2008/10/27━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆ TEN's magazine 第341号  ☆★☆ 
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net


こんにちは、天川 彩です。

先日、高野山で綺麗な紅葉を見ましたが、北国では初雪が降ったとか。
10月の終わりだというのに、自然界は早くも冬ごもりの準備をしている
ような、そんな気配を感じます。
出雲、ご縁結びツアーも、いよいよ最終のご案内となります。航空便が
満席に近いため、お申し込み希望の方は11月5日までにご連絡ください。

さて、今日は10月31日。ハロウィンですね。
ここ数年は、10月になるとオバケのカボチャのキャラクターなどが店頭
に並ぶようになりましたが、ハロウィンとは、一体何なのか、今ひとつ
ピンとこない人も多いかと思います。

ハロウィンは、もともと古代ケルトの宗教儀式でした。ケルトの新年は
11月1日。その前夜である10月31日には、その年の収穫を祝うのと同時に

先祖の霊も迎え入れる日ですが、同時に黄泉の国から様々な霊たちもや
ってくると考えられ、魔よけを各家庭に置くことも必要だったとか。そ
の後、カトリックに取り入れられ、万聖節という宗教儀式の日になり、
ケルトの末裔達が暮すアイルランドだけではなく、今では多くの欧米諸
国で、ハロウィンを祝っているようです。特にお祭が大好きなアメリカ
では、クリスマスに次ぐ華やかなお祭行事として定着しています。

それにしてもケルトの人々の間では明日からが新年。そう知った途端に、
なんだか新鮮な風が吹いてきたような幸せな気持ちになりませんか?

そんな訳で…TENの来年のインフォメーションを少しすることにいた
しましょう。

来年からは、リクエストにもお応えしての旅企画も考えていきたい、と
先週メルマガでお伝えしましたが…な、なんと来年の旅企画第一弾は
「インド・お釈迦様巡礼の旅」にご案内することにしました!

思い起こせば、10年前。お釈迦様の足取りを辿ってみたいと漠然と思い、
4年前、ご縁が繋がり薬師寺のお坊様たちにインドの仏跡をご案内してい

ただくという、ありがたい時を過ごさせていただきました。
ただ、私自身が皆様をご案内するなどとは、想像もしていなかったので
すが「TENの旅で行くのなら、インドのお釈迦様巡礼の旅がしたい」

リクエストがあり、改めて考えてみました。

まず、現在、もの凄い円高で、海外に行くのなら今がいいということ。
また、来年の1月2月は、燃油付加運賃(サーチャージ)が値下がるとい
う情報も入っています。そして何より、TENの旅の目的地として、こ
れほど新鮮で、心惹かれる場所は、他に無いような気がしました。
現在、世の中不況ではありますが、チャンスの時でもあり、こんな時に
こそ、思い切って行ってみよう、という気持ちになりました。

ということで、詳細が決定いたしましたら、まずはメルマガで第一報を
お知らせいたしますね。
お釈迦様が悟りを開かれた「ブッダガヤ」を中心に旅をつくっていきた
いと思っていますので、楽しみにお待ちください。


さて、もう一つ、来年の新春目玉企画があります。
それは、「自分力・新春集中UP講座 in 草津温泉」です。
東京から草津温泉(群馬)までの往復交通費、温泉宿の1泊2食付(お膳
料理)、自分力集中UP講座・受講料、全て含めて、な、なんと…
19、800円(税込)。それも、嬉しい土日開催。

ご存知、日本の名湯、草津温泉は、自然湧出量・日本一。
豊富なお湯に浸かったり、湯畑で観光気分を満喫したり、勿論、講座で
自分力も十分に磨いてくださいね。体の芯まで温まり、そして心の底ま
でリフレッシュ。新たな年のスタートを応援する新春目玉企画は、今日
から募集開始です!

