2020/09/04━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

☆★☆ TEN's magazine 第935号 ☆★☆

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こんにちは!天川 彩です。

あっという間に9月になってしまいましたね。夏を満喫す
ることなく、秋に突入か…という寂しい気持ちがあります
が、今年は何もかもが通常とは異なっているので、致し方
ないですよね。でも例年通り変わらないのが台風。
既に9号が通り過ぎて行ったようですが、台風10号が沖縄、
九州にかなり接近しているようですので、台風進路のお近
くにお住まいの皆さま、どうぞ気を付けてお過ごしてくだ
さいね。

さてさて。コロナ騒動が始まって以来、超猛烈スピードで
様々なことが駆け抜けていき、目まぐるしかった半年でし
たが、ようやく日常が戻ってきはじめているような感覚で
す。
先週末は、長女夫婦と夜待ち合せをして一緒にご飯を食べ
に行ったり、平日夜ではありましたが家族誕生会を開いた
り、今週休みの日には、次女と映画やショッピングを楽し
んだり…。

とはいっても、相変わらずのマスク生活ですし、過剰なほ
どのアルコール除菌生活ですが(笑)。

ようやくプライベートの時間を楽しむ余裕が出てきた感じ
です。

今日は仕事を少し抜け出して、前から行きたかった東京藝
大美術館で開催中の特別展『あるがままのアート~人知れ
ず表現し続ける者たち~』を観に行ってきました。
既存の美術や流行、障害の有無など一切関係なく、ただひ
たすらに表現し続けるアーティストたちの作品は、ワタシ
の深い部分に直球で響きました。あ~!自由って素晴らし
い!表現するって素晴らしい!素直にそんな気持ちになり、
なんともいえない解放感に包まれた時間となりました。

事務所に戻り再びお仕事に取り掛かかり、現在に至るわけ
ですが、時間がかかっていた「ハミングバード」のHPも
ようやく目途がついてきました。

今日はカート機能の登録もようやく終了。近日中には遠方
の皆様にもネットから簡単にチョコレートや珈琲をご購入
いただけるよう準備が整いそうです。

来週には、そちらのHPのご案内も出来る様に急ピッチで
頑張っていますヨ♪
そして急ピッチといえば「天′s SPACE」での、
あさい享子の個展。9月16日(木)から開催です。
SPACEの方ですが、現在少々手直しに入っておりま
して…。

3月の個展開催予定から半年。まさに満を持しての開催と
なります。詳細は来週お知らせいたしますね。

さてさて。現在連載中の『コロナ時代を生きる』ですが
今日は第3話。

ホピとチョコレートの繋がりについて書きました。


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◇◆ 連載 ◆◇
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■『コロナ時代を生きる』第3話

今回は、平和の民ホピ族とチョコレートの話を中心に書こ
うと思う。自粛期間が明けたら、多分少しずつでも普通の
日常に戻れるのだろう…。ワタシはその頃安易に考えてい
たが、現実は全く異なっていた。

アメリカでの感染者が日増しに増えていくニュースを見な
がら、今年はホピ族の村には行けないな、と漠然と思った。
アメリカ先住民・ホピ族との付き合いは今年で22年目とな
る。彼らとの出会いは『HOPI〜平和の民から教えてもらっ
たこと〜』(徳間書店)に詳しく書いているが、彼らのも
とに通い続け、文化や精神性を学ぶうちに、様々な経緯で
ホピ族の専門店を開くに至っている。

都内にホピショップSun&Rainを開いて8年目になるが、ホピ
ARTショップというネットショップから通算すると18年。

彼らのスピリットが込められた芸術品ともいえる品々を循
環させるのが、ワタシの一つの役割だと考え続けてきた。
もちろん、現地の多くのホピの友人たちにサポートしても
らってきたことは言うまでもない。

しかし、コロナの影響でホピの村どころかアメリカに行く
ことすらままならない状況にあることを悟った。
そして、ホピショップも3月下旬から5月末までほぼ閉める
こととなった。

ワタシは、どうしたらホピショップを、そして会社そのも
のも守ることが出来るだろうかと毎日考えていた。
そんな矢先のある日、突然目の前に新たな物件が現れた。
ホントに小さな小さな空間だったが、そこを見た時「ここ
でオーガニックチョコレートを売るお店をしよう」と瞬間
的に決めた。

ホピの祖先はチョコレートの原材料であるカカオを聖なる
食べ物として扱ってきた歴史がある。昔は薬としても用い
られてきたカカオ。コロナ禍において、最後は免疫力が切
り札となることは知られているが、ポリフェノール豊富な
オーガニックカカオは、まさに免疫力をあげる宝のような
食べ物ではないか。

今の時代だからこそ、絶対にオーガニックチョコレートは
求められている!ワタシはそう思った。

ホピ族をはじめプエブロインディアンと呼ばれる人々の祖
先たちが、かつて過ごしてきた遺跡は、アリゾナやニュー
メキシコを中心に数多く残っている。ワタシもそのいくつ
かを巡ってきた。中でも、北米最大で1987年に世界文化遺
産にも登録された『チャコキャニオン』は、彼らの最も神
聖な宗教施設であり、ワタシも大好きな場所だ。

その遺跡群にある最大集落跡「プエブロ・ボニート」で発
掘された杯の破片から、チョコレートの主原料であるカカ
オの成分が2009年検出された。

またメソアメリカ(現在のメキシコからコスタリカに至る
地域)の人々の遺跡などでは、かつてプエブロ族が採掘した
とされるターコイズなどの宝石が出ている。

プエブロ・ボニートを訪れたメソアメリカの人々が、持っ
てきたカカオ豆がこうした宝石や装束に使うオウムの羽な
どと交換されてきた証だという。

昨年も久しぶりに『チャコキャニオン』を訪れ、ホピ族の
友人の紹介で知り合ったロイともその遺跡についての話で
盛り上がっていた。
そんな帰りの飛行機の中で、ワタシは偶然ロイが映ってい
る映像を観た。なんとロイは、ホピの何人かの長老たちと
共に遺跡調査を行なっている重鎮の一人だったのだ。
映像には、チャコキャニオンが天体観測の場であった話や
儀式に欠かせないチョコレート作りの話などが詳しく紹介
されていた。

ワタシは飛行機の画面を夢中で写真に写した。

ワタシの心は高鳴った。チョコレートは現代人にも愛され
る美味しいスイーツだが、ホピの人々にとっては神様と繋
がる聖なる食べ物だったのだ…。

でも、どうしたらそういうことを伝えられるのだろうか。

コロナ禍の中、目の前に現れた小さな物件を見て、その時
の思いが瞬時に繋がった気がした。

チョコレート屋など一度もしたこともなく、全く専門知識
もない。でも、先に記したように免疫力を高める食べ物で
あり、神さまと人を繋ぐ食べ物を売る店ならば、絶対にで
きるはず!とワタシは直感的に思った。

続く。。。


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チョコレート屋さんもギャラリーも、まだまだ完成形には
至っていません。でも、想像したものがカタチに整ってい
くことって、本当に面白いなと感じます。

今日東京藝大で観た「あるがままのアート」に刺激を受け
いつか私も粘土でアート作品を生み出してみたいなぁなん
て漠然と思いました。でも、その前に今手掛けているもの
をカタチに仕上げ、そして、ファンタジー小説…ちゃんと
カタチにしたいです。でも粘土でアート作りながら、小説
の話をすすめていくなんて…ん~なんともいい感じ♪
今日のアート展にかなり刺激されているワタシです。
                    aya

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発行者   天川 彩

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