アリュート |
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荒れ狂う海を目前に、過酷な環境と共に生きてきたアリュート族。アザラシ、ラッコ、ウニや貝などの狩猟を中心に生活しています。動物に対して、自分たちの命を繋ぐものとしての敬意を忘れることなく、自然やそこにある全てとの調和を大事する暮らしています。ロシア人の侵略により、一時は消滅しかけるほど数々の受難の時期がありましたが、伝統的なダンス、歌などは、老人から子供へ受け継がれ、さらに若い世代も自分たちの伝統や文化をあたらしく作り始める動きが出てきています。
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アサバスカン |
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サーモンは彼らにとって特に大事な食べ物で、ムースやカリブー、ベリー類などの木の実などを採集して暮らしています。彼らの言葉にはアラスカだけで9つの方言があり、カナダやアメリカ大陸を合わせると、その数はさらに増えます。アサバスカンの人達にとってもっとも大事なことはスピリット。それを示す大事な儀式が「ポトラッチ」です。人が亡くなったときなど、さまざまな場面で開催されます。富と繁栄と気前よさを大いに人々にアピールする場面として大量の贈り物が準備され、交換されます。他にも「スティックダンス」や1月の初旬に春を迎える祭りとしておこなわれる「Nuchalawoyya,」など精神性を大切にする儀式が今なお残っています。
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イヤック |
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イヤック族はもともと少数の民族でした。ロシアから侵略をうけたときも、少数だった彼らは戦いや、強い抵抗をすることなく、いわれるがまま強制移住させられていきました。しかし、それが少数だったイヤックの人々の生き残るための戦術であり、現在は50名ほどのイヤック族が現存しているといわれています。ただし、イヤック語を話すことが出来る最後の長老は2008年既になくなっており、現在は彼女が生前に言語学者とまとめたイヤック語の本だけが残っています。
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イヌピアト |
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イヌピアトとは「真の人間」という意味でイヌイットの中でも部族の占める割合が大きく、北沖アラスカ、カナダからグリーンランドにいたるまで広く全域に分布しています。自分たちの言葉や文化を堅く守り、今でも自給自足の狩りや伝統的な集会などを大切に守っています。お金という観念はほとんど意味を持ちません。木の実の採集や、グリズリーやムース、海ではセイウチ、アザラシ、シロイルカなどの漁をします。「ダンス」はイヌピアトの人々にとって、さまざまな意味を持ち、シャーマンは踊ることによって精霊がその身体にのりうつり、悪いものから人々や村を守り、さらに動物のスピリットに向けて、収穫を祈願します。ダンスは、大漁の喜びを表したり、他の村々との交易のときなどに踊られ、時にはその場で創られ演じられたりもします。内容はユーモラスな物からシリアスなものまで様々ですが、ダンスはイヌピアトの伝統文化を次世代へ繋いでいくということに大きく貢献しています。
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クリンギット/ハイダ |
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主に南東アラスカ、カナダの西海岸に広く分布している人々です。この2つのグループは文化的に見るとかなり似たものがあります。一つにはクランとよばれる血縁を主軸においた構成があり、それぞれのクランごとに長老から受け継がれた神話や歌があります。この中でいくつかの神話は他のクランの人間に対して語ることは許されていないものもあり、それぞれが独自の神話を持っています。自分たちの名前はどうやって付いたのか。自分たちはどうやって今の大地へやってきたのか。なぜここに新鮮な水があるのか。などたくさんの物語が神話の中にあります。針葉樹の豊富な地域でもあるので、各クランのシンボルや神話を木に彫り込んだトーテムポールの文化の地域でもあります。
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