2004/ 2/27━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


     ☆★☆   TEN's magazine 第107号   ☆★☆   
 
  

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こんにちは!天川 彩です。

これまで生きてきた中で、人生が大きく変わり、時間軸もずれて動いて
いるように感じたのは、私が天川 彩になった1998年。
アイヌのシャーマン、アシリ・レラさんとの出会いや平和イベント「神
戸からの祈り」で事務局長となり、クリンギット族のボブ・サムとも初
めて会ったのが、この年でした。

今年は、それ以来の大きな変化の年のようで…既に時間軸が大きくずれ
ています。
思い返せば、まだほんの一ヶ月程度の時間しか経っていないのに、まる
で10年くらい過ぎているような不思議な感覚です。
天河神社のCDとDVDを来週から1年がかりで制作する話は以前のメ
ルマガでも書きましたが、なんと熊野古道のDVDの制作依頼まで舞い
込んできました。
わずか一ヶ月の間に、大切なことが次々と決まっていくようで、私の力
というより、目に見えない何かがグイグイと引っ張っていってくれてい
る感じです。
ただ、それに伴って様々なところに行かなくてはならず(それも勿論楽
しいのですが)体力勝負という感じもなきにしもあらず。

以前に友人から「いつも神出鬼没だね」と言われたことがありますが、
今はその時の10倍くらい神出鬼没状態かもしれません。
国内外を、あっちこちとまるで瞬間移動しているように(笑)走り廻っ
ています。

だからこそ、今は家族と一緒にいる時間が一番大切です。
明日は義父の三回忌。法事の後は、娘の修学旅行の準備の買い物につき
あって…と、今週末は人間らしい時間がとれそうなので嬉しいな♪

さーて、今週のコラムは先週の知床での出来事を綴った「アムールと王
子」。なんとも意味深なタイトルでしょ。
後は、本文をお読みくださ〜い。



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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様=====「アムールと王子」
2・天と大地に感謝する旅===「大峯・高野山と熊野古道の旅」
3・TEN占い======== 今週は「メディスンカード」占い
4・おすすめイベント=====「夫・星野道夫と見たアラスカ」
5・編集後記=========「ひとりごと」

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【1】◇◆コラム・風の文様◆◇
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■「アムールと王子」

冬の知床は、実に美しい。

淡青色の流氷の上空を、大鷲とワタリガラスが気高く舞い、氷平線は朝
は黄金に夕は薄紫に染まりながら陽を送る。
氷をかき分け海の中を覗くと、小さな氷海の天使クリオネたちが泳いで
いる。
厳粛な空気が張りつめる朝の冬森は、動物たちの足跡だけが気配を残し、
椴松の枝間にある雪のかたまりが、私たちを静かに見つめる。

そんな風景の中に、今年もとけ込んできた。

知床のネイチャーガイドをしている藤崎さんとは、今から4年間、田口
ランディさんの紹介で出会った。
藤崎さんは、都会の中で仕事をしているうちに、大自然の宝庫である知
床の魅力に惹かれ、いつしか知床に移り住んだ人で、現在、知床ナチュ
ラリスト協会の代表でもある。

あまりに美しい厳冬の知床の自然や、その自然と謙虚に向き合いガイド
をしている藤崎さん、そして知床に行く度、いつもお世話になっている
プチホテル「季風クラブ」のオーナー鈴木さんの人柄を皆さんに紹介し
たくて、昨年より天と大地に感謝する旅でシリーズ化している。

今年のツアーは、総勢16名。
姉妹やご夫妻、友人同士の参加の方々もいらしたが、大半の方は一人参
加だった。他のツアーでもそうなのだが、天と大地に感謝する旅は、一
人参加者が多い。
私は極度の人見知りをするタイプなので、皆さん凄いなぁと、いつも感
心することしかり。しかし、一人参加者同士だと、同室になる確率も高
く、新たな友達づくりに一役かうようでツアー後は、かなり親しくなる
らしくメールのやりとりや、一緒にどこかに出かけたりなど、それぞれ
に関係が発展していることをよく聞く。私たちスタッフは、良かったぁ
と思うと同時に、ちょっぴり羨ましかったりもするのだが…。

