2016/11/19━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

     ☆★☆ TEN's magazine 第745号  ☆★☆   
  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net

こんにちは!天川 彩です。

東京は落葉のシーズン真っ只中。何処もかしこも、枯れ葉がいっぱい
です。北海道では突然の大雪で、銀杏の葉っぱが色づく前に雪の重み
で落ちてしまい…ちょっと可愛そうでした。なので、季節の変わり目
として自然なかたちで葉っぱが落ちているのを見ると、ホッとします。
ただ、雪の重みで葉っぱが落ちてしまうのも自然の作用ですよね。

人間も自然の一部ですから、この世に生まれた限り、この世から去る
のも自然なことで…それを止めることも留めることもできません。
また、その去り際も、どんなかたちが待っているのか、自分では決め
ることが出来ませんよね。そう思うと自分も一枚の葉っぱのような気
がしてきました。自然と朽ちるのか、それとも強い風などで吹き飛ば
され散るのるかわかりませんが…命ある限りは精一杯、この命を輝か
せていたいと思います。

さて、先週もお知らせしましたが、今度の日曜日、11月20日ですが、
急遽、ホピ族の人がHopiショップ「Sun&Rain」にやって来る
ことになりました!

流れってホント不思議です。

実は、今年の夏まで11月には、Hopiの伝統的な暮らしを今も頑固
に守り続けている若き友人が来日する予定で、東京と大阪に滞在予定
でした。東京滞在中は私にアレンジを任されていたので、11月20日に
都内でイベントを開催しようかな、と思っていました。しかし大阪で
アテントする予定だった友人の都合がつかなくなり…来年に延期。

その後、湘南方面の方が、私の講演会を11月20日に企画して下さって
いました。しかし、それも主催者側の方の都合がつかなくなり消えて
…。最終的には、たまたまこの時期に他の用事で来日されることにな
っていた、ホピのジュエリーアーティスト、スティーブ・ラランスさ
んが、知り合いの日本人の方からお店の存在を聞き「是非、行ってみ
たい」とのことから、今回の流れになったのです。

思えば、ずっと11月20日はHopiに関するイベントが約束されてい
たようです…。

スティーブラランスさんが作るシルバージュエリーは、トゥファと呼
ばれる手法で作られています。これはホピの人々にとっての聖山であ
るサンフランシスコピークスの山頂に滞積する、1000年前の噴火で出
来た火山灰を使って作る、独特のもの。

詳しくは本文でご紹介しますが、ホピの大地に行かずとも、ホピのア
ーティストからHopiジュエリーが直接購入できる、滅多にない絶
好のチャンスです!

明後日の日曜日、もしもご都合つきそうだと思われる方。ぜひ!ご来
店ください♪心よりお待ちいたしております。

そして…来週後半からまたまたホピの大地へ行って参ります。実は…
今回から取材も兼ねてのホピ行きです。そうです。本を書くのです。

前々から、ホピに関する本を書いてほしいというリクエストは方々か
ら頂いていたのですが…。自分の中でどうしても動くものがなく、書
こうという気持ちになれませんでした。なぜなら、ホピの人々の独自
の文化については、既に紹介されている本がいくつか出ていること。
そして、ホピの生活の中心に儀式があるのですが、それらの写真も録
音もスケッチも一切が禁じられていること。
何より、彼らがそうした秘儀を外の人々に知って欲しくはない、とい
うスタンスを十分に理解しているので…何を書いたらよいのやら…と
いう感じでした。

しかし、先月、新聞社の編集委員になった関西時代からの友人が、事
務所へ遊びに来てくれた際「是非、20年近く関わっている天川さんだ
からこそ書ける、平和の民・ホピ族に関する本を執筆してよ」と言わ
れ…いろいろ話をしているうちに、自分なりに書きたいテーマが見え
てきました。それは、ホピの人々へのインタビュー本です。
今、私が各地で講演しているのは、託された映像と、チーフや長老た
ちからの伝言です。でも、私が関わっているのは、伝統を守りながら
世界の平和を祈り続けている圧倒的大多数の普通の人々です。

そんな大勢の子どもたちや若者たち、女性たちやお年寄りたちなど。
「平和の民・Hopi」であることに誇りを持った人々から、平和に
ついて未来について思うことを語ってもらい、沢山の声を集めたいと
思ったのです。そしてそれなら出来る!やりたい!とも思いました。

ホント神様っていますよね。

その翌日。なんと出版コーディネータ―の仕事もしている友人が事務
所を訪ねてくれたので、その話をしてみると…。
「本にしましょう!出版社は責任もって私が探して決めるので、とに
かく、天川さんは直ぐに取材を始めてください」という流れに。

