2020/10 /02━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

☆★☆ TEN's magazine 第939号 ☆★☆

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こんにちは!天川 彩です。

早いもので、もう10月に入ってしまいましたね。夏らしい
時間を過ごすことも無くすっかり秋めいてきて…。世界中
の人々が同じような感覚かと思いますが、時間軸がおかし
く感じます。だからでしょうか。ここ一か月あまり諸々の
ダメージが積み重なり、私にしては珍しくストレスで心身
ともにグッタリ。休みで家に居ても悶々とするばかり。
これでは、いい運気なんてやって来ないわ、と思いたち、
ひょい、と新幹線に飛び乗って、ハミングバードのHPの
相談も兼ねて名古屋へ。突然のアポに応対してくれた上、
夕ご飯までご馳走してくれた友人に感謝、感謝です。

その日は、リフレッシュ兼ねて、オークラホテルとJAL
ホテルが新たなコンセプトで誕生させた、先月オープンし
たばかりのラグジュアリ~なホテルに泊まりました。
なんと30平米もあるお部屋で最新の設備。東京対象とな
るGoToキャンペーン直前だったのでちょっぴり贅沢し
てしまいましたが、身も心もゆったり出来て最高のりラク
ゼーションとなりました。ほんと、たまにはこんな時間も
大切ですね。

そして翌日、そのまま帰るのはもったいないと思い、風が
吹くまま向かったのはお伊勢さん。

天照大神から元気と勇気をいただいたような時間を過ごせ
ました。お参りを終えておかげ横丁で、今年の最初で最後
の赤福氷を食べたり、9月29日が「来る福 招き猫」の日
だったことから、招き猫づくりワークショップに参加して
みたり…楽しい一日を過ごさせていただいたなぁと思いな
がら宇治橋を渡り終えた瞬間、目の前にドーンと大地から
聳え立つような虹が。「これからの未来も、輝くばかりの
素敵な出来事がありますよ。安心して進みなさい、と神様
から言われたような気がして、有難い限りでした。

週明けの2日間で完全リフレッシュ出来た私は今、とても
さわやかな気持ちで10月を迎えています。
 

今月から12月までという短い限定ではありますが『天's
SPACE』では、様々な方々にこの場を使って、素晴ら
しいアートの世界を表現していただきます。

最初にお迎えするのが、大分の竹細工アーティスト。野中
たんぽぽさん。来週の木曜日からいよいよ個展が始まりま
す。普段は大自然と共に生きているようなワイルドな方な
のですが、実はとても細やかな方でもあり、そこがとても
魅力的なのです。

東京で個展をしていただきたい、とお願いし、今回彼女の
真骨頂ともいえる一閑張り(いっかんばり)の作品を沢山
並べていただくことになりました。

そして、来週末、金曜日と土曜日の午前中に開催するワー
クショップ。竹籤で作品を作るのですが、その完成したカ
タチが凄いことから、調べ始めたら…ひょえ~!凄すぎで
しょ~!というところまで辿り着きました。

今回のワークショップで教わる六つ目編は、編み上げてい
くと六芒星になるものです。

六芒星。この形は正三角形を上下に重ねた星型の形のこと。
イスラエルの国旗のマークにも使われているので、ダビデ
の星を連想しがちですが、日本では古くから籠目紋(かご
めもん)と呼ばれ使われてきました。でも、なぜ籠目紋な
のか。それは、まさにワークショップで体験していただく
とわかりますが、竹ひごで編んだ籠の目の形が正六角形と
なり六芒星と同じ形になるからなのです。

六芒星や籠目紋のことを調べているうちに、どんどん凄い
世界に入り込んでしまいましたが…。いやはや、日本人の
祖先ってやっぱり凄いなって感じです。この文様は、なん
と縄文それも8000年前の縄文前期から使われていたんです
よ。竹籠ってこんな深い歴史があったのね〜!というのが
私の実感です。

まずは、籠を編むという歴史を紐解くと、縄文草創期まで
遡ります。種子島で出土した土器の底にその痕跡が見つか
ったもので、遺跡から出土した炭化材などの放射性炭素年
代測定すると、約13500年前のものなのだとか。

