2007/04/20━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   ☆★☆ TEN's magazine  第264号  ☆★☆ 
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net

こんにちは!天川 彩です。

先週末、メルマガを書き上げて、熊野に真っ直ぐ向かったはずが、な
ぜか気がついた時には、伊勢に着いていました。
伊勢に行こうとは、全く考えてもいなかったので、これはお伊勢さんに
呼ばれているな…ということで、急遽、伊勢詣でをしてきました。

伊勢内宮で最初に出会ったのが、鮑をご献上にきた海女さんたちでした。
(HPのトップページに写真をアップしています)
次に初老の紳士がやってきて、その海女さんたちが、どんなお役割で来
られているのか、更に内宮の巡り方や、ひっそりと祀られている神々の
場所など貴重な情報を教えてくださり、風のように去って行きました。

昨年、インドのブッダガヤ(お釈迦様が悟りをひらかれた場所)で、突
如現れて、ブッダガヤでの正しいお参りの仕方を教えてくれたアソサン
のようでした。本当にいつもいつも、ありがたきお導きに感謝です。

その紳士が教えてくださった通りの順でお参りをしてきたのですが、今
までの伊勢詣ででは全く違う、特別に感慨深い時間となりました。

平成二十五年に行われる、伊勢神宮ご遷宮。持統天皇の代から始まり千
三百年以上続く国の一大事業。ご遷宮とは、伊勢神宮の建物を二十年に
一度、場所を移し、新たなご神殿をつくる行事なのですが、既に様々な
行事は始まっています。一昨年から、それらに関連する行事の末席に少
しですが参加させていただく機会は与えていただいていたのですが、こ
れから、私の知る限りのことは、ちゃんとお伝えしていこうと思ってい
ます。

そんな訳で…早速ですがお知らせです。ご遷宮に私達市民が参加できる
「お木曳き」という行事が、昨年に引き続き、今年の5月6月、伊勢であ
ります。今年の機会を逃したら、次回は二十年後です。
詳しくは、http://www.sengu.info/gyoji.htmlをご覧ください。参加さ
れる方は、三重観光販売システムズというところが一括して受付してい
ますヨ。

今後は、オフィスTENらしい「伊勢ツアー」も考えていきたいと思っ
ています。決定した際には、勿論メルマガで真っ先にインフォメーショ
ンいたしますので、気長にお待ちくださいネ。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様===「甦るニッポン」
2・TEN占い======今週は「タロットカード」占い
3・日本を堪能======「富士山・幻の滝と苔森と幸せ三昧の旅」
4・連載=========「雨弓のとき」12
5・編集後記=======ひとりごと
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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■「甦るニッポン」

人気漫才コンビ「タカアンドトシ」は「欧米か!」というフレーズで大
ブレークした。漫才の中で、日本人の生活に馴染まないリアクションを
した時に、いちいち「欧米か!」と突っ込むというパターンだ。

私たちはテレビでその漫才を見ながら、単純に笑っている。しかし実際、
今の日本人の生活の中に、どれほど欧米化したものが入り込んでいるだ
ろう。欧米化している生活が悪いと非難しているわけではない。だがそ
の引き換えに、日本独自の伝統や文化が消えていくことに、あまりに鈍
感になり過ぎているように私には思える。

友人の中に在来和種馬の馬主がいる。

在来和種馬とは、日本固有の品種である馬の総称なのだが、絶滅の危機
に瀕しているという。
現存しているものでは、その棲息地によって、北海道和種(通称どさん
こ)、木曽馬、対州馬、宮古馬、野間馬、岬馬、与那国馬、トカラ馬の
8種が認定されている。
友人の話によると、和種馬の性格は穏やかで頭脳明晰だそうだ。判断能
力にも長けていたので、歴代の日本の武将と共に、名を轟かせていた名
馬達が多かったのも頷ける。

しかし明治の頃より、サラブレッドなど外来種の馬が日本に入り、小型
で首や足の太い和種馬は見栄えが悪い、との理由から、徐々に和種馬を
外来種と交配させ、馬の改良が行われはじめた。
昭和十四年、種馬統制法が発令され、軍用馬に備えて、日本国内の在来
和種馬は、ほとんど抹殺され、馬主が愛馬を野生に返したりした馬たち
だけが、かろうじて生き残った。

