2007/08/10━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆ TEN's magazine  第280号  ☆★☆ 
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net

こんにちは。天川 彩です。

ここのところ、親しい友人たちの寿ラッシュ。オフィスTENのHPで
も紹介しているアーティストの友人達からも、幸せな報告が次々届いて
います。

まずは、めでたく結婚されたシンガーのEmmeさん。類まれなる美声
と、素晴らしい人柄で、多くの人を魅了するEmmeさんのハートを見
事キャッチしたのは、国内外で高い評価を得ている若き尺八演奏家・小
濱明人さん。先日、お二人の結婚披露パーティに伺ったのですが、さす
がミュージシャン同士の結婚パーティだけあって、友人関係もほとんど
がプロのミュージシャンや音楽関係者ばかり。余興の出し物も、半端じ
ゃなく凄かったです。ただ、そんな中でも一番感動したのは、やはり新
郎新婦が共に奏でた音楽でした。やっぱり愛する二人が奏でる音霊は、
ブラボーでした!ご夫妻揃っての海外での演奏の機会も広がるようで、
益々応援したいな、と思っています。

そして、石の写真家・須田郡司さんからも結婚報告が届きました。
郡ちゃんとは十年来の友人。同い年ということもあり、とても仲良しな
ので、ずっと独身でいることにちょっぴり心配もしていましたが…。
昨年、やっと素敵な彼女と共に事務所へ遊びに来てくれました。そして
入籍報告と共に披露パーティの招待状が今日届きました。10月には郡
ちゃんの新たな石の書籍も発売するというので、益々楽しみです。

そしてもう一人。笛奏者の雲龍さんからも、嬉しい報告が入りました。
雲龍さんから、以前に薬師寺で天平の笛の奉納演奏をしたいのだけれど
…と頼まれていたことがありました。昨年インドへ行った際、たまたま
バスで薬師寺の安田管長様の隣の席になる機会がありました。私は緊張
しながらも、それとなく伝えていたのですが…それから半年後、薬師寺
東塔の笛吹き飛天様が夢に現れ、これは、目に見えぬ何かのメッセージ
だろうと思い薬師寺に伺った際、雲龍さんのお願いを改めて伝え、管長
様との面談を取り付け、その後ご本人を連れて薬師寺に行きました。
その後は、ご本人と薬師寺さんとの間で打ち合わせ等を重ねていたよう
で、今年の十月、薬師寺で行われる天武忌万燈会で正式に演奏すること
が決まったと、雲龍さんより昨日電話連絡がありました。念願叶って、
よかったです。

私もそろそろ、本腰入れて自分の本業、頑張らなければ!と改めて感じ
ています。

そんな中で、TENのアーティスト、享子が久しぶりに、新しい祥画を
発表しています。その名も「幸運の女神シリーズ」。享子の本領発揮と
いう作品です。

今週TEN’sショップに初登場しているのは「金降り女神」と「棚か
らぼた餅女神」です。作者である享子の解説によると「金降り女神」は
大地を踏み鳴らすと金の雲がたちまち現れ、今までの目に見えぬ働きに
応じて、お金という恵みを降ろしてくれるという、それはありがたい女
神だそうです。また「棚からぼた餅女神」は、楽しく踊り出すと、思い
がけない幸運が突然次々と舞い込んで来るという、ありがたく愉快な女
神だそう。
      http://www.office-ten.net/kyoko/e.htm

どちらも、福福しい素晴らしい一点限りの女神たちです。ピンと来た方
は、どうぞお早めに!


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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様===「東京ぐらし」
2・TEN占い======今週は「メディスンカード」占い
3・日本を堪能する旅===「大東京ツアー」〜粋な大人の江戸遊び〜
4・旧暦七夕神事=====お手伝いワーク最終案内
5・連載小説=======「雨弓のとき」23
6・参加者募集中!====真夏の夜の座談会8月13・14・15日
7・編集後記=======ひとりごと
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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■「東京ぐらし」

故郷は?と聞かれると私はいつも返答に困る。
生まれたのは北海道の北見というオホーツクに近い町で、実家は札幌に
ある。しかし、故郷は北海道ですと言い切れるほど、長くは暮らしてい
ない。幼い頃から父親の転勤に伴って、引越しばかりしてきた。特に小
学生から中学生までの9年間、言葉や文化の異なる地を転々としていた
ことも要因としてあるのだろうが、ここが故郷です、とはっきり呼べる
地が私にはないような気がしている。しかし、17年暮らしていた神戸
はいつも懐かしく、またこの十年、足繁く通っている奈良の天川村も、
アリゾナのホピの村も、私にとって、とても大切な場所であることは確
かである。やはり、その地に長く暮らせば暮らすほど、接すれば接する
ほど、人はその土地のエネルギーと交わっていくのかもしれない。

