2005/07/22━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆★☆ TEN's magazine 第174号 ☆★☆
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こんにちは!天川 彩です。
東京は、梅雨が明けた途端、連日暑い日が続いておりますが、皆さんの
ところはいかがですか?
子ども達は、夏休みに入りましたね。朝6時過ぎ、散歩の途中で近くの
神社に向う子ども達と多くすれ違いました。普段は、お年寄りばかりが
集っているラジオ体操ですが、やはり夏休みのラジオ体操は今も昔も子
ども達が主役なんですよね。
私も子どもの頃、毎朝通ってスタンプを押してもらいました。
それにしても、なぜ、ラジオ体操をしているお年寄り達は、何処でも決
まったユニフォームのように、白の上下を着ているのでしょう???
もっと、自由な方がいいのになぁ、と思うのは私だけでしょうか。
さて、9月に行う熊野ツアーの詳細が決定いたしましたよ。
昨年のツアーでは、高野山や吉野も行きましたが、今年は熊野をじっく
り巡るツアーです。せっかく、一年かけて熊野を見てきたので、わずか
4日間ではご紹介しきれないのですが、中でも素晴らしいところをチョ
イスしてお届けすることにしました。
昔、熊野比丘尼(くまのびくに)と呼ばれる女性達が、熊野権現のご利
益を解いて全国を行脚し、人々を熊野まで誘い案内したそうですが、な
んとなく、私は現代に蘇る比丘尼のような気分です(笑)。
そして、もう一つの大切な案内役…。
奈良・天河神社の七夕祭にも、年に一度ご案内します。
こちらは、そろそろ締め切りのが近づいてきていますので、考え中の方
はお早めに。
今週で撮影雑記は最終回です。
だから、ちょっと長いです。。。
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◇◇今日の目次◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇ ◇◇
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1・撮影雑記=======「森羅万象への旅路」最終回
2・TEN占い======今週は「トランプカード占い」
3・天河太々神楽講====天河・七夕祭ワーク2005
4・募集開始=======「熊野古道と聖域を感じるツアー」
5・編集後記=======ひとりごと
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【1】◆◇撮影雑記◆◇
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■「森羅万象への旅路」最終回
1月15日、熊野から東京に戻ったわずか1週間後、またまた私たちは
熊野へと向った。
今回の主な目的は、川の参詣道撮影だ。
川の路は、かつて熊野本宮から速玉大社まで進むために、多くの人々が
この川の路を利用して参詣道としていた。
その歴史的な事実から、川の路も世界遺産登録されている。
しかし、現在は川に沿って国道があることと、ダムが出来た関係でかつ
てのような水量が保てないことなどから、舟で本宮から新宮へ下ること
は容易ではない。
写真家のクスモトさんの紹介で出会えた、ショウジさんの心意気で、特
別に舟での撮影が可能となり、11月のロケハン以来、2度目の川の路
だ。有難いことに、天候にも恵まれた。
本当に最高の撮影ができた。
東京に戻った直後、女優をしている友人の高樹沙耶さんから電話がかか
ってきた。
「アヤさん、今年の節分祭、天河に行くの?」
水の神であり、芸能の神でもある天河神社は、フリーダイビングをする
女優の彼女にとっても大切な場のようだ。2年前には、宮司様の計らい
で、一緒に川で禊もした。
今年の節分には、どうしても天河に行きたいと思ったらしい。
私達のスケジュールは、熊野・天河・熊野だったので、前半まで同行す
るという。
2月2日。
この日は、熊野市にある花の窟神社のお綱掛け神事が行われていた。
花の窟は、日本神話の中で、神産みの母として登場するイザナミノミコ
トの葬られているお墓だ。
ここに年に2度、2月と10月、大綱がかけかえられるご神事が執り行
われている。
なんと、日本書紀にその記述が記されており、この有馬村(現在は有馬
町)の人々は、2千年もそのまま守り続けているご神事なのだ。
幾度か、この花の窟の撮影はしてきたが、いつもはほとんど人がいない
この場所に、人が溢れかえるほどいる。
天気は、日本晴れ。