先着18名様限り。考えるまでも無く、ぜったいお得な価格の企画ですヨ。
詳しくは、本文及びHPをご覧くださ〜い。

また、勿論、毎年恒例になっている「天々福々 谷中七福神巡り&TE
Nの新年会」や毎年大好評いただいている「天の福袋」販売のお知らせ
なども、追々お届けしますね。

今年も、残すところ、来月の映画「久高オデッセイ」上映会と、3年ぶり
に行う「天川 彩 クリスマス童話詩ライブ」の2つのイベントのみとな
りました。童話詩の世界は、私が大切にしている世界観を、詩のような
短い物語に託し、優しい音楽にのせて語るものです。
心の奥底まで、幸せな気持ちで満ち足りた時間をお届けしたいと思いま
すので、どうぞ、是非是非、お越しください♪

童話詩ライブの後は、お越し頂いた皆様と、そのまま懇親会ができれば
いいな、と考えています。
今回の会場となっているお店の店長とは、またまた十年来の友人なので
すが…そのお話は、また来週。


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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム風の文様===============「自分を生きる」
2・TEN占い==========今週は「タロットカード」占い
3・最新情報=======「新春・草津温泉で自分力集中UP講座」
4・映画上映会============「久高オデッセイ」in東京
5・天と大地に感謝する旅===最終のご案内「出雲・縁結びツアー」
6・連載小説===================「雨弓の時」54
7・編集後記===================「ひとりごと」
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【1】◆◇コラム・風の文様 ◆◇
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□『自分を生きる』


人は、それぞれ自由に生きる権利がある。
しかし、自分自身に縛られ、自由に生きることができなくなっている人
が、どれほど多いことだろう。

人生の選択は、瞬間瞬間に起こっている。そして選択は全て自己責任だ。
決して誰のせいでもない。

あの人が悪い。こんな会社が悪い。あんな病院に行ったから酷い目にあ
った。と声を大にしていう人がいる。

しかし、あの人が悪い、という人と付き合った自己責任であり、こんな
会社に接点を持った自己責任だ。あんな病院に行ってしまったとしたら、
よく調べなかった自己責任なのだろう。しかし、だからといって自分が
悪いとは限らない。要は精一杯やれば、あとは、「そんな運命だったの
でしょう」と淡々と受け止めればいい。

自分の人生の主人公は、自分以外にはない。
他者に、生きかたや考え方を決めてもらおうとするのは、自分を放棄す
るのに等しい。迷った時、相談できる相手がいることは幸せなことだ。
しかし、相談ではなく、委ねてしまおうとするのは、人生の横着者だと
思う。そんな横着をするから、人を、自分の意のままに操ろうとする人
にひっかかってしまい、人生の迷路から抜け出せなくなってしまうのだ。
アレもコレも、やってみる。まるで正しい道かのごとく、新しいことは
目の前に現れる。が、いつまで経ってもグルグルと同じところから抜け
出せない。要は、自分で答えを見つける能力は自分には無い、と自己を
否定し、真の自分の姿を見ていないからだ。


また、二つ心で生きている人がどれほど多いことだろう。

「本当」はアレがしてみたいんだけど「でも」時間がないし…。とか。
「本当」は言いたけど「でも」どう思われるかわからないし…。とか。
「本当」は辞めたいけど「でも」辞めたらどうなるか恐いし…。とか。

なぜ、「本当は」という素直で純粋な声を無視するように、「でも」の
声をかぶせて、素直で純粋なものを否定し、純じゃないものを正当化し
ていくのだろうか。

一見すると「でも」の後にくっつく言葉は、とても理路整然とた正論の
ように思える。その正論のようなものが語り出したら、「本当は」なん
ていう素直で純粋でな思いは、あっけなく潰される。コテンパンにやら
れる。立ち上がれなくなるぐらい、否定される。


「アレがしたい?今、そんな余裕があるの?今は忙しい時なんだし、そ
んなことやっている場合じゃなんじゃない?我慢しなきゃダメだよ。大
人なんだから」

「こう言いたい?余計なことは言わない方がいいよ。例え、相手のこと
を思ってにしても、相手はどう思うかわからないし。ヘタに何か言って、
損をするのは自分自身なんだから。関わらない方がいいよ。大人なんだ
から」

「会社を辞めたい?本気で考えているわけじゃないよね。今、会社辞め
たら、もうどこも働き口がないかもしれないよ。お金はどうするの?好
きな服だって買えなくなるし、会社辞めたら、いろんなもの失うよ。会
社の体質が合わなくたって、我慢しなよ。お給料、貰えているんでしょ。
どこか適当な場所が見つかれば、その時、辞めたらいいんだし。大人な
んだから」