そんな訳で急遽、現地の友人知人たちにも連絡して、動き始めること
にしました。

勿論、ホピショップの仕入れも大事なお仕事。既に300体以上のカチー
ナたちが日本中に旅立ち、数え切れないほどのホピジュエリーがそれぞ
れの方のお守りとなっています。今回も、どなたかのもとに旅立つ、大
切なカチーナたちやジュエリーを大切に日本に持って帰ってきますね。

そうしたものに関わらせていただけることに感謝しかありません。

さーて。前置きが長くなってしまいましたが…今日は久しぶりにコラム
も書きますね。ここのところ、ずっと気にかかていることです。

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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・コラム・風の文様==========「カチーナ人形について」
2・TEN’s占い=========「今週はタロットカード占い」
3・1日限定特別企画==「HopiショップにHopiアーティスト 来店!」
4・編集後記====================「あとがき」
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【1】◆◇コラム・風の文様◆◇
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□「カチーナ人形について」


先日、ある男性がホピショップにやってきた。開口一番「本物のカチー
ナを見てみたくて」というのでじっくり見てもらったのだが、その男性
がその後話した言葉に驚いた。

「私たちの地元でカチーナ人形作りをみんなでしているんです」という
のだ。

「え?カチーナですか?」と聞き返すと、普通に「そうです」という。
それぞれに自分が思うところの精霊のかたちを作っているのだとか。

ホピの人々が聞いたら何というだろう。悲しむ人もいれば激怒する人も
いるかもしれない。反応は多分人それぞれだろうが、どちらにしても喜
びはしないだろう。それほど彼らは、独自の文化が他者の手で勝手に搾
取され、嫌な思いをしてきたのだ。

彼らにとってカチーナは信仰そのものである。

それを象った人形といえども、作るのには厳密なルールがあり、顔や体
に描かれた配色なども詳細な決まりごとがある。いや、それ以上にカチ
ーナは儀式に参加できる有資格者、いわゆる宗教儀礼を正式に受け、決
して外部に知られることの無い秘儀をも理解している人々が関わり、カ
チーナ人形もソサエティに入っている人々が作るものとされている。

わかりやすくいえば、カチーナ作家は仏師に近いのかもしれない。仏像
は誰でも木を仏に似せて彫れば仏になる、というものではない。仏の世
界を十二分に理解し修行を重ねたものが、その姿を彫り、最後に入魂や
開眼という儀式を終えてはじめて仏像となる。仏像とカチーナとは、存
在も考え方も異なるが、どちらも信仰が原点にあり、それに携わる人が
作るものであるという共通点がある。

始まりは定かではないが、カチーナ信仰に伴い、カチーナ人形も数百年
前から作られているという。現在でもカチーナ儀式の終わりにカチーナ
(精霊面をつけ独特の衣装を身にまとった存在)から、女の子たちにカ
チーナ人形が手渡されている。それらは、カチーナの姿や役割を学ぶも
のであり、同時に家宝として飾られている。ホピ以外の地にもカチーナ
人形が出るようになったのは1870年代。アメリカの地理学者、ジョンウ
エスリー・パウエルという人物が一番最初の購入者だと伝わっている。

その後も、その愛らしく神秘的な存在に魅せられた学者や芸術家たちの
間で広まり、今では「HOPIのカチーナ人形」といえば、欧米ではかなり
認知度が高いものとなった。

しかし、そもそもホピのカチーナは、大量生産されているわけではなく、
全てが一点ものであるため、絶対数が少ない。

そんな知名度を利用して、流通しているのがカチーナ風お土産人形だ。
グランドキャニオンやモニュメントバレーといった観光地のお土産物屋
さんに行くと、定番のお土産品として安く売られている。
カチーナにかなり酷似しているので、本物のカチーナを見たことがなけ
れば「これが有名なカチーナか」と程よい土産に最適かもしれない。

そんな現状に、ホピの人々はどれほど心を痛めていることだろう。

ホピショップにも時折、自分の家のお土産カチーナ風人形を写真に撮り
「これは、何のカチーナですか?」と画面を開いて質問する人もいる。
そんな時は答えにくいが正直に「それは残念ながらカチーナではありま
せん」と返答するしかない。

その原因の一つに、日本のインディアンショップの人々の中にも、違い
がわかっていない人が多いということもあるのだろう。
あるネットサイトでは、ナバホ製のカチーナ風お土産人形を沢山取り扱
い、説明書きには「ホピのカチーナについて」と書いてあった。これで
は、消費者が間違って購入してしまうはずだ。

