2008/01/25━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆  TEN's magazine 第302号  ☆★☆ 
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━  http://www.office-ten.net

こんにちは、天川 彩です。

今週は大寒波がやってきたようで、東京も久しぶりに雪が降り、うっす
らと街中が雪化粧していました。道産子の私は、朝起きて一面真っ白に
なっていた外を見て大興奮。もっと積もってもいいんだけどなぁなどと
思ったりもしましたが、雪に弱い東京。交通に影響が出たり、雪の上を
歩きなれていない人が滑って怪我をしてもいけないので、ほどほどが調
度良かったのかもしれませんね。今日は打って変わって、スッキリと晴
れ渡り清清しくて元気いっぱいの一日でした。

結局、私はどんな天気でも喜んでいる単純なヤツです。

さて、10周年記念に企画したミステリーツアー。先日、宿にご挨拶に行
って来ましたが、いや〜日本の情緒たっぷりのいいお宿です。目的地も
このお宿も特筆すべき温泉も、シークレットでご紹介できないのがとっ
ても残念なのですが、せめて、お申し込み頂いた皆様に、少しでも楽し
んで頂くために、目的地あてクイズなるものも出題しています♪
既に半数近くのお席は埋まりましたが、ワクワクドキドキがお好きな皆
様、日本の歴史がお好きな皆様、温泉がお好きな皆様は、是非いらっし
ゃいませんか?期待は裏切りませんよ。

それから、今年は「ホピツアー」以外にもう一つ海外のツアーを企画し
ています。

それは、『インカの遺跡と末裔を訪ねる ペルーツアー』
    〜マチュピチュ・クスコ・チチカカ湖への旅〜

思えば十年以上前から行きたくて仕方がなかった場所なのですが、「!
」と思えるご縁がなかなか繋がらず…というところでした。
ところが3年ほど前。ペルー在住の映像家でTV番組の制作者である下野
さんという方と知り合いました。彼の素晴らしいスピリットに触れるた
び学ぶこと、感動することも多く、この方の助言を頂いたなら、きっと
TENらしい、素晴らしいペルー旅行が組めるかもしれない、と思いは
じめ…昨年より少しずつ相談を重ねてきました。いよいよ、来週か再来
週には、募集開始のお知らせをお届けすることができそうですので、楽
しみにお待ちくださいネ!

そして、その下野さんが制作に関わった番組が、明日放送されます。

1月26日(土) 14:00〜15:24 
TBSテレビ系列
『赤道大紀行 南米編』  
俳優・西村雅彦がめぐる赤道直下4万キロの壮大な旅▽人類の未来 

昨年から、この撮影に入っている話は折に触れ伺っていましたが、いよ
いよ明日が放送日のようで、私も録画して見ようと思っています。


また、2月5日〜2月24日まで、アンコール・世界遺産「ナスカ展」が国立
科学博物館で始まります。ここの会場で流れている映像も、下野さんが
関わっているそうで、前回の「ナスカ展」には合計85万人もの人々が足
を運んだそうです。ペルーへの関心の高さがうかがえますよね。

明日、ちょうど『赤道大気行 南米編』が放送されている時間帯に私たち
TENは『和楽・花座敷』を開催します。遠方の方は「赤道大紀行」を、
東京近郊の皆々様は、番組を録画予約をして、その時間帯は「花座敷」の
会場まで、是非足をお運びください。
http://www.office-ten.net/waraku/top.htm
当日券も十分に余裕がありますよ。

明日は、『和楽・花座敷』らしく、私も着物姿で皆様をお迎えしたいと
思っています。お待ちしておりま〜す。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様=================「粋な人」
2・TEN占い==========今週は「メディスンカード」占い
3・天と大地に感謝する旅==「サプライズ・ミステリーツアー」ほか
4・明日です==================「和楽・花座敷」
5・連載小説===================「雨弓のとき」(34)
6・編集後記=====================ひとりごと
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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 □「粋な人」


