同世代』

先日、仕事の関係である雑誌編集部の女性が訪ねてきた。
ひとしきり仕事の打ち合わせを終えた後、年齢のはなしとなった。
そして同世代とわかった途端、10代の頃にはまっていた音楽などの話
で大盛り上がりとなった。
人は皆「今」に至るまで、それぞれの道を歩んでいる。
しかし、それまでどんなに知らないもの同士であっても何かの拍子に、
同世代ということがわかると、異様に反応するように思う。

ちなみに、私はかつて幾度かシリーズ放送されたTVドラマ「ふぞろい
の林檎たち」の主人公たちと同年代だ。

最近、ドラマやTVCMでは、やたらと昔ヒットした洋楽が使われてい
る。きっと、同世代の人とたちが、現場の責任者となり決めているのだ
ろう。見渡せば、私のまわりの同世代の人たちは、それぞれの仕事でそ
れなりに責任あるポジションについている。

社会に出て、およそ20年。
ずっと同じ会社で働き続けた人もいれば、転職をしている人もいる。
女性の場合、結婚して専業主婦になっている人もいるだろうが、育児と
両立して続けている人や子供に手が離れて、社会復帰している人もいる
だろう。

老後にもまだ少し間があり、かといって決して若くもない。
でも、それぞれの分野で培ってきたキャリアが、そろそろ花開く時期な
のかもしれない。

昨年縁が繋がり、女優でありフリーダイバーの高樹沙耶さんと親しくな
った。彼女も同世代。

沙耶さんとは、同世代という以上に驚くほどに共通点があった。
彼女は芸能界の表舞台で、私は制作側として若いころから動いてきたこ
と。バブルの時代、互いにバブリーな生活をしていたこと。でもそれは
決して心が幸せと感じていなかったこと。
自然の中にいると心地よいと気がついたこと。先住民族との出会いが自
分を変えたこと。同じ時期に、ほぼ同じような理由で離婚していること
などなど。

そして今。
自然と共に生きることは、心地よいということをそれぞれ培ってきたキ
ャリアを持って、互いに協力しながら伝えたえられることがあるのでは
ないかと思っている。

若い頃より、今の方が百倍楽しい。
これは、同世代で素敵に生きる仲間の共通した思いのようだ。