返す言葉が見つからなくなり、「そうだよね」と引き下がるのを待って
いる。
しかし、そこで偉そうに喋っているのは、小さな枠を守ろうとしている
自分なのだ。真の自分を生きようと思ったならば、そんな小さな枠の中
の自分なんか、蹴飛ばした方がいい。小さな枠の中で臆病にオドオドし
ている自分を大切に扱っている限り、純粋で素直で、大らかで自由な自
分は現れてこない。いや、気がついた時には、いなくなっているかもし
れない。

しかし、ワガママ放題、他者に迷惑をかけて生きる、ということと、真
の自分を生きるということは異なる。

選択があったりしたら、清々しい自分を感じる方を選ぶ、ということだ。
「こんな自分は本当は嫌だけど…」と思うのなら、選択しないようにし
よう。こんな自分は本当は嫌、だと思いながら選択していくと、自分が
益々嫌いになっていく。逆に、世間にどう思われようが、人にどう言わ
れようが、「出来ればその方がいい」と思う方を選択したなら、自分の
ことが好きになる。

せっかく、この世に生まれ今まで「自分」という存在と付き合ってきた
のならば、小さな枠のつまらない自分ではなく、大いなる自分を認めた
方が、楽しいはずだ。

自分を生きる、とは、真の自分を裏切らず、素直に大らかに清々しく生
きていくことだと私は思う。


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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽にお遊びとして楽しんでくださいね。
                          
今週は[タロットカード]で今週の運勢を占ってみました。

2008年11月01日(土)〜11月07日(金)あなたの運勢

〈1月生まれ〉
気持ちが焦り、臨機応変に対応することが出来ないかもしれません。今
週は、冷静さを取り戻して下さい。あなたのペースに戻ったとき、ちゃ
んと力が発揮できるので心配しないでね。

〈2月生まれ〉
常識の枠に囚われすぎてはいませんか。考えの幅を狭めてしまうと、様
々なことがつまらなくなってしまいます。今週は広げる努力を。

〈3月生まれ〉
周囲に対して、不平不満があるもののそれをどう表していいかわからず、
いらいらしているようです。気持ちはちゃんと伝えてね。

〈4月生まれ〉
あれもこれもと、先々の事が不安になってきてはいませんか。今週は気
持ちに整理をつけて、まず一番大事な事から始めてね。

〈5月生まれ〉
興奮しすぎて、集中力が欠けていそうです。今週はいったん気持ちをク
ールダウンさせて、物事に取り組んでね。

〈6月生まれ〉
自分の意見に執着して、周りの人の意見を排除してはいませんか。自分
勝手にならないよう、いつも以上に周囲に気を配ってね。

〈7月生まれ〉
今週は積極的にやったことが、裏目裏目にでてしまうかもしれません。
時には、押してダメなら、引いてみるという気持ちも持ってみてね。

〈8月生まれ〉
今週は、我が身を振り返る一週間となりそうです。あなた自身が欲しい
物、またあなたの行動はどうなっているかを、冷静に見たとき、次の動
きが変わってきそうですよ。

〈9月生まれ〉
状況がなかなか好転せず、心が少し疲れてしまうかもしれません。そん
な時には、一度手を止め、足を止め、あなた自身の為に休憩をとるのも
必要ですよ。

〈10月生まれ〉
あなた自身のことで頭がいっぱいになり、周囲の人へ気配りを忘れてし
まっているかもしれません。今週はあなたの大切な人のことを思いなが
ら行動してね。

〈11月生まれ〉
何かにつけ、ラッキーな一週間です。あなたのその喜びと楽しさを周囲
の人達にも分け与えると、さらなる喜びが待っていそうですよ。

〈12月生まれ〉
心穏やかに過ごせそうな一週間となりそうです。また美的なものに関連
して、いい知らせもやってくるかもしれません。今週は、芸術の秋を楽
しんでね。


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【3】◆◇最新情報◆◇
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       新しい年、とことん自分と向き合って、
        新たなるあなたを発見してください
   
       
          新春・びっくり価格企画!!
   
