2020/09/11━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

☆★☆ TEN's magazine 第936号 ☆★☆

━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net
こんにちは!天川 彩です。

今年に入ってから、コロナ関連のニュースを耳にしない日
はありませんが、ここにきて少し減少傾向にあるようで…
ようやく東京発着のGoToトラベルも始まるようですね。

また夜営業の飲食店への規制も終わり、コンサートやライ
ブの規制もかなり緩和され、社会全体に少し活気が戻りそ
うで嬉しいです。
でも、コロナウィルスそのものが無くなった訳ではないの
で、引き続き感染対策はしていきたいですね。

さてさて。来週末からいよいよシルバーウィーク到来。
先週もお知らせしましたが、来週の16日(水)に『天's
SPACE』がいよいよ本格的にギャラリーとして始動します。
7月後半から、ネイティブアメリカン雑貨店として、この場
所を使ってきましたが、本日お店のテントがつき、更に看
板もつきました。

『天's SPACE』のこけら落しに、あさい享子の個展をと
ずっと私は考えてきました。しかしあさい享子画伯から
「3月に予定していた『あさい享子 祈りの宇宙』という
タイトルでの個展は、もう少し先に開催させて欲しい」と
いう要望があり…

それより、今だからこそ「ゆるゆる~」としたものを出し
たい、ということで…私が、20年近く構想をたてていた
(オーバーなようですが本当なんです)『谷根千にゃんこ』
を表に出そう!ということになりました!

これは、浅井がTENのスタッフとして加わった数年後、
第二回「TENのアンテナショップ」というものを開催し
た折に、彼女が扇子や時計に、様々な猫の絵を描いて出品
しました。それぞれユーモラスで独自のキャラクター性が
ある猫たちが見ているだけで愉快になりました。お陰様で
その時に出品したものは全て完売。

もしかしたら、メルマガ読者の方の中に、この時のにゃん
こ作品をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。

確か今から18年ぐらい前の話ですが、私はその時直ぐに
『谷根千にゃんこ』という言葉が浮かび、浅井に「いつか
谷根千にゃんこを本格的に表に出そうね」と言い、以後ず
っと言い続けてきたのです。
谷根千とは、私たちの地元、谷中・根津・千駄木を総じて
そう言われており、今や東京下町の人気エリアとなってい
ますが…とにかく猫の街なのです。

谷中で『天's SPACE』を借りた時から「いつか、ここで
『谷根千にゃんこ』を表に出したいね~と浅井と話して
いましたが、私は少し先のことだろう…と思っていました。
ところが本人から「ゆるゆる~とした谷根千にゃんこを
今だからこそ発表したい」と申し出があり…。

また、『天's SPACE』のこけら落しなのだから『あさい
享子展』ではなくTENの何かが良い、という言葉を受け
『TEN展』という言葉が浮かんだのでそのタイトルで催
しを開催することにしました。

期間は9月16日(水・大安吉日)~9月27日(日)
(但し 9月23日(水)24日(木)はお休みです)

概ね、「谷根千にゃんこ」が並ぶと思いますが、他にも
TENらしいものが並ぶ予定です。何が展示されるかは、
ご来場のお楽しみにしていてください。
ちなみに…「谷根千にゃんこ」のキャラクターグッズも
この時から登場します♪

facebookでも『TEN展』の様子はアップいたしますので、
遠方の方は、そちらでご覧ください。

そんな、こんなの準備に大忙しのキョウちゃん。
実はTENのホームぺージ担当でもあるので、「ハミン
グバード」のHPも頑張ってくれているのですが、
今回、これまで長年使い続けて来たソフト「ホームページ
ビルダー」から「ワードプレス」というソフトに変更した
為、慣れない作業に悪戦苦闘しており…未だHPが完成し
ておりません。

そんな訳で、ハミングバードのHP。シルバーウィークが
終わったらまたHP作成再開いたします。遠方の皆さま、
申し訳ありません。ご注文は、相変わらずアナログなセッ
ト販売のみとなっております。
http://www.office-ten.net/humming/t.html

お近くの方は、是非、谷根千散策と共に、「谷中」の
『天's SPACE』「根津」の『HOPIショップ』そして
「千駄木」の『ハミングバード』3店舗コンプリートして
みてください♪

さて、本日はとても長いメルマガになってしまっておりま
すが、新たなお店誕生の裏話「コロナ時代を生きる」の第
4話を書いております。

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◇◆ 連載 ◆◇
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■『コロナ時代を生きる』第4話

自粛期間中、日常の買い物すらままならない中で普段通り
の仕事ができるはずもなく、世界中ほとんどの人と同様に
ずっと家の中で過ごしていた。

ただ、外に出ることが許されない中、お店づくりをすると
いう未体験ゾーンに踏み込んだワタシは、いつも以上に想
像力は冴えていた様で、早朝から深夜まで、考える→調べ
る→考える→連絡する→考える→調べる→考える…。と、
こんな調子で、多分一日17〜18時間以上はスマホを触って
いた様に思う。

夫は、なぜノートパソコンを使わないのか不思議がってい
た。せめてiPadを使うなど、もう少し大きな画面で仕事を
したらいいのに、と何度も言われたが、ダメなのだ。確か
にワタシ自身でも偏屈なところだと自覚しているのだか、
使う脳に合わせて選んでいるとでも言えば良いのだろうか。

