2007/06/15━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆ TEN's magazine  第272号  ☆★☆ 
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net

こんにちは!天川 彩です。

日本列島、いよいよ梅雨シーズン到来ですね。
晴れも好き、雨も好きな私としては、梅雨は神様が潤いを与えてくれる
恵みの時期だと思っています。
雨の日だけの贅沢って沢山ありますよね。素敵な傘を持ったり、雨音を
楽しむのもいいです。また、雨の日はぐっすり眠れるようにも思います
し、草木のイキイキとした姿を見ることもできる。雨の匂いも落ち着き
ますよね。晴れの日が、活力の日ならば、雨の日は沈静の日。
どちらも、神様からの恵みですね。

梅雨の最中ですが、七夕に久しぶりに童話詩ライブを決めて、心がとき
めいています。このライブは、七夕の日にふさわしく、畳の上にゆった
りと座って楽しんでいただけますよ。童話詩に込めた小さな物語たちは、
心の中にそっとしまっておいた、懐かしい風景や感覚を呼び戻してくれ
るかと思います。実際の旅はなかなか難しいけれど…という方、ぜひ、
童話詩ライブでまったりしに来てください♪
ライブ終了後は、お茶とお菓子で、軽く座談会もしま〜す。
ちょうど土曜日ですし、お時間ご都合つく方は、是非お越しください。

ところで先週、伊勢ツアーの話を書きましたが、驚くほどの反響で既に
半数以上のお席は埋まってしまいました。本当にどうもありがとうござ
います!考え中だけど…やっぱり行こうかな、と思われている方、どう
ぞお早めにお申し込みください。

さて、いよいよアメリカツアーに行ってまいります。
来週の今頃は、ホピの村で夏至を迎えていることでしょう。今回の旅で
はどんな時間が待っていることやら。今は全くの未知ですが、全てを楽
しんでいきたいと思っています。

実は今朝、前回のホピツアーに参加してくださった飯村啓子さんから、
とても素晴らしいメールをいただきました。内容が心に染み入るような
ものでしたので、ご本人に名前掲載も含めご承諾を得ましたので、全文
を皆様にご紹介させていただきます。

それから、連載小説「雨弓のとき」のバックナンバーのHP掲載にミス
があり一つ話が飛んでいたようです。最近メルマガ読者になられた方で
「雨弓のとき」のバックナンバーを一気に読まれた方ごめんなさい。
話が飛んでいたので「?」だったと思います。現在は戻っております。
さぁ、今週も続きをお届けしますヨ。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・素敵なメール=====「日々の中で」飯村啓子さんからのメール
2・TEN占い======今週は「タロットカード」占い
3・日本を堪能する旅===「お伊勢さん 2007」
4・七夕特別企画=====「七夕童話詩ライブ」
5・ただいま募集中====「大人の為の究極・恋愛講座」7月
6・連載小説=======「雨弓のとき」17
7・編集後記=======ひとりごと

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【1】◆◇素敵なメール◆◇
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■「日々の中で」 飯村啓子さんから届いたメール

来週はいよいよホピツアーですね。
ツアー前の準備等でお忙しいことと思います。
どうか無事に旅が遂行され、
参加者のすべての人にとって、すばらしい旅となりますよう、
心からお祈りいたします。

前回、ホピツアーに参加させていただいてから、
もう一度必ずホピの地に立ちたいと思っていました。
なので今回はぜひ参加したかったのですが、
諸事情が重なってしまい、
残念ながら願いが叶いませんでした。
いつか必ずホピの地に行けることを信じて、
その日を静かに待ちたいと思います。
6月22日はホピの精霊を感じながら、
夏至を迎えたいと思います。

2年前のツアーはほんとうにすばらしかったです。
ホピ滞在2日間という時間にも関わらず、
私の中で大きく変化したことがあって、
帰国後もホピでの体験がずっと心の中で生き続けています。
ホピでは瞬間瞬間が実に生き生きと息づいていて、
私はただその中で生きればよく、
たくさんのものを受け取ることができました。
かけがえのない体験をさせていただきました。
ありがとうございます。