東京で暮らし始めて8年の月日が過ぎようとしている。
「東京でやることがある」という内なる強い思いで東京に出て来た。が、
現実的にはお金も仕事も何も無い。一番大切な子どもたちとも離れ、誰
一人頼る人もいない。大都会の中で生きていくという選択を自分で選び
ながらも、現実の孤独感に襲われて、暮らし始めた当初は、息をするこ
とすら苦しかった。外に出ることも出来ず、眠ることも、何かを食べる
こともほとんど出来ない。しかし役所に行くと目の前には、東京ドーム。
地下鉄に乗ると、わずか十分たらずで国会議事堂前。自分の存在感すら
あやういというのに、日本の中心で暮らすというアンバランスさ。大都
会東京という土地に対して、どこかで気遅れと若干の抵抗感を感じなが
らの、暮らし始めだった。

しかし、この土地だからこそ出来ることもあり、出会いも多々ある。月
日の流れと共に、様々な状況の変化もあり、少しずつこの土地にも、こ
こで生きる人々との関わりも多くなってきた。

離れていた子ども達が母親である私のもとに全員戻った頃、江戸っ子気
質を持った夫と再婚した。この地で生活の基盤を持ち年月を重ねていく
うちに、東京の魅力に惹かれている自分に気がついた。

東京は、やはり凄い。

インターネットがこれほど網羅されていても、やはり最先端な感覚や最
新情報は、相変わらず東京にまずは集まってくる。
地方では、各地に長い間残っていた伝統文化も風習も時代の波と後継者
不足などで、急速に途絶えようとしている。しかし、それらが真っ先に
失われていても不思議ではない、大都会のど真ん中で、確実に日本の伝
統や誇りが守られ、甦っているのだ。近未来の希望の雛形が、お江戸東
京にあったことが、私は嬉しかった。

例えば、祭りの掛け声。昔は何処も東京の祭りは「ワッショイ」だった
という。しかし今は「セイヤ」や「ソイヤ」が主流になっている。数十
年前から、「ワッショイ」の反対語として流行り出し(ショイワ→ソイ
ヤ)それが各地で大流行したらしい。確かに威勢がよく格好良い。しか
し、「ワッショイ」は「和を背負う」という神様を担ぐ時のかけ言葉だ、
ということで江戸三大祭りの一つ、深川祭では「ソイヤ」や「セイヤ」
などの流行掛け声は禁止されているという。深川は、江戸っ子の町。日
本人の心意気のようなものを感じる。

また、数年前まで東京の人気スポットといえば、人気建築家が建てたフ
ァッションビルだった。が、今は浅草をはじめとした古くからの下町が
大人気だ。
浅草は、828年(推古36年)に誕生した日本でも有数の古い文化ス
ポットなのだが、ここがにわかに活気付いている。また、昔からの映画
や笑いの文化の中心地だった浅草としても再注目を浴びている。歌舞伎
役者の中村 勘三郎さんらが呼びかけ人となっての、江戸芝居小屋再建
運動も起こり、益々勢いを持ってきている。数年前まで、浅草は時代遅
れの雰囲気が漂い、高齢者か外国人観光客しか行かないような風潮があ
ったように思う。が、今は若い世代の人々で賑わっている。
江戸時代に大流行した屋形船も、明治、そして第二次世界大戦前まで、
細々と残っていたらしいのだが、その後、時代の流れと共に衰退し、一
時は途絶えていたようだ。しかし、東京湾の埋め立てなどで浅草のりの
養殖すら困難になった、東京湾の漁師さんたちが中心となって、昭和の
終わり頃、屋形船を復活させたらしい。昔はお座敷遊びをするような人
々しか乗れないほど高価な舟遊びも、今では、江戸時代の大流行よろし
く庶民まで楽しめるものとなった。

先日、浜松町のとある場所へ行った際、時代劇や歌舞伎などでも有名な
町火消しの「め組」が今も引き継がれ、存続していると聞いて驚いた。
年頭、テレビで出初式の映像を時折目にするが、江戸時代から、纏、半
纏までずっと引き継いで今に至るらしい。火消しの伝統を守る江戸消防
記念会の一つであるのと同時に、昔からの鳶職人集団でもあり、木遣り
の唄もずっと続いているのだとか。