「粋」という、日本人独自の美意識は、そもそも江戸時代に深川の町人
文化の中から発生したらしい。洗練されていて、人情に通じ、遊び方を
知っている人をいつしか「粋な人」と呼び、その反対の人を「野暮な人
」と呼ぶようになったとか。

そもそも、「粋」という文字は、米に卆。卆は卒業の卒。すなわち、米
を研ぐだけ研いで、余分なものが残らないことを意味する。また米を八
十八と読み、それに九十。その間の八十九が無いことから、「厄」がな
い人、という説を唱える人もあるようだ。更には「意気」という語源か
らきた、という説も加わり…どれが、本来の漢字の意味なのかはわから
ない。しかし、全ての意味を考え合わせていくと、「粋」本来の意味に
近づくように、私は思う。

まずは、米を研ぐ。最近は無洗米なるものも登場し、米を研ぐどころか
米を洗うことすらしない人が増えてきた。私はこれはとても嘆かわしい
ことだと思っている。もともと、米を研ぐとは、米と米とを磨きあうよ
うに研ぎ合わせ、余計な汚れやヌカを落としながら綺麗に洗っていく行
為だ。この米研ぎが全く出来ない日本人が増えてくると、生米の感触す
ら知らない日本人が増えてしまうように思う。
粋に話を戻すと、米のように、人も人の間で磨きあいながら、余計なも
のを少しずつ落としていくと、執着しない潔い人になっていくのではな
いだろうか。

次に、厄がない人。災難に遭わないことを約束された人などはいないだ
ろうが、陰陽道からきた厄年が全て終了した人、要するに六十歳の厄を
終えた人は、様々な経験を踏んできた大人であり、人情の機微も大人の
遊びも理解し実践できる年齢に達している人、とも理解できる。

そして意気。見慣れた言葉に「意気地なし」という表現があるが、これ
は意気がない人のことをいう。簡単にいえば、根性なし。そこから考え
ると意気は、事をやりとげようとする積極的な気持ちを持った人といえ
るだろう。

全く持って、私流の解釈なのだが、「粋な人」とは、人の中で切磋琢磨
しながら経験を積み、余計に飾り立てない引き算の美学を持ち、人情の
機微も遊び心やチャレンジ精神も失わない大人、なのではないだろうか。

そう思うと、なかなか「粋な人」になるには、まだまだ人生修行を重ね
なければ、到底なれそうにない。しかし、せめて野暮な人、無粋な人に
はならないよう、努力だけは、重ねていきたいと思う。



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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽にお遊びとして楽しんでくださいね。
                          
今週も[メディスンカード]で今週の運勢を占ってみました。

2008年1月26日(土)〜2月1日(金)あなたの運勢


〈1月生まれ〉
仲間はずれになるのが恐くて心と裏腹の行動をとってはいませんか。ま
た、面倒くさいことに巻き込まれたくないと逃げ腰ではいませんか。今
週は、本来のあなたの強さを取り戻してね。

〈2月生まれ〉
休憩を取らず、無理を重ねてはいませんか。今週はあなたの為にも、ま
た周りの人の為にも、休息をとることを忘れないでね。

〈3月生まれ〉
焦りから、心のバランスを失ってはいませんか。今取り戻すべきものは、
穏やかな心かもしれません。

〈4月生まれ〉
もしも物事がうまく進まず、もがいているような状態だとしたならば、
まずは全ての起こった出来事を肯定してください。感謝の気持ちを取
り戻したらきっと道は開けますよ。