日本でここ数年、カチーナが少しずつ知られるようになってきた。
文頭に書いた男性もそんな中の一人なのだろう。
愛嬌がありながら神秘的な存在であるということや、カチーナには役割
や働きがある、ということも魅力がある。だから、「カチーナ作り」を
してみよう、などと安易に考えたのだと思う。

本当に精霊カチーナやカチーナ人形のことを正しく知っていたとしたら
そんなことは出来ないはずだ。ホピの人々が子どもたちに、配色や姿を
覚えさせるために、ペーパークラフトを使って色塗りや工作をさせるこ
とはあるが、間違っても、自由な発想でカチーナに似せた人形を思い思
いの色で作らせたりすることはありえない。

私は全く知らなかったのだが、その男性の話によると、数年前から木彫
りや陶芸でカチーナ人形を作ることが静かなブームになっているらしい。

それもこれも、世の中に認知されてきた証拠であり、過渡期として、こ
うした現象が起こることはある程度は致し方ないのだろう。

ただ、ホピの人々にとって、特に忠実にカチーナ信仰の中で生きている
人々にとって、それは決して喜ばしいことではない。
思い思いの精霊人形作りは大いに結構。しかし、それに「カチーナ」と
名づけたり、似せた人形作りは、ある意味文化の冒涜だと思う。

ちなみに、その男性が「この人形、正しくは『カチーナ』ですか『カチ
ナ』ですか?と聞いてきた。最近、同様の質問を時折される。
正直な話、どちらでもよい。なぜなら、ホピ語は元来文字ではなく口頭
で伝えられてきたものだ。そこに文字をあてているだけなので、英語表
記でも「Katsina」「Katcina」「Kachina」と様々だ。私はつい最近まで
一つ間違った認識をしていた。それは、ホピのカチーナは「Katsina」と
表記されており、それ以外のカチーナ風お土産カチーナには「Kachina」
と表記されているとばかり思っていたのだ。あるサイトの文章意にそう
記されていたので、きちんと自分なりに検証することもなく鵜?みにし
ていたのが間違いだった。

先日、北海道でのイベントの折、そのスペルの話をしたところ、ある人
が「ホピの所に行ったという人からお土産としてもらったのですが、底
に「Kachina」と書いてあるので本物ではないのですね…とガッカリされ
ながら、その写真を見せてくれたのだ。しかし、それは紛れもなく、ホ
ピの人が作ったカチーナだった。

東京に戻り、気になってさらに調べたところ、文字表記は作者によって
異なることがわかった。

日本語表記についても長年「カチーナ」と書いてきている学者もいれば
「カチナ」と書く人もいる。私たちは、20年近くホピの人々と接してき
て、皆「カチーナ」と呼ぶので音で聞いたまま書いている。

そのようなことは、デミグラスソースとドミグラスソース、スパゲティ
とスパゲッティ、どちらの表記が正しいか、というのと同じレベルの話
なのだ。

そんなことに拘るのなら、もう一歩踏み込んでホピの文化を正しく理解
し、勝手気ままなカチーナ作りなどしないで欲しい。

長々とこう書いていると、なんだか最近、ホピの古くからのしきたりに
頑固に厳しい友人と、少し自分が似てきてたような、そんな気がする。


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【2】◆◇TEN’s占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、
気楽に読んでくださいね。

今週は[タロットカード]で一週間の運勢を占ってみました。

2016年11月19日(土)〜11月25日(金)

<1月生まれ>
何事も積極的になる一週間となりそうです。ただ、何も考えず動いてし
まうきらいがあるので、まずは一度しっかり考えてから動いてみてね。

<2月生まれ>
迷いが多いかもしれません。でも、信念を持って突き進めば、遠い先に
あなたが思った通りの結果が待っていますよ。今は、迷いを払しょくす
る時です。

<3月生まれ>
今まで見えていなかったものが見えてくる一週間となりそうです。また、
あなたを拘束していた鎖も解き放たれる時がやって来ました。自由にあ
なたらしく動いてみてね。

<4月生まれ>
平常心が問われています。気後れしたり、緊張しすぎたりしないで、冷
静にあなたらしく振舞えば、良い結果が待っていますよ。

<5月生まれ>
子供のような感性で自由自在に動き回ることができるでしょう。ただし、
他人に意識を向け過ぎると良い結果に繋がりません。今は自分のことに
集中してね。

