2010/04/30━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆ TEN's magazine 416号  ☆★☆ 
  
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こんにちは 天川 彩です。 

GWに突中しましたね。皆さんはどのように過ごされていますか?

行楽に、帰省にと、楽しい計画を立てていらっしゃる方も多いと思い
ます。勿論ずっとお仕事、という方もいらっしゃることと思いますが、
全国的にお天気にも恵まれているようですし、気持ちのよいGWとな
りそうですね。

私はというと『御柱祭』の「里曳き」に行く予定です。
御柱祭は、今月初旬、皆さんと共に参加した「山出し」という行事の
後、一ヶ月後に行われる「里曳き」で、一通りのお祭りが終了するの
です。

一般的によく知られているのは「山出し」の途中にある「木落」や「
川越し」で、TENの旅でも迫力満点のお祭りを皆さんと共に堪能し
てきました。
「里曳き」はGW期間中ということもあり、今度は夫と「建御柱」ま
で見届けて来ようと思っています。

可能な限り、『御柱祭』の模様をブログにUPしていきますね。

さて。

ブログといえば…先日もブログに先行して少し書いたのですが、
TENでは2010年、春。

『にっぽん探求塾』というものを新たに誕生させることにしました。

これは、私たちが長年提唱し続けてきた「日本を深く知り楽しむ」と
いうテーマを、もっと分かりやすく定義付けをしながら、日本という
国の面白さを皆さんと探求していこうというものです。

TENの日本を堪能する旅シリーズや、日本を知るイベントなどは、
これから『にっぽん探求塾』の活動を通じて行っていきます。
今まで以上に、ダイナミックに皆さんと共に、日本という国の奥深さ
を体感していきたいと考えています。

また、TENのHPの中に別枠で、『にっぽん探求塾』の専門ペー
ジも制作していく予定です。日本各地の大地にまつわる面白い話や、
私が出会ってきた尊敬する人々などのインタビュー記事も、少しずつ
ご紹介していきたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。

そんな『にっぽん探求塾』での記念すべき企画の第一号が、先週のメ
ルマガでもほんの少し予告しましたが「早池峰・山の神に出会う旅」
です。

日本百名山の一つであり、神の座する山として古くから信仰されてい
る岩手県の「早池峰山」。そこで年に一度、山開きの日にだけ山頂で
神楽が舞われます。

早池峰神楽というのは、もともと山伏が、修験の加持祈祷の際に舞っ
たという山伏神楽が始まりで、その祈りの精神性の深さと、受け継が
れてきた伝統芸能としての完成度の高さから、国の重要無形文化財の
第一号とされてきました。

そんな日本を代表する神楽が、昨年、ユネスコによる世界無形文化の
第一号に認定されたことで、世界の早池峰神楽となったのです。

なぜ、今回、このような旅を企画するようになったのか、経緯は少し
長くなるので、コラムに書くことにします。

それにしても、私はやはり「日本」というこの国が、アニミズムの国
である日本というものが、大好きなのだなぁと、つくづく感じます。


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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様============「早池峰の山の神に」
2・TEN占い==========今週は「メディスンカード」占い
3・最新ツアー情報=========「早池峰・山の神と出会う旅」
4・おすすめツアー情報===========「新緑の戸隠ツアー」
5・おすすめイベント=============「太陽と月ライブ」
6・編集後記===================「ひとりごと」
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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□「早池峰の山の神に」


そもそものきっかけは、昨年九月のことだった。

以前からずっといつか見たいと願っていた、遠野のしし踊りを見に、
遠野祭に出かけようということになった。

遠野といえば柳田國男の「遠野物語」。
その「遠野物語」の中に「神の始(はじめ)」という章がある。
三人の山の女神の話なのだが、その中心的な山として登場するのが、早
池峰山だ。
私は、出来ることなら早池峰山にも行ってみたいと思っていた。

偶然なのか必然なのか。

遠野祭の当日、たまたま隣に座ったおじさんは、早池峰山の麓、附馬牛
という所から来ていた人だった。
私が、早池峰山に興味があると話すと、それなら明日、早池峰神社へ連
れて行ってあげよう、というのだ。

翌日、遠野の早池峰神社まで連れて行ってもらった。
ここまでは、大変有り難かったのだが、門をくぐると、どういう訳か、
心がザワザワして落ち着かない。その建物は、紛れもなくかつてお寺で
あったと思われるものだった。明治の神仏分離、廃仏毀釈によって、無
理に神社としての体裁を整わされているような、そんな不自然な感じが
してならなかった。