ワタシは、小説などを執筆する時には必ず「ノートパソ
コン」で書く。外部との接触を遮断して、好きな場所で
(概ねカフェだが)好きなキーボードのタッチと微かな音
を感じながら集中して書きたいのだ。また会社の業務用文
章や、20年近く毎週金曜日に配信しているこのメルマガを
書く時には「会社のパソコン」で書かないと文章が浮かん
でこない。

それ以外のFacebookなども含めてSNSに投稿する時や調べ
もの、何かの発注、メールでの問い合わせなども含めて
概ねの作業や仕事は、思えばほとんど「スマホ」で行っ
ている。

要するにコロナ自粛期間中、家族と過ごす時間以外の大多
数の時間、スマホを握りしめ2つの店づくりに没頭してい
たのだ。

早朝から深夜まで、調べては問い合わせ、購入をきめてカ
ード決済をする。半分頭から湯気が出ていたように思うが
見た目は壁にもたれかかり、スマホを長時間触って暇つぶ
しをしている様にも見える姿だが、実際には過酷なほど、
仕事に集中していた。実際、当時のワタシの右手の人差し
指は、水膨れも出来ていた。

そんな作業の途中、私は一つの結論に至った。

両方一度に進めていくには無理がある。まずは名前が決ま
っているチョコレート&珈琲の販売店『ハミングバード』
に意識を集中しよう。このお店をオープンさせた後、ギャ
ラリーの店舗のことを考えることにしよう。

そう思った途端、気持ちがスーッと楽になった。

真っ先に大好きなオーガニックチョコレートの輸入会社さ
んに連絡を入れ、その後もチョコレートの輸入会社さんに
幾多とコンタクトを取った。

そしてスペシャルティ珈琲豆を扱う商社さん、友人が経営
するグラノーラ屋さんや、合羽橋の珈琲用具問屋さん、制
服屋さん、などなど…。必要だと思うところに片っ端から
連絡した。

しかしソフト面はどんどん進んでも、いわゆる建物の内装
と外装であるハード面が進まず…だった。建物そのものは
綺麗なのだが、問題は『床』。前にも書いたがオーナーさ
んのご自宅一階部分の大型ランドクルーザー駐車場だった
場所を店舗貸しとした為、床にかなりの傾斜がある。

契約前、大家さんから一ヶ月の家賃をサービスするという
回答があり、立地も良く建物も綺麗。家賃もサービスして
もらえるならば、やはり借りない手はない。そう思って契
約したのだが、この傾斜だけはやはり直さなければ…。

内装業者さんを探してみるものの、コロナ自粛期間中とい
うことで、直接会ったり相談することも難しく、また少し
話が整い、見積もりを出してもらっても、目が飛び出るか
と思うほど高額なものだったりした。ネットで色々探して
みたが、やはりロゴマーク作りの時に素晴らしいグラフィ
ックデザイナーの海野さんと出会えた様なピン!とくる業
者さんもいなかった。

そんな時、ふと頭に浮かんだのが、近くに住む木工作家の
磯部さんだった。

磯部さんとの出会いは、ホピショップを始めた直後、偶然
店の看板を見て来てくださったというご縁だ。その日、磯
部さんとホピの話以上に話が盛り上がったのは、縄文に関
する話題だった。ワタシは、青森で三内丸山遺跡が発見さ
れた時、衝撃を受け、以後30年近く「日本人の原点」とい
う観点で日本各地に残る縄文遺跡を巡ってきた。厳密に言
えば、ここ10年ほどは取材という名目も重なり縄文遺跡や
縄文からの文化が残る場所を巡り続けてきた。

一方、磯部さんはというと縄文をアートの視点から捉え発
信する為に誕生したNPO法人Jomonism(ジョウモニズム)の
一員であり、これまでにも仲間の人々と共に、様々な縄文
アートイベントを行なっている。有り難いことに縄文関連
のイベントにワタシを講師として声をかけていただいたこ
ともある。要するに友人としてのご縁はずっとあった。

彼の木工作家としての腕はわからなかったが、頭に浮かん
だということは、彼なのではないかと思った。

そんなワタシの予感は見事に的中した。

彼と、彼から紹介された彼のお姉様でアンティークの家具
の会社と内装の会社を経営されている佳世子さんのお2人こ
そがワタシが探し求めていたエキスパートたちだったのだ。

実際に工事に取り掛かかってもらったのは、6月に入ってか
らだった。

問題だった床の工事は、梅雨時期で予定より大幅に時間が
伸びてしまったが、焦っても仕方がない。完全に乾くまで
指折り数えて待ったが、乾いてからは速かった。

床が上がったことで、既存のドアが使えなくなり新たなド
アが作られることになった。佳世子さんから「理想だと思
うドアの写真があれば、探して送って」と言われ、ワタシ
は絶対に無理だろう…と思いながら、ヨーロッパの街角に
あるような可愛いお店の写真をいくつか送ってみた。

するとワタシが想像すらしていなかった素敵なデザインの
店舗図が直ぐに送られてきた。何とディスプレイスペース
まで準備され、ワタシが「ドアはチョコレートみたいな細
工があると嬉しい」というリクエストまで叶えられていた
のだ。

それから2週間ほど経って…その店舗図は立体となって目の
前に現れた。

ワタシは磯部さん姉弟は魔法使いなのではないかとすら思
った。

続く…。

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来週の金曜日は『TEN展』開催直後でありシルバーウィーク
直前ということで、きっと目が廻っている状態かと思いま
す。そんな訳で来週はメルマガお休みさせてください。
東京近郊の方は、是非、お店へ遊びにいらしてくださいね♪
                    aya

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発行者   天川 彩

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