<6月生まれ>
新しい計画が次々と思い浮かびますが、今はそれを行動に移す時期では
ありません。今週は、近い将来の為、綿密な計画を重ねていてね。

<7月生まれ>
人とのコミュニケーションがスムーズに行く一週間となりそうです。あ
なたから積極的に動くと、さらに良い結果に結びつきそうですよ。

<8月生まれ>
何もかも自分で押し進めてはいませんか。今週あなたに必要なことは、
協調性です。人と足並みを揃えながら、しっかり前に進んでみてね。

<9月生まれ>
目的を達成する為には手段は選ばない、という考えに陥ってはいません
か。今週は急いで結果を出そうとはせず、今一度立ち止まり、冷静に状
況を見つめてみてください。

<10月生まれ>
あなたが持っている大きな力を発揮する時です。今のあなたなら、風を
起こす勢いもありますよ。

<11月生まれ>
今まで慣れ親しんできたものと別れなければならないかもしれません。
でも、それは新たなるものとの始まりでもあります。去る者追わず、来
るもの拒まず、自然体でいることが最良の策です。

<12月生まれ>
大きな転換期を迎えています。新たなる自分と出会うため、不要なもの
は手放してください。次への扉が開くはずですよ。



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【3】◆◇1日限定 特別企画!◆◇
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         /特/別/企/画/

  〜Hopiショップにホピ族ジュエリーアーティストがやってくる!〜

   
      初来店!Hopi族のジュエリー作家
       スティーブ・ラランスさん
 
 作家本人と出会って、直接作家から作品が購入できるチャンスです!

◇◇****◇****◇****◇****◇****◇********◇****◇****◇****◇◇


◆日 時…2016年11月20日(日)11:00〜17:00

◆場 所…Hopiショップ「Sun&Rain」

◆アクセス 東京メトロ千代田線「根津駅」1番出口 徒歩3分

◆問い合わせ…TEL03-5834-7675(Hopiショップ)

◆詳細HP  http://www.hopi-japan.com/1120.html

◇◇****◇****◇****◇****◇****◇********◇****◇****◇****◇◇

平和の民ホピ族のつくるシルバージュエリーは、その一つ一つのデザイ
ンに意味が込められ、単にアクセサリーというよりは、お守りのような
もの。

精霊カチーナや自然界の様々な文様、動物などのデザインが銀に刻み込
まれ、その作業工程は全て手作業で丁寧に作られています。

儀礼などを通し清らかなスピリットで作られたホピジュエリーはまさに
身につける芸術品。

今回1日限定でHopiショップ「Sun&Rain」にホピ族のジュエリー作家であ
るスティーブ・ラランスさんが初来店!

ラランスさんは、高度な技術と美しいデザインでこれまでも数々の賞を
受賞。

ホピジュエリーは、彼らの神話や精神性をシルバーに刻み込んだもので、
持つ人のお守りにもなるようなもの。その多くはオーバーレイと呼ばれ
る糸鋸を使った手法で作られていますが、ラランス氏の作品はトゥファ
と呼ばれる手法で作られています。

トゥファとは、Hopi族の聖山、サンフランシスコピークスが1000年以上
前に噴火した際、山頂に固まった火山灰で出来た石を指します。そのトゥ
ファストーンにホピの神話や精神性に関わる紋様を刻み込み、高温で溶か
したシルバーを流し込んでつくるジュエリーは、ザラザラとした燻銀のよ
うな風合いが特徴。

ただ、高温のシルバーを流し込む時に石が割れやすく高度な技術を要しま
す。ラランスさんは、そのトゥファを確立した一人として知られています。

ラランスさんのホピネームはWikiviya。サンクラン(太陽族)である彼の
作品には、その象徴であるサンフェイスの紋様と彼のホピネームが裏にト
ゥファで刻み込まれています。

せっかくの機会なので、彼から紋様の意味や、そのジュエリーに込めた祈
りなど直接聞いてみてください。言葉が心配な方も安心して。スタッフの
きょうちゃんが頑張って通訳いたしますよ。

また、欲しいけど今は現金が…という方。カードも取り扱っています♪

こういう機会を待っていた!というホピジュエリーファンの方はもとより、
平和の民、ホピ族の人と直接会ってみたいという方も、どなたでも大歓迎
です!

みなさまのご来店お待ちしております!!

詳しくは・・・

http://www.hopi-japan.com/1120.html


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【4】◆◇編集後記◆◇
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今週のメルマガは、ホピ、HOPI、ほぴ…。冒頭にも書いたように、来週
からホピの大地へまたまた行って参ります。今回の旅の同行は、夏に引
き続きキョウちゃんが担当してくれます。戻りは来月5日。少し長いロン
グトリップになります。留守番はアキちゃんがしっかり見てくれます。
キョウちゃんの子どもたちは、というと熊本の彼女の実家で見てもらう
ことになりました。みんなの協力があってのTENです。
ありがたや〜。
                   aya