今、日本の中にいる馬のほとんどは、サラブレッドを代表とする外来種
だ。時折、テレビのニュースなどにも登場する神社での流鏑馬(やぶさ
め)も、時代劇で戦国時代の武将達が馬に乗っているシーンも、悲しい
かな、全て外来種のサラブレッドたちに和具をはめた姿ばかりだ。

このままでは和種馬が絶滅する。その危機感から、和種馬を甦らせよう
と情熱を注ぐ人たちが現れた。

友人の愛馬は、そんな人たちの手によって甦った和種馬の一頭だ。更に
は、ご神馬としての役割も担って生まれてきたらしい。近年は、各地の
ご神事に登場する。絵馬に出てくるような和具を纏った姿は、勇敢で美
しい。先日の熊野本宮大社でのご神事の際にも、長い階段を一気に駆け
上がった姿は、実に神々しかった。

最近、私はあるきっかけから、薔薇のことを調べ始めている。
すると、洋花の代表のように思っていたバラも、日本固有の種が多々あ
ったことがわかった。
万葉集には「茨(うまら)」として、枕草子や源氏物語には「薔薇(さ
うび)」として登場しているのだ。また十二単にもかさねの色目の一つ
として薔薇があったことに驚かされた。
フラワーショップに行くと、品質改良されたバラが美しさを競って並ん
でいるが、実は江戸時代日本の薔薇が欧州に渡り、現在の数多くのバラ
の祖先になっているという。
うれしいことに、日本固有のバラたちは、まだ、どうにか日本の大地に
生きている。

馬やバラだけでも日本固有の種があり、それらの優秀さには目を見張る
ばかりなのだ。他にも数え切れないほどあるだろう。しかしそれは動植
物に限った話ではない。

日本人の文化や伝統にも全く同じことがいえるのだ。

父親が転勤族だったので、私にははっきりと「故郷」と呼べる地域がな
い。しかし生まれた北海道も、長年住んでいた神戸も、現在暮らしてい
る東京も、縁あって幾度も通っている土地も、みな故郷だ。

縁あって日本という国に生まれ、日本という国に育ったので、この国が
愛しい。それは軍国主義的な愛国心ではなく、天皇バンザイの愛国心で
もない。自分や自分の家族や友人知人が愛しいように、自分の生まれた
国が愛しく、自分が生まれたこの地球という星が愛しいのだ。
自分の国を心から愛せたら、他の国の人がその国を愛する気持ちを理解
でき、尊重できると信じている。

今、日本の大切なスピリットが、どんどん消えかかっている。

だから…
微力であっても、私は日本が甦るための応援を生涯続けたいのだ。


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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。
                          
今週も[タロットカード]で1週間の運勢を占ってみました。

2007年4月21日(土)〜4月27日(金)あなたの運勢

〈1月生まれ〉
人から何かを学ぶ週です。先人が書き記した書物や、専門家などから正
しい知識を学んで下さい。

〈2月生まれ〉
何か不満がありながら、相手にいえずもんもんとしていませんか。気づ
いてくれるのを待っていても、状況は変わりません。言葉を選んで話し
てみてね。

〈3月生まれ〉
来る者拒まず、という精神でいると、自分が何を望んでいるのかがわか
らなくなりますよ。今週は主体性を取り戻してね。

〈4月生まれ〉
思いつきで動くので、意見がころころ変わりそう。今週のあなたのキー
ワードは計画性です。

〈5月生まれ〉
目標に向かって着実に歩める週です。今週は勉強したり、経験を積んだ
りするのに最適ですよ。

〈6月生まれ〉
何事にも本腰が入れられず、中途半端な状況になってはいませんか。今
週は目の前のことを一つ一つ丁寧にやりあげる努力を。

〈7月生まれ〉
思ったよりもことがあまり進まず、いらいらするかもしれません。でも、
ゆっくりと時間をかけなければいけないときもあります。焦らないでね。

〈8月生まれ〉
自分の意見が正しいと思いこんではいませんか。今週は周りの人の意見
にも十分耳を傾ける努力をして下さい。

〈9月生まれ〉
上手くいく事と、いかないことが交互にやってきそう。でも状況は少し
ずつ前進していますよ。肩の力を抜いてね。

〈10月生まれ〉
やらなければいけないことがわかっているのに、ただ眺めているだけで
は決して前へ進みません。口先ばかりだけではなく、行動に移してね。

〈11月生まれ〉
迷っていたことや、悩んでいたことが一気に解決していきそうです。前
進あるのみ。頑張ってね。

〈12月生まれ〉
今週は、積極的に動き回るよりも、人の話をよく聞きましょう。またあ
なたの才能が思わぬところで開花するかもしれません。


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【3】◆◇日本を堪能する旅 ◆◇  
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    富士山 ツアー 2007
  