ちなみに、私が暮らしている台東区谷中(やなか)というところには、
東京屈指の寺町。書き出したらきりが無いほど、昔からの建物や塀など
が残っている。

触れれば触れるほど、お江戸東京という所は、町も人も生きているのだ
と感じる。

自然の叡智や命の尊厳と共に、私がずっと大切だと思い続けている、文
化の継承や心を繋ぐものは、今暮らしている東京の足元にしっかりとあ
った。


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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。
                          
今週も[メディスンカード]で1週間の運勢を占ってみました。

2007年8月11日(土)〜8月17日(金)あなたの運勢

〈1月生まれ〉
あなたの固定概念の枠を外すときです。変化を望んでいるのなら、現実
的に今までとは違ったやり方で動いてください。

〈2月生まれ〉
噂話に惑わされて、あなたが今まで大切に思ってきたことを見失っては
いませんか。今週は本来のあなた自身を取り戻してね。

〈3月生まれ〉
忙しすぎて、自分の立ち位置を見失い、的外れな方向に進んでいるかも
しれません。今週はできるだけ心身ともにゆっくり休んで、正しい感覚
を取り戻してください。

〈4月生まれ〉
胡散くさい儲け話に耳を傾けようとはしていませんか。せっかく今まで
築いたものを失わないよう、しっかり自分をもってね。

〈5月生まれ〉
変化の時がやってきています。今までのアイディアを実行に移すときか
もしれません。今週はステップアップの週なので、恐れず進んでね。

〈6月生まれ〉
情報に埋もれすぎて、いろんなことを知ったつもりになってはいません
か。今週は必要なことをもっと深く学んでみてください。

〈7月生まれ〉
同性の友人が今週はあなたの大切なキーパーソンになります。仲間の助
言にしっかり耳を傾けてみてね。

〈8月生まれ〉
自分の短所が見えて、嫌になるかもしれませんが逆に今その短所を克服
するチャンスでもあります。また、短所は捉え方によって長所にもかわ
ることを忘れないでね。

〈9月生まれ〉
今までの古いパターンが合わなくなってくるかもしれません。新たな考
えや出会いを緩やかに受け入れてみてください。きっと新しい自分が発
見できるはずですよ。

〈10月生まれ〉
ストレスがたまっているようです。ささいなことでもイライラするよう
だったら時間をつくって大自然の中へ繰り出しましょう。

〈11月生まれ〉
周りの様々なことに感謝する気持ちを忘れてはいませんか。どんなこと
も当り前のことなどありません。謙虚な気持ちを忘れずにね。

〈12月生まれ〉
インスピレーションが冴える週です。イメージの中で感じたことと、現
実に起こることとを検証してみてください。今までとは違った感覚があ
るかも知れませんよ。

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【3】◆◇日本を堪能する旅◆◇
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   オフィスTENが自信を持ってお届けします!
           
      粋な大人の江戸遊び 
     大東京ツアー 2007 

      参加者大募集中!!
 
    2007年9月15日(土)〜9月16日(日) 

    一泊二日 夕・朝食 江戸遊び代込み 
    
   !) 屋形船での舟遊び代
    江戸前天ぷらほか夕食料理代+ビール・お飲物飲み放題
   !) 大相撲 秋場所観戦チケット券
   !) 落語木戸銭(早朝寄席)
   !) 下町散策 ガイド代
   !) めぐりんバス代
   !) 浅草のお宿 宿泊代 +朝食代      

      29,400円(税込)

    絶対、この価格安いです!
    
  募集定員 15名(最低施行人員 8名)

 詳しくは…http://www.office-ten.net/j/t-2007.htm


   まずは、江戸時代からの要の場所「両国散策」
   いたしましょう。
   国技館での大相撲九月場所を生で観戦した後は
   浅草に移動して、隅田川の屋形船。
   提灯が灯る和船の中で、
   揚げたてのアツアツ江戸前天ぷら頬張って
   大人の贅沢、舟遊びを満喫してください。
   
   船が浅草に戻ったならば、仲見世のすぐそばの
   旅館でゆっくり疲れを取ってください。
   都内や近郊在住の方であっても、たまには
   東京観光もオツなもの。
   早朝、静かな観音様に詣でるのもいいですね。
   翌日は、寄席での落語と洒落込んで、
   最後は、やっぱり一番人気の、谷根千散策。
   地元の私達が、穴場をじっくりご案内いたします。
   
   こんな贅沢なプログラム。
   二度と企画できないかもしれません。
   さ〜さ、赤字覚悟でご案内!
   