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      ┃自┃分┃力┃集┃中┃U┃P┃講┃座┃
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        ┃i┃n┃ ┃草┃津┃温┃泉┃
        ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛

   .:*・.:*・.:*・.:*・.:*・.:*・.:*・.:*・.:*・.:*・
     
       2009年1月17日(土)〜1月18日(日)
              1泊2日

                    
   草津に行って…泊まって…お膳料理食べて…
           草津の湯に入って…観光して…
   そして、「自分力集中UP講座」に参加して…
    
  
            なんと、驚きの参加費

            19、800円(税込)
 
            募集人員 18名 (先着順)

           詳細・お申し込みは 
    http://www.office-ten.net/com-kouza/kusatu/top.htm
   
     
     この世に「あなた」として生れた、たった一度の人生です。


            自分らしさを知り、
            自分に自信を持ち、
            自分を信頼し、
            自分のことが好き 

     こんな風にいえる自分改革を本気でしてみませんか?

     今回の講座は、新春企画ということもあり
     日本の名湯、草津温泉で行うことにしました。
     自然湧出量・日本一豊富なお湯に浸かったり、
     湯畑をそぞろ歩いたり、
     体の芯まで温まって、自分力集中UP講座で
     心の底までリフレッシュして…

     100%のあなたで、新しい年を出陣してください。



      
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【4】◆◇映画上映会◆◇
……………………………………………………………………………………
          只今、好評受付中♪
   
      ◎都内では1年ぶりとなる上映会です!!
   
  ◆◆◆映画「久高オデッセイ」上映会 in 東京◆◆◆ 
 
       2008年 11月29日(土)
       ムーブ町屋 ハイビジョンルーム

    前売り 1500円 当日 1800円

 1回目15:00〜 2回目17:00〜 3回目19:30〜 
   
          (各回 50席限り)

     映画の内容 及び お申し込みはこちら
     http://www.office-ten.net/kudaka/top.htm


  前売りは、必ずメール・FAX・TELで
  住所・氏名・連絡先・チケット枚数をお知らせの上、
  郵便振替 00110−4−567778 オフィスTEN
  まで、お振込みください。
  
  小さな会場です。
  前売りが完売した場合、当日券の発行はいたしません。
  映画を確実にご覧になりたい方は、
  出来るだけ早めに前売り券をお求めください。

      

……………………………………………………………………………………
【5】◆◇天と大地に感謝する旅◆◇
……………………………………………………………………………………
   <最終締め切りのご案内 11月5日正午まで>


   TEN’sトラベルメンバーの為の旅企画

   ■天と大地に感謝する旅 Walk 28■

        神在り月に行く
     「出雲・ご縁結びツアー」
    〜プラス 石見銀山・厳島神社〜

   2008年11月13日(木)〜16日(日)3泊4日
   http://www.office-ten.net/izumo/t.htm


    神在り月の出雲。

    日本中の八百万の神々が、
    人々のご縁結びの会議にやってきます。
    そんな、神々がいらっしゃる最中
    私たちは、神様たちのいるところに
    お伺いすることにしました。

    男女の縁。
    仕事の縁。
    あらゆる人間関係の良縁を
    神々が結んでくださるこのときに
    真摯な気持ちで、お参りいたしませんか?

    また、せっかく、ここまで来るならばと
    神様たちは、石見銀山・厳島にも
    ご縁を繋いでくださいました。

    今年最後にご案内する旅は
    輝かしき、来年のあなたに繋がる旅です。

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【6】◆◇連載小説◆◇
……………………………………………………………………………………
両親の不仲が原因で自分は不幸だと思い続けてきた祥子。しかしアルバ
イト先で知り合ったアパレルメーカー勤務の良一との出会いから、考え
方が少しずつ変わってくる。大学卒業後、マスコミ就職の希望を持って
いた祥子だったが、妊娠がわかり、急遽良一と結婚することに。
娘の真由子出産後は、幸せに暮していた祥子だったが、良一の札幌へ長
期出張で、少しずつ心は不安定になっていき…。


