2008/03/21━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆  TEN's magazine 第310号  ☆★☆ 
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━  http://www.office-ten.net


こんにちは、天川 彩です。

すっかり春めいてきましたね。先日、上野公園を歩いていたら、早咲き
の桜がかなり開いていました。もうすぐ桜前線が日本列島を駆け巡る頃
ですね。桜と日本人。これは切っても切れない関係のように思いますが
私にも、忘れられない桜の風景がいくつかあります。
子ども達と、桜の花びらに埋もれてお花見をした王子動物園。吉野・奥
千本の夕焼け色に染まった桜吹雪。月明かりに照らされた薬師寺の薄墨
桜も感動的でした。今年は、何処でどんな桜を見ることができるのでし
ょうか。毎朝、通勤時に通るお寺の桜も、ふっくらとツボミを膨らませ
始めています。桜の美しさとはかなさが、日本人の情緒にピッタリなの
でしょうね。

そんな、日本に思いを馳せながら、私は今、アメリカの大地におります。

ホピの村を訪ねるのは、何度目になるのか、自分でもわからなくなって
きましたが、今回もきっと素敵な風がいっぱい吹きそうな気がしていま
す。

さて、ペルーツアーも残すところ後2席となりました。
マチュピチュは、今や世界一人気のある世界遺産ですが、それ故に遺跡
を保存する上でも、今後は入場規制がかかるかもしれない、などと囁か
れています。よろしければ、ご一緒にいかがですか?

それから今年7月。3年ぶりにTENの『屋久島ツアー』が復活です!

オフィスTENの定番だった「屋久島ツアー」。屋久島には行かないん
ですか?というお問い合わせは、昨年も一昨年もいただいておりました。
が、あまりにもブームになり過ぎていたように感じていたので、ここ数
年見合わせていましたが、今年は風が呼んでいるように思うので、屋久
島ツアーを行います。勿論、TENが贈る屋久島ですから、人ごみを見
に行くようなツアーだったり、ありきたりな行程のツアーではありませ
んよ。どうせ行くのなら、これぞ屋久島!と皆さんに大満足していただ
けるような、そんな旅にご案内いたします。
屋久島到着翌日は、「もののけ姫」の舞台となった苔の森で、丸々一日
ゆったりと過ごし…それから二日間、山の屋久島、海の屋久島、風の屋
久島、それぞれ異なった過ごし方をいたします。あ〜。もっといっぱい
お伝えしたいのですが……今はここまで。とにかく詳細が整い次第、皆
様には、メルマガで第一報をまずはお知らせいたします。
「今年こそ屋久島だ!縄文杉が呼んでいる!」と思われている方、どう
ぞ楽しみに発表をお待ちくださいね。

では、また来週、アメリカでのお話を少し報告いたします♪
                  
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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様===========「降りてゆく生きかた」
2・TEN占い==========今週は「メディスンカード」占い
3・本物志向のプログラム====「伊勢詣と木曽の神木の森ツアー」
4・残席わずか========「神秘と世界遺産の国ペルーツアー」
5・連載小説==================「雨弓の時」38
6・編集後記=====================ひとりごと
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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□ 「降りてゆく生きかた」


昨年11月。ある映画関係者の人々が事務所にやってきた。
たまたま知り合うことになった、映画配給会社の社長、監督、国際弁護
士、そして役者を目指し会社をやめたばかりの青年。
その人々は、地域づくりと映画というエンターテインメントを結び付け
たいと、熱く語っていた。

それから、四ヶ月。ー映画『降りてゆく生きかた』がいよいよ新潟で、
クランクインとなりますーという内容のメールが届いた。
メールには、その役者志望の青年がニュースの特集で取り上げられたと
いう動画が添付されていた。

事務所にやって来た時も、輝く瞳が印象的な青年だと思ったが、動画に
映っていた彼は、更にパワーアップして眩しいほどに輝いていた。
昨年までは芸名もなく、個人名で紹介された。名刺がわりに、とA4の
用紙に、PCで書いた住所と名前。プリントアウトした紙を手渡された
時には、可笑しくて仕方がなかった。
今は『森 太熊』という堂々とした芸名を持っているらしい。きっと、
今は、その名前で名刺ホルダーに収まるサイズの名刺を持ち歩いている
に違いない。しかし、名は体を現す、とはよくいったもので、彼はその
芸名の通り、森の中の野生の熊のような青年だ。
しかし、昨年までこの森の熊のような青年は、某大手企業のトップ営業
マンだった。成績をあげると、その一瞬は嬉しいのだがその後必ず空し
さが襲ってきたのだそうだ。終わりのない螺旋階段を後ろからずっと追
いかけられているような毎日は、辛くて仕方がなかったという。
そんな彼が、この映画で役者デビューするそうだ。

