2022/08/26━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

☆★☆ TEN's magazine 第1031 号 ☆★☆

━━━━━━━━━━━━━ http://www.office-ten.net


こんにちは!天川 彩です。

夏が間もなく終わろうとしていますね。
先週、メルマガを書いた翌日、夫が神宮外苑の花火大会に連
れて行ってくれました。

やはり花火は美しく最高ですよね。
前から折に触れ言っているのですが、もしも来世生まれ変わ
ることが出来たなら、ホピの女か諏訪の男に生まれたいと思
っています。ホピの女は言うまでもなく、ですが諏訪の男に
生まれたならば、職業は花火師。御柱祭で奉仕し、花火玉で
人を喜ばせたいな、と。

でも、もちろん今の人生が不満な訳ではなく、今は今の人生
に感謝し、満足しております!

今週は、天河にも行ってきました。
とってもとっても大切な要件で。
本当は今週皆様にインフォメーションしようかとおもったの
ですが、まだ少し先になりそうですが、9月中にはお知らせ
しますね。

そのかわり??ということでもないのですが、今週はオフィ
スTENにとって大切なお知らせです。

オフィスTENでは、この度正社員を1人募集することにしまし
た!

これまで、何かあるたびにTENの仲間に声がけをして手伝っ
てもらったり、アルバイト募集をして、お店などで時給で働
いてもらったりしておりました。もちろん、大変助けられて
いるのですが、オフィスTENの運営にガッツリ関わりたい、と
思う方がいらしたら、アルバイトではなく、正社員としてオ
フィスTENで働いてみませんか??

月給や条件などは、ご応募いただいた方に直接お知らせいた
します。

まずは、メールで動機や自己紹介などを書いて送ってくださ
い。

ten@office-ten.net


それから…

 ~アイヌ神謡集をこの世に残した~
   知里幸恵 没後100年記念

 9月17日(土)&9月18日(日)
      2日連続特別企画!

ハミングバードカフェで開催します!

《軽食+お飲み物付き トークイベント》

  舞香(女優)×天川 彩(作家・プロデューサー)コラ
ボ企画

知里幸恵さんの生涯を一人芝居で続けている女優の舞香と、
20年以上アイヌ文化に魅了されている作家・プロデューサー
の天川 彩の2人が、10年ぶりにコラボ企画した2日間。

ただ今受付中です!

http://www.office-ten.net/ainu/e.html

【召天前夜祭 9月17日(土)】

17時30分〜20時30分
『知里幸恵と金田一京助がアイヌ神謡集にかけた思い』

●知里幸恵さんについて…舞香
●金田一京助先生とアイヌの人々…天川 彩
●『アイヌ神謡集』から アイヌの語り…スズサップノ良子
〜北海道と映像で繋ぎます〜

軽食+お飲み物付き  2,800円
限定20名

*17時30分よりに軽食をお出しいたします。


【100年目召天日 9月18日(日)】
14時〜17時

『知里幸恵 明日にかける想い』

●対談『知里幸恵 明日にかける想い』
舞香
×
天川 彩(作家・プロデューサー)

●お話 小野有五先生
「知里幸恵 東京での足跡」

●音楽と物語 舞香×いわさききょうこ
『銀の雫』

● 『アイヌ神謡集』から アイヌの語り…スズサップノ良子
〜北海道と映像で繋ぎます〜

*終了後 軽食をお出しいたします。

軽食+お飲み物 3800円


アイヌの人々は、長い間、口頭伝承により大切な言い伝えや物語
を語り継いできましたが、言語学者の金田一京助先生との出会っ
たことにより、アイヌに伝わる物語を初めて書き残した女性です。

ただ、もともと重い心臓病を患っていた幸恵さんは、本郷にある
金田一先生のご自宅で『アイヌ神謡集』を書き上げた9月18日に、
僅か19歳という若さで召天してしまうのです。

でも、幸恵さんが残した言葉は、宝石の如く今も輝いています。

私は、いつも知里幸恵さんが書かれた「アイヌ神謡集・序文」の
美しい日本語を読むと、目頭が熱くなります。

アイヌという部分を日本人と置き換えて読んでも
今の時代、全く違和感がありません。

いや、今だからこそアイヌの人々が語り継いできた命の伝承、神
々の話を私たちは知るべきなのではないかと思うのです。

http://www.office-ten.net/ainu/e.html


◎●◎ 『アイヌ神謡集』 ◎●◎ 

<序文>

その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました。

天真爛漫な稚児の様に、美しい大自然に抱擁されてのんびりと楽し
く生活していた彼等は、真に自然の寵児、なんという幸福な人たち
であったでしょう。

冬の陸には林野をおおう深雪を蹴って、天地を凍らす寒気を物とも
せず山又山をふみ越えて熊を狩り、夏の海には涼風泳ぐみどりの波、
白い鴎の歌を友に木の葉の様な小舟を浮べてひねもす魚を漁り、

花咲く春は軟らかな陽の光を浴びて、
永久に囀《さえ》ずる小鳥と共に歌い暮して
蕗《ふき》とり蓬《よもぎ》摘み、

紅葉の秋は野分に穂揃うすすきをわけて、宵まで鮭とる篝《かがり》
も消え、谷間に友呼ぶ鹿の音を外に、円《まど》かな月に夢を結ぶ。

嗚呼なんという楽しい生活でしょう。

平和の境、それも今は昔、
夢は破れて幾十年、この地は急速な変転をなし、
山野は村に、村は町にと次第々々に開けてゆく。

太古ながらの自然の姿も何時の間にか影薄れて、
野辺に山辺に嬉々として暮していた多くの民の行方も亦いずこ。

僅かに残る私たち同族は、進みゆく世のさまにただ
驚きの眼をみはるばかり。

しかもその眼からは一挙一動宗教的感念に支配されていた昔の人の
美しい魂の輝きは失われて、不安に充ち不平に燃え、鈍りくらんで
行手も見わかず、よその御慈悲にすがらねばならぬ、

あさましい姿、おお亡びゆくもの……

それは今の私たちの名、なんという悲しい名前を
私たちは持っているのでしょう。

その昔、幸福な私たちの先祖は、自分のこの郷土が末にこうした
惨めなありさまに変ろうなどとは、露ほども想像し得なかったの
でありましょう。

時は絶えず流れる、世は限りなく進展してゆく。
激しい競争場裡に敗残の醜をさらしている今の私たちの中からも、

いつかは、二人三人でも強いものが出て来たら、
進みゆく世と歩をならべる日も、やがては来ましょう。

それはほんとうに私たちの切なる望み、明暮《あけくれ》祈って
いる事で御座います。

けれど……愛する私たちの先祖が起伏す日頃互いに意を通ずる為
に用いた多くの言語、言い古し、残し伝えた多くの美しい言葉、
それらのものもみんな果敢なく、亡びゆく弱きものと共に消失せ
てしまうのでしょうか。

おおそれはあまりにいたましい名残惜しい事で御座います。

アイヌに生れアイヌ語の中に生いたった私は、
雨の宵、雪の夜、暇ある毎に打集って私たちの先祖が語り興じた
いろいろな物語の中極く小さな話の一つ二つを拙ない筆に書連ね
ました。

私たちを知って下さる多くの方に読んでいただく事が出来ますな
らば、私は、私たちの同族祖先と共にほんとうに無限の喜び、無
上の幸福に存じます。

大正十一年三月一日
知里幸惠


知里幸恵さんが書き残した、アイヌ神謡集に触れながら、思いを
共に寄せてみませんか?

是非、皆様のご参加をお待ちいたしております。

aya

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