2004/7/23━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★☆ TEN's magazine 第127号 ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net
こんにちは!天川 彩です。
いやはや…東京では連日ウダルような暑さで、人間も動植物もみんな
ぐったりしています。まだ7月だというのに…ホントどうなっているの
でしょうね。
どうか水分を十分にとって熱中症などならないよう、くれぐれもお気
をつけください。
さて、先日NHKの夜の番組で、南方熊楠の特集をしていました。
皆さんは、南方熊楠という人物をご存知ですか?
私は以前から彼に惹かれていたのですが、番組を見て、改めて益々惚
れ込んでしまっています。
彼は世界的な粘菌学者であり、柳田國男と並ぶ民俗学者でもあったの
ですが、同時に自然と人間の共存の大切さを伝えるために奮闘し、国
益という大義名分のもと、鎮守の森が伐採されていくのを食い止め、
最終的には国をも動かして熊野三山の自然を守った人物です。
熊野古道が世界遺産となったのも、彼の功績がどれほど多大だったこ
とでしょう…。
破天荒な行動力と深い精神性を持った熊楠さん。格好いいですよねぇ。
もしも彼が生きていたなら、是非ともお会いしてみたかった人の一人
です。
さーて、明日は名古屋で私の講演会があります。
テーマは「自然の叡智と共に生きて」。
私が各地での出会いを通して感じていることをスライドと共にお話した
り、ケルティックハープ奏者の方の演奏や、司会者の方とのトークもあ
ります。ここのところ、私が司会進行することが多かっただけに、質問
されるのって、少しドキドキしてしまいます。
ま、楽しみながらお話しようと思っていますので、どうぞお近くの方は
是非お越しくださいネ。
それから、東京での童話詩ライブも秋に決定しました。
そちらのインフォメーションは、来週お知らせいたしま〜す!
コラム「再生」ですが、前回の続きを書いていたら、とても長くなった
ので、今回は中編とし、来週後編をお届けします。
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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様====「再生」中編
2・講演会=========明日です。
3・TEN占い=======今週は「トランプカード」占い
4・ワークショップ=====「天河太々神楽講 天の川に祈る」
5・ツアー=========「世界遺産の祈りの道を歩くツアー」
6・編集後記========ひとりごと
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【1】◇◆コラム・風の文様◆◇
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■「再生」中編
精神的にも肉体的にも限界に近いほど、私は疲れきっていた。
ボブが別れ際、しきりに幾度も“Re-Born”と満面の笑顔で喜んでくれて
いたのだが、私は、見送った直後から、なぜかどんどん沈んでいく自分
を感じていた。この一ヶ月、いや…この半年間私はいったい何の為に動
いていたのだろう。神様は、私に何の役割を与えたのだろう。
痺れるような頭の中で、答えを必死で見つけ出そうとすればするほど、
その意味がわからなくなっていた。
屋久島に着き、見慣れた景色とガイドの藤村さんの顔を見た時、細胞の
一つひとつが安堵していくようだった。
いつも、何かの区切りをつける時、私はこの島に戻ってくる。屋久島は、
私にとって大切な心の故郷なのだ。しかし今年の屋久島ツアーは、例年
の屋久島ツアーとは少し異なっていた。
『満月の夜、縄文杉と共に過ごす』
この、なんとも優雅な計画は、1年前のツアーの折決めたのだが、精魂尽
きるほど疲れていた私は、正直なところ登山がとても憂鬱だった。
樹齢7200歳、地球上で一番の長老である縄文杉にあいに行くのは、
そう簡単なことではない。
通常の登山ルートを使っても、片道5時間以上はかかる道程なのだ。
ましてや、私が藤村さんにリクエストした道は、縄文杉登山ではあまり
使われない、白谷雲水峡という苔森を抜けていくルートで、登山時間も
2時間くらい余計にかかるものだった。
通常、縄文杉登山に使う荒川ルートではない道を、何故リクエストした
かというと、まず屋久島の中で白谷雲水峡の苔森が何より好きなことが
第一の理由。そしてトロッコ道を延々と歩く荒川ルートは、あまり面白
くないと思っていることが第二の理由。第三の理由は、荒川ルートから
の登山者があまりに多く、人でいつも混み合っているから避けたいと思
った。
藤村さんに相談すると、藤村さんもその意見に賛成してくれたので、白
谷雲水峡からのルートで登山する予定だった。
しかし、直前に事情が変わった。
6月中旬に屋久島を襲った台風6号の打撃で、白谷雲水峡への道路が崖崩
れで遮断されており、白谷雲水峡を通るには、楠川ルートという島で一
番古い登山道を通らなければならない、ということだった。
出発日、空は晴れやかに澄みわたっていた。
全員が寝袋や着替え、食料やマットなど巨大な荷物を背負い、楠川から
登山し始める。最初から砂利道の急激な上り坂が続き、その後は崖沿い
を登っていく極めて歩きにくいルートだ。当初の登山予定だった白谷雲