  ☆☆募集締め切り 9月1日(月)15:00☆☆

   ぴんと来た方、お急ぎくださいませ。

*横綱の諸問題で、ここのところ連日大相撲関連のニュースが流れて
 いる為か、にわかに、秋場所の関心が高まっているようです。
 昨日調べたところによると、チケットがかなりの勢いで動いていま
 すので、予定している観戦チケットが早々に売切れてしまう可能性が
 出てきました。 その場合、定員に達していなくても、
 早めに募集を締め切ることもあります。あらかじめご了承ください。
 
  http://www.office-ten.net/j/t-2007.htm

……………………………………………………………………………………
【4】◆◇旧暦七夕神事  ◆◇
……………………………………………………………………………………
         最終のご案内です
       締め切り 8月13日

    *今年は男性参加者も多くいらっしゃいます
   
       人         
       ̄Y ̄*
         天河太々神楽講2007
          『天の川に祈る』☆
      万物の「いのち」尊ぶ・旧暦七夕祭 *

        2007年8月18日(土)〜20日(月)
           現地集合・現地解散
             
     ★奈良・天河神社七夕祭 お手伝いワーク
   http://www.office-ten.net/tatakagura/2007.htm

奈良県吉野の山里で、千三百年続いている天河神社。
自分自身の根源と触れるため、太古より遠路はるばる人々が訪れる聖地
で年に一度、旧暦七夕の日に行われている「七夕祭」。

ご神殿でのご神事…
仏式による万霊の御霊供養…
天の川に於いての灯篭流し…

幻想な美の世界と祈りの時間が、天河の七夕祭です。
この『天の川に祈る』と題したワークでは
神社でのお祭り準備から、ご神事の当日のお手伝い、そして翌日の
後片付けまでと、全てに関わらせていただきます。
年に一度の特別なワークですので、神社から白作務衣をお借りします。
神社に奉職されている方々のご指導のもと、お祭りに参列される方々を、
静かにお迎えしてください。

神社のお掃除や短冊の受付け
奉納される馬弓ご神事のお手伝い
そして、二千基にも及ぶ灯篭流しのお手伝い

それら全てに関わる時間が
参加されたお一人お一人の魂心再生に
きっと繋がることでしょう。

静かな祈りの時、是非ご一緒したしましょう。
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■平成19年8月18日(土)〜8月20日(月)
      (今年の旧暦七夕は8月19日(日)です。)
■参加費 36,000円
   2泊3日お食事つき 宿泊 神社正面『本家 柿坂』別館貸切

■現地集合(13:30)・現地解散(12:00)
お申し込み頂いた方には交通機関などの詳しい資料を送付いたします

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【5】◆◇連載小説◆◇
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<今までのあらすじ>

高原祥子は、正月、久しぶりに母と二人の時間を過ごす。初詣の帰りに
知った父の末期癌。初めて母を一人暮らしの部屋に招き、久しぶりに親
子で一つの布団で寝るのだが、祥子は一番聞いてみたかった質問を母に
ぶつけてみた。

『雨弓のとき』 (23)                天川 彩


「えっ?お父さんのこと…?」
「やっぱり今も、お父さんのこと好きなの?」
「…」
祥子の唐突な質問に、母の敏子は戸惑っていた。が、祥子はどうしても
この夜、確かめたかった。
「昔からあんなこと、いっぱいあって…。それでも許せるの?」
「許すっていうか…」
「お父さんは、ズルイよ」
「知っている」
「なら、どうして?」
「…」
「そもそも、お母さんはお父さんの何処がよくて結婚したの?」
敏子は大きなため息を一つついて、祥子の目を真っ直ぐに見つめ返し
ながら言った。
「ねぇ祥子は、どんな時、人を好きになる?」
「えっ…」
今度は祥子が、母の唐突な質問に戸惑った。
「本当は好きな人いるでしょ?」
「いやだ…どうして…」
「母親の勘」
「なによ、それ」
「祥子ちゃん、いろいろな意味で変わったから」
「い、いやだ。変わらないよ」
「急に大人になったもの。考え方も仕草も」
「うそ…」
「お母さんも、そうだったから」
「そうって?」
「お父さんと付き合いだして、急にお婆ちゃんとお爺ちゃんのこと
知りたくなったの」
「そうなんだ」
「前に話したでしょ。お婆ちゃんの初恋の話。お爺ちゃんとの出逢い
を聞こうと思ったら、お婆ちゃん、昔死んじゃった初恋の人の話をす
るのよ。そして最後に、取ってつけたようにお爺ちゃんとは、お見合
いだったから…って話を終わらせてね」
「お婆ちゃん、お爺ちゃんのこと好きじゃなかったの?」
「お母さんも、内心ずーっとそう思っていたの。ほら、お婆ちゃん
信心深かったじゃない。だから、その初恋の人の冥福を祈りに行って
いるんじゃないかって思うとなんだか嫌で。でも、そうじゃなかった
って知ったのは、お婆ちゃんが死んでからなのよね。遅いけれど」
「どういうこと?」
「千葉の伯母さんに聞いた話だけれど、お婆ちゃん、お爺ちゃんの
家の嫁だから、ご先祖様のご供養をしなきゃってずっと言っていた
らしいの。お爺ちゃんは両親を早く病気で亡くしていたし、お爺ち
ゃん自身も、ほら、体が丈夫じゃなかったから。お爺ちゃんが亡く
なった後は、供養も兼ねて、お母さんや祥子ちゃんの健康をずっと
祈願してくれていたらいしの。でも、お母さんいつもお婆ちゃんに
反発していたのよ」