『雨弓のとき』 (54)                天川 彩


翌年1月末、札幌の店舗が無事グランドオープンを迎えた。地元のメディ
アでも多数取り上げられ、店はかなりの賑わいをみせていた。無事、新
たな店舗が船出したのを見届けて、良一は東京本社に戻って来た。
祥子にとっても、どれほど待ち望んでいたかわからない、良一の帰京だ
ったが、その日から、なんとお得意先の接待が待ち受けていた。
良一が家に戻って来た時には、祥子は、食卓に、突っ伏したまま眠って
いた。多分、張り切って用意したのだろう。台所には、ラップがかけら
れた鉢やら皿が、幾つもある。

「ごめんよ、祥子」
良一は、小さく呟いて、祥子の頭を後ろから撫でた。すると祥子の体が
ビクンと反応して、起きた。
「あ、おかえりなさい…。ん?今、何時?」
祥子は、少し寝ぼけた眼で、壁にかかっている時計を見た。時計の針は
午前二時を廻っているようだった。
「今日、戻って来たばかりなのに…。疲れたでしょ。大変だったね」
「いや。本当に悪かった。まさか、今日、海外のバイヤーが、急遽予定
を変更して、やって来るなんて思ってもいなかったからさ。俺が担当し
ている相手だし、接待に出ないわけに、いかなくって。本当に、こんな
日に遅くなってごめん。明日は早く帰れると思うよ」

しかし、その翌日も、またその翌日も、良一の帰りは遅かった。
ようやく迎えた休日、良一はドロのように夕方まで眠っていた。そんな
日々が次第に繰り返されるようになり、祥子の中に不平不満の渦が巻い
てくるのを感じていた。
しかし、祥子の内面の葛藤とは反比例するかのように、良一は出世街道
をまっしぐらに進んでいた。特に、札幌での業績が高く評価され、次の
大型プロジェクトのリーダーに大抜擢されたのだ。

良一も、徐々に、仕事に燃える男のリズムで暮し始めていた。

そんなある日、真由子のオムツを交換している時に、電話が鳴った。電
話の主は、大学時代の大親友、明日香だった。

「もしもし祥子。今大丈夫?」
「大丈夫じゃないよ。真由子のオムツ替えているんだから」
「そうか、ごめん。じゃ、またかけ直す?」
祥子は、受話器を肩と耳で挟んだまま、素早くオムツを交換すると、真
由子を抱き上げた。そして改めて受話器をしっかり握り直した。
「ごめん。もう大丈夫だよ。それにしても久しぶりだよね」
「そうかな。確かに真由ちゃんが生まれた直後ぐらいに会ったきりだも
んね」
「どうした?」
祥子は、久しぶりの女友達からの電話に、気持ちも弾んだ。
「いや…祥子に、真っ先に報告したいなって思って」
「報告?」
「うん!実はさ、第一志望だった広告代理店から、内定もらったんだ」
「え〜!第一志望って、もしかして、博電社?」
「まぁ…」
「それって、快挙だよ。すごいよ」
祥子が急に大きな声を出したので、抱いていた真由子が驚いて泣いた。
「あ、真由子ちゃんの声だ。いいね。赤ちゃんの声って」
その時、明日香は素直な気持ちからその言葉を口にしたのだが、祥子は
、少し複雑な気持ちになった。
「そう?本気でそう思う?私はやっぱり、明日香が羨ましいな」
「え〜。だって、祥子は真由子ちゃんのお母さんになったんだし。仕事
よりもっと大事なものあるじゃない」

明日香との間に、微妙な距離というものを初めて感じていた。

                         つづく…

 
……………………………………………………………………………………
【7】◆◇編集後記◆◇
……………………………………………………………………………………
高野山から熊野、本当にいい旅でした。いつも、ありがた過ぎるほどの
旅をさせてもらっていますが、今回は、改めて、弘法大師・空海という
人の深さと凄さを感じてくることができました。それから、先月のホピ
ツアーの旅の写真と、参加してくださった皆さんの感想文がUPになり
ました。ホピの友人達の優しい笑顔も載っています。
できれば、来年の夏、またホピツアーを企画したいと思っています。今
度は、旅の仲間として行ってみたいな、と思われる方も旅の雰囲気感じ
てみてください。http://www.office-ten.net/hopi/2008/9/repo.htm
                  aya