〈5月生まれ〉
呼吸が浅くなっているかもしれません。もし、ストレスがたまっている
ならば、まずは深呼吸をしてみてね。

〈6月生まれ〉
変化の時がやってきています。自分自身に厳しすぎたなら、もう少し寛
大な気持ちで自分を見守ってください。

〈7月生まれ〉
失いかけていた自信が甦ってくる一週間です。正しいと思ったことをど
んどん進めてみてね。

〈8月生まれ〉
今は、周囲の信頼を得るために忍耐の時期かもしれません。でも、それ
が確実にあなたの未来に繋がっているので、力を抜かずがんばってね。

〈9月生まれ〉
今までのあなたの功績をしっかりと振り返るときです。たまにはあなた
自身を褒めてあげてください。それが次の自信に繋がっていきますよ。

〈10月生まれ〉
心の内側で思っていることを、はっきり口に出して伝えてみてください。
そこに人を思いやる気持ちがある限り、間違った方向には行かないはず
ですよ。

〈11月生まれ〉
目の前にあるものを、手当たり次第あなたの手の中に溜め込もうとはし
ていませんか。必要なものは、そう多くはないはずです。不必要なもの
まで溜め込まないようにね。

〈12月生まれ〉
何かに巻き込まれ、あなた自身のパワーもダウンしてはいませんか。本
当にあなたが関わるべきことなのか、よく考えて、あなた自身の豊かな
時間をもっと持つようにしてみてください。



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【3】◆◇天と大地に感謝する旅 サプライズ&スペシャル◆◇
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    TEN’sトラベルメンバーの為の旅企画
  

    ●天と大地に感謝する旅 サプライズ!●

      『TEN's ミステリーツアー』
  〜日本の古い神様と湯の里を堪能する2日間〜

    2008年3月8日(土)〜3月9日(日)
        29,800円(税込)
     
     集合:8日 午前9時  東京・都心某場所
     解散:9日 午後5時頃 東京・都心某場所
  (ツアーお申し込みの方には、後日
    集合・解散場所をそっとお知らせいたします)
    http://www.office-ten.net/himitsu.htm
       
     先着申込 20名で締め切ります
     宿泊代・朝夕食代・全交通費込み
    (昼食代・湯巡り代は別途各自)
 
TENが10周年の特別企画として、自信を持って組んだ旅。
それはサプライズなミステリーツアー。

目的地も魅力的なら
宿も、食事も魅力的。
勿論、温泉だって魅力的。

さぁ、何処へ向うのか…。
ドキドキワクワクの楽しさは、
申し込んだ時からはじまりますヨ。


ヒント

1・オフィスTENのツアーでは、行ったことのない都道府県です。
2・関東・北関東ではありません。
3・古い古い神様が祀られている場所
4・目的地までの移動時間は、およそ3時間半。


ツアー参加者の方には、このヒントをもとに、目的地あてクイズに
参加していただいております!
正解者には、プレゼントがありますよ。

正解はツアー当日のお楽しみ。

詳しくは http://www.office-ten.net/himitsu.htm 
       


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    TEN’sトラベルメンバーの為の旅企画
           
      ●天と大地に感謝する旅 スペシャル!●
 
 『平和の民・HOPI族の大地とアメリカの大自然を訪ねる旅』

    2008年3月20日(木・祝)〜3月26日(水) 7日間
    
      ツアー代金 288、000円(税込み)
   <空港諸税は後日・別途お支払いとなります>
     
         募集人員  20名
         最低施行人員 8名
     
     20名に達しましたら、締め切らせていただきます。
     参加希望の方はお早めにお申し込みください。
     
    詳細 http://www.office-ten.net/hopi/2008/t.htm


アリゾナの砂漠の地に聳え立つ大地。
そこに、平和の民・ホピ族の人々が静かに暮らしています。
この旅は、そんな「ホピ族の大地」を訪ねます。
更には、ナバホ族の居留地でもある
「モニュメントバレー」や
アリゾナ屈指の人気エリア「セドナ」、
アメリカ国立公園の中でも圧倒的なスケールを誇り
ホピ族の大切な聖地でもある「グランドキャニオン」なども巡る
贅沢な行程の旅。