水峡の駐車場にたどり着いたのは、楠川を出発して4時間も登った後だっ
た。私は、やっとの思いで白谷雲水峡に着いたのだ。せめて苔森だけは
ゆっくりと歩きたいと思っていた。
しかし、予定より遅れているから急ぎましょう、ということになり、足
早に白谷雲水峡を通り過ぎた。それが要因だったのか、私は酷く気落ち
してしまい、どんどん足取りが重くなっていった。
巨大な切り株、ウィルソン株に着いた頃には、出発から8時間以上経って
いた。そこからは、体力ある人たちが先に行くことになった。ウィルソ
ン株から縄文杉までは、かなりキツイ登山道が続く。
私はどんどん追い抜かされ、結局、同じように体力の限界にきていたヤ
エちゃん、トオルちゃんと共に3人で最後尾を行くことになった。互いに
励ましあいながら、一歩一歩登っていく。モウロウとしていく頭の中で、
レッド・ツッペリンの「天国への階段」がリフレインする。
木の階段を登りきったところで「きっと私は過労死する!」と思わずそ
う叫んでしまった。足は鉛が付けられたかのようだ。
なぜ、こんなにも体が重いのか…しばらく私は考えてみた。そして一つ
の結論に達した。今回、私は屋久島の神様にも、縄文杉さんにも心を委
ねていなかった。いや、委ねるどころか、憂鬱ですらあったのだ。
不思議なもので、人も場所も「好きだ」と思えば相手からもそう思われ、
「嫌だ」と思うと相手からもそう思われる。
結局のところ、私は屋久島にも縄文杉さんにも嫌われていたのではない
だろうか。
私は、深く反省した。
そして、縄文杉さんに早くあいたいと願った。すると不思議と少し足が
軽く感じた。
登れど歩けど道は続く。
どんどん夕闇が迫り、次第に辺りは闇に包まれていく。ヘッドランプを
つけようと思ったその時、トオルちゃんが「こんな時は、とりあえず一
休みしてお菓子を食べようよ」とリュックの中から、小さなビスケット
とスナック菓子を取り出してくれた。
昼食後、水と飴玉くらいしか口にしていなかったので、固形のお菓子が
嬉しかった。
トオルちゃんとヤエちゃんと私。三人で雑談をしながら、お菓子を食べ
た時間のなんと豊かだったことか。
そして、奇跡は起こった。三人とも信じられないほどに、足が軽くなっ
たのだ。
私は、重いリュックを背負っていることも、ヘッドランプを付けている
ことも忘れて、スキップをした。更に夜空にポッカリ浮かぶまんまるな
お月様が目に飛び込んできた時、♪月が〜出た出た〜、月が〜出た〜、
と炭坑節も口から出てきた。
楽しいぞ〜!と思いながら登っていたら、遠くから人の声が聞こえだし
た。ゴールはすぐそこだった。
縄文杉の前に着くと、既に到着していたみんなは夕飯の真っ最中だった。
汗でびしょぬれになっていた服をテントの中で着替え、私は改めて縄文
杉と向き合った。
巨大な縄文杉の片鱗が、ヘッドランプ越しに見える。
「お帰り」
なんだか、老樹にそう言ってもらったように私は感じた。
つづく…
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【2】◆◇講演会◆◇
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いよいよ明日です。お近くの方、お待ちいたしております。
日 時: 2004年7月24日(土) 13:30〜
場 所: 愛知県中小企業センター 講堂
テーマ:「自然の叡智と共に生きて」
講 演: 天川 彩
司 会: 葵 真弓 (FMトヨタ パーソナリティ)
ゲスト: ケルティックハープ演奏家 澤田真弓さん
料 金: 1000円
申 込: (有)オフィスTEN 名古屋支社
TEL: 052-878-9538(FAX共通)
E-mail: office-ten758@moon.odn.ne.jp
「私達は、どこからきて、どこへ向かっているのだろう」
そんな問いを考えたことはありませんか。
誰もが一度は考え、答えの無いまま忘れてしまっている問い。
しかし現在、もう一度この問いを自分自身だけでなく社会にも問い直す
時が来ているのではないでしょうか。
天川 彩が各地の大自然、そこに暮らす人々との出会い、また様々な先
住民族から学んだ叡智をスライドで紹介しながらお話しいたします。
どうぞ、是非お越しください。
詳しくは
http://www.office-ten.net
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【3】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。
今週は[トランプカード]で占ってみました
2004年7月24日(土)〜7月30日(金)までのあなたの運勢
<1月生まれ>
今週は自分の力で難局を切り開くときです。でも同性の友達が応援して
くれるので、きっと心強いでしょう。
<2月生まれ>
あなたよりも年下の男性が、あなたの計画を邪魔してしまうかも。相談
事は年上の男性に。
<3月生まれ>
家庭運や仕事運が順調な週です。でも、他人とのトラブルが起こる可能
性があるので、今週はなるべく家族と過ごすことを心がけましょう。
<4月生まれ>
今週は幸運な一週間となりそう。特に、金銭運がアップしています。宝
くじなど買うのもよいかも。
<5月生まれ>
今週はラッキーなことと、アンラッキーなことが交互に訪れそう。平常
心を忘れずにね。
<6月生まれ>
今週はリーダー的な存在となりそう。また、友達と仕事をすると、ラッ