森 太熊君は、クランクイン前に新潟に住民票を移し、既に新潟の地に
住みながら、この映画に挑むらしい。脇を固めるのは地元オーデション
で合格した、新潟の人々だ。まさに地域づくりの映画が地域づくりをし
ているような構図になっている。

主軸は世間の王道を登りつめてきた団塊の世代の主人公が、本当の自分
を取り戻していく話だ、と聞いたのだが、私は先日『平城京 遷都千三
百年・記念事業』の講演会場で聞いた、俳優・滝田栄さんのお話を思い
出した。

滝田さんは、大河ドラマ「徳川家康」の徳川家康役など、大役といわれ
るような役を次々にこなされ、ミュージカル「レ・ミゼラブル」では14
年間もジャンバルジャンを演じてこられたそうだ。どんどん大役に抜擢
され続けていく苦悩。やがて、若手の俳優さんにレ・ミゼラブルの主役
の座を譲った時、滝田さんは凄い行動に出た。なんと千秋楽翌日には、
インドに渡ってジャングルの中でニ年間、座禅をやり続けてきたそうだ。
帰国されてからは、ゆるやかな時間の流れと共に、仏縁としかいいよう
のない、新たな出会い、新たな仕事が入ってくるようになったのだとい
う。
滝田さんも、降りてゆく生きかたを選んだ一人なのだろう。しかし、だ
からこそ見えてくる、大切なものがあるのかもしれない。

映画『降りてゆく生きかた』の主演は武田鉄也さん。公開は来年早春。
全国ロードショーの予定だそうだ。



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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽にお遊びとして楽しんでくださいね。
                          
今週も[メディスンカード]で今週の運勢を占ってみました。

2008年3月22日(土)〜3月28日(金)あなたの運勢


〈1月生まれ〉
始める前から諦めてはいませんか。憧れと現実は別物だと思っていては
人生の扉は開きませんよ。また、今週は人と協力することがキーワード
です。

〈2月生まれ〉
幻想ばかりにとらわれて、本当に今必要なことが何なのか見えなくなっ
てはいませんか。今週は出来るだけ幻想から切り離して物事を考えてね。

〈3月生まれ〉
信頼と忍耐の一週間となりそうです。自我を通さず、全体を見極める器
の広さを持ってね。

〈4月生まれ〉
頑張り過ぎて、自分を褒めることを忘れてはいませんか。今週は先を急
ごうとはせず、一度足を止めてあなた自身の労をねぎらってください。

〈5月生まれ〉
何か言いたいことがあっても、自分の中に無理やり押し込んで納得しよ
うとしてはいませんか。今週は、あれこれ考えず、思いのままに行動し
また、人に話をしてみましょう。きっとよい未来に繋がっていますよ。

〈6月生まれ〉
人のアラ捜しや狭い了見で物事を見ていると、あなた自身の心が疲れて
くるでしょう。今週は、素直に堂々と過ごす心地よさを思い出してね。

〈7月生まれ〉
あれこれ焦っているうちに、あなたの心地よいリズムがずれてきている
かもしれません。今週のキーワードは呼吸です。大自然の中などでゆっ
たりと深呼吸してみてね。

〈8月生まれ〉
変化が必要だと自分でわかっていながら、それを実行に移さないまま、
ほったらかしにしてはいませんか。今週、あなたに必要なことは古い習
慣を脱ぎ捨てる勇気です。

〈9月生まれ〉
あなたらしい鮮明さを見失ってはいませんか。今週あなたに必要なこと
は、大地に触れることです。散歩をすることもおススメですよ。

〈10月生まれ〉
手当たり次第あれもこれもと欲しくなってはいませんか。今週は、本当
の豊かさということを、もう一度考え直してみてください。不必要なも
のは手放してね。

〈11月生まれ〉
意識が別次元に行きがちです。見えないものばかりに気を取られている
と、現実で大きな問題が起こっていることにも気がつかないかもしれま
せん。出来る限り現実的なことに意識を傾けましょう。

〈12月生まれ〉
あれやこれやと心配しすぎて気がつくと、それが怒りになってはいませ
んか。今週は天然の素材やハーブなど出来るだけ自然に近いものを生活
に引き寄せてね。


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【4】◆◇本物志向のプログラム◆◇
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   * 既に半数のお席が埋まりました


    今年のお伊勢さんツアーは
       とにかく凄いです!