それはさておき、今回のツアーの中に、個性派のサツキちゃんという女
性が参加していた。彼女は、某大手企業の資料室勤務。
オフィスTENを知ったきっかけは、昨年夏、私が「童話詩人」として
表紙1面でインタビューを受けたフリーペーパーの記事を読んでという
ことだったので、私は「童話詩人」だと思っていたらしい。
それは、もちろん間違ってはいないのだが、ホームページには、童話詩
人としての活動は、今のところほとんど紹介していないので、最初は意
味不明だったそうだ。
半信半疑に、昨年の「天職のはなし・最終回」や今年はじめの「天々福
々」に参加するうちに、少しずつ私が何ものなのか、わかってきてくれ
たらしい。

彼女は、資料室の中で、毎日資料や本と向き合ってばかりの生活で疲れ
ていると言った。
1月のメルマガの中で「なぜか、今年に入って知床ツアーのキャンセル
が相次ぎ…」という文字を見て「ならば、私が行こう…」と思ったとい
う。自己紹介の時、「私はアウトドアも寒い所も苦手なのに、何故か来
てしまいました…」と挨拶していた。確かに色白の彼女は、とてもアウ
トドア派には見えない。

知床ツアーの初日、一番最初に行ったのは、網走にある北方民俗資料館
だった。
私は、この資料館が今のところ日本で一番好きな資料館だ。
亡父はサハリン生まれ、母も私も北海道生まれということも関係してい
るのか、どうしても私は北方に意識が向いてしまうようだ。
今回は、たっぷりとこの資料館での時間をとったのだが、他の人々もそ
れぞれに、展示物や資料を見ながら、流氷の先に住む北方の人々や、ま
だ見ぬ大地に思いを馳せていたようだった。

翌朝、アイスドライスーツに身を包み、3日前にやってきた流氷の上に
立った。最初は皆おそるおそる、足を運んでいたのだが、そのうち慣れ
てきて、少し沖の方まで行った時だった。

ステ〜ン!!

サツキちゃんが思いっきり滑り、宙を舞って転んだ。
そして開口一番彼女は言った。「これで、運命変わるかも。。。」
その時を境に、彼女は皆の中に溶け込むようになった。そして口癖のよ
うに「このまま流氷の上を渡ってロシアに行きたい」と幾度も言うよう
になった。
藤崎さんは「あの流氷たちは、遠くロシアのアムール川上流から凍って
流れてくるんです。流氷の最南着の場が、目の前のオホーツクのこの海
なんですよ」と優しく教えてくれた。

ツアーでは、その後、流氷の上を歩いただけではなく、純白の森の中に
佇み、ダルマストーブがある列車や、流氷を割る船にも乗り、目一杯厳
冬の知床を楽しんだ。

最終日の朝、露天風呂でミカちゃんという、これまた一人参加の女性と
一緒になった。彼女は歯科衛生士。
湯船の中で、ほぼ10年、同じ街の同じ歯科医院で、ほとんど毎日何も
変わらない日々を送っている話を聞かせてくれた。「やっぱり、こうし
て自然の中にいるのが一番気持ちいいですね。こんなツアーを企画して
くれて、ありがとうございます!」と言ってくれた。

ツアー最後の食事を、知床のお寿司屋さんでとっていた時のこと。
藤崎さんに誰かが「知床ナチュラリスト協会」のスタッフは全員独身な
のかと質問した。藤崎さんのところには、ワカと坊ちゃんと王子という
3人のスタッフがいる。
「僕は3人の子持ち、坊ちゃんは来月結婚するけれど。後の2人は煮る
なり焼くなり好きにしてください」と言った。
途端に、ミカちゃんは真っ赤になって小さくなっていた。