今、足に障害のあった母が動けなくなってしまい、
一日のほとんどをベッドで過ごす日々を送っています。

幸い実家の隣に住んでいるため、
日に何度か様子を見にいっては、足をマッサージしたり、
買い物を代行したりなどしています。
からだの機能が衰え、だんだんと動けなくなり、
やがては朽ちていく母の生老病死に
ゆっくりと付き添えることは、
子としてとても幸せなことです。
お釈迦様の教えに触れていたことが、
なによりの力となっています。
年老いた母は、私にとって無条件に愛らしく、
かわいい存在です。


旅のご無事をお祈りいたします。
ホピの精霊にどうぞよろしく!



                 飯村啓子


*飯村啓子さんからのメールをいただいて*

親の介護の日々を、このような心持でできる飯村さんに、人としてとて
も大切なことを学ばせて頂いたような気がします。生きている限り、誰
しもいつかは通る道。同じその道をゆくならば、幸せに歩んだ方がいい
ですよね。親子間で連日悲しい報道が続くのは、やはり子を育てた親の
責任だと思いますが、飯村さんのような心優しい素敵な娘を育てたのは
他でもないご両親なんですよね。どんなことも、必ず自分に戻ってくる
のだと、このメールをいただき改めて実感しました。


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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。
                          
今週も[タロットカード]で1週間の運勢を占ってみました。

2007年6月16日(土)〜6月22日(金)あなたの運勢

〈1月生まれ〉
嘘の無い正直さと、弱音を吐かない根性が評価される1週間となりそう。
ただ無理をしすぎないよう、時々息抜きすることも忘れないでね。

〈2月生まれ〉
過去に囚われてはいませんか?あれこれ迷っていても、新しいこと
をきちんと受け入れる心の準備がなければ前には進みませんよ。

〈3月生まれ〉
幸福感に包まれ心が安定した一週間となりそうです。また、思いもしな
かった嬉しい歓迎を受けるかもしれませんよ。

〈4月生まれ〉
思っていることを現実に変えていくためには、計画性と努力と積極性が
必要です。考えばかりが先行していても、実際に動き出さないと何も始
まらないことを忘れないでね。

〈5月生まれ〉
大きな転換期を迎えそう。自分の考え方や古い習慣や価値観がガラッと
変わる可能性があります。新たな自分と出会ってください。

〈6月生まれ〉
奉仕の精神の一週間となりそうです。自分の為ではない働きが、心を豊
かにしてくれる喜びを改めて感じるかもしれません。

〈7月生まれ〉
いろいろと深読みしすぎたり、あれこれ考え過ぎて、人とのコミュニケ
ーションがうまくとれなくなっているかもしれません。今週はもっと素
直になってみてね。

〈8月生まれ〉
悩みごとから、眠りが浅くなってしまうかもしれません。今週は、なる
べく心身ともに休むことを心がけてね。気分転換にスポーツをしたり、
カラオケに行くのもいいかもしれません。

〈9月生まれ〉
未来に続く、一本の道が目の前にあるのに、グズグズと後ずさりしては
いませんか?今週は、勇気を持つがキーワードです。

〈10月生まれ〉
空想の夢で喜んでいても現実は何一つ変わりません。架空の想像ゴッコ
で遊ぶ時間を働く時間に変えた方が確実に現実が変わってきますよ。

〈11月生まれ〉
他人に大切な人生の舵取りを委ねてはいませんか?あなたの人生は、あ
なた自身のものであり、決定権もあなたにあることを忘れないでね。

〈12月生まれ〉
積極的に行動できる一週間です。ムードメーカー的な役割になったり、
面倒見もよくなるので、周りから頼りにされそうですよ。


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【3】◆◇ 七夕★特別企画 ◆◇
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   ★ まったりとした、とても素敵な和の空間でのライブです。

       『天川 彩 七夕童話詩ライブ 』
        2007年7月7日(土)

