『宇宙の法則』

だいぶ昔の話になるのだが、雑誌の中である中学3年生の男の子が書い
た文章が脳裏から離れない。
「自分の未来がどうしても想像できない。このまま世の中が進んでいけ
ば自分が大人になった時、もう地球が無くなっているように思えてなら
ないから」。

この文章を読んだのは、10年以上も前になる。
彼は、何かの不幸に見舞われない限り成人しており、きっと社会人とな
っていることだろう。

思い描いたことは、必ずかたちになる。
これは、大昔から伝え続けられてきたことで、今更私が書くまでもない
ことなのだが、それはまさしく事実なのだと思う。
思い描いた未来に、寸分の疑いもなく信じきると、必ずそのようになっ
ていく。

私たちは、小学校の頃から教科書の上で歴史を学んできた。
そして教わる歴史の多くは、○○の戦い、△△の乱。
世界史にしても、日本史にしても、歴史=戦いと植え付けられてきたよ
うに思う。
年号と共に覚えこむ戦いの歴史。

そして、その戦いの歴史もそろそろ終局を迎えようとしている。
このまま戦い続け、争い傷つけあうことが続けば、人類は人類だけでは
なく、地球までをも崩壊させるべく術を取ってしまうかもしれない。
しかし、人類はそこまで愚かではないと思っている。

私の家には、平和の民と呼ばれているアメリカ最古のインディアン・h
opi族の村で、数年前に買ってきた、一本の弓がある。
その弓の裏に、hopi族の予言が描かれている。
それを買った時、hopi族の長老に説明を受けた。
人類は長い歴史の中で、過去四度に渡り、人類滅亡の危機を迎えている。
「現代はまさしくココだよ。四度目の歴史の終わりなのだよ。そして、
人類はどちらかを選ぶのだ。永遠なる平和か崩壊」。

私は人類が戦いという術を止めると信じている。
自分の明るい未来も想像できるし、次世代を担う子供たちの明るい未来
も想像できるのだから。

思い描くことは、必ずかたちになる。
これを、マーフィーは宇宙の法則といった。
近い未来、教科書に「以後、全ての国で武器を捨て、人類は二度と戦い
を起こさないと調印した」と書かれることを想像しよう。

「未来が想像できない」と書いていた少年が、「未来を創造できる」大
人になっていることを願うばかりだ。