裏手に続く小道を登ると、かつてそこがお寺だった時代の、歴代のご住
職様達のものであろう墓石が並んでいた。

岐宿もその日は、お彼岸だったので、私は一つ一つの墓石に手を合わせ
山から降りてきたが、逆に早池峰山のことが、気になって仕方が無くな
っていた。

墓石の中のご住職さまたちが、繋げて下さったのか、早池峰の山の神様
が呼んでいるような気がしたのだ。

その夜、知り合いの宿の女将さんに、その話をしてみると、
「それなら、花巻郊外の大迫(おおはざま)にある、もう一つの早池峰
神社に行ってみたら?そこは神楽で有名だし」という。

翌日、花巻の観光協会に連絡してみると「早池峰神社」はかなり遠く、
大迫まで行くバスも少なく、そこから先のバスの乗り継ぎもかなり悪い
ので、車が無いとそこまで行くのは無理だという。
しかし、神楽宿でちょうど、大償(おおつぐない)神楽が行われる日だ
から、それを見にくよう勧めるのだ。

他の場所で聞いても、皆、判で押したように同様にそういう。

私は、神楽が見たい訳ではなく、山の神様にただ会いたいと思っていた。
だからダメもとで、大迫行きのバスに乗り込んだ。
乗客は、私たちと、他にもう一名乗っているだけだった。

「お神楽、見に行くのですよね?」
その人が、おもむろに話しかけてきた。
「いいえ。私は早池峰山に少しでも近い場所へ行ってみようと思って」
というと、その人はかなり驚いた顔で
「今日、大迫まで行くのに、神楽を見ないなんて信じられない」という
のだ。

三十分ほどして大迫のバス停に付くと、その人は大慌てでタクシーに乗
り込み神楽を見に行った。

私たちは、というと、バスの時刻表やタクシーで行くことも検討したが
やはりこの日、早池峰神社へ向かうことは不可能だということがわかっ
た。

大迫の町を少し散策した後、「早池峰と賢治の展示館」という建物に立
ち寄ってみると、親切な館長さんが、色々な話を面白おかしく話してく
れた。そして「やっぱり、折角、今日ここまで来ているのなら、神楽宿
で神楽を見て行きなよ。僕はまだ仕事中だから、行きはタクシー使って
行くしかないけれど、帰りは新幹線の時間に間に合うように、駅まで送
ってあげるから」というのだ。

そこまで勧められるということは、神様が「神楽を見なさい」と言って
いるようなものだ。

恥ずかしながら、私はそれまで、早池峰神楽という神楽の存在を全く知
らなかった。しかし今までの経験から、神楽を見る時には、祝儀を包む
ことだけはわかっていたので、取り急ぎ祝儀を用意して、神楽宿に向か
った。

受付を済ませて、空いている席に座ると、偶然、バスの中で出会った女
性が前に座っていた。その女性は、私の顔を見るなり「やっぱりね」と
言って笑った。

肝心の早池峰神楽は、今まで私が人生の中で見てきたどの神楽よりも、
リズミカルで美しく、そしてエネルギッシュなもので、神様と共に楽し
く演舞されていているようだった。特に最後の演目「権現舞い」になっ
た時には、それまでの空気とは全く異なったものとなり、まさに神人合
一の世界。神様が降りてこられた権現舞いは、ただただ、有り難いの一
言であった。

興奮さめやらぬまま直会の席につくと、年輩の男性が目の前に座られ、
「神楽を見るのは何度目ですか?」と聞いてきた。私は初めてであるこ
とや、早池峰神楽を知らなかったこと、そして、ここに来た経緯を手短
に話した。

すると、その年輩の男性は、
「私は、早池峰神社に五十年ほどご奉仕していますが、こんな話は初め
て聞きました。今、見ていただいた早池峰神楽というのは、山の神様を
里に降ろして舞うものなので、まさに今日、山の神様がここに来ている
のですよ。早池峰山の神様にちゃんと会えているのですよ」
と驚きながらいうのだ。

その話を聞いて、私も驚いた。

更に「それなら、早池峰の山の神様と、一番強く出会える機会が年に
一度だけあるから、来年六月の第二週目の日曜日。必ず早池峰山の山
頂にいらっしゃい。山の上の神様の場で神様の舞が見れますよ」と続
けた。