   祈りを込めて紡いだ小さな物語たちを、
この日ゆっくり語ります

      時間: 午後3時開場  午後4時スタート
      会場: 立花大正民家園 旧小山邸
         (アクセス:JR総武線 平井駅 下車7分)
      料金:前売り2000円  当日2500円
       
     ☆ライブ終了後ささやかながらですが…
     お茶とお菓子をご用意いたしております。

   和みの時に、短冊に言葉を綴っていただけましたら
    旧暦七夕の日に行われる、天河神社の七夕祭で
   笹の葉に結ばせていただきます。

     (全プログラム終了予定 午後8時頃)
     
    http://www.office-ten.net/douwasi/777t.htm

        一年に一度の七夕だから…
    今年も童話詩ライブを行うことにしました。

     童話詩は、小さな短い物語。
     目をつぶり、語りを聴いているうちに、
     やがてあなたの心の中にそっとしまっておいた、
     懐かしい風景や感覚が呼び戻されるかもしれません。
    
     あわただしい日常生活の中で、忘れかけていた
     そんな時間と空間…。
     大切な人たちに、お届けいたしたいと思います。


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【4】◆◇日本を堪能する旅◆◇
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     現在、残席8です

 ■『お伊勢さん 2007』
 〜今、この時だから行く、伊勢〜
 2007年7月27日(金)〜7月29日(日)
       2泊3日
    
    39、900円(税込)
     名古屋集合解散
    
     先着15名限り!

http://www.office-ten.net/j/ise/2007t.htm

「お伊勢いきたや伊勢路がみたい せめて一生に一度でも」
日本人共通の心の故郷、お伊勢さん。
宇治橋を渡り、神域に入った途端、身も心も洗われるような
気持ちになるのは、そこが日本の総氏神様だからでしょうか。

今年は伊勢の神領民が、神宮まで木を運ぶ「お木曳き」行事の年。
今回、このツアーでは、内宮への「川曳き」行事観覧を
含めた特別プログラムで皆さんを伊勢までご案内いたします。

はじめての伊勢、久しぶりの伊勢、またしてもの伊勢。
皆さんにとって、どんなお伊勢参りであっても、
今回の伊勢はきっと一言では語り尽くせない
特別な時間となることでしょう。

<今回の旅のスペシャル>
●二十年に一度の「川曳き神事」観覧。
(もしかしたら、サプライズがあるかも…です)

●二千年間、伊勢神宮に熨斗鮑をご献上してきた村の
現役海女さんにお話を伺います。


<今回の旅の宿>
●一泊目 江戸時代から続く文化財のような粋な宿
●二泊目 食べきれないほどの新鮮な海の幸にビックリする宿

  
・プログラム内容・
二見浜参拝/内宮・外宮での正式参拝/お神楽奉納/
二十年に一度の伊勢の一大行事「川曳き」観覧/月讀宮・倭姫宮参拝/
導きの神様、猿田彦神社での正式参拝/二千年の歴史を誇る伊勢神宮調
進所見学/海女さんの話/おかげ横丁散策/etc…

○旅の費用に含まれているもの
宿泊2泊代金 夕朝食代 名古屋⇔伊勢・鳥羽のJR切符代
外宮→内宮 移動タクシー代  内宮お神楽奉納代金


○費用に含まれていないもの
近距離移動の交通費・昼食代 正式参拝の初穂料は各自

お申し込みの方には、詳しい資料をお送りいたします。

■TEN'sトラベルメンバーの為の旅企画
旅行主催 !)ワールドエキスプレス兵庫県知事登録旅行業第2-250

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【伊勢神宮】
天照大神が祀られている内宮と豊受大神が祀られている外宮の両宮。
そして別宮、摂社、末社など含めると125社にも及び
全てを総称して「神宮」と呼びます。

