2019/08/23━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ☆★☆ TEN's magazine  第883号     ☆★☆

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こんにちは!
オフィスTENスタッフのタナカアキコです。

今回のメルマガは、先月に続き今年2度目のHopiツアーへと出発
した天川(彩さん)に代わり、私、タナカが代理発行でお届けいたし
ます。

今回のホピツアーは、7月の旅の行程とは大きく異なり、世界一美し
い街と言われる「サンタフェ」や、ホピの祖先たちのかつての宗教施
設とされるアメリカ最大の遺跡「チャコキャニオン」、更にズニ族の
村なども巡るもの。ホピにも3日間滞在するので、今回もどんな出逢
いや時間が待っているのか。。。

新たにスタッフとなった小泉と共にワクワク想像を膨らませながら、
ホピショップで過ごしております。


お仕事やご家庭の事情で、なかなか長期休暇の取れないメルマガ読者の
皆さまは大勢いらっしゃるかと思います。そんな皆さまへ、少しでも
「随神(かんながら)」の“旅”の醍醐味を味わっていただきたい!と
思って、今回の“勝手にタナカ企画”のコラムアーカイブでは彩さんの
こんなコラムをピックアップしてみましたよ♪

今まさに、ツアーの皆さまが訪れている場所へ。
ぜひご一緒に、彩さんと“旅”をしている感覚、味わってみて下さい。

そして、久しぶりの開催が決まりました『TENの富士三昧』ツアー!
こちらは2泊3日とご参加いただきやすい日程と、これでもかっ!と
言うほどの富士山三昧!!!
季節によって、日によって、本当に美しいお姿を見せてくれる富士山。
今回のツアーでは、どんな表情を見せてくれるのでしょうか。そして、
どんな「随神(かんながら)」が待っているのでしょうか。

「TENの旅」でしか味わえない時間を、ぜひご一緒しませんか?
詳しくは本文をご覧ください♪


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◆◇コラム・風の文様◆◇ ☆☆アーカイブ☆☆
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□「旅の不思議」    2016年12月 メルマガ第748号より


旅行と旅。これは似ているようで異なる。自分が暮らしているところから
離れて、他の地へ暮らす為でも仕事の為でもなく向かい、他の地で日常と
異なるものに触れる、ということは共通していることだろう。

しかし、私は「旅行」は予め定めた目的や目的地へ行程通り向かい、定
めたスケジュールをこなしていくものだと思う。

それに対して「旅」は予め定まった行程や、定まったスケジュールなど
存在せず、その時に起ること、その時感じたままに行動を決めるものな
のではないかと思う。

だから、一人旅、女子旅、などといっても最初から綿密な計画を練り、
その計画に沿って行程を行っていく場合は、旅ではなく旅行なのだろう。
反対に複数であっても、定まったスケジュール通りではないものは、旅
行とは言わず、旅なのではないだろうか。私たちTENが企画している
旅企画では、参加者はお客様ではなく旅の仲間だ。

旅は英語で「travel」。これは中世英語で「苦しみ」とか「骨が折れる
仕事」とか現代も「陣痛」も意味している。
また漢字の「旅」については、遍は旗を、つくりは大勢の人々が集うこ
とを意味し、祭祀を行うため、多くの氏族がそれぞれの旗を立てて、祭
祀の場に行くことを示す文字ともいわれている。

日本語の「たび」は、よそのご飯を食べる「他火」や家から出て他で過
ごす日という意味から「他日」であるなど諸説あるようだ。

また「かわいい子には旅をさせろ」という諺があるように、旅は決して
旅行のように安全快適な娯楽ではないかもしれない。時には危険も孕む。
しかし、何かを信じて進んだ先には、思いもよらない素敵な出会いも沢
山ある。

先日のアリゾナとニューメキシコへの旅もそんな旅だった。

当初の予定では、仕入れと取材だった。通常ならば出張と呼ばれる類の
ものなので、スケジュール通りに物事が進まないとマズイ!ということ
になるのだろう。しかし、私たちの場合は、常に随神(かんながら)。
神のご意思にお任せなのだ。相手と連絡が取れない、ということは今で
はないと判断して、思い切って、ホピの滞在ホテルの日程を変更しても
らい、サンタ・フェ方面に行くことにした。