帰りの飛行機で、私の席はミカちゃん、サツキちゃんの順で並んでいた。
彼女達は、同じ部屋同士だったので、すっかりと意気投合していた。
私はこのツアーの感想などを最初聞いていたのだが、だんだんと話が込
み入ってきてこれから先の将来の話になった。
2人とも「これから、人生が大きく変わっていくような気がしている」
という。

サツキちゃんは、流氷の上を歩くと、ロシアに行けるのかとまだ口にし
ていた。私は「思い切って、流氷の原点、アムールの上流にまで行って
みたら?」と冗談で言ってみた。すると、彼女は急に真面目な顔になり
「そうですね。その方がいいのかもしれませんね。会社に戻ったら、い
くらでも資料は揃えられる部屋なので、どうにかなりそう」と乗り気に
なっていた。
そして、これまた冗談で私が「アムール川の上流で、どのようにして流
氷が誕生するのか見てきて、私たちに教えて」と言うと「そうします。
アムール川の上流に行ってきます」と彼女は断言した。

一方のミカちゃんはというと…
初日、車で空港まで迎えに来てくれたり、夜流氷の上で流氷の鳴き声を
聞きに行った時、手伝ってくれた「王子」に一目惚れしたらしい。
帰り、空港でチェックインするまで、しばらく時間があった時、ミカち
ゃんは藤崎さんに自分の名刺とメールアドレスを渡して、王子に自分の
ことを伝えて欲しいと頼んだそうだ。今まで、一目惚れなどしたことも
なく、増して自分でそんなに積極的な行動を取ること自体驚きだそうだ
が、出会った瞬間ときめいてしまったらしい。

以後、町中を車で移動するたび、「ここに歯科医院がある!」といくつ
かチェックしてあるそうで、いつでも知床に移り住む心の準備は出来た
と言うから驚いた。

私は、わずか2時間弱のフライト中に、2人の決意表明を聞いた。

王子は、青の太いストライプのカボチャパンツに白いタイツを履いて、
フリフリの白いブラウスがよく似合う、いかにも王子様タイプの男性だ。
ミカちゃんは、王子との結婚式ならば、お姫様ドレスでも恥ずかしくな
いと言った。

ミカちゃんが、王子と結婚する時、サツキちゃんは、アムール川・上流
のビデオを初公開してくれるらしい。
どこまでが、冗談でどこからが本気なのかは、よくわからないが、2人
ともこの話を公表していいというので、あえてこれに書かせてもらった。

旅は、いつも人を変えていく。
2人の夢が実現するよう、私は温かく見守っていきたいと思っている。


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【2】◇◆天と大地に感謝する旅◆◇
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天と大地に感謝する旅  Walk 12

 〜いにしえからの祈りの地〜
『大峯・高野山と熊野古道をゆくツアー』 3泊4日

2004年3月25日(木)〜28日(日)
 6万8千円(関西空港集合・解散)

羽田発着便での参加希望をされる方は、別途24000円で航空券手配。その

他の空港利用の方は別途航空運賃を計算いたします。

こんなスペシャルな大峯・高野山・熊野は、二度と企画出来ないと思い
ます。

神仏から呼ばれているように感じている方、ご一緒しましょう。


詳しくはこのページで
http://home.att.ne.jp/alpha/ten/kumano/kumano.htm
(新たな行程表を載せています)


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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。

                          
今週は[メディスンカード]で占ってみました

2004年2月28日(土)〜3月5日(金)までのあなたの運勢

<1月生まれ>
あいまいな態度をとってはいませんか?また、今まで経験がないことを
恐れてはいませんか?今週は真のリーダーシップをあなた自身が認識し
てください。ただし、ユーモアのセンスも忘れずに。

<2月生まれ>
あなたの心の奥底は、かたくなに閉じてはいませんか?もしも心の中に
痛みがあるのなら、もうすぐそれは喜びに変わっていきます。くじけず
乗り切って。

<3月生まれ>
今まで解決できずに悩んでいた問題で、さらなる迷路に入り込むのはや
めましょう。今週はまったく新しい人生模様を描くのにふさわしい週で
す。深呼吸をして、心機一転してください。

