2008/04/25━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★☆ TEN's magazine 第315号 ☆★☆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net
こんにちは、天川 彩です。
いよいよ明日からGW突入ですね。
今年は飛び石の状態で、固まりのようなお休みは少ないようですが、
その分、少し長くGWが続くように感じますね。
私たちも、今日から伊勢ツアー。そして来週からはいよいよ初のペルー
ツアーです。今さらながらですが、こんなに日程が近かったのか…なん
て驚いています。でも「時」というものは、タイミングを外すと違うこ
とになりますよね。そんな訳で私たちは体力勝負のGWとなりそうです。
さて、先週のメルマガの編集後記にも書きましたが、東京国立博物館で
現在開催中の「薬師寺展」行って来ました。やっぱり素晴らしかったで
す。薬師寺のお坊様のブログを読むと、土日は午後4時過ぎからがおすす
めです、と書かれていたので、その言葉を信じて大正解でした。
週末だというのに、うれしくなるほど空き空きでした。
土日は閉館時間が一時間延長になっていて、午後6時まで開いている、
ということも、多分あまり知られていないのだと思います。ありがたい
ことに、日光・月光両菩薩様のまわりをグルリと歩くこともできました。
薬師寺から、お薬師様の両脇にいらっしゃる日光・月光両菩薩様が、外
に出られるのは、1300年の歴史の中で初めてのことだそうです。その模
様は来週4月28日(月)午後10時NHK総合でNHKスペシャル「日光・
月光菩薩 はじめてのふたり旅 〜薬師寺1300年の祈り〜 」という番
組となって放送されるようですよ。
よろしければ、是非ご覧になってみてください。私も日曜日の夜には戻
れるので、観たいと思っています。
また、もしこの「薬師寺展」を観に行こうかな、と思われている方は、
この週末に行かれることをお薦めします。月曜日の放送以降は凄い人に
なることは容易に予想されます。また、朝一番も開門前から長蛇の列に
なっているそうですから、行かれるのなら今週末の夕方がベストだと思
います。その折には、音声ガイドも是非とも借りてくださいね。市原悦
子さんのナビゲーションで、丁寧に説明されているほか、花会式のお坊
様たちの声明も聞くことが出来ます。
それにしても、こうも熱が入ってしまう自分に、時折、可笑しくなりま
す。
さーて今週は木曽の山奥まで…。どんな出会いと時間が待っているのか、
これはまた来週、報告いたしますネ。
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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様===============「テレビっ子」
2・TEN占い==========今週は「メディスンカード」占い
3・天と大地に感謝する旅========「屋久島ツアー2008」
4・連載小説================「雨弓のとき」(43)
5・編集後記=====================ひとりごと
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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□ 「テレビっ子」
私はテレビっ子だ。
テレビっ子なんて表現は今はしないのかもしれないし、だいたい「子」
だなんて年齢でもない。が、テレビっ子なのだ。
テレビが嫌いな人も世の中には多々いる。テレビはくだらない、テレビ
は一方的な情報しか流さない、テレビを見すぎるとバカになる、などな
ど。しかし、誰がなんといおうと、私はテレビが好きなのだ。
「ALWAYS 3丁目の夕日」に登場するような、テレビが初めて家
にやって来る、なんて時代には、まだ辛うじて?生まれてはなかったが、
それでもテレビは家の宝物の時代だった。細い四本足のテレビには、布
幕がかけられ、テレビを見るときには正座をしていたような記憶がある。
白黒放送からカラー放送になり、民放局も多くの番組を放送するように
なると、テレビが娯楽の王様だった。
世論調査で、子どもが一日にテレビを見ている時間、なんていうものが
昔はよくあったが、私はいつも、平均時間の倍以上は確実に見ていたか
もしれない。だから、学校での勉強の出来は悪かったが、テレビから学
んだことは、人よりも多かったのではないかと思う。
子どもの頃から、私は、ながらテレビはしなかった。見てもいないのに
テレビをつけて、なんてことはしない。見るときは真剣に見る。
一言一句、聞き漏らさないよう、コマーシャルの間にお手洗いに行き、
映像が途切れないよう見る。そして、それは今も、あまり変わらない。
テレビを見ながら、番組企画の意図だとか、構成、台本のつくり、レギ