更には旅の最終日は、映画の都「ハリウッド」へ。

太古からの風と、最先端の風。
世界の「今」を肌で受け取ってください。

きっと、生涯忘れられない旅となることでしょう。


■ツアー代金に含まれるもの

成田⇔ロサンゼルス ロサンゼルス→フェニックス 航空運賃
アメリカ横断鉄道アムトラック夜行列車運賃(コーチシート)
アメリカ大陸 移動中の車(バス)チャーター代
モニュメントバレー・ジープツアープログラム参加代
ホテル宿泊代 
(宿泊予定地:セドナ1泊 ホピ族居留地又は近郊2泊
 ハリウッド1泊)
自由行動日以外の全朝夕食代
 
■ツアー代金に含まれないもの
成田空港旅客施設使用料 空港税 航空保険料 米国出入国税
昼食代 自由行動日の交通費及び食事代

■TEN’sトラベルメンバーの為の旅企画
企画 オフィスTEN/ワールドエキスプレス大阪
主催 株)ワールドエクキプレス 兵庫県知事登録旅行業第2-250


アメリカの大地が呼んでいると思う方、是非ご一緒しましょう。

ツアーの詳しい行程は
http://www.office-ten.net/hopi/2008/t.htm


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【4】◆◇いよいよ明日です!◆◇
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 そろそろ「日本」のお遊び、いかがですか?

   *当日の受付は 13:30分からです


 三味線・小唄とトークで綴る小粋な時間
 
     「和楽・花座敷」

日時 2008年1月26日(土)
会場 立花大正民家園 (東京都墨田区)
時間 14:00〜16:00

三味線・小唄 やよい / 鳴り物・小宮 

対談:やよい×天川 彩 
<テーマ>「粋」と「日本人」

http://www.office-ten.net/waraku/top.htm

*会場までの詳しいMAPも、こちらに掲載しております


* * * * * * * * * * * * * 

三味線の粋な音色が、どこからか聴こえてくると
ふと懐かしい気持ちになるのは、なぜでしょう…。

小粋な日本人が、
小唄とともに奏でていた三味線も
現代社会の中では、
庶民には縁遠い「お座敷」に行かなければ
なかなか聴けないものになってきました。

平成になって二十年。
時代の流れと共に、日本の古き良きものが
どんどん、日常とかけ離れてしまっているようですが

日本の古き良き文化を
もう一度、身近に取り戻していきたいと
感じませんか?

オフィスTENが年のはじめに
お届けするイベントは
『和楽・花座敷』。

三味線・小唄の世界に浸った後は
お座敷遊びで楽しんでください。

たまには、和の国の
音と遊びに興じてみませんか。

http://www.office-ten.net/waraku/top.htm


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【5】◇◆連続小説◆◇
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<今までのあらすじ>

高原祥子は、両親の不仲が原因で自分は不幸になったと思い込んでいる
女子大生。しかし、近所に住むアパレルメーカー勤務の高梨良一と付き
合い始めたことから、少しずつ考え方が変わりはじめていた。また大学
の友人、明日香の影響もあり将来はマスコミで働きたいと希望を持って
いた祥子だったが…


『雨弓のとき』 (34)                天川 彩

 
「すみません、高原敏子の娘ですが、母をお願いできますか?」

母の職場に電話をかけたのは、何年ぶりだろう。受話器の奥から漏れ聞
えてくる、祥子の知らない母の世界の音。
妊娠の事実を母にどう伝えるべきか、しばらく思い悩んだが、産むと決
めた以上は、早く母に伝えなければ、と思った。

勿論、職場に電話をする前に、幾度か敏子の携帯に電話をかけてみたの
だが、ずっと留守電中。それは、この日に始まったはなしではなく、い
つもそうなのだ。どうも、母の敏子は携帯電話が嫌いらしい。いつも電
源をオフにして鞄の中に入れているようだが、緊急用といいながら、何
の緊急の役にもたたない。

