ここは沖縄に負けないくらい、のんびりとした空気が流れている。
カーテン越しに風がそよぎ、心地も良い。
泡盛が進むほど、島唄のボリュームも上がり皆のテンションも上がっていく。

しかし、なにぶんここは下町。
細い路地沿いに、普通の住宅が密集しているのだ。

笑いと島唄と豊かな語らいの、とても豊かな時間を過ごしながら、私は少し冷
や汗をかいて、窓を閉めた。

 
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【4】◆◇おすすめの旅◆◇
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       天と大地に感謝する旅・Walk6
 
         『屋久島ツアー2002』
        〜もののけ姫の森を尋ねて〜

           
    2002年7月11日(木)〜7月14日(日)
            3泊4日

       東京発着 128、000円

            定員33名

 屋久島が、縄文杉が、苔森が私を呼んでいる…と思われる方、是非ご一緒し
ましょう。

 *募集人員に達し次第、締め切らせていただきます。
       かなり座席が埋まってきました。

  (白神山地ツアーのキャンセル待ちも受け付けています)


詳しくは…
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/yaku2002.htm

   
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【5】◆◇編集後記◆◇
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今週はいろんなことがあり過ぎて、頭が追いついていかなかったのか知恵熱(?)
を出してしまいました。

これって、まだまだ若いということ?それとも、年には勝てないということ? 

                     aya
          

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発行者   天川 彩

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