2023/10/20 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

☆★☆ TEN's magazine 第1088 号 ☆★☆

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こんにちは!天川 彩です。

ここのところ秋が少しずつ深まりつつありますね。間も無く、
急に寒くなって来るのでしょうが、今が一年で一番過ごしや
すく心地よい季節ではないかと思います。

そんな中、先週末は次女が出演したシェイクスピアのお芝居
を観に行きました。なんと、相談したわけでもないのに、長
女も息子も、そして夫も同じ日の同じ時間のチケットを取っ
ていて、ビックリ。

巨大な倉庫を舞台に、日本の伝統文化である能やオペラ、落
語家まで登場し、更に現代の感性が融合した、新感覚のシェ
イクスピア。予想以上に面白く、海外公演の話も出ているの
だとか。
娘が出ているとか関係なく、本当に面白い舞台だったので、
海外公演も是非して欲しいと思いましたし、何より国内で再
演して欲しいなぁと素直に思いました。

そして、一昨日と昨日の二日間、私は急遽北海道へ行ってお
り…。
Facebookには書いたのですが、実は数日前、母から、膵臓に
影が出来ていて検査になってしまったと電話が。膵臓といえ
ば、物言わぬ臓器とも言われているので、とにかく、心配で
心配で。

古くからのメルマガ読者の方の中には、覚えていらっしゃる
方もいらっしゃるかもですが、私も20年以上前に癌を患った
ことがあります。今は完治して、こんなに元気いっぱいです
が、当時の心情を振り返ると、お医者様から癌宣告を告げら
れた時は、やはりショックで辛かったです。

母は一人で大丈夫、と言っていましたが、こんな時には付き
添いがいれば安心ですし、出来る時に出来ることを…という
感じの日々なので、結果を聞きに行く前日夕刻、飛行機に飛
び乗りました。

そして昨日。朝、2人で病院へ向かい、診察室の前で待つ間
昨夜は眠れなかったと言う母の言葉を聞き、万が一の時には
私が勇気づけるぞ!と心に決めて、その時を待ちました。

そして、名前が呼ばれ中に入ると、検査の結果ですが…と言
った後、お医者は一息つかれ、そして、

「影は加齢に伴い膵臓の壁が薄くなっていたところに、脂肪
の塊が写っていたものですね。全く問題無いですから、もう
病院に来なくて大丈夫ですよ」と言うではありませんか!
もう、ホッとするやら笑えるやら♪

もしものことを考え、私は母の入院準備なども手伝えるよう
帰りの飛行機は夕方遅くの便にしていたので、ポカンと時間
が空いたのです。

「さて、それまでの時間どうしようか…。何でも無かったっ
て聞いたら途端に元気が出て、何処にでも行けるわよ!あな
たの行きたい所に行きましょう!」

それまでの母とは打って変わって、元気漲る言葉に安心し、
色々考えた末、私のリクエストで空港にさほど離れていない
『千歳市埋蔵文化財センター』へ行くことにしました。

北海道は北東北と共に、縄文遺跡群がユネスコ世界遺産に登
録されています。メルマガ読者の皆様ならよくご存知の通り
だと思いますが、私はこれまでも北海道や北東北に限らず、
数多くの縄文遺跡に行っています。千歳で唯一ユネスコ世界
遺産に登録されている「キウス周堤墓群」にも、以前、アイ
ヌの友人・スズサップノ良子さんに連れて行ってもらったこ
とがありますが、

およそ300ヶ所あるという千歳の遺跡から出土された品々
はまだ見たことがなく…。

千歳の埋蔵文化財センターは、平成17年3月末に閉校した
旧長都小中学校の旧校舎をリニューアル。昨年、平成22年
4月から収蔵資料の一般公開をしたこともあり、機会があれ
ば行きたと思っていた場所です。

母は間も無く90歳を迎えますが、昔から好奇心旺盛。私が
関心寄せていることにも、いつも関心を寄せてくれる、あり
がたい存在。

ホピの大地には3度共に行き、インド仏跡巡礼の旅も、屋久
島の縄文杉への道も…他にも数えきれないほど、色々一緒に
行きました。縄文遺跡もどれほど一緒に巡ったことでしょう。
アイヌのアシリ・レラさんの一万年祭には母一人でバックパ
ックで参加したこともあり…。

そんな母なので、千歳の埋蔵文化財センターに行く案、即座
に賛成してくれました。

千歳は縄文人たちのターミナル?と思わせる様な出土品がい
っぱい。中でも私のハートを鷲掴みにしたのは、オホーツク
文化圏のオホーツク土器が千歳のウサクマイN遺跡というとこ
ろから出土していたことです!

これまでオホーツク文化が残る遺跡も色々行っていますが、
オホーツクとは全く違う場所で、この形状の土器を見たのは
初めてです。(学芸員さんのお話では、千歳の隣・恵庭のカ
リンバ遺跡からも出土しているとのことで、恵庭の資料館で
は見逃していました)

また、千歳の縄文遺跡の出土品で最も有名なのは、美々遺跡
から出土した動物型土製品・通称ビビちゃん。架空の生き物
なのか、何なのかわからない、このキュートなものが出土し
た美々遺跡。その遺跡からは、糸魚川の翡翠も出てきていま
す。

時間に囚われることなくゆっくり縄文の世界を2人で楽しん
だあと「安心したらお腹が空いたわ~」という母の言葉もあ
り、空港に移動してお寿司屋さんへ。

ビールで無事を祝い乾杯したあとは、豪華海鮮丼を堪能しま
した。まだまだ人生楽しみましょう!という母の余裕の言葉
に、生きる力の強さを見た気がしました。

今週は、次女のシェイクスピアに始まり、母の膵臓癌かも?
騒動で終わるという、家族週間の様な時間でした。

東京に戻り、私も頑張らなきゃなぁと改めて思い、熊野の本
の改訂版の取材準備を進めています。

また、来月11月23日(木・祝)からカフェでは、あさい享子
絵画展『縄文の息吹き展』を開催。
ホピショップは11月23日〜26日まで、今年も一時的に
TEN'sスペースギャラリーとなり『糸魚川・翡翠展2023』
を同時開催しますよ!

皆様、是非カレンダーにスケジュール入れておいてください
ね。

ではでは、どうぞ皆様素敵な週末をお過ごしくださいね~。

aya

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