沙耶さんも私も、すっかり地元の人々の間に混じって、ご神事に立会い
大綱を地元の方々と一緒になって、持ち上げながら浜辺を歩いた。
前の年の秋、この場所で地元の男性達が大綱を編み上げている姿を思い
出す。長い長い時間、このご神事は変わることなく続いているのかと思
うと、有難さのあまり胸が一杯になった。
ご神事終了後、熊野からすぐに天河に向かった。
この日の夜は、節分前夜の「鬼の宿」と呼ばれているご神事がある。
これは、節分の日、随所で忙しく働かなければならない鬼神様に、この
日ぐらいは、ゆっくり休んでもらおうと、毎年新しく作られる真綿の布
団と、握り飯、そして手と足を洗う桶を置いておくもので、鬼の子孫と
いわれているこの地域の人々にとっても、重要なご神事なのだ。
天河は、温暖な南紀の気候の熊野とは、打って変わって白銀の世界だっ
た。
天河神社の多々あるご神事の中でも、特にこの「鬼の宿」と「七夕祭」
は、幻想的な雰囲気の中で執り行われる。それは、共通して薄ぼんやり
としたロウソクの火が印象的だから、そう思わせるのか、それとも究極
の緊張の後にある緩和の喜びが、そう思わせるのか…。
とにかく、美しいご神事なのだ。
鬼の宿、そして翌日の節分祭が終わり、いよいよ立春。
私は、長い間2005年の節分が明けると、時代の流れが大きく変わる
と思っていた。そして、節分が明けて立春がやってきた時、確かに何か
が大きく変わったような実感があった。
仕事の為、一足早く東京に戻る沙耶さんを見送り、翌2月5日早朝。
私は、なんとも不思議で有難い体験をした。
今までも、幾度か不思議な体験はしてきたが、こんなに強烈な体験をし
たことは初めてだった。
そして、それは私自身の役割を、改めて肝に銘じるきっかけにもなり、
目に見えぬ大いなる存在の、揺ぎ無い愛情のようにも感じた。
2月6日。
この日は、新宮市の神倉山で行われる御燈祭りの日だった。
この祭りは、女人禁制の男の火祭りで、約二千人の男たちが、松明片手
に、一気に下山してくるという、勇ましい祭りなのだ。
新宮市に着いたところで、カメラマンのケンちゃんと、ちょっとしたタ
イミングのズレから、はぐれてしまった。それも、カメラは私が持った
まま。この祭りは、カメラの撮影も女人禁制なのだ。
速玉大社の宮司様と、幾度も打ち合わせを重ねてきた重要な撮影の日だ
ったのだが、カメラマンのケンちゃんと連絡がつかないのでは、どうし
ようもない。
私は、このような大変なアクシデントが起こった時、いつも「これは必
要があって神様がこのようにしているのだ」と思うことにしている。
いや、事実そうなのだろう。
だから、むやみに焦ったり、パニックに陥ったりはしない。
穏やかに、冷静に過ごしていたら、きちんと事は運ぶのだ。
駅に行くと、なんと昔からの知り合いウスイさんが、時刻表の前に立っ
ていた。
ウスイさんは、知り合いの方に誘われて、御燈祭にやって来たらしい。
私は、とりあえずウスイさんと一緒に速玉大社へ向うことにした。
しばらくすると、ウスイさんの知り合いの方が現れた。なんと、菅原道
真公の直系のご子孫の方だそうだ。あまりのことに少し驚いたのだが、
その方から、一緒に中へ行きましょうと誘われたので通常、入れない場
所まですーっと入っていくことになった。
そこでは、登り子と呼ばれる氏子や崇敬者の男性達が、白装束に着替え、
大きな松明に願かけの言葉を書いていた。
そして、腰の綱を巻き終え準備が整った人たちひとり一人に、宮司様が
清めの酒を背中に吹きかけていた。
なんと清らかな人々の姿なのだろう…と私は一人感動していた。
そして、親子三代で登るという家族と知り合い、様々な話を伺った。
この地に生まれ育った人々が、どれほど自然と一体になること、そして
神々と真摯に向きあうことを大切にしているのかをじっくり聞くことが
できた。
私は、きっとケンちゃんとはぐれることで、この祭りの本質を知る必要
性があったのだろう。
結局、御燈祭の時間が迫っても、ケンちゃんとは連絡が取れなかった。
私はこの祭りの撮影を諦めた。何故なら、きっとそれは神様の意思なの
だろうと強く思ったからだ。
速玉大社でお参りを済ませた人々が、神倉山の御燈祭に皆、向った後、
人の気配がなくなった神社で、数人の人たちがお掃除をしている姿が目
に入った。
登り子の人たちが、互いに気合を入れる為、松明を重ねるのだが、勢い
余って、ぶつけ合いになっている人たちも多々いたようで、松明の木屑
が境内いっぱいに落ちていたのだ。
私は、神倉山の麓に行くことをやめて、掃除を手伝うことにした。
神社の境内は大きい。ふと気が付くと誰も人がいなくなっていた。
その時だった。
「熊野大権現」という言葉が、どこからか何度も聞こえてきた。
そうか、この映像のタイトルは「熊野大権現」なんだ!