   幻の滝と苔森と幸せ三昧の旅
 2007年5月18日(金)〜5月20日(日)
    2泊3日 38、000円
        東京発着
(現地集合解散の方  33、000円)

   定員 20名 最低施行人員8名

富士山にこの季節だけに現れる、幻の滝。
緑のビロードを敷き詰めたような、新緑の苔森の世界。
満点の星空や、ありがたいほどのご来光。
日本一の霊峰、富士の御山のその中で
幻想的な風景に包まれた至福の時を存分に過ごしてください。
そして湖畔から眺める富士の御姿や青木ヶ原樹海の神秘。
忍野八海の澄み切った湧き水や古きよき日本の姿も楽しんでください。
グルメも唸らせる割烹旅館の御食事や、くつろぎの温泉時間。
こんな贅沢すぎるほどの富士の旅があったでしょうか。

富士登山とはまた違った極上の富士の旅へご案内します。

http://www.office-ten.net/j/2007top.htm

<ツアー代金に含まれるもの>

新宿―河口湖・御殿場―新宿 高速バス代
旅館1泊 山小屋1泊 割烹料理を含む全朝夕食代
全ネイチャーガイド料金
レトロバス1日乗車代
温泉「赤富士の湯」入浴料 
コウモリ穴入洞料

<ツアー代金に含まれないもの>
昼食代・路線バス代・浅間神社玉串料(各自千円程度)


おすすめはコレ!

○ 富士山幻の滝・苔森ネイチャーツアー
○ 山中湖 割烹旅館「芳野」
○ 忍野八海
○ 樹海ネイチャーツアー
○ 赤富士の湯

詳しい行程などは、http://www.office-ten.net/j/2007top.htm

ーTEN’sトラベルメンバーの為の旅企画ー
企画 オフィスTEN/ワールドエクスプレス大阪

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【4】◆◇連載小説 ◆◇  
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<今までのあらすじ>

高原祥子は、近くに住むアパレルメーカー勤務の高梨良一に恋をしてい
た。出会ってから二ヶ月。毎土曜にはずっと近所の散歩をするだけの二
人だったが、ようやく良一の気持ちも確かめることも出来て、念願のク
リスマスイブを一緒に迎えることに…


『雨弓のとき』 (12)                天川 彩


恋をすると時間軸が移動するのだろうか。あっという間に約束のクリス
マスイブの日はやってきた。良一へのクリスマスプレゼントとして選ん
だのは、来年の手帳。深緑色のシッカリとした牛皮のカバーがかかって
いる。良一の鞄や持ち物に合いそうな、そんな手帳だ。ネクタイやマフ
ラーなども考えたのだが、何といっても良一はアパレルメーカーの社員。
洋服やそれらに付随したものは、やはり選びにくかった。しかし、そん
な理由以上に、手帳は自分との約束をいっぱい書き込んで欲しいという
願いを込めてのプレゼントでもあった。

祥子は、朝から台所に立ちっぱなしだった。いや、厳密には前の日から、
手の込んだ料理を仕込んでいた為に、ほとんど寝ていない。約束の時間
が近づき、祥子は新たに購入した赤と黒のクリスマスカラーのワンピー
スに着替えた。そしてプレゼントが入った袋と出来上がった料理を両手
いっぱいに持って、玄関を出た。

夕方の地下鉄駅。
祥子の目には、心なしか人々の顔がほころんでいるように映っていた。
いつもは通勤鞄しか持ち歩いていないサラリーマンたちがケーキの箱や
紙袋片手に電車から降りてくる。きっとそれぞれの人が、家族のもとへ
急いで帰るのだろう。祥子は、そんなサラリーマンたちの姿を見ている
うちに、急に自分の父親のことを思い出していた。あの頃、父はクリス
マスイブの日、何処でどんな時間を過ごしていたのだろう。母親以外の
女性と、自分以外の子どもたちのもとへ、ケーキを買って毎年帰ってい
たのだろうか。母との離婚後、長い間、父親という存在すら忘れていた
のに…。祥子は忘れかけていた父への怒りの感情が急に甦っていた。