サンタ・フェの町を歩くのは多分十年ぶりぐらいだった。相変わらずお
洒落な町並みは、どこを切り取っても絵になる。アドビー造りといわれ
る日干し煉瓦を使った建物が真っ青なそらによく映えて美しい。そんな
建物の中に無数に入っているファッショナブルなお店の中の一つに、ホ
ピのカチーナ人形がショーウィンドーに飾られたお店があった。
中に入ると、カチーナ人形がズラリと壁に並んでいた。サンタフェにも
こんなお店があるのだな〜と感心していると、横にいたキョウちゃんが
「このお店のロゴ、何処かで見たことがあるような…。そうだ!前に、
うちのお店にやって来た人のお店ですよ」という。確かに、二年ほど
前になるだろうか。

日本に旅行で来られた折、お散歩していて偶然、看板を見つけて立ち寄
って下さったご夫妻で、サンタフェでお店をされている、というお話は
確かに聞いていた。互いに散歩中に偶然見つけるだなんて、なんという
奇遇なことだろう。

その後も偶然は続いた。

あれは確か、ホピ滞在三日目のことだったと思う。
いつも会う友人たちに、なかなか連絡が取れなかったことから、今回、
たまたまFacebook繋がりの人にも会うことにした。約束の時間に約束
の場所まで現れた彼は、すぐさま自宅へと案内してくれたのだが…そ
の道は、かつて長年お世話になっていた今は亡きマーティン長老の家
の方向だった。私の胸は高鳴った。なぜなら、長老が存命の間は、長
老が誘導してくれているかのように、一度も道に迷ったこともなかっ
たのに、他界してからというもの、不思議と道が全くわからなくなっ
てしまっていたのだ。あの懐かしい道だ!もしかすると、長老が住ん
でいた家の前まで行けるかもしれない…。そう思った途端、道を曲が
り、見知らぬ家の前で車が止まった。

家に入ると、真っ先にイエスキリストの絵画が目に入った。

ホピの人の家で、これまで一度も見たことが無いクリスチャンの家だ
った。正直なところ、少し違和感があった。しかし宗教は人それぞれ
の拠り所だ。それはそれなのだろう…。でも私は聞いてみた。
「あなたはクリスチャンなのですか?」と。すると彼は笑いながら
「まさか。自分は伝統的なホピだから。あのキリスト教のものは、妻
の母親のものだよ」という返答だった。
それだけではなく、彼はなんとマーティン長老のお孫さんレイナルド
だったのだ。

「それなら、もしかしてあなたのお母さんは、ドリーンなの?もうず
っと何年も会えなくなったままのドリーンなの?」と聞くと「そうだ
よ」と言う。

そして直ぐにドリーンを電話で呼んでくれたのだ。ドリーンも私と会
いたいと思い続けてくれていたらしい。
ドリーンと私は、しばし涙の抱擁の後、その後、マーティン長老の昔
話に花が咲いた。レイナルドが作ったカチーナは、全て天然素材で出
来ているのだが、作り方も素材の集め方も、幼い頃からマーティン長
老に教わっていたのだという。私たちは、マーティン長老のスピリッ
トが導いてくれたと確信した。

その後も、様々な出会いがあった。出発前には、ほとんど連絡が取れな
かった友人たちとも、絶妙なタイミングで会えたことで取材を行い、ま
た、もの凄い勢いでカチーナ人形やジュエリーも集まった。

私は、予定を一日繰り上げて、前から気になっていたズニ族の村にも行
ってみることにした。

ズニに対しては、ほとんど知識という知識がなかった。ただ、ホピと同
じプエブロという文化圏のインディアンであること。カチーナ信仰が
ホピほど厳粛ではないが今も尚続いているということ。インレイと呼ば
れる石を組み合わせる手法のインディアンジュエリーを得意とする部族
であるということぐらいだろうか。

ズニの村に行く前、ネットで調べると「ズニを訪れる全ての旅行者は、
まずは『ビジターセンターに立ち寄るように』とインフォメーション
されていた。しかし、平日の昼間だというのに、行ってみると閉まって
いる。ドアには、翌日の儀式準備の為、お休みであること。翌日は午後
2時から儀式が始まることなどが張り紙で書かれていた。どうやら翌日
はオールナイトで儀式が行われるらしい。しかし、私たちの宿はそこか
ら3時間離れた、空港側のホテル。更に、翌々日の早朝の飛行機に乗って
日本に帰らなければならないのだ。オールナイトの儀式など行けるはず
もない。