私は、何も考えず「はい」と答えた。

その直後だった。『早池峰と賢治の展示館』の館長さんが車で迎えに来
て下さり、私たちは神楽宿を後にした。
新幹線の駅まで向かう道中、その話をすると「僕は早池峰山のガイドも
しているから、山に本気で登るつもりなら連絡してきてよ。神様の舞い
がちゃんと見れる時間に間に合うように、山頂まで連れて行ってあげる
から」というのだ。

正直なことをいえば、私は山登りが苦手だ。
出来ることならば山登りはしたいとは思わない。しかし、いかんせん。
私は何故か、山の神々が好きで仕方がない。

本当にやっかいな奴だと自分でも思う。

さて。
六月、早池峰の神様は、どんな姿で現れてくれるのだろうか。


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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽にお遊びとして楽しんでくださいね。
                          
今週は[メディスンカード]で運勢を占ってみました。

2010年5月1日(土)〜5月7日(金)あなたの運勢

〈1月生まれ〉 
感覚が鈍感になってはいませんか。いつものあなたなら気付くことを見
逃しているかもしれません。今週は気遣いを心がけてね。

〈2月生まれ〉 
今週は夢に大切なメッセージが現れてくるかもしれません。目覚めた時
に夢の内容をもう一度思い出してみてね。

〈3月生まれ〉 
あれこれと気が迷い、焦点が定まらない一週間かもしれません。今週、
大事なことを始めるのは避けて、心身ともにリラックスを心がけてね。

〈4月生まれ〉 
思った通りにことが進まず、イライラしてはいませんか。今週あなたに
必要なことは「学ぶ時間」かもしれません。まだまだ必要な情報を見逃
しているかもしれませんよ。

〈5月生まれ〉 
変化を望みながらも実際には動いていない、ということはありませんか。
もしも今、ぬるま湯に入っている状態ならば、まずはそこから出てみる
ことです。

〈6月生まれ〉 
今週は「動」の週ではなく「静」の週となりそう。本を読んだり、映画
を見るなど、受け身でいると大切なヒントが見えてくるかもしれません。

〈7月生まれ〉 
今週はあなた自身のためというより、周りの人に奉仕する一週間となり
そうです。心穏やかに周りの人と接してくださいね。

〈8月生まれ〉 
悩み事があったとしたら、あなたの視野の問題かもしれません。今週は
心の目をぐっと広げて、ものごとを見る努力を。

〈9月生まれ〉 
モノやお金に執着しようとはしていませんか。今週あなたに必要なキー
ワードは「足りるを知る心」です。いま与えられたものがベストである
ことを思い出してね。

〈10月生まれ〉 
心に余裕が無い状態だと、周りにあたり散らしてしまうかもしれません。
今週はまずはあなたの心に新鮮な空気を入れて、余裕を取り戻してみて
ね。

〈11月生まれ〉 
ギリギリの状態まで頑張りすぎてはいませんか。無理は禁物です。今週
は健やかなリズムで過ごすことを忘れずにね。

〈12月生まれ〉 
想像力豊かな一週間となりそうです。芸術的なセンスも磨かれそうなの
で、いろいろな場所に行き、感性磨きの時間を持ってね。



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【3】◆◇最新情報◆◇  
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          オフィスTEN
       
        【にっぽん探求塾】の旅 
 
      『早池峰・山の神様と出会う旅』

  2010年6月12日(土)〜6月14日(月)
            2泊3日
      
   http://www.office-ten.net/hayachine/top.htm
   
      1泊目…早池峰神社近郊の宿坊
      2泊目…花巻南温泉郷の温泉宿
    
           78、000円

       東京発着(往復・新幹線利用)
   
  *土日のみの1泊2日を希望する方、
   新花巻駅集合解散を希望される方は、ご相談下さい。
   

           限定8名募集
         (最低施行人員5名)


古来より、山の神が座するとして崇められていた「早池峰山」。
その麓に住む人々のもとで、500年以上に渡り大切に受け継がれてき
た神楽があります。
修験の山伏神楽がもとになった、深い精神性とダイナミックな動きの演
舞は、昨年ユネスコ世界無形文化遺産にも登録されました。
見る者を惹きつけてやまない『早池峰神楽』の中でも、最後に登場する
「権現舞い」はまさに神の舞い。言葉を失うほどの迫力があります。

そんな「権現舞い」が一年に一度だけ、早池峰神社の奥宮がある早池峰
山山頂で山開きの日に行われます。

神と人とが一体になる瞬間を一緒に体感しに行きませんか?