「あっという間に、今日になっちゃったね」
改札口から出てきた良一が、ケーキの箱をかざしながら、屈託のない笑
顔で祥子に近づいてきた。良一の顔を見た途端、祥子はほんの寸前まで
あった父親への怒りの感情が、一瞬のうちに何処かへ消え失せていくの
を感じた。
―自分にとって、今、一番大切な人は、目の前にいる―
そう思うだけで、祥子の心の中にへばりついていたドロドロとしたもの
が、少しずつ洗い流されていくようだった。

「さぁ、どうぞ」
祥子は緊張しながら良一の家の中に足を進めた。センスのよい家具がこ
ざっぱりと置かれ、壁には、アンディウォーホルの絵が何枚か飾られて
いる。自分の六畳一間のアパートとは全く違う空間だ。冷蔵庫からシャ
ンパンを取り出したり、グラスを手際よく用意している良一の後姿を見
て、祥子は気後れしていく自分を感じていた。
「家、綺麗…」
「祥子ちゃんが初めて来るから、あわてて大掃除したから。お陰で一足
早い、年末大掃除が終わったよ。いつもは、散らかっているんだから」
「そうなんだ。でも、それにしても私の部屋と大違い」
「祥子ちゃんの部屋って、どんな感じ?」
「うちは、ほら。六畳一間のアパートで…西日がよく当たるから、畳な
んかも色が黄色くなっているし。庶民、って感じの部屋」
「でも、確か窓から木が見えるって言っていたよね」
「まぁそれだけは自慢なの。春や秋なんか、枝に小鳥も飛んで来るし」
「それは素敵だね。ここなんか、窓の外は向かいのマンションなんだか
ら。祥子ちゃんの部屋の方が環境いいよ」
「嘘でもそう言ってもらえると嬉しいな」
「嘘じゃないよ」
祥子は、良一の優しさが嬉しかった。

良一は、話しながらも次々と皿に盛り付けられていく祥子の手料理に驚
いていた。とても二十歳そこそこの女の子が一人で作ったとは思えなか
った。
「ねぇ、祥子ちゃん。これ全部作ったの?」
「パーティ料理の本買ったんだけど、見ているうちに、あれもこれも、
作ってみたくなって」
「大変だったでしょ」
「ちょっと、頑張っちゃった…かな。実は昨日の夜から、ずっと台所立
ちっぱなし」
「ウソ、マジで?それにしても、二人でこれだけ食べられるかな」
「何品かは、残ったら冷凍できるものだから、よかったらまた今度食べ
欲しいなーなんて」
「なんだか、本当に嬉しいな。そうだ、リクエストのケーキは…ほら、
これだよ」
良一がケーキの箱を開くと、祥子が憧れていたサンタさんの乗った丸い
デコレーションケーキが現れた。料理の量といい、ケーキの大きさとい
い、とても二人で食べ切れそうにもなかったが、祥子はただただ嬉しか
った。子どもの頃から夢見ていた、家で過ごすクリスマスパーティだ。
大好きな良一が目の前にいて…祥子はそう思った瞬間、少しクラクラし
た。

「はい、それじゃ、全て整ったから…メリークリスマス!」
ポンッ!
全てのテーブルセッティングを終えて、席についた祥子の前で、良一が、
シャンパンの栓を開けた。今までも、明日香など大学の友人たちと、た
まに居酒屋などに飲みに行く機会もあったし、実家に帰ると、母親の
敏子が成人式以降はビールを出してくることもあった。しかし、シャン
パンは飲んだことがなかった。
良一が細長いグラスに、細かな気泡と共に注がれるお酒。祥子は、自分
が大人の女性になったのだと、少し背伸びしたい気分になった。
                                
      つづく…

                          
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【5】◆◇編集後記◆◇
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伊勢詣でをした後は、今回の旅の目的だった熊野で例大祭に参列し、帰
りには行きたかった吉野の奥千本を愛でることもできました。
本当に幸せな時間を過ごしてきました。

今日、これから熊野本宮大社の例大祭で知り合った、南部梅林の方が和
歌山から出て来られるとのことで、お会いしてきます。
これから、どのようなご縁に繋がっていくのかは、今は全くわかりませ
んが…また新たな何かが始まるのでしょうか…。

                     aya
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