ゆく年くる年』

年の終わりと始まり。
その過ごし方は、それぞれだと思うが、それぞれの家の伝統らしきもの
が垣間見えるのが、この年末年始の過ごし方なのではないだろうか。

我が家の場合、可笑しいくらい決まり事がある。
まず27日もしくは28日が大掃除。我が家はA型が4人もいるので、
皆妥協を知らない為かなり疲れる。普段していない証拠ともいえるが…。
29日は年末の買い出し。道産子は大量に料理を作るクセがあるらしく、
驚くほど買い込む。

おせち作りは29日の夜から始まり、30、31日と専念。私はおせち
料理を作らないと、年が越せない。
31日の夕刻、家族全員がお風呂を済ませ(1年の汚れを落とす)年越
し行事開始。年越し料理の内容や品数も厳密に決まっており、食しなが
ら一年の振り返りをする。
23時30分頃、年越し料理でお腹が苦しいのに、年越しそばを食べて、
紅白歌合戦の結果を見る。どうでもいいと思ってはいるのだが、一応我
が家の伝統なのだ。

私は、NHKの「行く年・くる年」に切り替わる瞬間が好きだ。それま
で紅白の大騒ぎをしていた場面から、急に厳粛な雰囲気の映像に切り替
わり、シャキンと背筋が伸びるような感覚だ。
この場面を見終わると、近所の神社へ初詣に向かう。

元旦の朝は、新品のお茶の封を開け、一番茶を飲みながら干し柿を食べ
る。かつて母に何故?と聞いたことがあるが、母もお婆ちゃんがそうし
ていたから…ということだった。
そこで、子ども達にお年玉を渡し、お屠蘇と御神酒をまわして一年の抱
負を順番に語り、それからお雑煮を食べる。
雑煮は、おすまし風味のスタンダードなものだ。

その後も、まだまだ続くのだが…。

ま、そんな感じで行事があるのも、ひとえに母がずっと伝統を守って教
えくれたからこそだと思っている。

我が家の子どもたちも、この過ごし方がきっと体に染み込んでいるに違
いない。