旅の行程などは、 http://www.office-ten.net/hayachine/top.htm


※日曜日が神事の日となる為、下山後は、あわてて東京に戻らず、花巻
南温泉郷に移動して、美味しい食事と温泉とでリラックスしていただく
ように月曜日までプログラムを組みました。

日曜日中に、東京へ戻りたい方、又、新花巻駅集合解散を希望する方は
割引料金でご案内することも可能です。ご相談下さい。


★『にっぽん探求塾』での旅は、入塾されていない方も自由に旅に参加
いただけますが、入塾されると、お得な料金で旅に参加していただくこ
とが出来ます。

「にっぽん探求塾」について、詳しくは…
http://www.office-ten.net/nippon.htm



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【4】◆◇おすすめの旅◆◇  
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      <日本を堪能する旅 其の十九> 

         『新緑の戸隠』ツアー 
     
      5月29日(土)〜5月30日(日) 
            1泊2日 
           (東京発着) 

           28、800円  

           募集人数12名 
          最低施行人員8名 

          詳細・お申込みは… 
   http://www.office-ten.net/j/togakusi/top.htm 



千年以上もの歴史を持つ修験の場であり、
また、日本神話の中では、天の岩戸開きの際に
投げられた岩戸が戸隠山であるとも伝えられている
古くからの祈りの聖地、「戸隠」。

今回のTENのツアーは、新緑に萌える戸隠の
鎮守の森にご案内いたします。 

特に戸隠の最も聖域とされる奥社では、
雪解けシーズンを終えたばかりの、
まさに緑萌えるシーズンが到来したばかり。

巨木の周囲に山野草などが咲き誇り、
命の限りの輝きに満ち溢れています。

新鮮な山の空気をどうぞ胸一杯に吸い込みながら 
聖なる森を、ゆっくり歩いてみて下さい。 

勿論、TENならではの旅ですので、宿も宿坊。 
ご主人は、戸隠神社の神官様なので、 
戸隠神社歴史や文化についても、 興味深いお話を
夜にはたっぷりとしていただくことになりました。 

さらに女将は、自然の恵みを料理する達人。 
美味しいお料理もどうぞお楽しみに! 

そして戸隠といえば忘れてはならないのが「戸隠蕎麦」。

日本一と評判高きお蕎麦屋さんにも、今回ご案内いたします。 

新緑のシーズンならではの戸隠。
是非、ご一緒しませんか?


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【5】◆◇おすすめイベント情報◆◇  
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     ■◇■ 『 太陽と月 ライブ』 ■◇■
         
      〜祈りの唄い人 × 大地の語り人〜

          2010年5月23日(日)

 月…Emme(シンガー) 太陽…天川 彩(作家・童話詩人)
    
 会 場:立花大正民家園(東京都墨田区にある趣のある古民家です)
 時 間:14:00〜16:00
 参加費:2500円 お茶・お菓子つき (当日3000円)

       
    http://www.office-ten.net/e/power/top.htm

 会場の都合により、先着30名で締め切らせていただきます。



オリエンタルボイスの持ち主として国内外で評価され
祈りを込めた唄に定評があるシンガー「Emme」と、

大自然と信仰をテーマに
力強く生きる人々のもとを訪ね歩く作家、「天川 彩」とが
コラボレーションした、奇想天外なライブを開催します。

その名も
『太陽と月ライブ』。

前半は、Emmeによる祈りの唄と 
天川 彩が見てきた国内外の祈りの世界のお話を。

後半は、二人の対談の後、
全員で、日本の古き良き歌に触れていくという

「日本」と「祈り」と「唄」と「言の葉」を体感する
不思議で楽しい2時間です。

新緑に萌える古民家の
美しい和の空間が、今回の舞台です。
 
皆様のお越しを、心よりおまちいたしております。


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【6】◆◇編集後記◆◇
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GWに入り、私の自宅の前は、朝からカメラ片手にした観光客の人で
いっぱい。事務所の近くの根津神社では、東京三大花祭りの一つ「つつ
じ祭」目当てに、黒山の人。
例年のことだけど、GWになると、急に人口密度があがります。

                          aya