2018/11/30━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


     ☆★☆ TEN's magazine  第848号  ☆★☆   
  

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こんにちは!天川 彩です。

明日から12月ですね。いよいよ今年も残すところ後一ヵ月。まだ一年
を振り返るには早いのですが、今年はTENの20周年というアニバー
サリー年だったので、何かと思い出に残ることがいっぱいの年でした。
そして残り一ヵ月の間に、まだまだ色々ありそうな予感。

福岡と大分で行われる講演会とカチーナ展で、また新たな出会いが待
っていることと思います。また大分のカチーナ展が終了したら、宮崎
に移動して3年ぶりに銀鏡神楽にも行って来ることにしました。
銀鏡神楽のことは、3年前にメルマガで書きましたが、思い出すだけで
胸が熱くなります。

いつの日にか、タイミングが整った時には、TENのツアーで皆様を
ご案内できたらいいな、と思っています。

どのような神楽なのか、勝手にタナカ企画のパクリ?になりますが、
かつて書いたコラムのアーカイブス載せます(笑)

それから、前々からメルマガで書き続けている私がずっと取り掛かって
いるミッション。どうにか次の段階に入りました。

ゴールは遥か遠くですが、挑戦することがあるということは、なんだか
ワクワクします。神様が微笑んでくださるよう、自分に出来ることを、
今はただ精一杯に…という感じです。

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 ◆◇コラム・風の紋様◆◇
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□「受け継がれているもの」


宮崎県の奥日向と呼ばれるところに、銀鏡地区がある。周辺には縄文遺
跡があり、太古よりここで人々が営みを続けてきたことがうかがえる。

銀鏡と書いて「しろみ」と読む。この場所は日本神話と繋がっている。

神代の昔、高天原から降り立ったニニギノミコトは、ある時、美しい娘
コノハナサクヤヒメと出会う。結婚の許しをもらおうと、父親であるオ
オヤマツミに会うと、姉のイワナガヒメも共に嫁にして欲しいと言われ
る。しかし、イワナガヒメの顔を見たニニギノミコトは、好みに合わな
いからと返してしまう。

拒絶されたイワナガヒメは、自分の顔を鏡で見るのだが…あまりの醜さ
に驚き、鏡を遠くへ投げ飛ばす。鏡は奥日向の龍房山の木に引っかかり、
異様な光を発するようになる。昼夜問わず白く見えたので、里人たちは
やがて、この地を「白見」と呼ぶようになった。

鏡が飛んだ地に住むと決めていたイワナガヒメは、この噂を聞きつけ、
龍房山の麓に暮らすようになる。その鏡が白銅鏡であったことから、後
にこの地は「銀鏡」と記すようになった。その鏡をご神体とするのが
「銀鏡神社」である。

そんな「銀鏡神社」で、五百年続く神楽がある。国の重要無形文化財に
指定されている「銀鏡神楽」だ。

十二月十四日から十五日まで、毎年、夜を徹して神に舞が奉納されるの
だが、その時、神として崇められる「面様」と呼ばれている神楽面が登
場する。

神楽の中で「面様」を着けた舞人が登場すると、村人たちは一斉に白紙
に包んだお賽銭を投げ、二礼ニ拍手するのだ。まさに神人合一。ホピが
カチーナ面を着けた時と同じだと思った。

神楽は修験の流れを汲み、問答を行なったり真剣で舞うものがいくつか
あったのだが、中でも感動したのが「綱神楽」又は「蛇切り」とも呼ば
れている神楽だ。祝(ほおり)という何人かの舞手が踊った後、龍の頭
をつけた二体の藁蛇が置かれ、刀で切り落とすのだが、これは智験で人
の中にある邪念を切り祓うものだそうだ。

「邪は外にあらず我が内にあり」というところだろう。

一糸乱れぬ舞いや拍子は、稽古のたまものだろうが、とにかくこの集落
の人々は強い信仰心で神楽を奉納している。私はそう肌身で感じた。

また、この集落は、縄文の頃からの狩猟文化を守り続けている。
長野県の諏訪大社にも、御頭祭という狩猟の神事が残されているが、こ
の銀鏡神社の神事も、まさに狩猟神事といえるものだった。

神楽の祭壇には、猪頭が七頭あがっていた。猪の数はその年によって異
なるらしいのだが、それらは神への捧げものではなく、神そのものだと
ということだった。

そして、夜神楽が終了した翌朝。銀鏡川の河原で行われた「ししば祭り」
は、まさに原始の神事、命の神事ともいうべきものだった。

古来から変わらぬ狩法の作法にのっとった、年に一度行なわれる鳥獣へ
の供養祭だという。神が肉を背負い恵みをもたらしてくれたことへの感
謝をあらわす神事でもあるということだったので、アイヌのイオマンテ
や、マタギのケボカイとほぼ同じ意味合いのようだ。