祥子は、母の敏子の話で、いろいろなことが腑に落ちたように感じ
た。母も祖母も、一人の人間として様々な感情や思いと向き合って
きたのだと、改めてわかったように思えた。

「お婆ちゃん、お爺ちゃんのこと大切に思っていたんだね」
「そうなのよね。祥子ちゃんは、大切に思える人いる?」
「またその質問?」
「いるんでしょ?」
「いるよ」
「やっぱりね。で、どんな人?同じ大学の人?」
「ううん。社会人」
「お付き合いしているんだ」
「まあね」
「祥子ちゃんは、その人の何処に惹かれているの?」
「何処っていわれても…イロイロかな」
「そうよね」
「?」
「ほら、さっきお父さんのどこがよくて結婚したの?って質問さ
れたけれど、何処って一言では、なかなか言えないことでしょ」
「なるほど」
「いろんな意味で相性がいい人っているでしょ」
「そうなの?」
「いるのよ。実は…お父さんとは相性が悪いとは思っていなかっ
たのよね。二人になると、結構仲良かったりしたしね。でも、ど
ういうわけか、祥子ちゃんの目の前ではいつもケンカばかりして
いたわよね」
「うん…」
「お父さん、離婚する前の日、『本当はお母さんのことが好きなん
だけどな』ってホツンと言ったのよ」
「そうなの?」
「でも、お互い憎しみあっていたようなことろもあって…」

祥子の頭の中は、かなり混乱していた。

                      つづく…


……………………………………………………………………………………
【6】◆◇来週です ◆◇
……………………………………………………………………………………
   〜毎日、異なったテーマで語り合いませんか?〜

  *みんなは、どうやって解決しているの?
  *こんな考え方って、おかしい?
  *今まで誰にも言えなかったんだけど、聞いてもらえるかな…

           …などなど

   心の内を、静かに語りあう夜になればと思います。
   もし、来週の夜、お時間空いていたなら
      是非、遊びにいらっしゃいませんか?

        《TEN’sサロン》

    8月13日(月)・14日(火)・15日(水)

        連日 18:00〜20:30

  ●会 場:根津交流会館和室(地下鉄・千代田線 根津駅下車3分)
       ・会場までの地図はHPに掲載しています

  ●参加費:各 1500円(お茶・お菓子つき) 
 
 <テーマ>
  ○13日(月)「対人関係」 
  ○14日(火)「恋と結婚」
  ○15日(水)「人生について」 
  
  TENに集う人々は、驚くほど感性が近い人が多いようです。
  探している答えは簡単に見つからないかもしれません。
  だけど、誰かとじっくり膝突き合わせて、話してみる…。
  そんな時間の中に、何かヒントがあるかもしれません。
  
  ●申し込み:http://www.office-ten.net/saron.htm
 
  料金は当日で結構ですが準備の都合上、
  必ず事前にお申し込みください。

 *3夜連続参加の方には
 「TEN’sチケット(1000円分)」を差し上げます。


詳しくは http://www.office-ten.net/saron.htm



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【7】◆◇編集後記◆◇
……………………………………………………………………………………
明日は久しぶりに花火大会に繰り出す予定。生まれ変わったら花火師に
なりたいと思うほど、大の花火好きなのに、ここ数年まともに鑑賞でき
ていなかった。なので、明日は早くから会場へ向かい、ドカーンッとか
ぶりつきで花火を楽しんで来ようと思う。

夏のエネルギーチャージだぁ!
                     aya