ュラーとゲストのバランス。などなど…。気が付くと色々な角度から、
番組そのものをチェックして見ているような気がする。
そんな見方をしたら、放送番組を楽しめない、と思うかもしれないが、
私の場合は、そうやってテレビ番組を楽しんでいるのかもしれない。
そんな中で、最近、番組作りに大きな変化を感じている。
例えば、お笑い番組。
少し前までは、半イジメのような、意地悪な笑い番組が主流だった。
お笑いタレントと呼ばれる人が、過酷なこと、酷いことを無理にさせら
れ、笑われる。そして意地悪な注文を偉そうに出す、先輩のお笑いタレ
ントが、イヤミな薄笑いを浮かべる。そんな構造の悲しい笑いを、毎日
公共の電波で見せられていた子ども達に、イジメはいけない、と大人が
言っても説得力はなかったかもしれない。今も残念ながら若干、そうい
う傾向にある番組もあることはあるが、全体的にはかなり減ってきてい
る。
今、お笑い芸人は、いかにお客を話術で笑わせるか、という基本に戻り
その手のお笑い番組が増えてきた。今はまさしくお笑い芸の磨きあいの
時代に突入してきているかのようだ。
そんな笑いの番組ならば、どれだけ見ていても楽しい。
ニュース番組も、今までのように報道するばかりではなく、社会問題
だと感じることに、直接働きかけていこう、という動きも出てきた。
後、数年で、完全に地デジ放送に切り替わる。
地デジに変わると、作り手と受け取り手が、益々近くなっていく。
見る側が求めるものを、作り手に伝えやすい時代になった。
娯楽があまりにも増えて、もはやテレビが娯楽の王様ではなくなったが
やはり、ナンダカンダいっても今もメディアの主役であるだろう。
テレビっ子の私としては、テレビというメディアが社会にとって良き影
響を与えてくれるものであることを願っている。
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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽にお遊びとして楽しんでくださいね。
今週は[メディスンカード]で今週の運勢を占ってみました。
2008年4月26日(土)〜5月2日(金)あなたの運勢
〈1月生まれ〉
今週は言葉に気をつけましょう。思いつきや、その時の感情で話をして
いると、予想外の結果になるかもしれません。余計なことは言わず、微
笑みを。
〈2月生まれ〉
今週は原点がキーワード。あなたらしさはどういうことなのか、あなた
を取り囲むものは何なのか。今一度見つめてみてね。
〈3月生まれ〉
あなたに必要な物と、次々出合う一週間となりそうです。ふと立ち寄っ
た本屋さんや美術館、映画館や人との会話など、いつも意識を向けてい
てね。
〈4月生まれ〉
思いもしていなかったことが次々とやって来るかもしれません。今週は
それらを素直に受け止めてください。きっと新しいあなたになりますよ。
〈5月生まれ〉
あなたの周りにあなたの助けを必要としている人がいるようです。でも
あなた自身を大切にすることを忘れないでくださいね。今週は、他人に
も自分にも気を配ってください。
〈6月生まれ〉
思っていることと、行動とがアンバランスではありませんか。誰かの手
助けを待ち続けるのではなく、あなた自身の力で進んでいく積極性を忘
れないでね。
〈7月生まれ〉
チャンスがやってきました。今まで学んできたこと、蓄積してきたこと
を発揮するときです。恐れず、突き進んだなら、きっと良い結果が待っ
ていますよ。
〈8月生まれ〉
今週、あなたに必要なキーワードは、祈りの心です。自我自欲の為では
なく、世の中や人々のことを思って、物事を考えて見てください。きっ
と新たな視野が広がりますよ。
〈9月生まれ〉
目先のことばかりを考えず最終的な結果をよく考えてから動くようにし
ましょう。今週のあなたのキーワードは、柔軟性です。頑固なこだわり
は捨てたほうが良さそうですよ。
〈10月生まれ〉
ぬかるみに足を取られていると、泥沼から出て来れなくなってしまうか
もしれません。今週は、焦らず、冷静に状況を判断し、チャンスを見つ
けて、ジャンプしてみてくださいね。
〈11月生まれ〉
頭の中であれこれ考えすぎて、しっかりと見極めることを忘れてはいま
せんか。今週は感情に流されず、澄んだ目で物事を見るように努力して
みてくださいね。
〈12月生まれ〉
今週は直観力が冴える一週間となりそうです。目の前にやって来るもの
や前触れのようなものを鋭く察知していれば、予想外に大きな展開が待
っているかもしれません。
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【3】◆◇天と大地に感謝する旅◆◇
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オフィスTENの旅の原点である
屋久島ツアー
だから…究極の屋久島の旅をお届けします
*既にお申し込みが続々届いていますヨ!