【式年遷宮】
今から千三百年ほど前から、二十年に一度、社殿の建て替えを行う行事
を「式年遷宮」と呼び次回は2013年に第62回の式年遷宮が行われ
ます。ご祭儀は既に始まっており、本年は昨年に引き続き神宮内に木材
が運ばれる、お木曳行事が行われています。
お木曳き行事、最終は2007年7月末週末に行われる川曳き行事で、
これを見逃すと、次回は2027年になります。

【TENから伊勢へ】
TENでは、平成25年の式年遷宮までの間、できれば年に一度の割合
で、皆さんを伊勢詣へご案内させていただこうと考えています。
ただ、この旅はあくまでも「TEN」らしい旅。本質にきちんと触れな
がら、楽しめる旅。毎年、少しずつテーマを変えながらご遷宮まで「伊
勢と日本」を学んでいきたいと思っています。

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【5】◆◇大人の為の究極・恋愛講座◆◇
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        7月も開講いたします 
    『大人のための 究極・恋愛講座』

  神様からの贈り物、それはこの世に生まれたことと
       運命の人と巡り逢えること


日  程 2007年7月8日(日)
時  間 10:30〜16:30 (昼休憩 1時間)
会  場 葛飾シンフォニーヒルズ 別館 <ローズの間>

講座内容 Step1 恋の言の葉拾い
     Step2 パートナーシップについて
     Step3 理想の相手・理想の自分
     Step4 セルフプロモーション術

申し込み http://www.office-ten.net/com-kouza/421.htm
  


運命の人…。
どこを探せば、何をしたら
出逢えるえるのでしょうか。
あなたが、もし、
本気でその人を探していたとしたなら
その人も、本気であなたを探しているはず。

だけど、生涯を通して
互いに愛し慈しみあえる人に
真剣に出逢いたいのなら…
ちょっぴり自分改革も必要なのです。

出逢った時から、この世を去るまで
ずっと、人生を共にする
唯一無二のパートナー。

結婚しても、お父さんとお母さんになっても
おじいちゃんとおばあちゃんになっても
生涯、素敵な恋人同士で
あり続けてください。

素晴らしい恋愛は、
世の中の平和の糧になるのです。


● この世にただ一人の運命の人と巡り逢いたい人
● 心から、愛し愛される関係を望んでいる人
● パートナーに、恋のトキメキを感じられなくなっている人
● ひとりでも生きていける、でも…と時々思う人

勇気を出して、是非お越しください!


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【6】◆◇連載小説◆◇
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<今までのあらすじ>

高原祥子は、恋人高梨良一とクリスマスの一夜を過ごし、年末、久しぶ
りに実家に戻る。母、敏子との関係が少しずつ変化しているように感じ
た祥子は、初詣に誘われたことが嬉しかった。


『雨弓のとき』 (16)                天川 彩


玄関を出ると、外はチラチラと雪が舞っていた。近所の家も、どこも明
かりが灯っている。初詣に向かうのか、家族連れで歩く人の姿がやけに
目に付く。初詣に母と行くのは何年ぶりだろう。いや…母に対して素直
になったのは、何年ぶりだろうかと、祥子は思っていた。

「お母さんと初詣だなんて、久しぶりだね。何年ぶりだろう」
「祥子が、中学生の時が最後じゃないかな」
「お婆ちゃんが亡くなった年、初詣行くのやめて…それっきりだったか
もね」
二人は家からさほど離れていない久伊豆神社に向かった。越谷の鎮守の
社として、古くから信仰を集めているこの神社は、初詣には多くの人が
参拝に来ることは知っていた。が、着くと予想をはるかに越えた人々で
ごった返している。列の最後尾に並んではみたが、なかなか前に進まな
いようだった。
「今夜は冷えるわね。手も足もジンジンしてきちゃった」
敏子はストールをあごまですっぽり巻きなおし、手袋の上から両手をこ
すり合わせている。祥子も人ごみに酔いそうになってきた。
「ねぇお母さん、明日の朝、根津神社に改めて一緒に初詣行かない?」
「根津か…。そういえば、お母さん随分昔に一度行ったことあるけれど
祥子がそっちに引っ越しても、あまり行ったことないものね」
「あまりって。引っ越しの時に来ただけで、後はお母さん一度も来たこ
とないよね」
「だって、お母さんがそっちに行くの、祥子が嫌がるじゃない」
「まぁ、そんな日もあった…か」
「祥子、なんだかちょっと変わったね」
「そう?」
「大人になった」
祥子は、急に顔が赤らんだ。良一と出逢い、確かに自分でも何かが変わ
ったように感じていた。母親は、何か察しているのかと思いドキドキし
ていると、周囲から一斉に歓声があがった。

