2019/10/25━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★☆ TEN's magazine 第892号 ☆★☆
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こんにちは!天川 彩です。
今週は火曜日に、天皇陛下が即位されたことを国内外に宣明さ
れた「即位礼正殿の儀」が行われましたね。
日本中、世界中がお祝いムードに包まれる中、その直前まで降
り続けたお清めの雨があがり、皇居に大きな虹がかかるという
神様からの奇跡のような祝福も目にして、喜びに震えました。
でも、そんな慶事の半面、各地の自然災害の爪痕が、益々酷く
なり…今日も大雨により千葉では河川が氾濫。またこの後、北
関東や東北に雨雲が移動しているようで、本当に心配です。
どうか、これ以上被害が広まりませんように…。
それにしても、ここのところ週末になる度に、台風がやって来
たり大雨が降ったり…。
神様から、私たち現代人の生き方や考え方を、今一度見直すよ
うに言われているように感じませんか?
先週、第一報をお知らせしましたが、11月30日(土)に、
『空海 その足跡と祈り』と題したイベントを開催することに
しました。
なぜ、今、空海に関するイベントを開催しようと思ったのか。
それはひとえに、今こそ空海の思いや祈りに触れ、今の日本の、
そして日本人としての在り方を皆で見つめ直してみたいと思っ
たからです。
空海は、生涯を通して鎮護国家を祈り続けていました。この
「鎮護国家」とは天皇の安泰を祈り万民の幸福を祈ることを
指します。特に空海が大切にしていたことは、万人の幸福を
祈ることでした。
唐に渡った空海は、仏教の「五明学」と呼ばれる学問を修め
ますが、その中の一つである工巧明(くぎょうみょう)に含
まれる土木工学も学んだことから、帰国後、人々の苦しみを
救う為に、数多くの土木作業も手がけました。
中でも、香川の満濃池堤防再建は、有名な話です。ちょうど
今から1200年前の818年。彼の地で大雨が降り池の堤防が決
壊。大洪水となり工事が難航し、集落の人々の生活が3年も
の間脅かされていました。そんな中、要請されたのが空海で
した。
まずは祈祷を施し、その後は工事の陣頭指揮をとり、821年。
わずか3カ月で成功させたのです。これは、空海を慕う大勢
の人々の力が結集したこと、土木工学の知識と経験、そして
物事がスムーズに進むよう神仏もサポートしてくれる祈りの
力があったからでしょう。
ここ数年、連続して日本各地が大災害に見舞われています。
特に今年は連続して台風が上陸したり大雨による甚大な被害
が引き起こされていますが、これは疑いようもなく異常気象
がもたらすもので、地球温暖化が原因であることは専門家の
一致した見解です。
しかし8月にニューヨークで開催された「国連気候行動サミ
ット」において、日本政府は気候変動に限らず、環境問題
全般にも無関心なことが浮き彫りになりました。
また、戦争の痛み、原爆の恐ろしさを痛感しているはずなの
に、この国は再び愚かな戦争に加担しようとしていること、
原発事故の後も、未だ原発を稼働し続け、事故処理や多くの
被災者や犠牲者を後回しにし続けていることを、空海はどの
ような思いで見ているのでしょうか。
1200年以上経っても今尚、高野山の奥の院で生き続け、民衆
を加護し続けていると言われている空海。
弱り切った今の日本を、今一度奮い起こし元気にしてもらい
たい、そんな思いからこのイベントを企画しました。
ゲストとしてお招きするのは、高野山に生まれ、50年以上に
渡り弘法大師・空海と向き合い続けている写真家、永坂嘉光
氏です。空海や高野山に関する多数の写真集を出版。
今春まで大阪芸術大学教授として、長年写真教育の現場に携
わり、日本写真芸術学会芸術賞、日本写真協会作家賞、和歌山
県文化功労賞、地域文化功労者文部科学大臣表彰など多数受
賞されています。
永坂氏が50年の歳月をかけて写してこられた、空海の足跡や