そして、後に籠目と呼ばれ六芒星となる編み方「六つ目編
み」(今回のワークショップで行う編み方ですね)の竹籠
は、先に書き記したように、およそ8000年前の縄文前期の
ものが佐賀にある東名遺跡という湿地から見つかっていま
す。

古墳時代には「籠目紋土器」と呼ばれる、六つ目編みの籠
目のみを土器の下につける土器が幾つも出土していますが、
呪具として使われていたのではないかと推測されています。

平安時代以後、陰陽道の影響で五芒星や六芒星の形そのも
のが邪なものを払う力があるとされ、魔除けの印として使
われていますが、それよりはるか以前から、この六芒星で
ある籠目紋は、日常的に使う土器ではなく、神事に使われ
ていたのではないかと推測されています。つまり、少なく
とも古墳時代にはこの文様には呪術的な意味があると考え
られていた、ということでしょう。


陰陽道により五角形の五芒星は仏教と結びつくようになり
ましたが、六芒星は主に神道で使われるようになりました。

神社によっては今も魔除けや聖域を守る結界として六芒星
を使っているところもあり、元伊勢と呼ばれる丹後國一之
宮籠神社の文様もこの六芒星、籠目紋が使われています。
因みに先日行ってきた伊勢神宮の灯籠にも籠目紋を見るこ
とができます。

また、奈良の天河天社の御神宝『五十鈴』も金と銀の2つ
の五十鈴が六芒星の形で吊られており、一昨年多くの方々
と奉納させていただいた鈴緒を振り鳴らすことで、一つの
音霊となります。

また、六芒星はその形と共に籠目模様の隙間も「目」であ
ると捉えられるようになり、物の怪や邪気、悪霊といった
悪い類いは「凝視」されることを嫌うということから、こ
の六芒星の籠は「目籠(めかご)」とも呼ばれるようにな
ります。

目籠は、魔除として家の玄関に吊るしたり、目籠そのもの
が無くても籠目紋にもチカラがあるとされ、お札を玄関先
に貼るという風習も生まれました。

ケチャップで有名なカゴメも、この籠目からつけたのだと
か。カメラのキャノンが観音からきていると知った時と同
じぐらい、驚きました。

そして、六芒星の星型「籠目」が魔除けなのに対し、神様
の依代とされるのが『髭籠(ひげこ)』です。これは、同
じ正六角形の形がどこまでも広がる平面を作ることができ
ることから、永遠を意味しています。

六つ目編みの竹籠を編み上げて、編みっ放しにして、竹の
末端が髭のように残ることからこの様に呼ばれているので
す。

つまり六芒星となる籠目編みの平面籠は、霊的な祓いと共
に、聖なる依代ともなる、呪術的なものだったのです。

そんな凄い六つ目編の敷物。いや…ここまで調べたらもう
敷物になんか私はできません。
昔ながらの「目籠」として玄関に飾りたいと思います。
その最後のカタチを「六芒星」にするか「髭籠」にするか。
う~ん…迷います。

でも、絶対面白いと思います。もちろん、たんぽぽさんの
貴重なお話を聞く時間も素敵になること間違いなしです。

来週木曜日からは、『天's SPACE』にて。
ワークショップは来週末10月9日(金)と10月10日
(土)どちらも先着8名(密にならないよう人数限定です)

午前10時~12時までです。

参加費は材料費込で3800円(税別)です。


『野中たんぽぽの世界』

~竹細工から一閑張りまで~

http://www.office-ten.net/tanpopo.html

…というわけで、来週金曜日はたんぽぽさんの個展のお手
伝いをしているので、来週のメルマガは少し早めに、水曜
日に発行いたしますね。

ではでは皆さま、よい週末をお過ごしくださ~い♪

あ、ちなみに、今週末は私は久しぶりにHOPIショップにお
ります。今はハミングバードや天's SPACEを軌道に乗せる
為、HOPIショップは、連絡をくだされば開く、というカタ
チをしばらくとっています。でも今週末はHOPIショップに
訪れるお客様を待ちたいな~と思い、土日ともHOPIショッ
プにいることにしました。時間は12時から17時までです。

カチーナやホピジュエリーが気になる方、私がご対応いた
します。そういう目的ではなくても、ふらり~と遊びに来
て下さるのも大歓迎です。

マスクと消毒をしてお待ちしております(笑)。

aya

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発行者   天川 彩

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情報の転載は大歓迎です。
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