オメデトウ!オメデトウ!オメデトウ!

新しい年がやってきた。自分の人生が大きく変わる年になることを、ま
だこの時、祥子は知る由もなかったのだが、何かがやってくる予感がし
て大きく深呼吸した。

元旦は、お屠蘇を飲んでお雑煮を食べ、お節料理をいただく。
祖母から母に引き継がれている習慣は、毎年変わることなく行われてい
る。何もかもが当たり前のように準備されていることのありがたさを、
祥子はまだ、この時は全く感じていなかった。例年のように元旦の順序
に添って食事を終え、二人は駅に向かった。

北千住で地下鉄に乗り換えた途端、車内は通勤電車並みに混みあってい
た。明治神宮に向かう人々なのだろうか。若いグループがお祭り騒ぎの
ようにはしゃいでいる。大きな神社での初詣は、テーマパークにでも行
くようなイベント感覚なのだろう。根津駅に降りた時には、祥子も敏子
もホッとした。

階段を上がり、不忍通りに出ると、地元の人々がチラホラ根津神社に向
かっていた。その足取りはあくまでもゆっくりとしていた。祥子は自分
の地元に戻って来た、という安堵を感じていた。
かつて、祖母に連れられて来た神社に、今度は母を連れていく。そう思
うと何とも不思議な気がした。
「私、根津神社に最初に来たの、お婆ちゃんとなんだ。その時のこと、
今でも薄ボンヤリと覚えているの」
祥子は、祖母との思い出を話したつもりだった。が、母の返答は予想外
のものだった。
「え?祥子もお婆ちゃんと来たの?お母さんもお婆ちゃんと一度来たこ
とあるのよ」
「そうなの?」
「ここ、お婆ちゃんにとって青春の思い出の地らしいの。その話、聞か
なかった?」
「聞いていないよ」
「そうか…祥子は幼い頃だしね。やっぱり来ていたんだ。お婆ちゃん」

祥子は、祖母に青春の日があったことなど想像もできなかった。が、思
えば誰にも青春時代があって当たり前なのだ。
母の話によると、祖母は本郷のフルーツパーラーで女給さんとして働い
ていた頃があり、帝大の学生と恋に堕ち将来も約束していたらしい。二
人のデートの場は、いつも根津神社界隈だったらしいのだが、卒業間近
になってその男性は結核を患い、亡くなってしまったという。その後、
祖父と見合い結婚をして、敏子が生まれる。敏子がその話を聞いたのは
成人した後のことで、祖父も他界した後ということもあり、祖母と連れ
立って、一度だけ一緒に根津を歩いたそうだ。

「…で、悲しくなるからここにはもう来ないってお婆ちゃん言っていた
んだけど、そう。祥子を連れて…来たんだ」
「うん。確か小学校2年生の時だったかな」
「だから、祥子が根津に住むって最初に聞いた時、正直な話すごく驚い
たのよ」
この話は祥子にとっても衝撃的な話だった。

                           つづく…

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【7】◆◇編集後記◆◇
……………………………………………………………………………………
アメリカ出張の荷物はまだ全く準備していないが、週末は少しのんびり
しようかと思う。カフェで本を読むのもいいし、気になっている部分の
掃除をするのもいい。今回の旅で必要なのはパスポートと財布、そして
素直な気持ちだけ。後は忘れたってなんとかなるさ〜。
                         aya
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