   日本を感じ、日本を学び、日本を知りたい人には
      絶対におすすめの旅です。

   一般向けの伊勢ツアーでは、決して行かないような
     本物志向の人の為の旅プログラム

    <日本を堪能する旅シリーズ 其の八>
      『お伊勢さんツアー2008』


  〜式年遷宮ご神事「鎮地祭(ちんちさい)」と
     心の御柱・ご用材を育んだ木曽の森を訪ねる旅〜
  
   2008年4月25日(金)〜4月27日(日)
    2泊3日 39,900円 名古屋 発着

   帰りに東京着を希望される方は今回のツアーは
       なんと+3,000円でOK
   (その際には、必ずお申し込み時に、
        東京着希望とお知らせください)

     定員 15名 最低施行人員8名

  詳細・お申し込みはhttp://www.office-ten.net/j/ise/2008t.htm
 
「お伊勢いきたや伊勢路がみたい せめて一生に一度でも」
日本人共通の心の故郷、お伊勢さん。
宇治橋を渡り、神域に入った途端、身も心も洗われるような気持ちに
なるのは、そこが日本の総氏神様だからでしょうか。

今年は二十年に一度のご神事、鎮地祭が行われる年です。これは、新
宮を建てる御敷地で行われる一番最初の祭儀です。

お伊勢さんツアー2008では、通常ではなかなかできない内宮での
正式参拝(御垣内参拝)に加え、外宮、月讀宮での「鎮地祭」(ちん
ちさい)を観拝させていただくことにしました。
さらに、今回の旅では伊勢から木曽へと足を延ばし、内宮・外宮など
伊勢神宮の大事なお社となる、ご用材を育んだ山、木曽の御杣山へ向
かいます。この貴重な機会は、木曽でご遷宮に関わられた、林業関係
の方の多大なるご協力を得てのことですが、役場の関係者の方、そし
て「御杣始祭」(みそまはじめさい)の総指揮者の方にも、特別にお話
しとご案内をしていただけることになりました。

はじめての伊勢、久しぶりの伊勢、またしてもの伊勢。
せっかくの「伊勢詣で」ならば、特別な機会を是非選んでください。
きっと、生涯忘れられない、特別な時間となることでしょう。


行程など詳しくは

http://www.office-ten.net/j/ise/2008k.htm

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【5】◆◇残席わずか!◆◇
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       残席2となりました

  
 TEN'sトラベルメンバーの為の旅企画 

    ●天と大地に感謝する旅 プレミアム● 

        『神秘の国・ペルーツアー』
   ペルーの世界遺産とインカの末裔達の生活に振れる
          心贅沢な11日間の旅
   
         5月1日(木)〜5月11日(日)
       GW休日を最大限に利用した日程です!
          418、000円(税込) 

(全朝夕食・現地日本語ガイドつき 宿泊ホテルは全て3星クラス)  


        詳しい日程やお申し込みはどは
     http://www.office-ten.net/pelu/top.htm


天空の遺跡・マチュピチュ…
不思議な地上絵・ナスカ…
古代インカの都クスコ…
南米ペルーは神秘と世界遺産の宝庫。

でも、地球の反対側にある、遥か遠いその場所には
誰もが気軽に行けるものではありません。

でも、一生に一度は、行ってみたい。

そんな憧れの地に行くのなら
やっぱり、納得できるいい旅で行きたいと
ずっと思っていました。

ありきたりな、団体観光旅行でもなく
不必要なものが多い、高級旅行でもなく
戸惑いが多そうな、個人旅行でもなく
急ぎ足の余裕のない旅でもない。

インカの風を存分に感じられるような
その土地に暮らす人々と
少しでも触れ合えられるような
それでいて、快適さも
見どころも忘れない
ペルーの旅。

そんなわがままな旅ができないか
ペルー在住の友人に相談したところ
素敵な旅のアイディアと
同じようにペルー在住の彼の友人で
旅行社を営む人を紹介してもらいました。

それから、共に練りに練って…

本当に素敵なペルーへの旅プランが出来上がりました。

TENの旅企画初の、皆さんと初めて現地へ
訪れる旅です。

もしも、生涯一度はペルー旅行をしたいとお考えなら
思い切って、今、行ってみませんか?
きっと、一生ものの宝になることでしょう。


詳しい行程は http://www.office-ten.net/pelu/top.htm
     

 
高山地対策を十分に考慮しながら、ペルーの魅力を存分に味わって
いただけるよう考えたスペシャルオリジナルプログラムの旅です。
GW期間を利用しながらの、この内容でこの価格はかなり安いと思
います! 

