遠き想い
天川 彩
透明色した空のはて、
さざなみ寄せる白色の、
光の坩堝にゆらぐのは、
いつか見た世の、夢物語。
真綿の衣にくるまれて、
流るるままに、あるがまま。
君と話した昔話は、
いつか銀河の星くずとなり、
瞬きながら、僕らを見てるよ。
幾千万もの海の底。
深緑色した宇宙船、
ただ穏やかに揺らぐのは、
いつか聞いてた、子守歌。
小さな泡に包まれて、
君と歌った遠い記憶は、
いつか地底の白砂となり、
漂いながら、僕らを見てるよ。