<4月生まれ>
変化を恐れてはいませんか?まずはリラックスして流れのままに進みま
しょう。きっとあなたの直観力が新たなる道やヒントを教えてくれるは
ずです。

<5月生まれ>
誰かを喜ばせようと自分を変えようとはしていませんか?まずはあなた
がどうありたいかをもう一度考えてみてください。あなたの道は誰のも
のでもないのですから。

<6月生まれ>
いま、正面から向き合わなくてはいけないことから、逃げ出してはいま
せんか?夢や幻想に憧れを抱いても現実に直面しなければ何も変わりま
せん。勇気を持って。

<7月生まれ>
必要以上にいろいろと溜め込んで、疲れてはいませんか?そろそろ重荷
を軽くして自由に行動できるようにしてみましょう。あなたにはもう必
要ではなくなったものが、きっとあるはずです。

<8月生まれ>
目先のことばかり気になって、大切なことを忘れてはいませんか?未来
をつくるのはあなたの想像力です。すこし心に余裕を持って。

<9月生まれ>
過度のストレスが溜まってはいませんか? 少し休息しないと思いもよら
ない病気を引き起こしてしまうかもしれません。またパートナーがいる
人はいつもと少し違う時間を過ごしたほうが良さそう。今の二人にマン
ネリの空気は禁物です。

<10月生まれ>
今週は多くの友人たちと喜びを分かち合う週になりそう。また周りの人
の才能をあなたがみつけてあげることもできそう。どちらにしても、い
つもとは少し違った一週間になりそうですよ。

<11月生まれ>
今週はあなたの内なる声にじっくりと耳を傾けてみましょう。きっとあ
なたが望んでいた道への近道がわかってくるかも。今週は意識を外に向
けず、内にむけてみて。

<12月生まれ>
自分しか見えなくなってはいませんか?何らかの形で皆がお互いに教え
あっていることを忘れないようにしましょう。聞くときは聞き、話すと
きは話すよう心がけて。


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【3】◇◆おすすめイベント◆◇
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写真家・星野道夫の横で、
直子夫人はどんなアラスカの風を感じてきたのだろう…

★「夫・星野道夫と見たアラスカ」★
  スライド&トークショー

    お話 星野直子さん   

開催日:2004年5月20日(木)
時 間:昼の部 12:00開場 13:00開演 
    夜の部 18:00開場 19:00開演
    *昼の部に限り未就学児・託児あり(要事前予約・先着20名

会 場:カメリアホール(亀戸文化センター3F)
    JR総武線「亀戸」駅北口・東武亀戸線「亀戸」駅 徒歩2分
料 金:前売り2000円   当日2500円(全席自由)
   (前売りで満席になった場合は、当日券の販売はいたしません)
聞き手:天川 彩


アラスカを愛し、またアラスカから愛された写真家、星野道夫。
96年、カムチャッカ半島で熊の事故により、この世を去るまで、
最愛の妻、直子夫人と過ごした3年間は、彼にとって、一番人間として
充実していた時間だったのかもしれません。
「夫、星野道夫の仕事を、そのまま何色をも付けずにお伝えするのが
私の仕事です」という直子さんに、貴重な星野道夫のスライドの説明と
アラスカで共に過ごした生活や、一緒に見てきたもののお話を伺いたい
と思います。
                        
*小さなホールでの催しですので、チケットのお求めはお早めに。

詳しくは
http://www.office-ten.net


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【5】◆◇編集後記◆◇
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先日、聖パウロ修道女会が出版している雑誌編集部から、エッセイの依
頼を受けた。子どもに話したら「神社、仏閣だけでなくキリスト教まで
進出するなんて凄い」と妙に感心された。
不思議なところに子どもは価値観を置くものだと思った。
                         aya

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発行者   天川 彩

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