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【6】◇◆連続小説◆◇
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<今までのあらすじ>

高原祥子は、両親の不仲が原因で自分は不幸になったと思い込んでいた
のだが、近所に住むアパレルメーカー勤務の高梨良一と付き合い始めた
ことで、少しずつ考え方が変わりはじめていく。マスコミ就職への希望
を持ち始めた頃、予定外の妊娠で、急遽、良一と祥子は、結婚すること
に。そして大学にも退学届けを出して…

『雨弓のとき』 (38)                天川 彩


祥子の部屋は、片付けといっても、さほどの時間のかかるような物はな
かった。洋服も靴もバッグも、必要最低限にしか買っていない。生活に
本来、必要かと思われるものも無いまま、どうにか過ごしてきた。
だから、あっという間にほとんどが片付いた。しかし、どうしても捨て
ることも、空けることもできない大きなダンボールが一箱だけあった。
封をしてから十年以上。

ー空けるなら今だー
祥子の内側から声がしたように感じた。
呼吸を整えて、ゆっくりゆっくり。完全にダンボールに染み込んでしま
っていた紙ガムテープがピリピリと音をたてて剥がれていく。

箱を空けると、ふーっと祖母の匂いがした。祖母が作ってくれたお手玉。
デパートで買ってもらった犬のぬいぐるみ。その一つ一つが、祖母と過
ごした時間が詰まっている。

古ぼけたポケットアルバム。これも、祖母との大切な思い出が残されて
いた。といっても祖母と祥子の写真が貼ってあるわけではない。中味は
祥子の小学校の修学旅行のスナップ集だ。この写真を学校でクラスメイ
トからもらって帰って来た日、祥子は写真をゴミ箱に捨てた。それを祖
母が見つけて、人の気持ちを無にするな、思い出を汚すなと、こっぴど
く叱られたのだ。その翌日、祖母はポケットアルバムに整理して、手渡
してくれたのだ。

仕事に忙しい敏子のかわりに、祖母は母親がわりとなって育ててくれた
祥子にとって、掛け替えのない人だった。

そして、祖母が一番大切にしていた物がこの箱の底から出てきた。
それは、祥子の母、敏子の花嫁姿の写真と、生まれたばかりの祥子を抱
いた、敏子の写真。そして、桐の小箱。祖母が生前、仏壇の引き出しの
奥から時折取り出しては見ていたことを祥子は知っていた。
祖母の宝物は、自分に取っても宝物のように思えて、この箱に仕舞って
いたのだ。

しかし、その桐の箱が中学生の祥子には何であるか、わかるはずもなか
った。この時、改めて箱の裏に「敏子」と薄く書かれているのを発見し
その箱の中の奇妙な物体が「臍の緒」だということに気がついた。

祖母にとっての一番の宝物は、娘である敏子だったのだ、と思うと祥子
は不思議な感情に襲われていた。


と、その時ドアを軽くノックする音が聞えてきた。

「祥子、いる?」
それは、母、敏子の声だった。

                            つづく…


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【7】◆◇編集後記◆◇
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長女が所属する大学の落語研究会では、各地の老人ホームなどに慰問寄
席をしている。例年三月には、福井県からお呼びがかかり、各地の施設
などで、寄席をしているらしいのだが、今年は朝の連続TVドラマ「ち
りとてちん」の舞台である、小浜市にも呼ばれていた。ならば、皆さん
に喜んでいただけるようにと、娘は、落語『ちりとてちん』を覚えて語
ったところ、ヤンヤヤンヤの大喝采だったらしい。で、お礼にと「若狭
の伝統塗り箸」をいただいたらしいのだ。伝統塗り箸といえば、主人公
の実家の家業。ドラマの中で、嫌というほど箸の説明を聞いていたので
一度は見てみたいと思っていたが…貰ったとは…。

娘よ、ワタシも朝ドラの「ちりとてちん」にかなりハマッテイルのだか
ら、その落語聞かせておくれ…そして、お箸も一度使わせておくれ…と
密かに思う、ミーハーな母だった。

                            aya