力の配分』

ワールドカップが始まる直前、中田選手がテレビの取材に応えていた。

「このワールドカップで日本が勝つというとは、これからのJリーグ全体に
とってとても重要な意味を持ちます。だから、日本のサッカー界の為に
予選リーグで負けるわけにはいかないのです」というような内容だったと思う。

私は正直なところ驚いた。

中田選手といえば「サッカーは自分の為にしている」と言ってはばからない
ような人物だと思っていた。逆に言えば、だからこそ世界で通用する超一流選手
になれたのかもしれない。年俸や契約金がどれくらいなのかは知らないが、
確か桁外れの額だったように記憶している。

自分を極め、自分の幸せを徹底的に求めることに貪欲になる。
それは時として、とても利己的になる部分を持つのかもしれない。
しかし、究極に自分のポジションや幸せを掴むと、全体のことを根底から変え
ていく力も持つことが出来るのだ。この力の配分こそが、本当はとても理に叶
っているような気がしてきた。

恥をさらす様だが、私は今まで全く逆の生き方を選んできたようだ。

「まずは、世の中の為に動かなければ…。例え私がどれほど経済的に苦しくと
も辛くとも、世の中の為に頑張ろう。自分の幸せは、世の中が少しでも平和に
なることなのだから…」

しかし、実際には経済的に潤っていなければ様々な活動は継続できないし、
移動も出来なければ、イベントの準備も出来ない。
いつも、その矛盾にモンモンとなりながら、どうにかこうにか進んでいたが、
中田選手の言葉を聞いて、私の考え方が少し変わった。

私はまず、自分が幸せになっていいのだ。
自分が幸せあって、初めて人に幸せを届けることが出来るのかもしれない。
経済的にもきちんと力をつけて、社会的にもポジションを確立していこう。
それができたら、世の中を根底から動かす仕事ができるかもしれない。

やっぱり、自分が余裕を持つことが、一番肝心なのだ。

よーし、まずは自分の為に頑張るぞ〜!!