周囲に歩く人もほとんどなく…車で少し進んでみると、今度はミュージ
アムの文字が。さすがに月曜でも土日でもないのだから、ミュージアム
は開いているだろう…と思っていたら、そこにも張り紙が。

まさに「なんてこった〜」という感覚になった。

一軒だけ、スーパーが開いていたので中に入り、係りの人に色々聞いて
みるも…「旅行者なら明日の夜に村に来たらいいわ」というだけだ。

いやいや、村に再び来たって…どこにどうやって行けばいいのかも全く
わからない。

駐車場に戻り、途方に暮れていた時、スーパーから子連れの若い母親が
出てきた。この母親に聞くしかない!私は咄嗟にそう思った。同行して
いるキョウちゃんに、「あなたと同じ世代の母親繋がりってことで、ち
ょっと声かけてみて」と頼み、このあたりの文化についてどうやったら
触れられるのか聞いてもらった。

すると、自分は古い文化のことはわからないから、そのあたりにある古
い造りの家の人に尋ねるのがいい、という。私は何軒かある古い家の中
で、ある家の扉を定めた。実はその家の向かいには、パン焼き窯があり
ずっと煙が立ち上ってたのだ。
そんな文化が残る家の人と話をしてみたい!私は単純にそう思った。

その家のドアをノックすると、若い女性が出てきた。事情を話すと奥の
母親が出てきた。その母親は、事情を聞いてくれた後、ビジターセンタ
ーに誰かいないか電話をかけてくれたり、ミュージアムにも電話をして
くれたり…。忙しい中、見ず知らずの私たちの為に、いろいろあたって
くれたのだが、やはり何処も繋がらないことを察すると…。
「それなら、明日の朝からうちにいらっしゃい!明日の儀式の時間まで
家族が案内したりしてあげられると思うから」と言ってくれたのだ。

本当に信じられないような流れになった。

翌日は、アメリカ滞在最終日だったこともあり、プエブロインディアン
博物館やターコイズ博物館などをゆっくり巡る予定にしていた。
しかし、それどころではなくなったのだ。

私たちは3時間かけてホテルに向かい、翌々朝、すぐにチェックアウト
できる準備を整え、考えつくお土産を全て箱に詰め、そして仮眠をとっ
た。

翌朝、陽を浴びながらズニの村へ向かう途中、私は旅の不思議を思った。
前日まで、誰一人として知り合いもなく「ビジターセンター」すら行け
なかったというのに、今日は、約束しているファミリーの家を訪問でき
るのだ。

扉をノックしたら、昨日と同じ満面の笑みを称えた、この家の女主人
リンダが出迎えてくれた。そしてリンダや彼女の娘や姪などに交じり、
精霊に捧げるパン造りを一緒にさせてもらったり、家族に村の儀式会
場を案内してもらったりしながら、儀式が始まる時を待った。


その日の儀式は「シャラコ」と呼ばれる精霊がやって来るもの。精霊
カチーナ信仰は、ホピのみならずズニや他のプエブロにも若干残り静
かに様々な儀式が行われている、ということは書籍で読んではいたが
まさか、このような体験が待っているとは想像すらしなかった。

「シャラコ」というカチーナは、ホピでは35年に一度しか現れないの
だが、ズニでは年に一度、現れるのだそうだ。「シャラコ」は、新年
を祝う精霊であり、その年の豊作と世界の平和を祈る役割がある。
ホピでもそうだが、冬至は一年の始まりである。今は厳密な冬至では
なく12月の始まりを季節の始まりとして、そこからすべてのサイクル
が始まるのだ。

日が暮れて…いよいよシャラコ登場となった。
暗闇の中、遠く河原の上流から、列をなして大きな声と共にやってく
る。村人の女性たちは、精霊シャラコに聖なるコーンミールをかける
ため、前に出ていたが、私たちは精霊を驚かさないよう車の陰から見
るよう言われた。

十年ぐらい前になるが、ホピでも同じような体験がある。ホピの友人
が、後から直ぐに行くから、先に行っていて、というので人が集まっ
ているところまで行ったら、カチーナの真正面に出てしまった。驚い
たカチーナからもの凄く怒られたことがあり、その時、村の女性に
「車の陰に隠れて見なさい」と言われたことを思い出した。