そう思った途端、有難すぎて涙が出てきた。
そして、泣きながら、ケンちゃんに電話をかけてみると、なんと昼間か
らずっと通話できなかったのに、繋がったのだ。
多くは語ってくれなかったが、ケンちゃんも熊野の神様と対話しながら
1日を過ごしていたのだろう。
そうして、私たちは東京に戻って来た。
その後、4月に最後の補足撮影に熊野へ行った折、新宮市観光協会のテ
ラマエさんという方といい出会いをした。有難いことに、御燈祭りの映
像部分は、テラマエさんの知人の方が以前撮影していたものを使わせて
いただけることになった。
こうして、熊野の撮影は全て終了した。
その後これまた熊野の神様の導きとしか思えない不思議な出会いで、編
集や音楽、デザイナーなど、それぞれ熊野と何らかの縁のある人々と繋
がり、一つの作品として出来上がった。
この作品は、評言社という出版社からの依頼から始まり、私は監督とし
て関わらせていただいた。
しかし、どう考えても熊野の神々…そう、熊野大権現のお手伝いをさせ
ていただいたとしか思えない。
私の力など、本当に微力なのだから。
終
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【2】◇◆TEN占い◆◇
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所詮、天川 彩が占っているものですので、あまり深刻にとらえず、気
楽に楽しんでくださいね。
今週は[トランプカード]で占ってみました
2005年7月23日(土)〜7月29日(金)あなたの運勢
<1月生まれ>
家庭運・仕事運とも絶好調です。ただし浮気心を出したならば、全てが
どんでん返しになるので気をつけてね。
<2月生まれ>
人を当てにしすぎるとトラブルが起こるかもしれません。今週は極力自
力で何事も成し遂げてね。
<3月生まれ>
今週のラッキーパーソンは女性の友人です。直感的に思い出した人には
電話やメールで連絡してみて。
<4月生まれ>
夢が叶う週となりそうです。金運もアップしています。でもなかなか運
勢があがらないと思った人は故郷へ行って見るとよさそうです。
<5月生まれ>
友達との関係が少しギクシャクしてしまうかもしれません。
そんな時に救いとなってくれるのは家族のようです。
<6月生まれ>
精神的に疲れることがあるかもしれません。昔からの友人に心を開いて
相談してみて。
<7月生まれ>
あなたの今週のラッキーパーソンは、あなたより年上のしっかりした人
です。何かアドバイスを受けたなら、ちゃんと耳を傾けてね。
<8月生まれ>
何事も順調に進みそうです。でも少し体力が落ちているので、夏風邪に
は気をつけてね。
<9月生まれ>
家庭運が絶好調です。でも仕事では少し孤独感を味わうかもしれません。
今週はなるべく早めに家に帰って、家族と一緒に過ごすようにしてくだ
さい。一人暮らしの人は、実家に電話してみてね。
<10月生まれ>
状況がどんどん変わっていきそうです。友達と共同で何かをするといい
面と悪い面が極端に出そうなので、動くときはよく考えてね。
<11月生まれ>
今週は精神的にちょっとイライラしてしまうかもしれません。なるべく
小さなことにはとらわれず、心を大きく持って過ごしてください。必ず
状況はよくなるので心配しないで。
<12月生まれ>
今週は思わぬ贈り物があるかもしれません。それは物かもしれませんし、
人との出会いかもしれません。なるべく誘いは断らず、参加してみてく
ださいね。ただし、うますぎる話だけには気をつけてね。
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【3】◆◇天河太々神楽講◆◇
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一年に一度だけ… 一番神聖なワークショップを行います
★ 2005年8月10日(水)〜8月12日(金)★
2泊3日
人
 ̄Y ̄ ◎天河太々神楽講2005 「天の川に祈る」
天河七夕祭ワーク
*
☆
*
天河神社の幻想的な旧暦七夕祭は、映画「地球交響曲 第5番」でも紹
介されました。
そんな幽玄なご神事の準備から後片付けまで、神社の方や村の人々と一