今週は、宿をご紹介。。。
天と大地に感謝する旅 Walk27
『屋久島ツアー 2008』
2008年7月17日(木)〜7月20日(日)
東京発着128,000円
3泊4日 全行程 朝・夕食つき
定員18名
(定員になり次第、募集は締め切らせていただきます)
最低施行定員8名
*東京発着以外をご希望の方は、別途ご相談ください
詳細・お申し込みは
http://www.office-ten.net/yakusima/2008/top.htm
「もののけ姫」の舞台となった苔森の世界。
天界に聳え立つような巨石や
どこまでも澄んだ水。
空と海の蒼さが溶け合った
原色の世界。
世界自然遺産にも登録されている
日本が世界に誇る島、屋久島。
その島の美しさと豊かさ
そして神秘の森を心ゆくまで
ゆったりと体感する…。
この屋久島の旅は、
大自然に抱かれたい人を
限りなく満足させてくれる旅です。
1泊目・・『四季の宿』 《尾之間》
屋久島の霊峰 モッチョム岳を真正面に拝むことのできるお宿に泊まり
ます。『四季の宿』は、お宿の方のおもてなしが最高。
特に、自家製無農薬野菜と地元の漁師さんから仕入れたヘルシーな
屋久島ならではの食事が絶品の宿です。
2泊目・・『屋久島グリーンホテル』 《安房》
皇太子殿下・同妃雅子様も泊られたこのホテル。お部屋は嬉しいオーシ
ャンビュー。早起きをしたならば、お部屋の窓から水平線から昇る朝日
も望めます。また、この宿は岩盤浴の施設もあるので、白谷雲水峡の苔
森を歩いて、ちょっと疲れた体をほぐすこともできますよ。
3泊目・・『屋久の子の家』 《永田》
お宿の自慢は総屋久杉造りの「天然にがり風呂」。
運がよければお風呂の窓から東シナ海に沈む夕日を見ることができるか
もしれません。満天に瞬く星空を仰げるゆったりとしたテラスもありま
すよ。実はお宿のオーナーは、屋久杉原生林の保護活動の第一人者。N
HKのプロジェクトXでも紹介され、屋久島観光協会の会長さんでもあ
ります。屋久島最後の夜は、森の深い叡智のお話や神々のお話を伺うこ
とができれば最高ですね。
●TEN’sトラベルメンバーの為の旅企画
企画 オフィスTEN
手配 ワールドエキスプレス大阪 兵庫県知事登録旅行業第2-250
http://www.office-ten.net/yakusima/2008/top.htm
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【4】◆◇連載小説◆◇
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<今までのあらすじ>
大学生だった高原祥子は、ひょんなことで知り合ったアパレルメーカー
勤務の高梨良一と付き合い始めて数ヵ月。妊娠していることがわかり、
急遽、結婚。長年、引きずっていた母親との不仲も、父の死を通して少
しずつ解消されていく。
『雨弓のとき』 (43) 天川 彩
第10章
その年は夏が過ぎても、まだ暑い日が続いていた。
祥子のお腹は、はち切れんばかりに大きくなり、呼吸をするのもやっと
という感じだったのだが、予定日までは後一ヶ月近くもあった。
「随分、大きくなったわね」
九月に入っても、まだしばらく大学の夏休みが続いていた明日香が、こ
の日、遊びに来ていた。
「うん。最近は夜寝るときも苦しくって。上向いて寝れなくなってきち
ゃった」
「え?それじゃうつ伏せで寝ているの?」
「まさか。横向いて寝ているんだ。それに、お腹の赤ちゃん冷やしちゃ
いけないと思って、夜は出来るだけクーラー止めているんだけど、ずっ
とこの暑さでしょ。とうとうお腹の下にアセモが出来ちゃって。痒くっ
て」
「お腹の下に?」
「お腹の下にアセモなんて、考えられなかったけれど。ほら。こんなに
お腹が膨らんでいるんだよ」
祥子はそう言うと、明日香の手を取って、そっと自分のお腹にあてた。
「うわ〜。感動。なんだか、モゾモゾ動いている」
「でしょ。わかる?ここ、多分そこカカトだよ」
「凄いね。それにさ…」
明日香は、お腹を触っていた手を離して、祥子の目を真っ直ぐに見た。
「な、何よ」
「いや、祥子がぐっとお母さん顔になったな、と思って」