祈りの場のスライドと共に、幸福とは、平和とは、そして祈り
とは何か、問いかける一日にしたいと思っています。
尚、今回のイベント売上げから経費を除いた10%を、日本赤十
字社に募金したいと思います。先日来より、これから年内、
カチーナ及びホピジュエリーの売り上げから10%は義援金とし
て募金したいと思っている、とお伝えしておりましたが、募金
先は未定でした。でも、連日の報道を見ていても被害に遭った
地域があまりにも広範囲であり、未だその全貌がわからないこ
ともある為、日本赤十字社にしたいと思います。
義援金は、日本赤十字社のほか、共同募金会(赤い羽根)、被
災自治体、そして各報道機関などで構成される「義援金分配委
員会」にまとめられ、被災者の生活再建資金として公平に分配
されます。
私自身、かつて阪神淡路大震災で被災者となった折、この生活
再建資金から分配された義援金で助けられた経験があります。
私たちが出来ることはほんの僅かなことです。でも少しでも、
人々の役に立てたなら、それが私たちの幸せです。
11月30日(土)のイベントの詳細は、近日このメルマガ等を通
してお伝えいたします。
今日はコラムではありませんが、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」
に、高校生として唯一招待された沖縄の女の子、相良倫子さん
が書いた、平和の詩「生きる」を紹介したいと思います。
この詩は昨年の沖縄慰霊の日に朗読された、相良さん自身が書
いたものです。書いた当時は中学生。
かつて、愛子さまが中学3年生の時に書かれた詩が素晴らしく、
このメルマガで、やはり紹介したことがありました。
天皇陛下が、なぜ16歳の高校生を「即位礼正殿の儀」に招待
されたのか。それは天皇皇后両陛下の想いの代弁でもあると
感じたからに他ならないと私は思います。
こんなに平和を愛され、祝賀パレードよりも、被災地で苦しむ
人々に心寄せることを選ばれる両陛下。
だからこそ、空海の祈りもである「鎮護国家」を私たちも祈り
たいと思います。
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◆◇「即位礼正殿の儀」に招待された少女の 平和の詩◆◇
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「生きる」
沖縄県浦添市立港川中学校 3年 相良倫子
私は、生きている。
マントルの熱を伝える大地を踏みしめ、
心地よい湿気を孕んだ風を全身に受け、
草の匂いを鼻孔に感じ、
遠くから聞こえてくる潮騒に耳を傾けて。
私は今、生きている。
私の生きるこの島は、何と美しい島だろう。
青く輝く海、岩に打ち寄せしぶきを上げて光る波、
山羊の嘶き、小川のせせらぎ、
畑に続く小道、萌え出づる山の緑、
優しい三線の響き、照りつける太陽の光。
私はなんと美しい島に、生まれ育ったのだろう。
ありったけの私の感覚器で、感受性で、
島を感じる。心がじわりと熱くなる。
私はこの瞬間を、生きている。
この瞬間の素晴らしさが この瞬間の愛おしさが
今と言う安らぎとなり 私の中に広がりゆく。
たまらなく込み上げるこの気持ちを
どう表現しよう。
大切な今よ かけがえのない今よ
私の生きる、この今よ。
七十三年前、私の愛する島が、死の島と化したあの日。
小鳥のさえずりは、恐怖の悲鳴と変わった。
優しく響く三線は、爆撃の轟に消えた。
青く広がる大空は、鉄の雨に見えなくなった。
草の匂いは死臭で濁り、光り輝いていた海の水面は、
戦艦で埋め尽くされた。
火炎放射器から吹き出す炎、幼子の泣き声、
燃えつくされた民家、火薬の匂い。
着弾に揺れる大地。血に染まった海。
魑魅魍魎の如く、姿を変えた人々。
阿鼻叫喚の壮絶な戦の記憶。
みんな、生きていたのだ。
私と何も変わらない、懸命に生きる命だったのだ。
彼らの人生を、それぞれの未来を。
疑うことなく、思い描いていたんだ。
家族がいて、仲間がいて、恋人がいた。
仕事があった。生きがいがあった。