緒になってお手伝いをさせていただきます。神社でのご神事という意味
を知り、燈篭流しで先祖や多くの御霊と向き合いながら、天河という場
そのものを感じる為の、特別なワークショップです。
会 場:奈良県 大峯本宮天河大辨財天社と周辺
日 程:8月10日(午後2時)〜8月12日(正午)
現地集合現地解散
参加料金 :3万6千円(2泊6食付)2泊6食代+ワーク参加費
宿 泊:民宿 柿坂(自家栽培・無農薬野菜中心のお料理です)
定 員:12名(今回は少人数の募集。定員に達し次第締切りです)
申込締切 : 8月3日(水)
*今年の旧暦七夕は8月11日(木)です
太々神楽とは神人合一の境地に至ることを指します。講とは、集まりの
ことです。
人間は、その奥底で神と繋がっていますが、そのことに、体験的、実践
的に気付く為に古代から様々な修行法や浄化法が生み出されてきました。
神楽とは本来「神あそび」の意で、感性の深いところで神を味わい楽し
むという意味です。
太々神楽講では、難しい修行はしませんが、天河の自然の中で「神氣」
を楽しみます。
詳しいプログラムやお申し込みは
http://www.office-ten.net
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【4】◆◇募集開始!◆◇
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●天と大地に感謝する旅 Walk?●
〜日本の原郷・熊野へ行く〜
「熊野古道と聖域を感じるツアー」
2005年9月15日(木)〜9月18日(日)
3泊4日 羽田発着 88、000円
羽田関空航空運賃・現地移動交通費・宿泊代・食事代・ガイド代
定員 20名(最低施行人数 10名)
*関西空港から参加される方は20、000円引きになります。
*羽田空港以外からの飛行機利用の方は、別途計算いたします。
昨年、世界遺産にも登録された太古からの聖域、熊野。
このツアーでは、千年以上も昔から、いにしえ人たちが
その聖域を目指し歩いてきた道「熊野古道」を歩き、
熊野本宮大社、速玉大社、那智大社の三山を詣でます。
熊野の神々と類稀なる大自然を、肌で感じてください。
神話が今も息づく熊野。
今も祈りの精神が確かに守られている熊野。
「魂」再生の地、熊野。
そんな熊野を丁寧にご案内する旅です。
いつかは「熊野」へと思っていた方、
また、本当の「熊野」に触れたいと思っている方、
是非、ご一緒いたしましょう。
*ツアー3日目には、熊野の写真を撮り続けて40年。
熊野写真家の第一人者として、国内外で高い評価を受けている
楠本弘児さんに、特別にガイド役を引き受けていただきました。
楠本さん推薦の取っておきの「熊野」も是非、お楽しみに!
ツアーの詳しい情報やお申込みは
http://www.office-ten.net/kumano/2005/top.htm
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【5】◆◇編集後記◆◇
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言葉は面白いと思う。その語源を辿ると「へぇ〜」と思うことが多々あ
る。今日カメラを触りながら使い切れず「バカチョンの方がいいよ〜」
と叫んでいたら、ふと「バカチョン」ってどこからきているのか気にな
りはじめ、調べてみた。
すると、なんとバカは僧侶の隠語で梵語の「墓何」または梵語の「摩訶
羅」とあった。そしてチョンは、様々な説があるようだが、一番納得し
たのは野卑な文句のことを「ちょんがれ」と言っていたらしく、明治時
代に書かれた「西洋道中膝栗毛」という作品の中でも「バカだのチョン
だの…」と登場しているようだ。
う〜ん、本当はもっと高尚な仏教用語の話を書こうと思っていたのに、
やっぱり、私はバカでチョンなのね。。。
aya
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発行者 天川 彩
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