「シャラコ」はおよそ3メートルもある大きなカチーナだ。
そのカチーナが行列して歩いているのだ。その有難さに手を合わせて
見送っていると、リンダが着いていらっしゃい、という。リンダは、
シャラコの直ぐ後について歩いた。前は許されないが後ろなら良い
らしい。まるで吉田の火祭りのすすき祭りで真っ暗な中、神輿の後を
追うような、天河の鬼の宿神事で提灯行列の後を歩くような…
そんな感覚になった。

そして「シャラコハウス」までたどり着くと村人が入る扉から一緒に
入れてくれた上に、儀式の始まりまで一緒に体験させてくれたのだ。

もう、夢の中にいるのか現実なのか、境目がわからなくなった。

しかし、私は現実を忘れるわけにはいかなかった。翌朝、8時発の飛
行機で日本へ向かわなければならない。いや、その前、午前0時まで
に、レンタカーを返さなければならないのだ。
全く違うが、ちょっぴりシンデレラのような気分を味わいながら、
カチーナダンスが続くズニの村を後にした。

翌朝、どうにか滑り込むように飛行に乗り、目を瞑るとすぐに眠り込
んだ。カチーナたちと共にいる夢をみた。でも直ぐに目が覚め、自分
が飛行機の中にいることを確認したのだが、ズニの村では、カチーナ
たちと村人たちが現実として新年を祝い世界の平和を祈りながら踊っ
ているのだ。

なぜ、こんな体験をさせてもらったのか。その答えは今はわからない。
しかし、きっとそれは次に繋ぐことがあるからなのだろう。

旅は、何が待っているかわからない。
旅行とは異なり、行程通り、予定通りというわけにはいかない。
しかし、随神(かんながら)でその時に起ることを素直に楽しむ感性
を持っていれば、素晴らしい時間しか待っていない。

自分の旅も、皆さんをご案内する旅も、いつも不思議がいっぱいだ。
もしかすると、私の人生は旅によって導かれているのかもしれない。


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◇◆募集中!!◆◇
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        『TENの富士三昧』ツアー

   2019年9月14日(土)〜9月16日(祝・月)
           2泊3日
         45,000円(税別)
 
          (東京・発着)

          募集人員 15名        

        最低施行人員 6名

   詳細 http://www.office-ten.net/fujizanmai/t.html


日本一の霊峰 富士山。
TENでは今年、皆様に富士山をこよなく愛でていただきたく
「富士三昧」ツアーを企画いたしました。

このツアーはタイトルの如く霊峰富士をたっぷりご堪能いただきます。

美しく夕陽に映える富士。満天の星空が散りばめられた富士。
そして朝の御来光と共に色付き始める富士。
表情豊かに移り変わる富士の景色を心ゆくまで楽しんでください。

また木漏れ日を感じながら富士信仰に続く道を歩き
富士山の恵み湧き出る湯の中で、ゆっくり手足を伸ばしながら
心身共にリラックスしてください。

そして美しい富士の御姿を様々な角度から満喫し
心の底から幸せを感じてください。

苦難に挑戦する富士山ではなく
ただただ、富士の恵みに触れ、雄大な景色に心躍らせる時間。
それが私たちTENがお届けする『富士三昧』ツアーです。

ぜひ、この豊かな時間をご一緒いたしましょう


<ツアー代金に含まれるもの>

東京〜富士山駅(河口湖駅)交通費/河口湖駅〜五合目(往復交通費)
宿泊代・朝・夕食代/2日目 夜:温泉代/3日目周遊移動交通費代
/ガイド代 ) 


<ツアー代金に含まれないもの>
昼食代

お申込み・内容は http://www.office-ten.net/fujizanmai/t.html


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◆◇編集後記◆◇
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9月に行う『富士三昧』ツアーの前に…

天川講の代表代理として、来週26日に行われる富士山の
山閉神事「鎮火祭」、通称「吉田の火祭り」へ参列して参ります。

実は、住まいの直ぐ近くのお寺には、富士講中興の祖といわれる
食行身禄(じきぎょう みろく)さんのお墓があり、今回の大切な
お役目の前にしっかりとお参りしてから出発しようと思います。

                         アキ