キーなことがありそうですよ。ただ、他人の意見を無視していると運気
が下がります。気をつけて。
<7月生まれ>
客観的に物事が判断できなくなっているようです。また、しばらく忍耐
のときが続きますが、必ず時が解決してくれるので、あせらないことが
大切です。
<8月生まれ>
対人関係でトラブルが起こるかも。また状況が変化する時でもあるよう
なので、人との付き合いは冷静に。
<9月生まれ>
予定していた計画が中止になってしまう可能性があります。また対人関
係もかわる時にあるので、会話の内容には気をつけてね。
<10月生まれ>
ちょっとした、ミスや軽い病気など、なんとなく気分が優れない週とな
ってしまいそう。今週は極力、気分転換を図るよう心がけてね。
<11月生まれ>
物事を自分中心に考えてはいませんか?相手の立場に立って考えて見ま
しょう。また、今週は水難の恐れもあるので、水辺には気をつけて。
<12月生まれ>
今週は、友達の声に耳を傾けてください。また自分だけの幸せに酔って
いると思いもよらなかった事で失敗するかもしれません。人の相談にも
のってあげてね。
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【4】◇◆天河神社・旧暦七夕祭お手伝いワーク◆◇
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★ 8月21日(土)〜8月23日(月)★
人
 ̄Y ̄ ◎天河太々神楽講2004 「天の川に祈る」
『天河神社・旧暦七夕祭 お手伝いワークショップ』
参加者募集 ☆
*
天河神社の幻想的な旧暦七夕祭におけるご神事の、準備から後片付けま
でお手伝いをさせていただく、特別なワークショップです。
神社から白作務衣をお借りして、心身ともに神社に奉職されている方々
と心を一つにして、お祭りに来られる方々をお迎えいたします。
今年の七夕祭では、龍村仁監督による 映画「地球交響曲 第5番」の特
別奉納上映会も催されるほか、スーザン・オズボーンさんの歌の奉納も
行われます。
もちろん、これらの催しには、私達も一緒に参列させていただきます。
この機会に是非、ご一緒いたしましょう。
会 場: 奈良県 大峯本宮天河大辨財天社と周辺
日 程: 8月21日(午後2時)〜8月23日(正午)現地集合現地解散
参加費 : 3万6千円(2泊6食付)2泊6食代+ワーク参加費
白作務衣レンタル代: 3千円
宿 泊 : 民宿 柿坂
定 員 : 30名(定員に達し次第、締め切らせていただきます)
最終締切 : 8月10日
お申込いただきました方には、詳しい資料をお送りいたします。
*今年の旧暦七夕は8月22日(日)です
天河太々神楽講に講元として、皆さんをご案内する役目を賜ってから今
年で6年目を迎えます。講元とは指導者ではなく、人と人、人と神(生
命の本源)とのつなぎ役です。
本年も天河における七夕祭りの御神事に、皆様をおつなぎする役目を担
いました。
どうぞ神縁を感じられる方、ぜひご一緒いたしましょう。
講元 天川 彩
お申し込みは
http://www.office-ten.net
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【5】◆◇ツアー◆◇
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天と大地に感謝する旅 Walk15
【熊野古道と高野山 世界遺産の祈りの道を歩くツアー】
好評募集中!
9月23日(木・祝)〜9月26日(日)3泊4日
68、000円(関空集合・解散)
募集人員 23名(定員になり次第締め切りいたします)
*羽田発着ほか各地からの航空券の手配ご希望される方は、別途ご
相談ください。
弘法大師・空海がひらいた真言密教の根本道場『高野山』や熊野信仰の
中心である『熊野三山』、そしてそれらを繋ぐ参詣道は、ユネスコから
「紀伊山地の霊場と参詣道」として、このたび世界遺産へ正式登録され
ました。
一日目は、空海がこよなく愛した高野山の宿坊に泊まりながら、厳粛な
高野山を歩き、二日目、三日目は熊野古道歩きを堪能します。三百年続
く、熊野の名物女将がいる茅葺宿も魅力的。最終日は、南方熊楠資料館
にも立ち寄り、熊野の様々な側面にふれながら、世界遺産となった霊場
と道を堪能してください。
他では真似ができないほど、濃い内容のツアーです。
行程など詳しくは
http://www.office-ten.net
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【6】◆◇編集後記◆◇
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先週、熊野那智大社の火祭りと、天河神社の世界遺産記念大祭の取材に
行っている間、キョウちゃんは事務所で会計士の先生と数字に向き合っ
ていた。数字嫌いのキョウちゃんは火祭りならぬ血祭り?だったかと思
いきや、3日目には先生と一緒にビールをおごってもらったらしく、なか
なか楽しく過ごしていたらしい。よかった、よかった。
aya
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発行者 天川 彩
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