河原に上、中、下と神籬となる御幣が置かれ、中座に祭壇が設けられて
いた。同時進行で少し離れたところに火起しの場もつくられている。そ
こで、神として祀られた猪の頭が決まり事に則って準備されていたのだ
が、まずは左耳だけ切り落として7切れを串に刺し御幣の横に置かれて
いた。猪の御霊がそのままあるようだった。

ちなみに、左耳を添えるのは、神の座が右より左の方が高く神聖である
こと、そして耳は祝詞の音霊を聞き届ける事が出来るからだそうだ。

猪頭はじっくりと焼かれていた。きちんと焼き上げるほど、神の霊力が
あがり供養になるらしく、焼いている中で祝詞があげられていった。

祝詞が終わると、その場にいた全員に清めのお神酒が配られ、最後に竹
串に刺した猪の頭の肉を直会としていただいた。

まさに命をいただき、その循環に感謝する神事だと実感した。

縄文の世から今に受け継ぎ、森羅万象、命への感謝の祭りが今に続いて
いる。そして、次世代を担う子どもたちが神楽に参加している姿を見て、
日本の未来に希望を感じた。師走の中、宮崎へ行き大切なことを受け取
って来た気がする。


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 ◆◇お知らせ◆◇
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  『天川 彩 講演会』&『HOPIカチーナ展』
      
       ともに 九州 初上陸!!
 
    九州の皆さん!ぜひお越しくださ?い!!
 
 
 
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                  【カチーナ 展in福岡】
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    2018年12月7日(金)?12月9日(日)
   
    11:00?18:00(最終日のみ17:00)
   
      *3日間限定 入場無料
   
   http://www.hopi-japan.com/fukuoka.html
 
   会  場:ギャラリー『KASHIZUKU』(カシズク)

   アクセス:西鉄福岡大牟田線「平尾駅」より徒歩5分

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     12/6(木)アクロス福岡で講演会! 
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      <天川 彩 講演会in福岡>

 「HOPI」?平和の民から教えてもらったこと?

 
【日時】12月6日(木)開場18:30 開演19:00

【会場】アクロス福岡 円形ホール *要予約 1000円

【申込】http://www.hopi-japan.com/fukuoka-talk.html
TEL 03-5834-7675 (HopiショップSun&Rain)

    TEL 090-8623-7014

(平和の民「HOPI」を知る福岡実行委員会 担当:角(スミ))



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                  【カチーナ展in 大分】
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     2018年12月11日(火)?12月13日(木)

     11:00?18:00 *3日間限定 入場無料

    http://www.hopi-japan.com/beppu.html
 

    会  場:ギャラリー『たんぽぽりん』
    アクセス:「別府駅」より徒歩10分
 
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          12/10(月)トークイベント!☆☆
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    <天川 彩 スペシャルトークin大分>

   「HOPI」?平和の民から教えてもらったこと?

   http://www.hopi-japan.com/beppu-talk.html
 
【日時】12月10日(月)開場18:30 開演19:00
【会場】カレーやmomo 

*要予約 1000円+1ドリンク

【申込】http://www.hopi-japan.com/beppu-talk.html

TEL 03-5834-7675 (HopiショップSun&Rain)
    
  TEL 090-6775-2503

(平和の民「HOPI」を知る大分実行委員会 担当:のなかたんぽぽ)


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             九州初開催!『カチーナ 展によせて』
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平和の民という意味を持つ、アメリカ最古の先住民族Hopi族。
アリゾナの砂漠地で静かに暮らす彼らは、世界の平和を祈る為の
儀式を一年通じて行っています。
 
彼らのアニミズム的感覚は日本人に近く、森羅万象のスピリット
が宿るとされる精霊カチーナは、まさに日本の八百万の神々のよう。
その数は、なんと300種類以上あるといわれています。
 
そんなスピリットを宿した「カチーナドール」は、
ホピの人々のみならず平和を愛する多くの人々に愛されてきました。
 
九州では初となるカチーナ展。
どんな方々の元に精霊カチーナたちが旅立っていくのでしょうか。
また、カチーナ同様にホピのスピリットが込められたホピジュエリー
もたくさんお持ちいたします。
 
貴重な機会ですので、皆様お誘いあわせの上、ぜひお越しください。
 
皆様のご来場、心よりお待ちいたしております!

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 ◆◇編集後記◆◇
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昨年から今年にかけて、幾度も入退院を繰り返していた義母。
入院する度「今度退院したら温泉旅行に連れて行ってあげるから、
とにかくリハビリ頑張って」と励まし続け、無事退院。でも私や夫
の出張でなかなか日程調整が出来なかったりしているうちに、再び
入院という繰り返しで…その都度、ガッカリさせてしまっていたの
で…。

今度こそ、その約束を果たしたいと退院の日程が決まった日には、
宿を予約。数日前、無事退院。お医者様のお許しももらったので、
明日から1泊2日ではありますが、義母を温泉旅行に連れて行くこと
にしました。お天気にも恵まれそう。行き先は内緒のちょっとした
ミステリーツアー。義母の喜ぶ顔が今から目に浮かびます。
                          aya