日々の小さな幸せを喜んだ。手をとり合って生きてきた、
私と同じ、人間だった。
それなのに。
壊されて、奪われた。
生きた時代が違う。ただ、それだけで。
無辜の命を。あたり前に生きていた、あの日々を。
摩文仁の丘。眼下に広がる穏やかな海。
悲しくて、忘れることのできない、この島の全て。
私は手を強く握り、誓う。
奪われた命に想いを馳せて、心から、誓う。
私が生きている限り、
こんなにもたくさんの命を犠牲にした戦争を、
絶対に許さないことを。
もう二度と過去を未来にしないこと。
全ての人間が、国境を越え、人種を越え、宗教を越え、
あらゆる利害を越えて、平和である世界を目指すこと。
生きる事、命を大切にできることを、
誰からも侵されない世界を創ること。
平和を創造する努力を、厭わないことを。
あなたも、感じるだろう。この島の美しさを。
あなたも、知っているだろう。この島の悲しみを。
そして、あなたも、私と同じこの瞬間(とき)を
一緒に生きているのだ。
今を一緒に、生きているのだ。
だから、きっとわかるはずなんだ。
戦争の無意味さを。本当の平和を。
頭じゃなくて、その心で。
戦力という愚かな力を持つことで、
得られる平和など、本当は無いことを。
平和とは、あたり前に生きること。
その命を精一杯輝かせて生きることだということを。
私は、今を生きている。
みんなと一緒に。そして、これからも生きていく。
一日一日を大切に。平和を想って。平和を祈って。
なぜなら、未来は、この瞬間の延長線上にあるからだ。
つまり、未来は、今なんだ。
大好きな、私の島。誇り高き、みんなの島。
そして、この島に生きる、すべての命。
私と共に今を生きる、私の友。私の家族。
これからも、共に生きてゆこう。
この青に囲まれた美しい故郷から。
真の平和を発進しよう。
一人一人が立ち上がって、
みんなで未来を歩んでいこう。
摩文仁の丘の風に吹かれ、私の命が鳴っている。
過去と現在、未来の共鳴。
鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。
命よ響け。生きゆく未来に。
私は今を、生きていく。
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◆◇編集後記◆◇
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明後日から2週間、フィリピンへ行って来ます。
何をしにフィリピンへ?と思うかもですよね。実は2週間、短期
語学留学をしてきます。今年の春、GWのイベントでお手伝いに
来てくださった陽子さん。通訳などのお仕事と共に海外留学のお
手伝いをする会社を経営されており…。世間話の感覚で海外留学
の話を伺っていました。私はアイルランドで1年ぐらいかけて、
語学留学してみたいという夢があり、それを話したのですが、
「ayaさん、アイルランドも素敵ですね。でも、もしも本気で英
会話を短期集中で勉強したいのならば、フィリピンです。今や
語学留学するならフィリピンというのが一般的になっています」
と聞いて…。そんなこと、全く知りませんでした。
最初は冗談半分で行ってみるのもアリかな、と言っていたのです
が、これまでのワタシから少しでも進化?した方が、世界がより
広がり楽しくなるだろうと思いチャレンジしてきます。
もっと頭が柔軟な若い時に行っていたなら、ある程度の成果は
あるかと思いますが、この年齢なので(笑)。更に今更ながら、
北方民族であるワタシ。高温多湿の亜熱帯気候が耐えられるか
しら、なんてことも頭をよぎります。
その上、日本語での会話は不可というスパルタ式だそう。
何から何まで、ちょっとドキドキものですが、人生チャレンジ
精神が無くなったら、つまらないので…。自分らしくコミュニ
ケーションしてフィリピン人の先生とお友達になれたらいいな〜
ぐらいの気持ちで行ってきます。
授業は毎日朝8時半から18時まで、とのことなので夜は小説を書
こうと思っていますが…。さて、どうなることやら。
aya