「えっ?そう?」
「うん、確かに変わったよ」
「まぁ、そう言われたらそうなのかも。この子産んだら、もっと変わっ
ていくのかな」
「そうだよ。もっとお母さんの顔になると思うよ」
明日香は純粋な気持ちで、そう言ったのだったが、祥子は複雑だった。
確かに、もうすぐ母親になる。良一との暮らしの中では、毎日が幸せに
満ちて、それを不満に思うことなどは無い。が、まだ21歳なのだ。目の
前に、祥子と同い年で、益々最近綺麗になっていく明日香を見ていると
祥子の心に少し寂しい風が吹いていた。
「明日香の方はどうなの?」
「どうって?」
「いや、学校のこととか、就職とかさ」
「まぁ、相変わらずよ。来年はいよいよ就活だしさ。狙いは絞ってきて
いるんだけどね」
「やっぱり広告代理店?」
「まぁね」
「そっか…そうだよね」
祥子の沈んでいく声には、明日香は気づかず、話を続けた。
「でもさ、今は恋がしたいなって思うんだ」
「え?あの彼は?」
「どの彼?」
「そうか。そうだよね。明日香は、いつもモテモテだから。恋なんか、
いつもしているじゃない」
「いや、それがちょっと違うんだよね」
「違う?」
「何ていうのかな。やっぱり今までの彼氏って、まぁ、たいして好きで
もなかったけれど、見てくれが格好イイとかさ、結構、遊ぶお金持って
いる、とかさ。私のことを好きだって言ってくれる人だったら、条件が
よければ、それなりに付き合ってきたけれど…。でも、そんなんじゃな
い、本当の恋がしたいんだよね」
「本当の恋?」
「愛し合える関係」
「え?今までの彼氏、誰も愛し合ってこなかったの?」
「ねぇねぇ。祥子はさ、良一さんのこと愛してる?」
「イヤダ〜。何、今さら聞いているのよ。そんなの当り前じゃない!」
「でしょ…」
「?」
「だから、そうやって、迷わず言えるような人と出会って、本気で恋を
したいと思う訳よ」
「なるほど」
「でも、そう思った途端、簡単に恋が出来なくなったというか、臆病に
なったというかさ。本当にその人のことを、自分が好きになって、愛せ
るのかと思うと、疑問を感じちゃったり。もしかすると、私にはそんな
人現れないんじゃないか、とかね。それが今の私の悩み。なんか、祥子
が羨ましくって」
「そんなことないって。私…」
私の方こそ明日香が羨ましい、と言おうとしていた。が、お腹の子ども
がズクンと蹴飛ばしてきたので、祥子はドキンとした。
「え?」
「ううん。私…私は明日香にも必ず、そんな人が現れると思うよ」
「ありがとう」
窓辺の真っ白なレースのカーテンがふわりと揺れた。
「あ、いい風」
祥子が、ソファーからゆっくりと立ち上がり、窓の外を眺めた。良一と
付き合い始めの頃、よく通っていた根津神社が見える。
「ねぇ、明日香。これから根津神社に行かない?」
「神社?」
「私、好きなんだ。考えたら、明日香と一緒に行ったことないよね。し
ょっちゅう前のアパートに泊まりに来てくれていたのにさ」
「確かに、行ったことないかな。根津神社ってさ、祥子が良一さんとよ
く待ち合わせていたって場所だったよね」
「そう。今も彼が休みの日なんかには、よく一緒にお参りに行くんだ。
ね、少し涼しくなってきたし、行かない?」
つづく…
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【5】◆◇編集後記◆◇
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先週末、秩父へ行った。今が盛りの芝桜を見に行こう、というのが目的
だったのだが、芝桜公園の近くに和同開珎のモニュメントというものが
あると知り、芝桜見学の後、和銅の発掘遺跡に立ち寄った。
そこは、ひっそりと静まり返ってはいたが、前の週はお祭で凄い賑わい
だったようで…。なんと、和同開珎1300年記念祭が行われていたら
しい。日本で最初の貨幣、和同開珎は、平城京の遷都の資金にもあてら
れたのだとか。それにしても、なぜ、ここまで千三百年前の時代と、繋
がっていくのだろう…。今の時代との共通性が、何かあるのだろうか。
いにしえ人たちが、何かを語りかけてきている気がしてならない。
aya