ややしばらくしてから、母のよそゆきの声が流れてきた。
「はい、高原でございます」
「あ、お母さん…。私、だけど」
祥子の声を聞いた途端、その声は急に1オクターブも下がった。
「何?どうしたのよ?職場にまで電話かけてきて」
「あのさ、今晩あいてる?」
「え?突然どうしたの?」
「ちょっと、話があって…」
「だからどうしたの?」
「いや…もし会えるんなら、今晩会って話したいことがあるの」
「今夜は用事ないから構わないけれど…。でも、話って何よ。恐いわね」
「とにかく、今夜話すから。場所は北千住の駅ビル改札口でいい?」
「仕事終えてからだから七時になるわよ。それじゃ、今、急ぎの仕事し
ている最中だから、電話切るね」

祥子が、後ろを振り向くと、良一は、大きく深呼吸をしていた。
「今夜、七時に会うことになったよ」
「…うん」
「緊張してる?」
「そりゃ、当り前だよ」


母の敏子と待ち合わせをした改札口は、駅ビルに入っているデパートの
食品売り場、通称デパ地下と直結している。電車が着くたびに、仕事を
終えたOLや働く主婦たちの人波が惣菜売り場に吸い込まれていく。
これから家路に急ぐのであろう、その女性達の顔は、仕事仕様から家庭
仕様に、どんどん変わっていくかのように、祥子には見えた。女性達の
バイタリティ。この溢れる力に、この日の祥子は圧倒されていた。

また、地下鉄が止まり、女性達が大きな波となって改札をくぐりぬけて
きた。母、敏子の姿をその中に瞬時に探し出した祥子だったが、そこに
は滅多に見かけない仕事仕様の母の顔があった。

「あ、祥子ちゃん。ごめん、待った?」
母は祥子を見つけた途端、みるみる家庭仕様の顔に戻った。
「ううん。今来たところだから。えっと…そうだ…」

祥子は、少し離れて横に立っていた良一の腕を引っ張った。
「えっと、高梨良一さん」
「あっ…あの、高梨です」
良一は、あまりの突然の紹介に度惑いながらも、頭を下げて挨拶を交わ
したのだが、良一以上に戸惑っていたのは、母の敏子だった。敏子は祥
子が一人で改札口に立っているものとばかり思い込んでいた。

隣に立っている見知らぬの青年を、突然娘に紹介されることになるとは、
夢にも思っていなかった。
「えっ?祥子一人じゃないの?」
「…」
「何?どういうこと?」
「…」
「あの〜。ここでは何ですから、上のレストラン街に行きませんか?」
険悪なムードの中で、口火を切ったのは良一だった。


人気のイタリアレストランは、この日、予想外に人が少なかった。祥子
はややほっとしたのだが、これから始まるであろう時間を想像すると、
目の前に出された水も飲むことができなかった。
 
                         つづく…
                        

……………………………………………………………………………………
【6】◆◇編集後記◆◇
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人と人とのご縁は、どこで繋がるか予測不可能だ。

昨年11月、映画「久高オデッセイ」東京上映会の折、たまたま一人で来
られていたお客様に声をかけさせて頂いた。何気なく会場にいらしたそ
うなのだが、その時にお話したことがきっかけとなり、3月には、川崎で

「久高オデッセイ」の上映会を主催してくださることになった。
お近くの方、見逃した方、もう一度観たい方は是非。
http://www.harmony-shizu.com/kudakaodessey.html


また、写真家の故星野道夫さんの奥様、直子さんより、星野道夫さんの
故郷である千葉県市川市で開催中の「いちかわ 星野道夫展」のお知ら
せを頂いた。市川市内の四ヶ所の会場で同時に様々な催しが開催される
ようなので、お近くの方、ご興味のあるは是非。

http://www.ichikawa-hoshino.com/

これからも、素敵なご縁が、どんどん繋がっていきますように。

                       aya